JABITTの WONDERLAND YG-AKIRAの映画評論 旧掲示板「アパートの鍵貸します」 |
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1983年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★ Director キャロル・バラード Cast チャールズ・マーティン・スミス ブライアン・デネヒー ザカリー・イッティマンナク サムソン・ホーラ 短評 カリブーというトナカイの激減がオオカミによるものだとするカナダ政府が一人の生物学者タイラー(C.M.スミス)を現地に派遣する。タイラーはオオカミが生息するような危険な、そして過酷なツンドラ地帯にロージー(B.デネヒー)の飛行機で大した準備も無くやってくる。氷上で途方にくれるタイラーを救ってくれたのがエスキモーのウィテック(Z.イッティマンナク)。ようやく2匹の夫婦と思われるオオカミに出会う。ジョージ、アンジェリンと名を付け、彼らの生態を傍観する。徐々にオオカミの食生活も明らかになり、食源はネズミであるようだ。タイラーは自らもネズミのみの食生活を送り、ネズミで生きていけることを示そうとする。タイラーの文明から離れた不便な生活に悪戦苦闘する姿は、『ディープ・インパクト』『アンタッチャブル』のC.M.スミスの持つキャラによりユーモラスに描かれていた。オオカミがカリブーを襲うところに出くわし、日光浴途中だった素っ裸の姿で走り回り事実を確認しようとするタイラーには、温かみを覚えるもそのシーンに違和感を感じない。タイラーの願う結果とは異なりカリブーを襲うこともあるオオカミであるが、稀である。一方、ロージーがハンターを連れ、誇らしげにカリブーを戦利品のように積み込む姿を目撃する。また、生計を立てるための猟師であるが、ジョージとアンジェリンは殺さないと言っていた英語をしゃべる歯抜けエスキモー、マイク(S.ホーラ)が、オオカミ狩りを手引きし、綺麗に歯を矯正していた。生態系を脅かす存在はどんなに利口げなことを言う存在であっても人間なんだと気付くことで、どこかやるせない終わりを迎える映画である。タイラーの目を通してドキュメンタリー風に訴えてくるものがある。 1983年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director アーヴィン・カーシュナー Cast ショーン・コネリー クラウス・マリア・ブランダウアー マックス・フォン・シドー バーバラ・カレラ キム・ベイシンガー バーニー・ケーシー アレック・マッコーウェン エドワード・フォックス ローワン・アトキンソン プルネラ・ギー ヴァレリー・レオン 短評 『007/サンダーボール作戦』のリメイクである。イアン・フレミング著「サンダーボール」映画化権がジャック・シュワーツマンに渡り、『ロボコップ2』『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のI.カーシュナーを監督として作られた。007にはオリジナルでも演じ、10年以上も老けたS.コネリーを起用するこの映画は、題名こそガラッと変えているものの内容は基本的に同じであり、シュワーツマンのやりたかった意図が分からない。多分、オープニングの訓練シーンにおいて女性が隠し持っていたナイフで刺された007にM(E.フォックス)が「体がなまったらしいな、前任者ほど君を買っちゃあいない」と言わすためだったのだろう。プロフェルド(M.V.シドー)とその部下ラルゴ(K.M.ブランダウアー)或いは味方のCIA局員(B.ケイシー)、そしてファティマ(B.カレラ)、ドミノ(K.ベイシンガー)の両ボンドガール、MI6局員(R.アトキンソン)以外彼らは全てオリジナル程コミック的に描かれてない分、自然に観れるキャラクターになっていた。オリジナル時から軍事事情も変わってきてるため、核爆も偽物パイロットを潜入させただけでは無理なわけだ。ミサイルも本物に変えなければならず、大統領でしか出せない命令を出すため、米軍兵士・ペタチの兄を買収し、彼に大統領と同じ眼球反応を示すように手術を施す。しかし、一兵隊が眼球認識だけで大統領と摩り替われるようなシステムには疑問が残る。その点からは核弾強奪方に関してはオリジナルの方が頷けます。 1994年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director マイケル・アプテッド Cast ジョディ・フォスター リーアム・ニーソン ナターシャ・リチャードソン リチャード・リベルティーニ ニック・サーシー ロビン・マリンズ 短評 世捨人として山間に住む女性が死体で発見されると共に、死体の女性に育てられたネル(J.フォスター)の存在が知られることによりストーリーが始まる。ネルを研究対象としてしか見ない精神科医ポーラ(N.リチャードソン)とネルの人格を尊重し人として接していこうとする地元医ジェリー(L.ニーソン)の対比がいい。ネルが語るネル語は良くできていた。外界との接点が無く、言語障害であった母親に育てられたネルの話すであろう言葉として説得力がある。ジェリーのことをガーインジャと呼んでいたが、守護天使というガーディアン・エンジェルからきている。ネル語が持つであろうもともとの意味を考えることで、ネルが言わんとすることが理解でき、微妙なコミュニケーションに大いに役立つのだ。知識教養不足というのは、彼女を文明側から見た見解で、彼女は自力で湖の畔で生活していくだけなら支障とはならない。そんなネルの人格を変えようなどとは傲慢であるといことを語った映画。 |