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マイ・スイート・シェフィールド

1998年

イギリス

おすすめ度(10点満点) ★★★★★

Director  サム・ミラー

Cast    ピート・ポスルスウェイト  レイチェル・グリフィス  ジェイムス・ソーントン  ロブ・ジャーヴィス  レニー・ジェームス

短評

『ブラス!』や『フル・モンティ』で描いた労働者の哀愁を再び『フル・モンティ』の脚本家サイモン・ボーフェイが鉄塔のペンキ塗りを仕事として仲間と頑張るポスルスウェイトを描く。なだらかな緑豊かな大地にそびえ並び立つ鉄塔をピンクに染めていくのは絵的にもきれいだった。じいちゃんのくせしてポスルスウェイトは『ベスト・フレンズ・ウェディング』のグリフィスとラブシーンを演じちゃってる。また、これがびっくりのシーンである。冒頭でみられるパブでのロッククライミング合戦が好きである。


マイ・ドッグ・スキップ

1999年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★

Director  ジェイ・ラッセル

Cast    フランキー・ミューニース  ダイアン・レイン  ケビン・ベーコン  ルーク・ウィルソン  ケイトリン・ワークス

短評

ミューニース演じたウィリー・モリス原作で、少年時代の回想記である。愛犬スキップとのかけがえのない日々を映画にしている。犬は好きなので見てしまった。今まで3匹の犬を飼ったことがあるが、思い出してしまってちょっと懐かしいような、再びしんでしまった時の悲しさがチョびっと沸いたような。モリスの父親でいずれ死んでしまう犬を飼うことにより、傷つくこともあるんだと息子を心配するのはベーコン。最近悪役の彼しか思い描くことは出来ないが、今回はヒューマンな演技を見せてくれた。モリスのあこがれであり、理解のある近所のお兄さんを演じたウィルソンは、先日見た『チャリーズ・エンジェル』」にキャメロン・ディアスの恋人役で出てた。今がタイムリーなのかな。あと、モリスのガールフレンドを演じたワークス、なんかの映画で見たんだけど。思い出せん。スキップはジャック・ラッセル・テリアっていう犬だそうだけど、良く映画に出ていると思う。だからといってパッと映画名は出てこないが、マイケル・ダグラス出演の『ワンダー・ボーイズ』にも出てた。(ひょっとして似てても違う種類?)


マイ・フレンド・メモリー

1998年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★

Director ピーター・チェルソム

Cast   エルデン・ヘンソン  キーラン・カルキン  シャロン・ストーン  ジリアン・アンダーソン  ジーナ・ローランズ  

短評

モルキオ症候群という難病を持つケビンと母殺しの父を持ち、精神的にポジティブになれないマックスの話。マックスはケビンを肩車して冒険をする。彼らは自分たちが勇者フリークになった気で何にでも向かっていく。そんな姿が感動的。僕は肩車少年ということで超人バロム1が頭に浮かんでしまってしょうがなかったが。ケビンのママ、ストーンは力強い母親の演技が良かった。映画『グロリア』での演技とはえらい違い。グッと堪えていた気持ちに耐えきれず、自販機をたたきつけるシーンは迫真。なんと『Xファイル』のアンダーソンが出ているのだが、ポイントを押さえたおいしい役柄だった。「生きることを真剣に考えてみて」なんて、そんなケバい格好で言うんじゃない。ケビンが死んでマックスに残していった表紙に「勇者フリーク」と書いた、中身の真っ白な本を見せられると・・・堪えられません。


マグダレンの祈り

2002年

イギリス/アイルランド

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★

Director ピーター・ミュラン

Cast   ノラ=ジェーン・ヌーン  アンヌ=マリー・ダフ  ドロシー・ダフィ  ジェラルディン・マクイーワン  アイリーン・ウォルシュ  イーモン・オーウェンズ  キアラン・オーウェンズ  フランシス・ヒーリー  エンヤ・マクギネス  フィリス・マクマホン  メアリー・マーレイ  ブリッタ・スミス  クリス・シンプソン  ダニエル・コステロ  ショーン・マクドナー  ショーン・マッキン  ピーター・ミュラン

短評

実話をもとに作られたマグダレン修道院についての映画である。カトリックの厳しい戒律が行き過ぎ、女性が不条理に虐げられ、それがつい1996年の修道院閉鎖まで存続していたことに驚く。マーガレット(アンヌ=M.ダフ)は従兄弟にレイプされた。バーナデット(ノラ=J.ヌーン)はちょっとませていたために男の子達の気を惹きつけ人気者だった。ローズ(D.ダフィー)は未婚のままに子供を産んだ。マーガレットがレイプされたことにより騒然となる結婚式会場、司祭(S.マッキン)を交えざわめく場面は緊張感に満たされ衝撃的だ。彼女達は罪を犯したとして修道院で過酷な労働奉仕を強いられる。信じられない理由だ。マーガレットなんて被害者ではないか。一方、シスター達は神に仕える者とは思えない横暴さ。刑務所の権力を振りかざす看守のようである。夢も希望も見えない囚人の如きバーナデット等の生活は、神の御心で満たされた修道院の中でのこととは思えない。収容された彼女達を裸で立たせ吟味するシスターの行為に、女囚アマゾネスものB級映画をイメージさせたりもしたが、重苦しいテーマは維持され継続される。シスター・ブリジッド(G.マクイーワン)は小金を溜め込み金欲をまとった権力者。もはや神へのためでなく、シスター達のための奉仕である。宗教が説く教えであるとことで容認される不条理なシステムが誰のためであったのか。マーガレットを力任せにレイプしたケヴィン(S.マクドナー)はその後どうなっていたのか。映像として描いていない部分に見え隠れすることについても考えさせらる。愛のかけらも持ち合わせないシスターに課せられる厳しい生活から逃れようとするも、外の世界もまた彼女達を受け入れるような世界ではない。精神病院に行くことになるなるクリスピー(E.ウォルシュ)のように終わっていった被害者達のことが痛々しいが、それでもマーガレットは弟イーモン(E.オーウェンズ)に迎えに来られ、バーナデットとローズは脱走し、第2の人生を手に入れるという3人にとってはハッピーエンドだったことが救いである。


マグノリア

1998年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★★

Director ポール・トーマス・アンダーソン

Cast    ジェレミー・ブラックマン  トム・クルーズ  メリンダ・ディロン  フィリップ・ベイカー・ホール  フィリップ・シーモア・ホフマン  ウィリアム・H・メイシー  ジュリアン・ムーア  ジョン・C・ライリー  ジェイソン・ロバーズ  メローラ・ウォルターズ  マイケル・ボーウェン  エマニュエル・L・ジョンソン  フェリシティ・ハフマン

短評

P.T.アンダーソン監督は群像劇に挑戦。辛い現実に置かれ、苦悩している人間を力図強く描く。ロスで生活する登場人物の1日を描き、初見バラバラにしか見えない彼らが次第に繋がって一つの大きな物語になる。いく。その繋がりはどこか不思議な感じである。同じくアンダーソン監督作『ブギーナイツ』の出演陣が多く見られる。クイズ番組の司会者(P.B.ホール)、クイズ天才少年の成れの果て(W.H.メイシー)、プロデューサーの若妻(J.ムーア)、警官(J.C.ライリー)がそうだ。♪シュトラウスのツァラストゥストラはかく語りき♪で御たいそうに登場するセックス教祖(T.クルーズ)は“ファック”等汚く下品な言葉を吐きまくるが、その奥には、愛や優しさを見せる。彼らは現実に苦しむばかりに見失っていた、優しさ、慈しみ、悔い改めといったことに気付いていく。最後の異常現象、カエルの落下は面白いものの、ちょっとやりすぎかな。あんだけ多いと気持ち悪い。今まさに死と向き合っている家族、大人に利用されている子供、薬物中毒者等の苦悩を描いた映画は、A.マンの音楽が素晴らしく、どこかセンチである。♪セイブ・ミー♪などを聴いていると、登場人物の、運命にあがき救いを求めながらも頑張る姿が切々と伝わる。一方、♪ワン♪や♪モメンタム♪は、歌詞は辛い辛いと語っているのだが、曲調からか、高揚感が得られ、辛い現実よりの脱却のため、やる気になり、元気が得られる。場面切り替えのテンポが良いため、内容のわりには落ち込まないし、逆に温か味が浮き出ている。ただ、3時間というのはちょっと長いかな、終盤の高揚感が無ければ耐えられない。


マスター・アンド・コマンダー

2003年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★

Director ピーター・ウィアー

Cast   ラッセル・クロウ  ポール・ベタニー  ビリー・ボイド  ジェームズ・ダーシー  マックス・パーキス  マックス・ベニッツ  リー・イングルビー  ジョージ・イネス  マーク・ルイス・ジョーンズ  クリス・ラーキン  リチャード・マッケーブ  ロバート・パフ  デヴィッド・スレルフォール  エドワード・ウッドオール  イアン・マーサー

短評

ヨーロッパ征服を狙うナポレオン勢力に立ち向かう英国。世界の商業覇権を手にすべく、海上においてもしのぎを削る。自国船を次々に沈められるイギリスは、性能優れたフランスのアケロン号を拿捕すべく、無敵の活躍により“ラッキー・ジャック”の異名を執るジャック・オーブリー(R.クロウ)に海軍サプライズ号を託す。オーブリー艦長の下で勝利を信じ過酷な戦闘に耐える船員達。オーブリー艦長の操船術により、一度は逃げ切り、一度は風上からの攻撃チャンスを得る。だが、ラッキー・ジャックを持ってしても性能に勝るアケロン号に太刀打ちできない。少年仕官ブレイクニー(M.パーキス)は右腕を切り落とさなければならないほどの怪我を追うが気丈に振る舞い、海軍候補生ホルム(L.イングルビー)は決断良く指揮出来ないためにサプライズ号の乗組員に疎まれる。信頼厚いオーブリー艦長は国命をまっとうする中で犠牲者が出て行くことに対しとまどうが故に、友である軍医スティーブン(P.ベタニー)の助言にも素直になれない。犠牲をもいとわず、執拗にアケロン号を追跡するオーブリーであったが、アケロン号に痛めつけられながらも自分を信じ奮闘する船員達の姿、執りあわれずとも忠実に自分に従う友人スティーブンに応えないわけにはいかない。ガラパゴス諸島に上陸、船員達にはクリケットで楽しませ、スティーブンには生物探索の許可を出す。登場人物全員男だけの世界であるが人物は良く描きこまれている。そのため、ホルムが思い悩み自ら命を絶つシーンは痛々しい。全寮制の高校生活における生徒と先生の絆を描いた『いまを生きる』でも父親に自分の進路を反対され自殺を遂げる学生がいた。『いまを生きる』で見せた手腕はそのまま生かされ、限られた空間の中で人間の内面にドラマを生み出していく。これまでも『刑事ジョン・ブック/目撃者』『グリーン・カード』『フィアレス』『トゥルーマン・ショー』を監督してきたP.ウィアーの力は認めざるを得ない。迫力ある嵐のシーンや海戦シーンに頼ることなく、一人一人登場する男を心に刻み込む。商船を偽装する作戦によりアケロン号を拿捕することに成功し指揮官としての功名を再び得るオーブリーは、船員に対する人間味も併せ持つ男になった。だけど、幾多の苦境を乗り越え、一段と魅力を備えたオーブリーというものを彼の行動そのもので語りきれなかったことが残念だ。船員の気持ちを汲んだ航海長を目にすることなく、物語を通していったいオーブリーのどこが変わったんだろうかと思わざるを得ない。


マップ・オブ・ザ・ワールド

1999年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★

Director スコット・エリオット

Cast   シガーニー・ウィーヴァー  ジュリアン・ムーア  デヴィッド・ストラザーン  アーリス・ハワード  クロエ・セヴィニー  ルイーズ・フレッチャー  マーク・ドネイト

短評

農場で旦那ハワード(D.ストラザーン)と娘二人に囲まれ、親友テレサ(J.ムーア)の家族とも仲良く交流できているアリス(S.ウィーヴァー)ではあるが、小学校勤務の仕事や子供の世話、家事に追われる生活に不満を感じていた。そんなアリスがテレサの娘を預かっていた時。うっかり目を話した隙にテレサの娘を川で溺死させてしまう。責任を感じ悩むアリスは情緒不安定な行動に起因して、小学校生徒の母親(C.セヴィニー)から児童虐待があったとして訴えられる。転がり始めた運命は止められない。罪を犯した人間に世間は許してくれない。無実であることを証明するのも難しい。これまで付き合いのあった人達からも冷たくされる。そんな逆境にあってこそ、刑務所での生活、自分を支えるハワード、裁判において無罪を信じて証言してくれるテレサの存在に気付くのである。この映画では無実の判決が下ったのか否かの裁判の行方については明確にしない。アリスが普段の何気ない大切なものに気付く事こそがテーマなのだ。社会から冷たくされ苦悩するハワード達に救いの手を施すテレサという名前、普段の生活にある大切なものに気付くアリスの名前には意味があると思う。『不思議の国のアリス』では退屈な毎日に不満、この映画ではせわしない毎日が不満の対象になっているという違いはあるのだが・・。


マトリックス

1999年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★★★

Director アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー

Cast   キアヌ・リーヴス  ローレンス・フィッシュバーン  キャリー=アン・モス  ヒューゴ・ウィーヴィング  グロリア・フォスター  ジョー・パントリアーノ  マーカス・チョン

短評

コンピューター社会の果てにある近未来は、マトリックス。モーフィアス(L.フィッシュバーン)のくれた赤いピルがうさぎの穴の奥の夢のような冒険にいざなってくれる。現実の世界でも人間の神経回路とコンピューター回路の接続研究等が進んでいるが、仮想現実の世界をこれに結びつけることが凄い。『イグジステンス』や『13F』も仮想現実を人間の脳神経に直結させることの出来るシステムが存在するという設定から考えられる物語を描いていた。しかし、さらに『マトリックス』は人間がAIを得た後のコンピューターによる支配、つまり『ターミネーター』的要素を加えているのが素晴らしい。うさぎの穴の向こうの不思議の国は人間が家畜のようにコンピューターに飼われる世界なのだ。もはや現実の世界に街は存在しない。太陽光の届かない暗闇の中でホバークラフト・ネブカドネザルのみが自由を手にした人間の唯一の住処である。人類最後の街ザイオンをめぐるコンピューターとの攻防、救世主の存在を信じ、捜し求める戦いが仮想空間ならではのアクションで繰り広げられる。救世主ネオを演じるK.リーヴスの堅い動きもウォシャウスキー兄弟の映像トリックで問題なく、むしろかっこよく描かれる。コンマ何秒の世界も覗くことが出来るし、その表現力に感服。コンピューター間を自由に移動できる悪役ボスエージェント(H.ウィーヴィング)を始め、モーフィアス(L.フィッシュバーン)のサングラスがめちゃクール。トリニティ(C.A.モス)のブラックスーツ姿とワイヤーアクションは必見。


マトリックス/リローデッド

2003年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★★

Director アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー

Cast   キアヌ・リーヴス  ローレンス・フィッシュバーン  キャリー=アン・モス  ヒューゴ・ウィーヴィング  マット・マッコーム  ジェイダ・ピンケット=スミス  モニカ・ベルッチ  ハロルド・ペリノー・Jr  ハリー・J・レニックス  ノーナ・M・ゲイ  ランベール・ウィルソン  エイドリアン・レイメント  ニール・レイメント  アンソニー・ウォン  ランダル・ダク・キム  グロリア・フォスター  ヘルムート・バカイティス  アンソニー・ザーブ

短評

『マトリックス』の世界が何であるのか?コンピュータが創り出した仮想空間の設定を説明してくれている。前作でも登場した預言者(G.フォスター)がエージェント・スミス(H.ウィーヴィング)などと同じコンピュータープログラムであることをはっきりと認識させてくれた。預言者はエージェント・スミスのようなコンピューター防御プログラムではなく、ネオ(K.リーヴス)のようなシステム破壊を目的としたプログラムを誘導するのだ。他にもツインズ(A.レイメント、N.レイメント)やパーセフォニー(M.ベルッチ)等のコンピューター上のキャラクターが面白い。インターネット等コンピューターの世界でなくてはならないのがキーワード或いはパスワード。メインコンピューター潜入に必要となるパスワードを握るキーメーカー(R.D.キム)も登場するのだ。プログラムという具象化しにくい物質を擬人化する。彼らの衣装、身なりがかっこいいのだ。髪からブーツまで白づくめのツインズとエージェント、モーフィアス(L.フィッシュバーン)とトリニティー(C.アン・モス)のキーメーカーをめぐるフリーウェイでのアクションは最高だった。車から車への飛び移り、トラック上での格闘、バイクの逆走等。彼らの命懸けの迫力に圧倒される。ネオが飛んで来るまでは・・。救世主として覚醒したネオは無敵となった。何でも出来るようになったネオの存在はちょっと面白くない。スーパーマン・ネオは空を自由に飛べるだけでなく、死んでしまったトリニティーをも心臓マッサージにより生き返らせる。飛びぬけた能力で何でもやってしまうのは如何なものか。前作、映像世界に革命をもたらしたブレット・タイムは増殖するエージェント・スミスとの格闘シーンに使われる。画期的な撮影手法はやはり凄いのだが、最後にドアというドアからスミスがドヴァッと出たときにはちょっとむつごかった。ついに人類最後の都市で砦でもあるザイオンを見せてくれたのはいいが、ここでのシーンは間延びした。決起集会でのダンス、ネオとトリニティのラブシーンなどは必要ないと思う。皆が苦労したにもかかわらずメインコンピューターにダメージを与えることなく、ネブカドネザルも壊され、これからいったいどうしたらいいんだろう。現実世界でも覚醒しつつあるネオも気になるというあくまで続編を観てこその映画。


マトリックス/レボリューションズ

2003年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★

Director アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー

Cast   キアヌ・リーヴス  ローレンス・フィッシュバーン  キャリー=アン・モス  ヒューゴ・ウィーヴィング  マット・マッコーム  ジェイダ・ピンケット=スミス  モニカ・ベルッチ  ハロルド・ペリノー・Jr  ハリー・J・レニックス  ノーナ・M・ゲイ  エイドリアン・レイメント  ニール・レイメント  アンソニー・ウォン  クレイトン・ワトソン  イアン・ブリス  メアリー・アリス  ブルース・スペンス

短評

昏睡状態で横たわるネオ(K.リーヴス)と唯一生き残りとして帰還したベイン(I.ブリス)が頭をつき合わせて眠る意味深なシーンで終わった『マトリックス/リローデッド』に続く最終章。コピー能力までも得てマトリックス世界でシステムから開放され暴れ周るエージェント・スミス(H.ウィーヴィング)はベインを侵食支配し、現実世界でも戦いを挑みネオを苦しめる。うじゃうじゃと、ちょっとばかしうっとおしくなってきたスミスではあるが、預言者オラクル(M.アリス)やコンピューターやマシン間の情報等の移動を操るプログラム・トレインマン(B.スペンス)等と共になるほどと思える擬人化法である。人工知能に支配される人類。マトリックス支配に抵抗する砦、人類最後の都市ザイオンもセンティネルズの大群に滅ぼされるのか?圧倒的なマシン戦力は司令官ロック(H.J・レニックス)らザイオン市民の抵抗もむなしく壊滅的となる。そんな人類を救うのがモーフィアス(L.フィッシュバーン)、トリニティ(C−アン・モス)が信じるネオである。ネオが現実の世界でもパワーを持つに至るのはマトリックス世界で得た自信であろう。確かにネオは人類の危機に救った。だが、ネオは単にスミスを利用し、マシンと交渉したに過ぎない。たまたま生じることとなったスミスが存在し得なかったら人間は無力であったとしか思えない。また、マシンとの間の和平が果たして解決だとしていいのか?ちょっと不満である。『マトリックス』三部作はコンピューターの世界をアクションという表現でかっこよく描いている映画だ。ネオとトリニティの愛だの信頼だのと言う部分にウエイトをかける必要はないと感じる。甘く仕上げるよりクールに徹して欲しかった。


マーニー

1964年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★

Director アルフレッド・ヒッチコック

Cast   ショーン・コネリー  ティッピー・ヘドレン  マーティン・ゲーブル  ダイアン・ベイカー  マリエット・ハートレイ  ブルース・ダーン

短評

主人公のS.コネリー演じる会社社長は、秘書マーニー(T.ヘドレン)を新しく雇い入れるが、彼女は実は会社保管の現金を狙う金庫荒しだった。このマーニーにコネリー演じる社長は彼女を警察に突き出すどころか、彼女に惹かれ結婚する。A.ヒッチコックの映画であることから、彼女へのコネリーの行動には裏があるのだろうと思っていたが、彼は純粋に彼女を愛していたのだった。私は保険金詐欺かなんかを企み、マーニーを利用しているかもしれないとずっと思っていた。そういう意味では裏をかかれたというべきか。コネリーは悪い人間どころか、彼女の泥棒癖を含めた病的行動の原因を探ろうとする。マーニーのことをマジで心配するいい人である。見た目は007のセクシーさを持ち、社長という社会的にも裕福な男はやさしさいっぱいの包容力ある、女性にとっては理想に近い男性像ではないかと思う。結局、このサスペンス映画が明かすのは、マーニーとマーニーの母の体験した過去の不幸な出来事である。コネリーをずっと怪しいと思わせ続けられた私は結構いろいろ考えさせられたが・・。これはヒッチコック映画である。ヒッチコックはどこかに登場するわけであるが、彼にはさり気なく映画に出て欲しい。「どこに出ていた?あのシーンで出ていたやろ。判った?」という感じにして欲しいのである。この映画ではホテルの一室から、おなかの突き出た目立ちすぎるあのスタイルで露骨に現れすぎである。


マルコヴィッチの穴

1999年

アメリカ

おすすめ度(10点満点) ★★★★★

Director  スパイク・ジョーンズ

Cast    ジョン・キューザック  キャメロン・ディアス  キャスリン・キーナー  ジョン・マルコヴィッチ  オースン・ビーン  

短評

ある扉の向こうに行くとそこはジョン・マルコヴィッチの脳に通ずる穴。この突拍子もない発想が愉快。そして、この扉の存在する空間がビルの7・1/2階にあるオフィスと言う設定。見事に不思議な空間を作りだしている。この穴を見つけたキューザックは職のない人形師。そして妻のディアスはペットショップに勤め、家でもペットを飼っている。この人物設定も映画を面白くしている。それぞれ自分の世界を持ったこの夫婦が、マルコヴィッチの世界を体験すると共に、キーナーに興味を持ち、マルコヴィッチを通してキーナーに接しようとする。その結果一種の恋敵となる当たりほんと良くできたストーリーじゃ。キャメロン・ディアスはちょっと最初彼女であるとは思わなかった。それぐらい、いままでのディアスとは全く違う。映画内容に戻るが、マルコヴィッチが自分に起きている異変に気付き、この穴の存在を知った後彼自身がこの穴に入っていく。本人がこの穴に入るとどうなるかが楽しみだったが、なるほどという結果であった。そして、この穴の秘密。7・1/2階にあるあやしい会社のオーナー・ビーンが全てを知っているという展開だ。こんな発見はやっぱり1回200ドルの体験として商売にするやろうし、まあ、こんな穴があるやったらと面倒なことを考えずにこの穴の存在を認めてしまえば実に面白い映画だ。特別出演のチャーリー・シーンやショーン・ペンも面白かったけど、この映画特別出演で何人出てんのかなあ。