YG−AKIRA作品「オーシャンズ11」
買っちゃった!サントラ盤
海の上のピアニスト
“1900のテーマ”が奏でる甘美なメロディの他、粋なジャズメロディが散りばめられ、客船ヴァージニアン号のダンスホール始めとする船内を唯一の人生舞台としたピアニストの、どこか切ない、そして一方では天才として芸術謳歌した数奇な運命が浮かぶ。エンニオ・モリコーネはジョゼッペ・ベルナトーレ監督とずっとコンビを組んでいる音楽監督である。彼はこの映画で株を上げ、賞ももらっている。映画終幕部分では“1900のテーマ”に歌詞が付けられた曲が流れ、このCDでも最後に収録されているが、1900を語るこの“ロスト・ボーイズ・コーリング”が彼の人生をじわっと振り返させる。
オー・ブラザー!
J.クルーニー、J.タトゥーロ、T.B.ネルソンら三人組脱走囚が悪魔に魂を売った黒人ギタリストと組んでにわかに結成した〈ずぶ濡れボーイズ〉。ラジオ局で録音した“アイ・アム・ア・オブ・コンスタント・サロウ”のおとぼけポップさが忘れられない。T=ボーン・バーネットが音楽担当となり、映画の中で多く用いられているカントリー音楽は、コーエン兄弟の風刺をほのぼのとお人好しの世界にマッチする。とにかく〈ずぶ濡れボーイズ〉が歌いながら見せるぴよぴよ踊りは最高である。
コヨーテ・アグリー
テーマ曲である“Can't fight the moonlight”で始まる。映画にも出ているリアン・ライムスの歌。L.ライムスの歌は他3曲。“ブーン・ブーン・ブーン”はお気に入り。〈コヨーテ・アグリー〉のカウンターでカッコよく踊る時の“All she wants to do is dance”等はノリノリである。『リプレイスメント』でも歌われるグロリア・ゲイナーの“恋のサバイバル”が入っていないのがちょっと残念。
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
ジョン・ウィリアムズのあの曲をロンドン交響楽団の演奏で聴くことができる。オーケストラミュージックが好きな人間にはたまらない。大河ドラマでN響が聴けるようなもの。もちろん『スター・ウォーズ』シリーズのメイン・タイトルは聴ける。私が一番好きなのは“運命の戦い”。クワイ=ガン・ジンとオビ・ワン=ケノービがダース・モールと戦うシーンにかかる曲である。合唱が入るこの曲は荘厳であり、ジェダイの運命というのを感じることが出来る。“オージーの大楽隊”は最後戦いに勝利した後のお祭り気分が伝わってくる。
タイタニック
1997年のアカデミー作品賞、監督賞(ジェームズ・キャメロン)、撮影賞(ラッセル・カーペンター)、編集賞(コンラッド・バフ他)、美術監督・装飾賞(ピーター・ラモント、マイケル・フォード)、音響賞(ゲーリー・リドストロム他)、視覚効果賞(トーマス・L・フィッシャー他)、衣装デザイン賞(デボラ・L・スコット)、音響効果賞(トム・ベルフォード他)、歌曲賞(ジェームズ・ホーナー)を獲得した映画。もちろんこのCDには、歌曲賞を獲得した“My Heart Will Go On”が収録されている。セリーヌ・ディオンの歌うこの曲はジャックとローズのラブ・ロマンスを彩る。また、アイリッシュな雰囲気を引き出すのにシセルの声が欠かせない。豪華客船タイタニックの沈没という悲劇の要所に流れるこれらの曲は、タイタニック号を飲み込んだ大西洋に冷たさや透明感を与えている。
トップガン
ベルリンの歌う“愛は吐息のように-Teke My Breath Away”はアカデミー主題歌賞を受賞。T.クルーズとK.マクギリス二人のシーンに用いられる。また、彼がマクギリスに初めて出会うシーンで口ずさむライチャス・ブラザーズの“You've Lost That Loviin'Feeling”もあるし、メグ・ライアンやアンソニー・エドワーズらと賑やかにピアノ演奏するジェリー・リー・ルイスの“Great Balls Of Fire”まで聴ける。このサントラで欠かせないのがK.ロギンズである。彼の歌う“Danger Zone”“Playing With The Boys”は空中戦をエキサイティングにする。
バックドラフト
〈料理の鉄人〉という料理番組のテーマ音楽として知らない人はいないんじゃないかというほど有名になったメロディが並ぶ。『ライオン・キング』でアカデミー作曲賞を獲得したハンス・ジマーが音楽監督である。“FIGHTING 17TH”は情熱的でチャレンジ精神や闘志が湧いてくる。一方、“BROTHERS”は戦いの合間の安息を表現しながらも、奥に秘められる炎も表現する。“BURN IT ALL”は消防士を熱く描ききったこの映画の原動力とも言え、魂を揺さぶる。“YOU GO,WE GO”なんてコーラスが入ってくるともう鳥肌が立ってくる。“FAHRENHEIT 451”も“SHOW ME YOUR FIRETRUCK”これら全て〈料理の鉄人〉を盛り上げていた。
ブラス!
炭鉱労働者メンバーとしたブラスバンド〈グレムリー・コリアリー・ブラスバンド〉が苦しい経済事情ながらロイヤル・アルバート・ホールでの演奏を夢見、実現に向け頑張る姿が感動的なこの映画。サントラ盤はモデルとなった〈クライムソープ・コリアリー・バンド〉の演奏による。“ウィリアム・テル序曲”や“ボギー大佐”等マーチは軽快である。また、“アランフェス”や“ロンドンデリー・エア”などは映画のポイントとなる忘れることの出来ないシーンに使われいるし、聴くだけで感動。最後は優勝後の行進で聴かせてくれt“威風堂々”で終わる。
ブリジット・ジョーンズの日記
やっぱ、オール・バイ・マイセルフでしょう。ブリジットがパジャマ姿で大げさに歌う姿が思い出されます。独りぼっち、独りぼっちと繰り返す歌ながら、ブリジットのおかげで悲壮感はない。シングルトンは頑張ってるぜって気になってくる。
マグノリア
エイミー・マンの唄う歌はセンチである。“セイブ・ミー”などを聴いていると、登場人物の、運命にあがき救いを求めながらも頑張る姿が切々と伝わる。一方、“ワン”“モメンタム”等は、歌詞は辛い辛いと語っているのだが、曲調からか、高揚感が得られ、辛い現実よりの脱却のため、やる気になり、元気が得られる。
YG−AKIRA作品「007/リビング・デイライツ」

買っちゃった!DVD
アパートの鍵貸します
1960年アカデミー作品賞、監督賞(ビリー・ワイルダー)、オリジナル脚本賞受賞作品である。メイキングなど映像特典はないが、“オリジナル劇場予告編”は、映画館で上映を心待ちにするあの気分を味わうことが出来る。映画公開を楽しみにするのも鑑賞のうち。予告編はそういった意味でとても大切。モノクロであるが、モノクロならではの味わいを感じる。モノクロで観る女優さんは綺麗である。主演のシャーリー・マクレーンもとてもかわいい。その彼女にジャック・レモンがこう言う。「Did you hear what I said? I absolutely adore you.」である。そしてS.マクレーンがにっこりと「Shut up ・・・.」ときたもんだ。
007/美しき獲物たち
“メイキング・オブ〜”で語られるのは、スキーシーンやダイビングシーンのスタント。エッフェル塔からのダイブは見せ所。スタントは成功。もう飛ぶ必要がないと判断された別のスタントマンは、せっかくのチャンスということで、スタッフ、クルーの許可なしに飛んでしまう。パリの街において映画撮影の協力を得るためには、勝手な行動は許されないわけで、製作会社を窮地にさらしたスタントマンは首になった。また、オープニングのストーリーにおけるヘリコプターの爆破は3機目の模型で成功したらしい。なかなか氷山に当たって爆発するシーン撮影も大変そうである。飛行船に書かれたゾリンのマークが緑色であるのは、ロスでのロケ中、たまたま撮影したFUJIFILM飛行船の映像を一部使うためだったようだ。そしてゴールデンゲートブリッジは撮影所内に作られたセットだったようだ。
007/黄金銃を持つ男
“メイキング・オブ〜”では、タイ・プーケットでのロケについて語られる。あのソーラーシステムが装備されたエキゾチックな島(スカラマンガのアジト)はプーケットにある島だったんだ。C.リーを抜擢する前にジャック・パランスが候補にあがっていたらしい。C.リーのお仲間ニックナック役を演じたエルヴェ・ヴィレシェーズはフランスの画家だそうだ。最後帆につるされてしまう彼の本当は茶目っ気のある性格であることが明かされる。“ドキュメンタリー「007のスタントマンたち」”では数々のスタントシーンを見ることが出来、あらためてアクションの凄さを思い知らされる。スキージャンプやロープウェー上での格闘等など。ロプウェーの屋根にはトランポリンがセットされていたことなどが明かされる。
007/オクトパシー
“オリジナル劇場予告編集”ではティーザー予告編が3つ収録され、それぞれミニジェットによるアクションやトゥクトゥク・タクシーでのチェイスシーンがある。オリジナル劇場予告編ではこれらがまとまったようなものだが、予告編としては見せすぎか?また、アニメーション・ストーリーボード集ではタクシーでの追跡シーンとオクトパシーを救うボンドのシーンがある。多剣で襲いかかる敵にテニスラケットで応戦する様等がよく現されている。“メイキング・オブ〜”では、R.ムーアが1本ごとの契約となっていて、ボンド役が難航したようだ。結局ムーアに落ち着くが、マイケウ・ビリントンとか言う俳優のスクリーンテストも行われていた。また、オクトパシーという題名が、アメリカの検閲に引っかからないかの懸案もあったらしい。隠語は結構気を使うのだ。“ドキュメンタリー「ボンド映画をデザインした男」”ではピーター・ラモンド、美術監督である。ケン・アダムのデザインをセットにしていく。独特の世界観をセットにするのは大変なようだが『007は二度死ぬ』の火口の下の基地のようなビッグなセットも作り上げる。彼自身のアイディアもあるようだ。オクトパシーのベッドもたこ型にしたのは彼であるらしい。
サウンド・オブ・ミュージック
マリアもトラップ大佐も実際にいた人で、実話に基づいた映画だと知るとびっくりである。マリアが書いた本がブロードウェイ舞台、『菩提樹』としてドイツ映画にもなっていた。このドイツ映画は見たことないが観てみたい気がする。メイキング・オブ〜で実際のマリア、トラップ海軍大佐を写真で確認できる。ナチスに従わず、信念を貫くやさしそうな大佐を知ることが出来るのは嬉しい。また、C.カーによるオーストリアでのロケ現場紹介も、映画中の子供役だけではなく、映画を離れてオーストリアを散策する生チックな彼女を見れる。
女王陛下の007
G.レーゼンビーがS.コネリーに代わり2代目ボンドになった経緯が“メイキング・オブ〜”で語られる。おじいちゃんになったレーゼンビーが実際登場する。2代目ボンドを探していた製作陣とレーゼンビーとの出会いはヘアーサロンだったこと。これはレーゼンビーが計画したことも明かされる。そして、Q役で知られるデズモンド・リューウェリンを中心とした特典映像“Qの研究室”も面白い。007を語るにはQが開発する秘密兵器は欠かせないからだ。007ファンなら是非とも見たい。
知らなすぎた男
“キャスト・スタッフ”では脚本ハワード・フランクリンのバイオグラフィーがある。『薔薇の名前』で脚本家スタート。『クイック・チェンジ』では監督も行い、ビル・マーレーも出演と記載。『コピー・キャット』『ジャック・サマスビー』の監督でもあるジョン・アミエルのバイオグラフィーでは『ラッキー・カフェ』でデビューを特記。キャストではビル・マーレー、『ザ・プレイヤー』のピーター・ギャラガー、『スキャンダル』のジョアン・ウォーリー、『インドへの道』のリチャード・ウィルソン、『マーヴェリック』のアルフレッド・モリーナについて。“オリジナルTVコマーシャル”の‘スペシャル・ショット編’はB.マーレーによるCM用映像、‘知らなさすぎた編’では、CIA、KGBを出すことによりサスペンス表現しながらマーレーのオトボケも上手くミックスされている。もちろん“オリジナル劇場予告編”もある。
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
『ゴッドファーザー』『ペギー・スーの結婚』のフランシス・フォード・コッポラ監督、『ライジング・サン』のフィリップ・カウフマン監督も登場。P.カウフマンは『存在の耐えられない軽さ』での編集話を語ってくれる。映画を芸術として創造するのと興行を念頭に入れた映画の姿に違いがあり、編集が商業的に以下に大切かが分かる。“削除されたシーンとその製作秘話”では、編集カットされたポッドレース直前の選手紹介シーンやレース2週目のシーン、或いはレース当日の夜明けシーン、アナキンとグリードの喧嘩のシーン等限られた時間で上映しなければならない映画には意味がないと思われるシーンでも面白く観ることが出来る。“メイキング・オブ〜”ではジョージ・ルーカスの脚本から絵コンテ、それを元にデザインが進んでいく様子が良く分かるし、CG製作を含めて映画産業界の高度な技術にびっくりしてしまう。ジェイク・ロイドが抜擢となるアナキンのオーディションの様子とか、ライトセーバーによる殺陣シーンのためのイアン・マクレガー、リーアム・ニーソンの練習風景や、せりふ合わせではナタリー・ポートマンの素顔が観れる。撮影風景が観れるのも嬉しい。また、砂漠で4ヶ月もかけて造りあげたセットが嵐でめちゃめちゃになる等の事故の苦労話もある。この他にも“ビハインド・ザ・シーン”、“フォト・ギャラリー”、オリジナル劇場予告編が観れる“トレーラー集”等特典映像満載である。
大統領の陰謀
ウォーターゲート事件として知られるホワイトハウスの盗聴を始めとした違法な諜報活動を暴く新聞記者のお話。題材が難解な事件だけに特典はうれしい。“撮影開始まで”では実話に基づく、実在人物をそのまま映画にすることの危険性、そのための弁護士等、準備における対応を知ることが出来、“ディープ・スロートの正体”ではボブとカールを助けた最後まで名前が明かされなかった情報提供者について語られる。“ウォーターゲート事件経過”では民主党選挙本部を盗聴しようとしたことや、ホワイトハウス取り巻きや司法長官など辞任、ニクソン大統領の辞任等の年譜を見る事が出来る。
007/ダイヤモンドは永遠に
“メイキング・オブ〜”ではG.レーゼンビーのあと『サイコ』のジョン・ギャビンがボンド役にが予定されていたことが語られる。しかし、トム・ライトが描いた絵コンテは全てS.コネリーをイメージしており、やはりショーンしかいないということになる。破格の120万ドル出演料で呼び戻し、J.ギャビンには契約料を払って解約したということだ。プッター・スミスとブルース・グローバーの悪役コンビはさりげないゲイであるが、彼らが砂漠で医者を殺すシーンのこと。医者の背中にさそりを入れるところ、元は医者の口にさそりを放り込むつもりだったそうだが、ショッキングということで変えたそうだ。また、ムスタングでラスベガスの街を逃げ回り、カー・スタントのメインディッシュ、片輪走行の場面について。左側を上げて細い路地に入っていったのに路地から出た時には右側が上がってしまっていた。これに気付いたのは撮影終盤であったためにスタントの撮り直しはせず片輪走行途中のはずのところに車の傾きを変えるショットを付け足した。しかし如何考えてもあの狭い所で傾きを変えれるわけではなく、つじつまがあったわけではない。もう一つの特典メニュー“ドキュメンタリー「ボンドを創り出した男」”で製作のアルバート・R・ブロッコリー、通称“カビー”について語られる。『007/ドクター・ノオ』に至るまでの製作映画はエキサイティングなアクションもので、どこかエキゾチックな雰囲気を持っており、彼がボンド映画のスタッフになったことが007ムービーにかなり影響している。彼は『007/ドクター・ノオ』を製作したいと考える。ハリー・サルツマンから映画化権を買おうとするが、サルツマンから共に製作していくことを望まれる。コンビ結成である。また、ブロッコリは単独でイアン・フレミングの原作である『チキ・チキ・バン・バン』といったミュージカル映画も手がけている。これなどは彼の製作映画の中では変り種である。
007は二度死ぬ
“メイキング・オブ〜”で語られるのは、監督にルイス・ギルバートを指名し、「ボンド映画を断るのか」と迷う彼に翌日催促したこと。城とアジトを探し日本中の2/3をヘリで飛び回ったそうだ。諦めかけたころ九州の月クレーターのような火山地帯が目に入ったそうだ。この時点で火口の下の基地の案が浮かび上がったそうだ。ケン・アダムがデザイン設計し、この案を実現する。日本の女優探しも大変だったようだ。若林映子と浜美枝にとって英語はネックとなる。それでも若林映子はOKとされたが、浜美枝には降板してもらうことになっていた。説得は丹波哲郎が任されることになったが、辞めさせられたらビルから飛び降りるという彼女の強い意志にブロッコリは彼女に決定。若林映子との役を入れ替えて望むことにする。オートジャイロとヘリコプターのチェイスシーンアクションについて等。“オリジナル劇場予告編集&TVスポット”で見ることの出来る劇場予告編はちょっとストーリー展開上大事な部分を見せすぎで、『007/サンダーボール作戦』との2本立てくらいの予告編、TVスポット位に抑えて欲しい。“ドキュメンタリー「007のオープニング・シルエット」”ではタイトルデザインをに携わったモーリス・ビンダーについて。彼はデザイン料を貰っていたが、興行収入に対する歩合にすべきだったと後悔していた。また、女性のシルエットが凄くセクシーなタイトルデザインは全て半裸、全裸での撮影である。たった数分のタイトルにアイデアを駆使し、いつもギリギリまで仕上がってこなかったらしい。モーリス・ビンダーは美術書、美術品の収集家でもあった。それはアイデアの源であった。モーリスの死後、タイトルデザインを引き継いだのがダニー・クラインマン。007の基本路線を守りつつ新しいことにチャレンジするのは難しいだろうが、ブロスナン・ボンドのタイトルを粋に仕上げている。“アニメーション・ストーリーボード”はセスナにとり残され、墜落するシーン、ストーリーボードと出来上がった映像で違う点はあるが、コンテ絵は充分に意図が伝わる。こういうのを観ると映画つくりの面白さを感じる。
遠い空の向こうに
ホーマー・ヒッカムの奇跡を映画化。“メイキング・ドキュメンタリー”ではヒッカム本人が登場。全てが炭鉱により形成された町・コールウッドを再現した撮影ロケ地のセッティングのこと、また、ヒッカムが父と反目しながらもロケット製作に打ち込んだ経緯が語られる。廃線だと思い鉄として線路を盗んでいた時に走ってきた汽車に乗っていた機関士がO.W.リンクという機関車界では有名なおっさんだったことも分かる。また、お父さんを演じたC.クーパーも昔、砂糖、硝酸カリウム、ほう酸、硫黄・・でロケットを作ろうとしたが花火になって終わったそうな。この他、ホーマー役のJ.ギレンホール、ホジキン病で31歳で亡くなったミス・ライリー役を演じたL.ダーンも想いを語る。2分間の“オリジナル劇場予告編”は『フィールド・オブ・ドリームズ』のプロデューサーが贈るということで、ハートウォーミングな映画であることを強調したものとなっている。
007/ドクター・ノオ
誰よりもボンドを愛好し、ボンドを演じさせても良かったのではといわれるテレンス・ヤングが如何にして007映画を作りあげたかが語られた。ボンドのスタイルはT.ヤングが確立した。私生活も贅沢に気前良かったそんな彼の性格が、高級なものをさりげなく、クールに扱う007映画を形成していったと“ドキュメンタリ「テレンス・ヤングとボンドに万歳」”で述べられる。“メイキング・オブ〜”では、テレビドラマとしてもパッとしなかった007の映画化をバリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリが製作を進めていった過程を述べる。様々な監督に断られ、T.ヤングになったこと、当初ボンド役はケーリー・グラントという案もあったことなど。ノオのアジトにあったゴヤの絵は当時行方不明になっていて話題となっていたものらしい。急きょ取り入れられたアイデアだそうだ。オープニングタイトルデザインで有名な銃口はピンホール・カメラで撮影された等、ボンドに欠かせないことを説明してくれる。
バッファロー’66
ヴィンセント・ギャロの多才ぶりを認識させられるラブ・コメディ映画。ナイーブで愛に飢えたビリーはやっと天使に出会える。監督・脚本・主演・音楽を手がけたV.ギャロについて“Vincent Gallo Gallery”で彼の経歴が示される。カルヴァン・クラインの香水等のモデルを務める他、《Gray》といったバンド等で活躍、また静物画を好んで描く画家として大都市で展覧会を開いている。写真家としてもキャンペーン用の写真を手がけている。センシティブな映画を創り得たのも納得である。また、ギャロのインタビューも収録され、ビリーのチョコレートアレルギーというアイデアの元になった話、カーペットにチョコレートをこぼしたことで、やってはいないのに父親に責められた苦い経験が語られる。映画の中のベン・ギャザラ演じるビリーの父親のイメージと同じく厳しい父親であったことが分かる。経験をもとにストーリー化して自伝的映画なのである。ギャロが述べる「映画を最初から最後まで見ないと描きこんだキャラクターを理解できない」という言葉どおり、隅々まで見る、繰り返して見ることでさらに映画の良さが分かるタイプの映画だ。“映像特典”では、予告編が見ることが出来るが、日本公開版とV.ギャロ版を比べるとギャロ版の方が荒削りながら、BGMとのバランスが良く、本編を見たときにより感動できると思う。確かに日本公開版は映画を観たくなると思われるものの、予告編で得られるストーリー情報が多いため、映画本編を観た時の感動が薄れるのではないかと思う。予告編でもV.ギャロの感性が分かる。
マトリックス
1999年アカデミー視覚効果賞(ジョン・ゲイター他)、音響賞(ジョン・リーツ他)、編集賞(ザック・スタインバーグ)、音響効果賞(デーン・A・デービス)を受賞した映画を楽しむことが出来る。“メイキング・オブ〜”ではシドニーでの撮影風景、特撮の仕組みが見れる。まさに「ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド」である。アニメーション世界のような映像の元であるストーリーボードも見ることが出来る。このウォシャウスキー監督の想像する世界が実写で可能となっていく様子が良く分かる。ワイヤーアクションがかっこいい動きを作り出しているが、ウー・ピンによるワイヤーアクションにつながるカンフートレーニングの様子を見ることが出来る。ジョン・ゲイリーも登場し、120台のカメラを用いて撮ったコンマ何秒の世界、ネオやトリニティを360度のショットで見せる技術を説明。“What is Bullet Time”“Follow the White Rabbit”でも特撮が語られる。白兎を追っていけば、例えば、ビル、ロビーでの大乱射の撮影風景が見れる。
007/ムーンレイカー
“メイキング・オブ〜”では原作との違い、例えば映画での毒ガス爆弾(ミサイル)が原作では単なる小型ミサイルだったこと等が語られる。また、007はイグアス滝からボートダイブし、ハンググライダーで華麗に追っ手から逃れるシーンがあるが、困難であった撮影の苦労話も明らかになる。“ドキュメンタリー「007のSFX/特殊効果」”では、映画終盤で見られる敵基地アジトの大爆破の裏側が見れる。凄まじい火薬の扱い、気持ちいいくらいに破壊してくれる。また、『女王陛下の007』に出てくるアルプス頂上にそびえるT.サバラスのアジト、これも最後は豪快に破壊されたアジトであった。アルプスのこの建物を破壊するわけではなく爆破されたのは模型であったことも説明してくれる。
007/リビング・デイライツ
“メイキング・オブ〜”ではR.ムーアが去った後のボンド役にサム・ニールを抜擢する準備がなされていたことが分かる。しかし、製作陣の一致をみず話が流れ、ピアース・ブロスナンが候補に挙がったものの、前からキャスティングを考えていたT・ダルトンとなった。原作者のことが“ドキュメンタリー「007のクリエーター イアン・フレミング」”で語られる。I.フレミングはジャーナリストや証券マン、情報部に勤務したこともあった。自らスパイであったわけだ。“未公開シーン「魔法のじゅうたんに乗って」”も見れる。でも、これはちょっと間延びしてしまうかも。カットも当然?“a−haのミュージックビデオ「リビング・デイライツ」も収録されている。なんとメイキングも。
私を愛したスパイ/007
イアン・フレミングの原作に基づかない初めての作品であるため、脚本の苦労等を“メイキング・オブ〜”で見ることが出来る。オープニング・クレジット前で繰り広げられる定番のアクションで見られたスキーをしたまま崖からダイビングからパラシュート下降という印象深いスタントについても語られる。また、本作には“007の世界をデザインした男”という特典で悪党のアジト等独創的なデザインを行うケン・アダムの特集。曲線と直線を使いこなし、SF世界を魅惑的にする彼の才能を再認識。潜水艦をパクパクパクッと取り込むことの出来る巨大タンカー・リパラス号は、100メートル以上もあるサウンドステージとしてセットが建設され、セット撮影に関してスタンリー・キューブリックの助言を貰っていたことも明かされる。フィルムの取り忘れというミスにどのように対応したのか等とても面白い。
007/ロシアより愛をこめて
FROM RUSSIA WHIS LOVEの特典映像“メイキング・オブ〜”では脚本の変更による要らない場面など出る中、ピーター・ハントの手腕により纏め上げられ、興業にこぎつけていく様やその時に起こった様々な問題が語られる。シリーズのお決まり、タイトル前に冒頭部分を置くのはこの第2作目からである。冒頭部分でR.ショウに殺されマスクを剥がされる男の顔があまりにS.コネリーに似ているということで、再度口髭をつけて撮り直したそうだ。また、ボンドの工作を援助するベイ役のペデロ・アルメンダリスが末期がんだということが撮影中に判明、以後彼のシーンを優先して撮影した。モーターボートによるアクションシーンを撮る際には爆破シーンの失敗などいくつも問題があった。中でもテレンス・ヤングの乗った撮影用ヘリコプターが墜落した等映画撮影がスタントマンだけじゃなく関係者全体に対し危険がいっぱいであることが良く分かる。“ドキュメンタリー「007を演出した男」”では製作のハリー・サルツマンがジョージ・レーゼンビー等により語られる。I.フレミング作品の映画化権を買い、A.R.ブロッコリとボンド映画に打ち込む姿を知ることが出来る。プールで開かれる製作の打ち合わせなどのこと、私生活では料理にケチをつけて食事を戻させたり、灰皿がいっぱいになっただけでロールスロイスを買い換えようなどという大物生活ぶりだったようである。“オリジナル劇場予告編集”では「JAMES BOND IS BACK」という宣伝コピーと共に本作のみのもの、『007/ドクター・ノオ』との2本立て、『007/サンダーボール作戦』との2本立ての劇場予告編がそれぞれ見れる。
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