JABITTの WONDERLAND YG-AKIRAの映画評論 旧掲示板「アパートの鍵貸します」 |
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1994年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director カーティス・ハンソン Cast メリル・ストリープ ケヴィン・ベーコン デヴィッド・ストラザーン ジョセフ・マッゼロ ジョン・C・ライリー ステファニー・ソーヤー ベンジャミン・ブラット ウィリアム・ラッキング 短評 舞台は川、登場人物は父母、子、犬に犯罪者2人という非常に限られた舞台で、スリル保ちながらストーリーを展開させるのはさすが。『L.A.コンフィデンシャル』『ゆりかごを揺らす手』等のサスペンス映画を監督したC.ハンソンならではといったところ。大金を持った逃亡者演じるK.ベーコンはなかなか凄みがあった。川くだりをしていながら泳げないというハンデを追いながらM.ストリーブ家族に与える威圧感大あり。逃亡者仲間のJ.C.ライリーも適度にお間抜けで、ストーリーを展開するに不可欠のきっかけを作ってくれる。D.ストラザーンは父親として頑張る。緊迫の場面のためにはK.ベーコンに見つからないようにすればいいのに、緊迫の場面のためには、わざわざ見つけられるか、運を天に任すだけの岩壁に身を潜める。視野に入れば見つかるし、見つかった後にはまな板の鯉状態になるだけだという岩壁に昇りたがる彼はまさにスパイダーマンである。と、いろいろあるが、とにかく川下りの迫力はお見事。 1995年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★★★ Director バリー・ソネンフェルド Cast ジョン・トラヴォルタ ジーン・ハックマン レネ・ルッソ ダニー・デヴィート リンダ・ハート デニス・ファリナ デルロイ・リンドー ロン・カラバトソス ハーベイ・カイテル ジェームズ・ガンドルフィーニ デヴィッド・ペイマー ベット・ミドラー ミゲル・サンドヴァル ジェイコブ・ヴァルガス バリー・ソネンフェルド 短評 『メン・イン・ブラック』『アダムス・ファミリー』シリーズのB.ソネンフェルドが監督する映画マニアの取立屋チリ・パーマー(J・トラヴォルタ)を描くストーリー。マイアミに住むチリが命じられた取立の相手、クリーニン屋主レオ(D.ペイマー) がロスにいるため乗り込んだハリウッドで引き起こす騒動。B級映画プロデューサー、ハリー(G・ハックマン)、ハリーの愛人で映画スター、マーティン(D.デヴィート)の元妻で女優のカレン(R.ルッソ)、映画のプロデュースに手を出そうとするボー(D.リンド)等ハリウッドネタを持つ彼らを引き込んだドタバタ劇である。チリのオタクぶりは見ていて楽しくなる。『黒い罠』を映画館に観に行ったチリはセリフを暗唱しながら、演出を心から楽しむ。その姿を見るカレンと共にチリの映画への思い入れに感激である。なんと言ってもチリは『セルピコ』でアル・パチーノが着ていた革のコートを着て歩くほどの入れ込みぶり。一方でチリは、レオの妻フェイ(L.ハート)の“ヤクザやってるけど、あんたってまっとうな人よね”って語るように人の良さ、紳士振りを併せ持つ。親分モモ(R.カラバトソス)の突然の死により悪党レイ(D・ファリナ)の傘下入るチリ。チリのことを良く思っていないレイのお間抜けなキレ振りが最高だ。脚本を手に映画を製作しようとする過程に、ヤクザな金を絡ませて描くセンスがお洒落でかっこいい。映画化を目指した脚本の題材である彼らの珍騒動が、麻薬捜査官の張り込む空港に置いてある金をC18のロッカーに取りに来たところで、レイを演じる俳優(H.カイテル)にチェンジし撮影現場に変わるラストには拍手もの。“ゲット・ショーティ”とは彼らが制作しようとする映画の題名である。 1988年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director ロッド・ダニエル Cast ジェームス・ベルーシ メル・ハリス ケビン・タイ エド・オニール ジェリー・リー ジェームス・ハンディ 短評 ジョン・ベルーシの弟ジェームスがK−9出身の犬ジェリー・リーとコンビを組んで刑事アクションをこなす。『レッド・ブル』でもシュワルツネッガーと刑事コンビを組んでいたが、コメディ的要素の多いこの映画の方が味が出ている。彼はコメディアンなのだが、とことんはずれた感じを持っていないため、若干のシリアス面が残っていていい。というのもジェリー(犬)がまじめというわけでないのためである。一方ダニエルは『ティーン・ウルフ』の監督でもあったし、コメディ映画の演出には向いていると言える。恋人役のハリスに対し仕事との間での問題は刑事物にはつきものジャン、もうそれはねえと言いたい感もあるが、全てはコメディタッチにより上手く乗り越えていた。とにもかくにも動物が出演する映画は動物が主役になってしまうわけで、動物には文句はつけにくいし、文句を言ったところで彼らに伝わることはなし。 1997年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★ Director デヴィッド・フィンチャー Cast マイケル・ダグラス ショーン・ペン デボラ・カーラ・アンガー ジェームズ・レブホーン ピーター・ドゥナット キャロル・ベイカー アンナ・カタリーナ 短評 有名監督への登竜門としてシリーズ化している『エイリアン3』を監督後、『セブン』でビッグディレクターとなったD.フィンチャーが曲者俳優S.ペンを起用し、謎に満ちたゲームの世界を見せてくれる。フィンチャーはこの後『ファイト・クラブ』でも、負けず劣らず曲者と言えるE.ノートンを起用し再び謎に満ちた世界を映画にしている。フィンチャー独特のダークな映像がストーリーにマッチする。大掛かりなゲーム(仕掛け)に騙される会社を経営する社長にM.ダグラス。彼は次々に巻き起こるトラブルに辛く惨めな状況に追いやられる。『ダイヤルM』でもそうだったように、ダグラスは巻き込まれ型実業家を演じるのは上手い。いじめられるおじさんにはNo.1の俳優である。一方、CRS社が商品として扱っているゲームの仕掛けは難しい。というのもゲーム参加者(商品の受取人)はことの次第をしらないわけであるから、ウェイトレスの失態、鍵をなくした時など仕掛けに対するダグラスの反応は決まっているわけではない。いかなる反応にも対応し、最後の誕生日パーティーに誘導しなくてはいけない。そんなことが出来るのかという疑問に対してはテンポのよさで強引に納得させられたようだ。 |