JABITTの WONDERLAND YG-AKIRAの映画評論 旧掲示板「アパートの鍵貸します」 |
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1981年 イギリス/アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★ Director ジョン・グレン Cast ロジャー・ムーア キャロル・ブーケ トポル リン=ホリー・ジョンソン ジュリアン・グローヴァー ジル・ベネット カサンドラ・ハリス デスモンド・リュウェリン ロイス・マクスウェル 短評 この後『007/オクトパシー』『007/美しき獲物たち』『007/リビング・デイライツ』『007/消されたライセンス』を監督したJ.グレンによるシリーズ12作目。R.ムーアのボンドとなってからややコミカルになりつつあったが、この映画ではボンドの持つユーモアは押さえ気味に、殺しのライセンスを持つ007の敵に対する非情さも復活。ムーア・ボンドのキャラではないと言われそうだが、このほうがいい。今回の悪党(J.グローヴァー)はなんだか影が薄いが、企み自体は、沈没したイギリス監視船に積載されていた自動ミサイル誘導装置ATACをソ連に渡そうとするもので、国家保安レベルの話題でスケールが大きい。グローヴァー扮するギリシャの富豪が敵か見方か判らないという設定であったことも印象に影響しているだろう。しかし、ストーリー的には同じく謎の男として描かれたコロンボ(トボル)の存在も効いていて面白い。スケーター女優L−H.ジョンソンもかわいいが、なんといっても両親を殺され復讐を誓うメリナ(キャロル・ブーケ)がいい。カーアクション、潜水アクションとボンドと行動する中にボンドガールとして高得点の存在感を示す。スキーにロッククライミングに、肉体で表現するアクションも基本に立ち返っているようで嬉しい。欲をいうとQの造ったボンド・グッズをもっと印象的に使って欲しい。 2000年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★ Director クリストファー・マックァリー Cast ベニチオ・デル・トロ ライアン・フィリップ ジュリエット・ルイス テイ・ディッグス ニッキー・カット スコット・ウィルソン ジェームズ・カーン 短評 『ユージュアル・サスペクツ』を脚本したマックァリーが監督であるが、この脚本はいただけない。代理母として出産を控えるジュリエット・ルイスを誘拐し、身代金を要求する。しかし、ジェームズ・カーンに追いつめられると最後は潔く身代金獲得のため、銃の弾が飛び交う中に飛び込んでいく。一見潔いように見えるこの行動は『明日に向かって撃て』のポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードを思い浮かべるが、デル・トロとフィリップに、ニューマン達のような格好良さはない。登場人物も全てが癖のある人間ばかりであるし、セリフの意味が分からないところもあった。良かったのはメキシコを舞台とした犯罪ものにピッタリだなと感じたデル・トロの起用だけ。 1994年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★ Director ペニー・マーシャル Cast ダニー・デヴィート グレゴリー・ハインズ クリフ・ロバートソン ジェームズ・レマー リロ・ブランカトー・Jr ステイシー・ダッシュ マーク・ウォルバーグ 短評 9人の陸軍学校落ちこぼれたちと教員免許を持つ元広告業界エリートとのお話。いつもユーモアある演技のキュートなはげ頭男D.デビートがエリートながら失業し得た職業が陸軍教師というビル・レイゴーを演じる。学問などには縁などないドニー(L.ブランカトーJr.)ら生徒達とシェークスピア”ハムレット”を通じて先生、生徒間の交流を深める。落ちこぼれ達のレベルはひどく”ハムレット”により心開かれ興味を持つことにちょっと疑問を感じるが、シェークスピアのポエトリーな部分は知性でなく魂を揺さぶるのだろうということで納得しよう。落ちこぼれに興味を持たすには風変わりな授業である事が絶対条件であるが、ビルが取り入れたのは演じながら文学に親しもうというもの。芝居を観に行き感動から入るのもいい。いかに興味を持たせ知識欲に繋げるかがポイントとなる。教師を仮の仕事としか捉えていないビルが兵士に認められるはずがない。広告業界における過去の栄光にすがるでなく、獲得した賞のトロフィーをローンのかたに今出来ることを考えるようになるビルは信頼を得る。しかし、兵士が訓練を行う塔に登り、ロープ1本で降りるビルを見守り、彼の意気込みを認めるシーンは必要なかった。よちよちやっとのことでやり遂げるビルは塔から降りたというより、降ろしてもらったって感じ。とにかくデヴィートの魅力でもっている映画。 2000年 アメリカ おすすめ度(10点満点) ★★★★★★★ Director ジョナサン・モストウ Cast マシュー・マコノヒー ビル・パクストン ハーベイ・カイテル ジョン・ボン・ジョビィ デビッド・キース ジェイク・ウェーバー マシュー・セトル 短評 『レッド・オクトーバーを追え』『クリムゾン・タイド』でも描かれていた潜水艦の持つ緊迫感、頭脳戦がもちろんこの映画にもある。ただ、こちらは第二次世界大戦を舞台としているので、政治的な駆け引きでなく、戦争真っ只中。『Uボート』ほどの緊迫感、閉塞感、或いは機械油臭さはないが、発想が好きである。なんと、故障し太平洋上で停泊中のドイツUボート571に積んである暗号機エニグマを奪おうというのだ。それも奪ったことを悟られることなく。物語を考えた時点で面白度はかなりのポイントを達成してるじゃろ。そしてこれを考え、脚本したのが、『ブレーキ・ダウン』でも監督したモストウとくれば、出来映えも良かろうというもの。この手の映画に時間が限られていることを考慮すると女性はいらない。男のロマンを追求すればいいのだ。『めぐり逢えたら』の中でハンクスが『特攻大作戦』を見て泣いていた。彼が何を感じて泣いていたかというと男のロマンだ。マコノヒーが副艦長から艦長へ成長する姿。パクストンが艦長として示す威厳。エリート士官ではないが、古参の軍曹としてマコノヒーを後押しするカイテル。カイテルは今回カッコ良かったぞ。『ピヤノレッスン』では原住民と共に暮らす野性味をアピールし、裸で勝負した役だった・・・。マコノヒーはいつも弁護士役などが多いが、今回もエリート士官。エリートではなく、俗的だったのは『エドTV』だけ?そんな彼も必見。 |