JABITTの WONDERLAND YG-AKIRAの映画評論 旧掲示板「アパートの鍵貸します」 |
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1983年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director アントワン・フークア Cast ブルース・ウィリス モニカ・ベルッチ コール・ハウザー イーモン・ウォーカー ジョニー・メスナー ニック・チンランド チャールズ・イングラム ポール・フランシス トム・スケリット 短評 『マトリックス/リローデッド』のM.ベルッチが演じるケンドリックス女医が難民治療に奉仕するは内戦下のナイジェリア。大統領一家を殺した反乱軍が殺戮を行う中、危険地帯からのケンドリックス救出を命じられるウォーターズ(B.ウィリス)部隊。特殊訓練をクリアーしたSEALにとっては簡単なミッションのはずだった。罪の無い村人が無惨に虐殺されるを目のあたりにする。ケンドリックスの自分だけ逃げることは出来ない、彼らを置いてはいけないと訴える彼女の目に強い意志を感じる。セリフとして語らずともそれは伝わってくる。ウォターズ大尉も我々観客同様心を動かされ、人としての善なる行いに従ってしまう。しかし、内政干渉であるとして軍の協力が出来ないとするロード大佐(T.スケリット)にして、この命令違反は本当に善行であるのか?彼にはレッド(C.ハウザー)を始めとする優秀な部下の安全が第一ではないのか?ミッションではない個人感情で部下を危険にさらしていいわけはない。確かにスロー(N.チンランド)らに自分について来てくれるか尋ねるシーンがある。しかし、ジャングル奥深く取り残されてからきかれてもなあという思いもある。選択できる段階での気持ちを聞いて欲しかった。それでも“善なる人々が行動を怠れば、必ず悪は勝利する”という言葉は響きかけた。なのにカメルーン国境ぎわまでたどり着くも尊い部下を失い、もはや全滅という時、原子力空母トルーマンからF戦闘機を発艦、敵反乱軍を一掃という安直なやり方はいけない。内政干渉という現代の問題に最終的に背を向けたのではウォーターズ一隊の行動の尊厳が薄くなる。一掃したのは敵だけでなく、部下を失いながら積み上げてきた善なるものである。ロード大佐にはミッションの重みを貫く人間でいてもらわなければ、スケリットが『トップガン』で演じたヴァイパー教官のようになってしまう。『リプレイスメント・キラー』でデビュー、続く『トレ−ニング・デイ』では重みのある社会派映画を撮ったA.フークア監督ではあったが、結局娯楽映画としてしまった。 1983年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director ロッキー・モートン Cast デニス・クエイド メグ・ライアン シャーロット・ランプリング ダニエル・スターン ジェーン・カツマレク クリストファー・ニーム ロビン・ジョンソン ロブ・ネッパー ジェイ・パターソン ジョン・ホークス ブライオン・ジェームズ 短評 コーネル教授(D.クエイド)は秀作により華々しいデビューを飾るも、それに続く作品を創作出来ず、その名声に頼るしかなかった。スランプから作家として情熱を失っているデックス・コーネルには、自分の作品に憧れる生徒に応えることが出来ない。評価を求める作品にも目を通せない。優秀な教え子ニック(R.ネッパー)の作品も読めず、適当にあしらうしかなかった。そんな中、ニックの飛び降り自殺や妻ゲイル(J.カツマレク)がニックと関係があったこと等、デックスに次々出来事が降りかかる。また、知らぬ間に酒に混ぜられ毒薬・塩化ラジウムを飲まされたデックスに残された時間は解毒剤の効果なく48時間と知る。ゲイルが殺され、嫌疑がかけられたコーネルは警察から逃れ、女子学生シドニー(M.ライアン)を連れて必死に真相を探る。ニックとゲイルの死。一連の犯罪に隠された真実は面白い。成功を求めるも己の才能の限界に苦悩する犯人。その犯人にデックスがいう「成功は富や名声ではなく、自分が成し得た仕事でしか実感できない」という文句が心に残る。犯人とも決着をつけ全てを知ったデックスは残りわずかな命を持って警察へ供述に向かう。D・O・A(Death On Arrival)は到着時死亡という警察用語だそうだ。 2002年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★ Director ジム・ギレスピー Jim Gillespie Cast シルヴェスター・スタローン チャールズ・ダットン ポリー・ウォーカー トム・ベレンジャー ショーン・パトリック・フラナリー クリストファー・フルフォード クリス・クリストファーソン ロバート・パトリック 短評 『ラストサマー』のJ.ギレスピー監督作品。コピーの「誰が生き残るのか」って言われてもすぐ分かっちゃうじゃん。、K.クリストファーソン、R.パトリックは死ぬだろうし、生き残るのはS.スタローンとC.S.ダットン、P.ウォーカーに決まっているではないか。コピーは「誰が犯人か」の方がまだまし。これもありふれていて全然だめだが・・。極寒の地にある昔軍の秘密基地だった“D−TOX”で警官の精神セラピーが行われていた。ブリザードの中、陸の孤島ともいえるこの建物の中は、コンクリートで覆われたまさに独房。こんなところでセラピー効果が表れるとは決して思えない。自殺未遂まで起こしたS.スタローン演じる患者が連れてこられるわけだが、ホントに心患ってたらこんなとこまずいって。情緒不安定な人間はまた自殺するぞ。警官を狙う猟奇殺人鬼についても過去にスタローン扮するFBI警官が担当捜査官だったということ以上の動機について語られることはなく、猟奇殺人に至る経緯、犯人像を示されないのでは納得できませんです。 1999年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★ Director ウール・グロスバード Cast ミシェル・ファイファー トリート・ウィリアムズ ウーピー・ゴールドバーグ ジョナサン・ジャクソン コリー・バック ライアン・メリマン ジョン・カペロス アレクサ・ヴェガ 短評 『恋におちて』のU.グロスバード監督。家族愛は均一に注がれるのか?同量、同質のものであろうはずがない。この映画は、次男が生まれることによって長男への愛が次男である弟へ移行することから起こる波紋と、家族として再生しようと奔走するファミリードラマである。子供が何人か居れば敬愛が傾くのは当然で、どの家庭でも知らず知らずのうちに乗り越えている問題である。しかし、パット(T.ウィリアムズ)の家族は次男サムの失踪事件により消すことの出来ない傷跡を残す。長男ビンセントはサムを見失ったことから自責に・・、母親ベス(M.ファイファー)は子供を失ったことから立ち直れない、いや立ち直ろうとしないのだ。だが、事件より9年後、我が子サム(R.メリマン)に会ってから家族の中で何かが変わる。ベスは、自分の意志にサムが応えてくれないことに気付きながら、産みの親の当然の権利として、育ての親ジョージ(J.カペロス)からサムを引き取る。ところが、サムは既に自我を所有し、サムの経験してきた9年間の年月を認めずしてつきあえないことを知る。そして遂には、ジョージの気持ちすら理解できるようになるのだ。この映画はビンセント(J.ジャクソン)とサムの演技が全てである。『ホーム・アローン』のようにかわいけりゃいいってもんじゃない。シリアスに演じれる力が必要。ビンセントとサムが、記憶おぼつかない思い出を語り、兄弟を確かめあうところは良かった。一方、ファイファーはまあまあといったとこ。この手の映画は演技に力が入り過ぎてだめになる場合が多い。自然体が大事なのだ。ファイファーは『ストーリー・オブ・ラブ』のイメージが加わり、お母ちゃんって感じになってきた。 1999年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director レニー・ハーリン Cast トーマス・ジェーン サフロン・バロウズ サミュエル・L・ジャクソン LL・クール・J ジャクリーン・マッケンジー マイケル・ラパポート ステラン・スカルスガルド アイダ・タートゥーロ ダニエル・レイ ブレント・ローム 短評 『ドリヴン』『ロング・キス・グッドナイト』『クリフハンガー』『ダイ・ハード2』のR.ハーリンが監督したのは3匹のジョーズによるパニックもの。そして狙ったのは登場人物の内誰がサバイバルゲームに勝てるのか全く予想できない展開。まず、太平洋上に浮かぶ海洋医学研究施設アクアティカの投資家ラッセル(S.L.ジャクソン)が早々にパクッと食われる。観る者の裏をかいたんだろうが、パニック状態の中、食われる直前のラッセルによる演説のリーダーぶった感じがこっ恥ずかしくなるほどで、生き残る人物としては逆に怪しく、彼の背後の海面が気になってしょうがなかった。また、ヒロインなのか?ヒロインなんだろうスーザン博士(S.バロウズ)は、アルツハイマー病の新薬開発のために、協定を破りサメに遺伝子操作を施した。その結果今や人間をも上回るかの知能を持ち研究仲間の命が危険にさらされていても研究成果のためサメは殺さないという不道徳な女。だけど自分が窮地に追い込まれるとボディスーツを脱ぎ絶縁体として活用し、セクシー水着姿でサメを感電死させる女。ヒロインは生き残るだろうと普通は思ってしまう展開に対し、ヒロインとしての性格に問題を感じるスーザンではたとえサメに食われても驚きには至らない。研究プロジェクトの中で最も危険だと思われるダイバーの役を担ってきたカーター(T.ジェーン)や、サメに襲われ中でもペットであるオウムを助けようとするコック・ブリーチャー(LL.クールJ.)は生き残りそうなキャラで、実際生き残った。結局は誰が生き残るのか予想できる展開なのだ。スーザン博士はマコシャークにたんぱく質デザインを施し巨大化させる。危険じゃないか!普通はもっとおとなしいジンベイザメとかを研究材料に選択するだろう。嵐の中、ダイバーを潜らせ、サメに腕を食われるぐらい近づく彼らの危機管理意識はどうなっているのか?嵐の中救助を要請されたヘリコプター隊員たちは無惨に死んでいった。 2003年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★ Director ジョエル・コーエン Cast ジョージ・クルーニー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ジェフリー・ラッシュ セドリック・ジ・エンターテイナー エドワード・ハーマン ポール・アデルスタイン リチャード・ジェンキンス ビリー・ボブ・ソーントン ジュリア・ダフィ 短評 財産を得ようと富豪との離婚を画策するマリリン(C.ゼタ=ジョーンズ)と離婚専門に敏腕振るう弁護士マイルズ・マッシー(G.クルーニー)の騙し騙されの駆け引きが面白い。結婚時に離婚の条件を契約しておくプリナップなるものが結婚にゲーム感覚を与える。だけれども、二転三転する展開の中にコーエン兄弟ならではといったブラックな要素は少ない。その一方で一風変わったコミカルなキャラクター造詣は面白い。鏡のように自分の口元を映せるものであれば万年筆だろうがスプーンだろうが白い歯が美しく保たれているか映してはチェックするマイルズ。そんなマイルズが所属する事務所オーナーの怪人ぶり。マイルズの相棒で涙脆いリグレー(P.アデルスタイン)、破られた契約書を奪い走って逃げようとする適役の弁護士フレディ(R.ジェンキンス)達は法律関係のお堅い仕事に携わる者からはギャップのある可愛さを持つ。『オー・ブラザー!』で確立されたひょうきん者ダンディ・キャラはクルーニーならではでそのままこの映画に引き継がれている。ゼタ=ジョーンズに至っては夫M.ダグラスとの私生活のイメージをそのままマリリンのキャラに生かしたものとなっている。これまでコーエン兄弟は、良からぬことを企んだことから外れ始めた人生を取り繕うと務めるものの、周りの人の裏切りや思いもかけない行動に翻弄される様子を面白おかしく描いてきた。『バーバー』『ビッグ・リボウスキ』『ファーゴ』『未来は今』『ミラーズ・クロッシング』等である。本作は、コーエン作品にしてついに騙す行為に対し主人公が能動的、積極的に挑み、結婚詐欺という世界をゲームのように楽しんでいる。そんなマリリンとマイルズは裏切られたことに対してへこむことは無い。いっそう加熱する騙し合いは、映画後半でお間抜けドタバタ劇となり、これぞコーエン映画という感じになる。悪女とどこか間抜けなダンディの最後は『赤ちゃん泥棒』のように無難に纏められるラブストーリー。 2001年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★ Director ジョン・ブアマン Cast ピアース・ブロスナン ジェフリー・ラッシュ ジェイミー・リー・カーティス レオノア・ヴァレラ ブレンダン・グリーソン ハロルド・ピンター キャサリン・マコーマック ダニエル・ラドクリフ ローラ・ブアマン デヴィッド・ヘイマン ジョン・フォーチュン 短評 “パナマの仕立屋”の原作者ジョン・ル・カレが脚本したそうであるが、映画を観終わって思うのは原作は面白そうだということ。仕立屋ハリー(G.ラッシュ)が仕立てるのは服だけではなく、運河を政府が売却するという情報である。情報工作の方は、スケコマシのMI−6諜報員アンディ(P.ブロスナン)により無理に仕立てさせられたわけで、決して上手い仕立てでは無かった。妻ルイーザ(J.L.カーティス)や息子マーク(D.ラドクリフ)や娘サラ(L.ブアマン)と幸せな暮らしを営む一方、経歴詐称、多額の借金という秘密があった。アンディに弱みを握られ、あらぬ事を語り始めるハリーは実に可哀想で、ヒッチコックのあの有名な映画と同じ題名にしても良かったかも。もちろんタイトルは『ハリーの災難』。ハリーの語る夢想は、パナマ政府が運河を売却し、その利権を各国が狙っているというとんでもない話。アンディの要らぬ情報操作も加わり、地下組織もこれにかんでいることに・・。これを信じた英米国はパナマ攻撃に向かう。事態は軍隊まで出動させる一触即発の状態となる。なのに危機感があまり伝わってこなかったのは非常に残念。マークを演じたラドクリフは『ハリー・ポッターと賢者の石』のポッター、サラを演じたL.ブアマンは監督J.ブアマンの娘で、監督の作品に出るのは一家の伝統だそうだ。 2003年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★ Director マーク・スティーヴン・ジョンソン Cast ベン・アフレック ジェニファー・ガーナー コリン・ファレル マイケル・クラーク・ダンカン ジョン・ファヴロー ジョー・パントリアーノ デヴィッド・キース スコット・テラ リーランド・オーサー エレン・ポンピオ レニー・ロフティン エリック・アヴァリ ケヴィン・スミス ポール・ベン=ヴィクター ジュード・チコレッラ 短評 『サイモン・バーチ』のM.S.ジョンソン監督がアメコミにチャレンジ。マーヴェル・コミック原作の映画化だけに『X−メン』『スパイダーマン』のような影を持つヒーローものとして期待した。クモに刺されたピーターはスパイダー能力を得た。マット・マードック(S.テラ)は放射性廃棄物の液体を目に浴びて視力を失うがレーダー・センスを獲得する。成長し弁護士となったマット(B.アフレック)は少年時代に父ジャック(D.キース)を殺される。このことが彼を正義の名の下に法の網を逃れた悪を倒す復讐者“デアデビル”とする。的を射る男ブルズアイ(C.ファレル)のイカレぶりは悪役として最高!ということで敵は申し分ない存在なんだけど、ヒロイン、エレクトラ(J.ガーナー)が無惨じゃー。死んじゃうのだ。喉を掻っ切られ、胸を背中まで突き抜けるように刺されてである。ヒロインの死に方じゃない。加えて陰の大ボス・キングピン(M.C.ダンカン)との最終決着が甘い。これまで、夜のお仕事ではやってきたとどめ刺しをキングピンに対して行わない。彼は一番の悪党である。まして父ジャックの仇と知りながらの行動とは思えないのだ。怒りをもっと出して欲しかった。 1995年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★ Director ポール・マザースキー Cast ロン・シルヴァー アンジェリカ・ヒューストン レナ・オリン マーガレット・ソフィー・スタイン アラン・キング ジュディス・マリナ 短評 ナチによる迫害を受け妻子を失ったユダヤ人ハーマン(R.シルヴァー)はナチから匿ってくれたポーランドの女中ヤドウィガ(M・S・スタイン)と結婚し、ニューヨークへ渡米。陰では収容所時に知り合った愛人マーシャ(L・オリン)との関係を続ける。マーシャと激しい肉体関係をエロチックに描いていた映画だが、「あれっ」と思わせたのが、死んだと思っていた先妻タマラ(A・ヒューストン)の登場だった。ヒューストンの登場はその後のストーリーがコメディタッチで描かれることを予感させた。マーシャ及び彼女の母親シフラ(J.マリナ)のプレッシャーからマーシャとも結婚することになる。ハーマンの煮え切らない態度に比べ、タマラのあっさりとすがすがしい性格!ハーマンの相談にのったり、マーシャと暮らしていくことを選んだハーマンが置き去りにしたヤドウィガとその子供(マーシャと名づける)の面倒を見るのである。体が大きいだけでなく、心のスケールも大きいヒューストン演じるタマラであった。 1995年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★★ Director ティム・ロビンズ Cast スーザン・サランドン ショーン・ペン ロバート・プロスキー レイモンド・J・バリー シリア・ウエストン ルイス・スミス 短評 死刑囚の減刑に奔走し、最後の死刑執行まで付き添う尼僧をサランドンが演じているが、サランドンよりはペンの演技に圧倒される。死刑囚ペンは根っから悪いのか、良心も持ち合わしているのか全く分からないが、そんな難しいキャラを表現する。当然、被害者の家族の気持ちがあり、犯罪者を家族に持ってしまった悩みや、家族としての愛情だって示したい家族の問題、こんないろいろな事柄を社会的でヒューマンチックに描ききった作品である。死刑執行時には被害者の立ち会い権利があるが、そんなことに始まってそれぞれの立場から制度について考えさせられた。死刑制度については人を殺したのならば当然であり、今も死刑制度には肯定意見であるが、この映画を見ているときは考えさせられることが多かった。サランドンの地道な努力や死を前に恐怖に対したことにより被害者、その家族の気持ちを理解したペンが後悔と共に真実を告白するあたりは、精神アドバイザーの力の大切さを感じたシーンである。しかし、こういったことも全て被害者やその家族に通じるものでないといけないと思うのだが・・あくまで被害者の権利が第一。映画で表現すべきか否かは別として、そのあたりがこの問題に関してこれから考えるべきことだろう。それにしても、監督ロビンズは実生活でのパートナー・サランドンの協力を得ていい映画を創ってる。 1997年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★ Director アラン・J・パクラ Cast ハリソン・フォード ブラッド・ピット マーガレット・コリン ルーベン・ブレイズ トリート・ウィリアムズ ナターシャ・マケルホーン ジョージ・ハーン 短評 ラストじゃ。ラストが納得いかん。B.ピッド演じる、指名手配されているIRA活動家を追うFBI捜査官は“彼を殺す気だ”として協力を拒否するH.フォード。彼は逮捕にこだわり、今まで人を銃で撃ったことがないといういい警官。しかーし、あんたブラピを死なせてしまってるやないか。テロ活動を行うものの論理を人気者ガイ・ブラピが訴え、H.フォードが人を殺めることの非を示し、テロリズムへの問いかけを行っている映画ではあるんだが、それだけ。スリルもアクションもなく、見せ場なく終わってしまった。A.J.パクラ監督は社会派サスペンスが売りとなってるんだろうが、『ペリカン文書』と共に失敗!あの『大統領の陰謀』で見せた監督の才なる遺産はなくなりつつある。とにかく“えっ、これで終わりかよー。”と言いたくなる最後であった。 2000年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★ Director ブレッド・ラトナー Cast ニコラス・ケイジ ティア・レオーニ ドン・チードル ジェレミー・ピヴェン マッケンジー・ヴェガ 短評 チードル扮する天使が、マンハッタンで成功をおさめる社長(ニコラス・ケイジ)に人生を考え直すもう一つの人生を見せてくれる。フェラーリに乗り、超一流ブランドのスーツに身を包むy彼の人生を考え直す必要があるのかという気が男の立場からはする。いや、キャリアを積み格好良くいきる人が多くなった女性からもそう思うのではないか。確かにケイジ扮する社長の女性関係は、心優しい奥さんがいるわけではなく、愛人として男女仲を楽しんでいるだけである。子供もいないというのは寂しい。しかし、成功をおさめた生活の中にこれらを求めるのは不可能なのだろうか。欲どおしく考えてしまう。昔の恋人、そして奥さん役を演じるレオーニ。『ワイアット・ワープ』『バッド・ボーイズ』『ディープ・インパクト』と比べると生活感が出てきたなあという印象。ドゥカブニーとの結婚生活のせい?一方、『ランナウェイ』『ラッシュアワー』の監督・ラトナーはラブ・メルヘンよりもやはりアクションか? 2000年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★ Director ドナルド・ピートリー Cast サンドラ・ブロック マイケル・ケイン ベンジャミン・ブラット ウィリアム・シャトナー アーニー・ハドソン ジョン・ディレスタ キャンディス・バーゲン 短評 FBI捜査官のブロックがミス・アメリカ・コンテストに出場するお話。連続爆弾魔からの爆破予告、そのターゲットがコンテストというわけ。仕事一筋で色気無しだったブロックが大変身するのだが、単に見た目が美しくなるだけでなく、バリバリのキャリアを持つ女性として美しく見せるという、時代の女性観に応じた主張を行っている。最近では『羊たちの沈黙』『Xファイル・ザ・ムービー』で女性FBI捜査官の知的で男勝りの行動力から、格好良い印象を強く持つ役柄であるから女人物設定はピッタシ。美容コンサルタントを演じるケインは良かった。彼の話すカマ言葉もどぎつくならないコメディ仕立てに貢献していた。しかし、女性には人気が出たと聞いているが、私にはこの程度の評価が精一杯。 2000年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★ Director ダイアン・キートン Cast メグ・ライアン ダイアン・キートン リサ・クードロー ウォルター・マッソー アダム・アーキン クロリス・リーチマン 短評 女三姉妹の映画。ライアンが出ていることで映画の性格は決まってくる。ましてや『めぐり逢えたら』の監督・ノーラ・エフロンが脚本だし。まあ、それはそれとして、これは電話によってしかコミュニケーションを取れない家族(姉妹)の話。個人が自立して生活していける世の中、電話は多忙中にも関わらず、コミュニケーションが取れる便利な手段。しかし、便利な故に仕事からも家族からも束縛されることはあり得ることだ。相手が見えないだけに要求は一方的になることがあるのだと感じた。ただ、これは女性の映画。女性には共感が得られるんだろうが、私は男である。理解できてはいないだろう。 |