6月 … 水無月・建未月(けんびげつ)・季夏(きか)・風待月 |
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6月30日
続・トヨタCMの疑問
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では、トヨタのエコ替えは、それを知らずに実施されているのかと言うと、そうではないはずです。しかし、自動車メーカーにとって、やはり一般消費者の環境意識の高まりによって車が売れなくなるのは死活問題なのです。そこで、消費者の環境意識に訴えかけて買い替えを促進させよう、というのが実態です。
私としては、自動車メーカーが環境負荷の小さい新型車をドシドシ売りたいのはよくわかりますし、それを宣伝材料にするのは良いことだと思います。しかし、古くなった車を、まだ使えるのに買い替えさせようとするのは疑問ですし、「ドシドシ買い替えることによって環境負荷が減る」という誤解を消費者に与えかねません。買い替えによって低減されるのは、車を走らせるのに伴う負荷だけで、車を作ったり捨てたりするのにかかる負荷については考慮されていません。更に、古い車でも使い方を工夫すれば負荷を減らせるわけで、買い替えだけが負荷低減の方法であるというような宣伝方法も、誤解を招きかねません。負荷をなるべく小さくする車の使い方を広めるのも、自動車業界の責務だと私は考えます。
また、自動車メーカーは環境負荷低減策として、燃費向上以外ほとんど考えていないように感じられます。実際には他にもいろいろやっているのかもしれませんが、少なくとも消費者には燃費性能以外あまり訴えていないようです。では、燃費以外の負荷低減策として何があるのかと言うと、例えば高速道路などでの定速走行支援(無駄な加減速やギアチェンジを防ぐ)、自動アイドリングストップ(バスなどではかなり普及している)など、結構いろいろあるはずです(AT車とMT車ではMTの方が燃費が良いのですが、現状、乗用車の大部分がATになっている上、限定免許の人もいるので、日本ではAT車からMT車への乗り換えを一般ユーザーに呼びかけるのは難しいと思われます)。
しかしどうしたことか、自動車メーカーは、環境性能や安全性能の向上対策として、積極的に取り入れているものと、「できるのに取り入れようとしないもの」があるようです。例えば安全対策ならば、「運転者がシートベルトを締めなければ一定速度以上出せない車」や「時速100キロ以上出せない車」などといったものを、私は聞いたことがありません(将来的には「運転免許証がないと運転できない車」はできるかもしれません)。
環境面や安全面で、自動車メーカーにはまだまだできることがたくさんあるのに、かなり選り好みしているような気がします。しかも、長期的には自動車業界にとって利益につながりそうなのに手掛けようとしないものも、多々見受けられます。日本のメーカーの限界なのでしょうかね…?
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6月16日
トヨタCMの疑問
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自動車は、一般家庭の所有物の中でも、最も環境負荷の大きい道具の一つです。従来、自動車を利用する時にかかるコストは、一般に、ガソリン代と通行料金と駐車料金くらいしか考慮しない人が多かったのですが、実は本来、それらに加えて「環境負荷のコスト」を考慮する必要があったわけです(海外では環境税が課されることもあり、環境負荷の埋め合わせが行われますが、それ故にガソリン価格がものすごく高かったりします)。環境負荷は、ある程度までなら自然が浄化してくれますが、利便性ばかりを追及して際限なく負荷をかけすぎると、そのしわ寄せがいずれ押し寄せます。
そういったわけで環境問題が重視されてきたわけですが、そうすると生産活動が低迷するとか、国際競争力が損なわれるとか、いろいろ理由をつけて、経済界は環境問題に積極的に取り組もうとしてこなかったのです。
しかし近年、環境問題は経済界にとっても軽視できない事態になり、また環境保全と経済活動の両立が試みられていることもあり、各メーカーも積極的に「環境にやさしい」をPRするようになりました。そうしないとモノが売れない世の中になってしまったのです。
さて、最近この環境問題を前面に押し出したテレビCMの中で、ちょっと気になるものが2つほどありました。トヨタと公共広告機構(AC)です。後者についてはまた後日、ということで。
トヨタは今、「エコ替え」( http://ecogae.jp/ )というキャンペーンをやっています。車を新型に買い替えることによって、燃費性能を向上させ、環境負荷を減らそうというものです。なるほど、これは一理あります。ガソリン1Lで10キロ走る車と20キロ走る車では、単純に考えれば後者の環境負荷は前者の半分ということになります。
だがしかし。このCMには、「まだ使えるけど買い替えよう」というようなフレーズがあります。新車にすることにより環境負荷は低減されますが、そのためにまだ使えるものを廃棄し、新しいものを作ると、大きな環境負荷がかかります。燃費向上による負荷低減と、新車製造・旧車廃棄による負荷増加、どちらが大きいでしょうか。燃費向上も確かに重要ですが、古いものでも使えるうちは大切に使う、新しいものの製造を必要最低限にする、というのが「MOTTAINAI」の精神です。それに、燃費性能の良くない古い車でも、使用頻度を半分にすれば負荷も半分になります。車を使わないと日常生活に支障が出る地方ならやむを得ませんが、都市部なら公共交通の利用で車の使用頻度を減らすことはできますし、地方でもパークアンドライドが可能であれば負荷を減らすことは可能です。貨物自動車(トラックなど)についても、モーダルシフトなどいろいろな方法があります。車のエコロジーは、新車への買い替えも一つの手段ではありますが、古いものを大切に使う、買い替え頻度を落とす、使用頻度を落とす、といったことで、新車への買い替え以上の負荷低減が可能になります。
(つづく)
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