雑記帳
トップに戻る
雑記帳の最新号へ
バックナンバー
2003年8月   2003年9月   2003年10月   2003年11月
2003年12月   2004年1月   2004年2月   2004年3月
2004年4月   2004年5月   2004年6月   2004年7月
2004年8月   2004年9月   2004年10月   2004年11月
2004年12月   2005年1月   2005年2月   2005年3月
2005年4月   2005年5月   2005年6月   2005年8月
2005年9月   2005年10月   2005年11月   2005年12月
2006年1月   2006年3月   2006年4月   2006年5月
2006年6月   2006年7月   2006年8月   2006年9月
2006年10月   2006年11月   2006年12月   2007年1月
2007年2月   2007年3月   2007年4月   2007年5月
2007年6月   2007年7月   2007年8月   2007年9月
2007年12月   2008年1月   2008年2月   2008年3月
2008年4月   2008年5月   2008年6月   2008年7月
2008年8月   2008年9月   2008年10月   2008年11月
2009年1月   2009年2月
(05年7月、06年2月、07年10・11月、08年12月の雑記はありません)

3月 … 弥生・花咲月・花月(かげつ)・佳月(かげつ)



3月17日   高速道路値下げと環境対策
 もうすぐ、休日に限り高速道路の通行料が1000円均一になります。但し、ETCを搭載した普通乗用車に限り、です。また、東京・大阪周辺は対象外です。
 麻生内閣は、これを景気刺激策だとしています。まあ確かに景気を刺激する手段の一つと考えることはできます。しかし、先日の朝日新聞の記事に、高速道路会社関係者の言葉として「天下の愚策」になりかねない、とありました。高速道路無料化を提唱した民主党、対して1000円均一を主張した与党、結果的には1000円で決着したわけですが、双方とも高速料金を値下げする方向でしか議論がなされておらず、それに伴う問題点があまりに軽視されているように思えてなりません。
 特に深刻なのは環境問題で、温暖化ガス排出元のうち、運輸部門に占める乗用車の割合はちょうど半分、しかもその割合は以前より上がっています(cf.国土交通省「運輸部門の地球温暖化対策について」)。この周知の事実を棚上げする形で、今回の高速道路値下げは“強行”されたわけです。京都議定書に定める日本の温暖化ガス排出目標の達成がほぼ絶望的となっているにもかかわらず、国政がこのような杜撰な状況ですから、国民の関心も環境問題に向きません。テレビの報道番組などで高速料金値下げについて一般の人にインタビューする様子を見ていると、ほとんどの人が値下げを歓迎しており、環境問題への懸念を示す人が非常に少ないのが気にかかります。
 ところが一方で、先日麻生首相がオバマ大統領と会談した時、アメリカ西海岸で高速鉄道の建設が計画されていることに関し、日本の新幹線の技術を売り込もうとしました。もともと日本以上の自動車社会であるアメリカで、大統領がオバマ氏に代わったことで環境対策により積極的になり、既に自動車依存型社会からの脱却が図られているわけでですが、それに便乗したのでしょう。日本で公共交通の特性を半ば見捨てて環境問題を棚上げした自動車利用促進策を打ち出す一方で、アメリカには日本の公共交通技術を売り込もうとするのは、矛盾というか滑稽さを感じさせます。
 いずれにせよ、日本の環境対策というのはかなり悠長なように感じられます。もう少し、国民全体を巻き込んでの危機意識を伴った環境対策を急ぐ必要があるのではないかと思います。



戻る