6月19日
国会図書館
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修士論文の作成に取り掛かった頃から、よく国会図書館を利用するようになりました。国会図書館は国会議事堂のすぐ裏手にあり、最寄駅は地下鉄の永田町です。JRの駅から歩くとかなり時間がかかります。
私は歴史関係の調査研究目的で国会図書館を使うわけですので、閲覧する資料の中には、明治時代をはじめ、かなり古いものが多く含まれます。そういう貴重書の多くは原本は閲覧できなくなっており、マイクロフィルムを使うことになります。マイクロフィルムには、多数のコマを収めた長いフィルムを巻き取った「リール」と、数十コマのフィルムを長方形の台紙に配置した「マイクロフィッシュ」があり、私が利用するのは主にマイクロフィッシュです。マイクロフィルムは、新聞や公文書、古文書などに使われることが多いようです。マイクロ化の主な目的は2つあり、1つは原本の劣化を防ぐこと、もう1つは保管スペースを節約することで、図書資料や古文書は主に前者、公文書などは主に後者の目的でマイクロ化されます。
ですが、困ったことに、私はどちらかと言うとマイクロ資料には「弱い」です。これは、マイクロ資料を扱ったことのある方にしかわからないと思いますが、マイクロ資料は紙の書籍とは異なり、ページごとの内容をスクリーンに投影させて閲覧します。素早くスクロールさせると、まるで新幹線の車窓から線路際の風景を見ているように、ものすごい速さで文字が左右に流れていきます。これをじーっと凝視していると、目が回って気分が悪くなってくることがあります。30分見ていると、一度休憩を入れないときついです。
しかもマイクロ資料の出納は時間がかかり、請求後30分くらい待つことになります。結局、国会図書館では資料を閲覧する時間より待ち時間や休憩時間の方が長くなりますので、事前に閲覧したい資料を絞り込む必要があります。
私が初めて国会図書館を使った時、意外に感じました。国会図書館の利用者は政治家やビジネスマンや学者が多いのかと思っていたら、利用者のかなりの部分を若い人が占めています。恐らく卒論やレポートを控えた学生でしょう。利用の手続もわりと簡単です。それほど敷居の高い場所ではありません。
意外だったのは、国会図書館にも入っていない刊行物が結構あることです。私が幼い頃読んだ記憶のある絵本やマイナーな学術誌など、NDL-OPACで検索してもヒットしないものもあります。一方で一部の同人誌など、予想外のものが収蔵されていたりもします。
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