骨董の部屋
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中期末の新様式清朝風意匠の作品です。
宝暦期末から寛政期にかけて多くの作品が造られました。
特徴的な器形の深皿のもので有刺輪花と呼ばれる縁周りであります。
縁の絵柄もこの時代に見られる蝶唐草で、清朝風意匠に多く使われております。
見込絵は古伊万里伝統の樹下岩鳥の絵ですが、盛期の絵に比べると
数段技量品格ともに下がりますが、
こてこての中華ではなくて和の味わいのある優れ物であります。
2021. 10. 1

 第216 染付 蝶唐草柳樹鳥文輪花皿 時代:江戸中期 幅14.8m 高3.2cm 裏銘 : なし


大ぶりの染付六角香炉です。
祥瑞手の耳つき香炉ですが側面 6面のうち隔面 3面は染付窓絵松竹梅となり、
残りの 3面は釉抜きの磁胎陽刻山水文となっております。
この技法の作品は 以前「飾って愉しむ」のところで紹介した、三田青磁の
茶入れと同じもので、あれ以来お気に入りの作風の一つでした。
今回は染付作品のものですが、同様に存在感のある堂々とした作品であります。
蓋の上の唐獅子、祥瑞の文様もしっかりした出来であります。


2021. 9. 1

 第215 染付 祥瑞手陽刻獅子香炉 時代:明治以降 幅18.0cm 高20.4cm 裏銘 : 二重角 梅



踊りの人物が描かれた角小鉢です。
購入時の表記では「阿波踊り」となっておりましたが、私には判断できません。
しかしながら、出品者は四国の業者さんなので表記の通りといたします。
踊りの描かれた器は珍品の一つであろうかと触手が伸びました。
落ち着いた美しい藍地に白抜きの踊り人の絵柄が良く映えております。
絵付けの技量、器形の造形も秀逸で品格のある作品であると思います

2021. 8. 1

 第214 染付 阿波踊り図角小鉢 時代:明治以降 角径8.0cm 高7.3cm 裏銘 : なし


この手の大皿作品にはかなり怪しげな物も多く、私としても一抹の不安を
抱いておりましたが、 ここまでの大皿で成形もしっかりしており、
呉須の発色、見込中央の環状松竹梅、区分の環状文とも
丁寧に描かれております。
表の蛸唐草については線描きではありますがこの時期には有り得る物と
判断します。裏の蛸唐草、高台周りの文様もこの時期の作品には
見られるもので破綻なく描かれております。
銘、目跡も確かなもので、総合的に判断して後期後半と見て良いと思います。
2021. 7. 1

 第213 染付 蛸唐草松竹梅大皿 時代:後期 径52.0.cm 高9.0cm 裏銘 : 太明成化年製


  明治期以降の大徳利です。
この手の瓶形の器ですが、ヤフーの出品者の表記名称として「徳利」と
言うものと「花瓶」と言うものが見られます。
私は時代的に考えるに、この手の器は液体保管用の日用雑器として
使われたものと思っております。
後世のガラスの一升瓶的なものとして使用されていたのでしょう。
ガラスが一般的でなかった江戸時代の陶磁器の大徳利の流れにある
製品でありましょう。
2021. 6. 1
 
 第212 染付 蛸唐草・微塵唐草大徳利 時代:後期以降 高さ27〜28cm 胴径16〜17cm 裏銘 : なし


    輪茶碗は江戸中期以降、大衆が日常的にお茶を飲むようになって
普及したものと思われます。
口径は8〜9cmで ころっとした可愛らしい茶碗です。
この形状からでしょうか「コロ茶碗」とも呼ばれます。     
裏の高台周りが何とも可愛いらしくて目にすると手が出てしまいます。
その結果が今回の番外編となっております。

2021. 5. 1
 第211 古伊万里 輪茶碗 時代:中期以降 口径8〜9cm  高7〜8cm 裏銘 : なし


   明治期の銅板転写印判の大鉢です。
径は31.5cmという大型の鉢で、大きさに惚れて手に入れたようなもんです。
このサイズになると食器として使われたものか、
手水鉢として使われたものか微妙です。
造りとしては丁寧なもので食器としても十分に使用できると思いますが
使用状況を思い巡らせても想像できるものは浮かんできませんので
やはり手水鉢とか洗面器として使われたんでしょうか。
縁周りは裏表に瓔珞文様を廻し、見込みには豪華な花籠文、
見ごたえのある作品です。
裏はメガネ高台で厚みのあるしっかりした造りになってます。
2021. 4. 1
 第210 印判 型紙摺 花籠文大鉢 時代:明治 頂径31.5cm  高10.0cm 裏銘 : なし


   明治期の紙型摺絵の印判の鉢です。
縁周りは点描の雲鶴で明治期の徳利や蕎麦猪口に使われている印判です。
見込みには青海波地に窓絵の月に波兎の印判となります。
明治期の印判の代表的絵柄の構成でこれは確保せざるを得ない
作品と思いました。 お気に入りの一品です
裏の側面にはモダンな花唐草の帯を廻してあり明治らしさを感じます。
高台はメガネ高台です。

2021.3.1
 第209 印判 型紙摺 雲鶴波兎文鉢 時代:明治 頂径20.0cm  高6.0cm 裏銘 : なし


江戸中期の大振り上手蕎麦猪口です。
逆蛸と呼ばれる白抜きの蛸唐草地文に格子狭間の窓絵に梅花が描かれています。
狭間の脇に菱文が描かれておりますがデザイン的に「?」です。
注文主の家紋入り特注品かなとも思っています。

内底には中期のお皿の見込み中央に描かれるような花の丸文があり、
品格を上げています。
磁胎は薄く、裏はベタ底で富貴長春の銘です。

2021.2.1
 第208 染付 逆蛸唐草格子狭間梅花猪口 時代:中期 頂径9.3cm  高8.5cm 裏銘 : 富貴長春


尺八寸(54cm)の花鳥文大皿です。
この様な大皿がどの様に使われたのか想像もつきませんが、
昔の宴席では盛合せ皿として使用されていたのでしょうか。
それとも、私は床飾りとして使っておりますが、
そのように飾り皿として作られたものでしょうか。
蔓唐草で縁取りをした見込一杯に梅、牡丹、菊を生け花のごとく描き
小鳥を添えた絵画作品であります。

2021.1.1
 第207 染付 蔓唐草花鳥文大皿 時代:幕末明治 頂径54.3cm  高8.2cm 裏銘 : なし


線描きというか、祥瑞手と言うべきか微妙な絵付けではあります。
もう少し時代の下がった典型的な線描きとは違った、細線で描かれた
祥瑞で縁取られております。
器形は型押しで見込み部が深皿になった6角皿であります。
中期末頃の作品と思われます。
見込み中央の環状文は祥瑞と波文の窓絵で囲まれた笹竹でありますが、
その生え地は何を表しているものやら分かりません。

2020.12.1
 第206 染付 線描隅鶴祥瑞六角皿 時代:中期末 頂径29.5cm  高3.5cm 裏銘 : 乾


後期鍋島と言われる猪口です。
猪口と呼ぶべきか向付と言うべきか微妙なもので、
かなり前に手に入れたのですが未掲載になっておりました。

白磁の器地の美しさ、成型の緻密さ、品の良い絵付け、
時代は下がっても流石に鍋島と言わざるを得ません。
藩窯としての責務と技術の伝承が確実に行われてきた証なのでしょう。

2020.11. 1
 第205 後期鍋島 草花文猪口 時代:後期 径10.2cm; 高7.1cm 裏銘 : なし



このお皿はいつものごとく竹虎文に惹かれて手に入れたいものです。
しかしながらこのお皿、造形的にも意匠デザイン的も良くまとめられた
秀作であると思います。
青磁の器面にもマッチした美しいお皿です。
裏は七宝文繋ぎ風の文と蝙蝠がえがかれており、
銘は乾隆銘と言われるもので
後期に良く見られる構成であります。

2020/10/1
 第204 青磁染付 竹虎文六角大皿 時代:後期 径35.2cm; 高4.5cm 裏銘 : 乾



本品は大香炉と称されておりましたが、香炉とすればお寺さんで
使われていたものでしょうか、そうそうお目にかかれないサイズの
香炉であります。口周りの縁には蛸唐草を回し、首周りは内外に四方襷に窓絵、
胴回りには飛龍を描いております。
宝暦年の作との事ですが絵付け的には妥当な判断と思います。
両耳の取っ手が格調高いものですが、これを見ると手炙りまたは瓶掛けとして
使われていたような気もします。

2020/9/1
 第203 染付 蛸唐草飛龍文大香炉 時代:宝暦 径23.4cm; 高13.8cm 裏銘 : なし



本品は花籠文を描いた輸出伊万里、芙蓉手の代表的作品であります。
尺八寸と言う兜形大皿で歪みもなく堂々たる立派なものです
見込みに大きく花籠文を描き縁模様に牡丹花文を丁寧に描き詰めています。
芙蓉手の区画の唐花も格調高く丁寧に描かれているのが好感が持てます。
絵付けも力強く迫力のある絵筋の良い作品であります。
器地も白く抜群の焼き上がりとなっています。
裏面は裏白と呼ばれる無地で、端正なしっかりとしたものであります。

2020/8/1
 第202 輸出伊万里 芙蓉手花籠文兜大皿 時代:元禄 径55.34cm; 高8.39cm 裏銘 : なし


藍柿の八寸平鉢です。
藍柿ではお皿が主でありますので、本品のような深さのある作品は、
希少であるようです。口縁や立ち上がり部分にも、細密な絵付が施され、
その丁寧な仕事振りが伺えます。藍柿の平鉢の代表的な作品であります。

見込みには柳樹の幹に佇む一羽の鷺を描き、立ち上がりは 瓔珞文、
縁の鍔部には菊唐草、器形は8弁の輪花に仕上げ、
口紅を回すという最上手の作行であります。
裏は藍柿の典型的な巻線、唐草、渦福であります。


2020/7/1

 第201 藍柿 柳下鷺文八寸平鉢 時代:元禄 径23.4cm;高4.9cm 裏銘 : 渦福


初期伊万里を代表する吹き墨の作品です。
初期の吹き墨作品には幾つかの類例が見られますが、
鷺文はその一つであります。
吹き墨の鷺文にも色々なパターンが見られます。
一羽の鷺のもの、鷺と葦を描いたものなど目にしますが
このお皿は 「つがい」 でしょうか、二羽の鷺が睦まじく飛翔しております。
 器形は典型的な1/3 高台で、縁を鍔状にした上手の初期伊万里らしい
中皿、うっすら青味がかった透明釉、力強く好ましい高台であります。

2020/6/1

 第200 初期伊万里 双鷺文皿 時代:寛永 径20.4cm;高3.1cm 裏銘 : なし


藩窯鍋島と柿右衛門窯はなんらかの形での交流があったようで、
柿右衛門窯の手の良い陶工が、鍋島作品にも関与したとも云われています。
そうした中で鍋島作品から大きな影響を受けた柿右衛門窯の製品があります。
裏の七宝文繋ぎ文様、外周に文様を描いた高い高台、目跡の無い高台内側など、明らかに鍋島様式を手本にしたものであります。
かつては「柿鍋」と呼ばれた、希少な作品群のひとつです。
見込みには柿右衛門様式に見られる二重巻線を回し、その外周部の一部には
七宝文繋ぎ、内側から外側にまたがって桐花を大胆に描いた
ダイナミックな作品であります。

2020.5.1
 第199 藍柿 桐花七宝文台皿(柿鍋) 時代:元禄 径20.8cm;高4.5cm 裏銘 : なし


多くの長角皿と同様隅入りの角皿ですが、このお皿は6寸×4寸と
幅広の器面であります。見込み外周部と中央を2重線で区分する
柿右衛門手で見られる手法を用いております。
絵の構成的には丸皿であっても何の違和感もないであろうモチーフですが、
この器形に収めたことによってより絵画的な表現になったと思います。

見込み中央には流水波濤と蛇籠、周辺部は花を付けた蔓を装飾的に配し、
裏は極めて端正な隅入り成型となり、長角皿に用いられる花唐草文を
描いております。銘は「渦福」

2020.4.1
 第198 藍柿 花葛流水蛇籠文隅入角皿 時代:延宝 径18.8*12.4cm  高3.5cm 裏銘 : 渦福


 輸出伊万里には当然、色絵、金襴手、染錦などの華やかな作品も
渡っております。
当コレクションは染付製品を主眼として伊万里焼の歴史を辿っておりますが、
近世ヨーロッパにおいて好まれた輸出伊万里を俯瞰するにあたり
色絵製品の片鱗だけでも示すことが必要と考えて加えたものであります。

見込み中央には典型的な菊花文、三方窓絵に鳳凰文の縁周り、
裏は兜形の無文無銘。

2019/3/1.

 第197 輸出伊万里 染錦 花鳥文兜形 時代:元禄 径22.2cm  高2.6cm 裏銘 : なし


  このお皿も元禄期に輸出用につくられた製品であります。
外国人好みの花鳥図で、当時世界を魅了した伊万里の華やかさを感じられる
一品です。ヨーロッパに渡ってシノワズリと呼ばれるオリエンタル趣味の
美術様式の流行に影響を与えたデザインの一つと思います。
見込み二重圏線内に岩の上の鳳凰と花を描き、縁周りに洋風の花鳥文を
廻しています。このお皿もまたこの時代の良質の呉須で鮮やかに
描かれております。器形は輸出伊万里に多く見られる鍔縁兜形の
お皿です。裏は裏白と言われる無地無銘。

2020.2.1
 第196 輸出伊万里 花鳥縁鳳凰文 時代:元禄 径22.2cm  高2.6cm 裏銘 : なし


    古伊万里の歴史を辿るというコンセプトにおいて、
中世ヨーロッパの王侯貴族に好まれて盛んに輸出された
古伊万里の視点が欠けていることに遅まきながら気付きました。
本品は景徳鎮意匠の見込に花鳥文を描いた古伊万里芙蓉手の代表的作品で
あります。見事な絵付けと、これ以上は望めないともいえる呉須の発色で、
抜群の焼き上がりとなっています。
裏白と呼ばれる無地の裏面が殆どの中にあって、「角福」の在銘が
伊万里の心意気を示しております。

2020年 元旦
 第195 輸出伊万里 芙蓉手花鳥文大 時代:元禄 径40.1cm  高9.0cm 裏銘 : 角福


藍九谷らしい大胆な意匠と良質の呉須の美しい発色が目を引くお皿です。

円弧の辺で描かれた6角の縁に巻物、蓑、羽根の宝物を描き、
二重巻線仕切られた見込みには羽団扇を置いております。
当初これを 「一葉文」 と表現しておりましたが、
実は厄除け、邪気払いの 「羽団扇」    だそうです。天狗の団扇ですね。
お皿の文様としては縁起物尽くしとなりますので、正に納得の解釈であります。    

磁胎は薄造りで、裏は厳しい三角高台、無地無銘で高台周りに巻線のみ。

2019.12.1
 第194 藍九谷 羽団扇に宝物文 時代:寛文 径15.0cm  高3.0cm 裏銘 : なし


こ洋犬を連れた阿蘭陀人が見込中央に描かれたお皿です。
縁周りに陽刻を施し、染付の絵柄は見込中央部に径の1/3程の
小円内に描かれております。
このお皿の様式は宝暦寛政期に多く見られます。
このお皿の陽刻、型物ではありますが単なる笹文様でなく
「竹林賢人」が陽刻されており、輪花の鍔の部分にも
陽刻を回した手のかかったものです。
器形はこの時期に多く見られる深皿のタイプで、裏は無地、
あまり見かけない銘があります

2019/11/1
 第193 染付 洋犬に阿蘭陀人文陽刻 時代:宝暦・寛政 径21.5cm  高3.0cm 裏銘 : あり(不詳)


このお皿の縁周りの文様、波文と言うらしいのですが、リズミカルな繰り返しの波がグラデーション豊かに描かれております。
昔から気になっている文様で何度か出会ってはいたのですが
すれ違いばかりで手に入れられませんでしたがようやくコレクションに加えることが出来ました。
波文の中に雲が散らされているものは初見でした。
見込みの花は藍九谷作品では良く目にするものです。
裏は巻線に三角高台、つる草を回して、無銘です。

2019/10/1
 第192 藍九谷 雲波縁草花文皿 時代:前期 径20.3cm  高3.1cm 裏銘 : なし


初期伊万里を代表する作品です。
見込みには海辺の山水人物が描がかれ、「倣筆意」の文字と落款があります。
縁周りは簡素な花文を配した亀甲文繋ぎで縁取りしております。

「倣筆意」と記された陶片は天神森窯から出土しており、
天神森窯と考えられる初期伊万里です。
天神森窯は最初期の初期伊万里を焼成した窯と言われています。
まさに、草創期の初期伊万里です(1616〜1630年代)。

2019.9.1
 第191 初期 亀甲縁銘款入山水文皿 時代:寛永  径16.0cm  高32cm 裏銘 : 角福


縁周り陽刻の藍九谷です。
流水波濤に蛇籠と水車が刻まれその上にダミが施されております。
この技法の藍九谷には幾つかの類例が見られます。
陽刻では他に宝珠龍文の文様があり、見込み絵にも草花文など
様々なものがあります。藍九谷の代表的な技法の一つでしょう。

このお皿では余白を活かした枝折の花文を描いております。
力強い縁周りに対比させるかのように優しく、全体を和らげた美しい作品です。
この様式の作品では最も優れた意匠であると思っております。


2019.8.1
 第190 藍九谷 陽刻波濤縁枝折花文皿 時代:寛文  径21.4cm角  高3.9cm 裏銘 : 福


初期伊万里の色絵です。
同じ皿で上絵付のない染付のお皿も存在します。
元々色絵を意図したものではなく、染付作品に職人さんが様々な
試行をしたものでしょう。

造形の整った折縁形の中皿で、口辺の折縁部分に柔らかで
丁寧な筆致で唐草を廻らせ、見込みには童子を伴った文人風の人物が、
遠景の対岸を悠然と望んでいる様子が描かれております。

2019.7.1
 第189 初期色絵 唐人物文皿 時代:寛永  径17.1cm 高1.7cm 裏銘 : なし


延宝盛期の藍柿のお皿です。
2018.7月の「藍柿 雲鶴松樹文変形長皿」と様式的には同系のものです。
淡い呉須の丁寧な筆致で描かれた見込み外周、10弁の輪花縁周りに
口紅を施した、延宝盛期らしい完成度の高い美しいお皿です。
雲中鳳凰に雨降文、このような意匠の取り合わせは、あまり見かけないよう
ですが、藍柿を堪能出来る秀作であると思います。
器形は凛とした端正なもので、裏は盛期の手をかけた唐草を
まわしております。銘は「宣嘉年製」
2019.6.1
 第188 藍柿 雲中鳳凰雨降文皿 時代:延宝  径18.6cm 高3.7cm 裏銘:宣嘉年製



一房の藤の花が、見込みの円の中にデザイン的に収められている。
古伊万里において対象をこれほど図案化した作品は希少である。
優れた写実的絵柄の多い藍九谷の中にあって、
この作品は図案的意匠として誠に秀逸、代表的な作品であると思います。

縁周りは陽刻で銀杏葉繋ぎ文が施され、
裏は高台周りと高台内に巻線、銘は角福
2019/5/1
 第187 藍九谷 下り藤に陽刻銀杏繋文皿 時代:寛文 径20.7cm  高3.1cm 裏銘:角福


延宝期の藍柿のお皿です。
美しい呉須の発色は特筆すべきものがあります。
二重巻線で仕切られた見込みには、呉須の濃淡、グラデーションを使い分け
一幅の水墨画のごとき山水画が描かれます。
染付技法の頂点と言えるものと思います。
型打ち成形による端正な縁反りの器形で縁周りは独特の陽刻になっており、
裏は手をかけた唐草をまわしております。
銘は「太明成化年製」
2019/4/1
 第186 藍柿 山水家並文陽刻7寸皿 時代:延宝 径21.5cm  高3.9cm 裏銘:太明成化年製


初期伊万里から藍九谷への移行期の作品です。
周辺部には四つの窓絵と言うか花弁文を描き、その間を薄ダミの雲状文様で
つないでいる。見たことのない意匠で表現が難しい。
区切りの二重巻線の内側には芥子の花かと思う草花が一輪、力強く描かれる。

裏には伸びやかな瓜文とツルが描かれております。銘は「太明成」.
初期から藍九谷への移行期の作品には「太明」が多く見られますが、太明成化年製の 「成」まで書かれております。
2019/3/1.
 第185 初期伊万里 芥子花文7寸皿 時代:初期 径21.1cm  高2.2cm 裏銘:太明成


見込みには一枝の梅花が描かれ、縁周りにも窓絵の梅花が五つ描かれて
おります。窓絵と窓絵の間は雲か雪かと思われる文様が陽刻を施して
埋めてあります。藍九谷でも古作のほうだと思います。
このお皿の縁周りと同じもので、見込の絵の違うお皿を見たことがあります。
陽刻があるので型打ち成形でしょうから、いくつかのバリエーションが
あったのでしょう。
裏は高台周りと高台内に巻線、銘は角福

2019/2/1.
 第184 藍九谷 陽刻縁草花文皿 時代:寛文 径20.7cm  高3.1cm 裏銘:角福



山中の庵に学ぶ賢人を訪ねる唐人物を中心に山水文を

描いた 柿右衛門手の典型的な皿です。

唐人の細かな表情に至るまでまことに藍柿と云える筆致です。

この意匠は藍柿の代表的な作の一つで大皿にも同意匠が見られます。

型打ち成形で稜花形に作り口紅を施した、極めて薄手の最上手の造りです。

裏面は丁寧な唐草文をめぐらし銘は渦福

2019 元旦
 第183 藍柿 唐人物文輪花皿 時代:延宝~元禄 径22.0cm  高3.2cm 裏銘:渦福


藍九谷では何種類かの文字入りの皿が見られます。
多くは青華製品に記された文字の一つを描いたものでしょう。
おそらくは縁起の良い文字、目出たい文字が記されているものと思います。

このお皿ですが「鳩」です。正確に言うと現代の鳩とは違いますが、
鳥の鳩で間違いはないでしょう。
見込みの環状線が櫛目になっているのも、珍しく手が込んでおります。
裏の高台もお約束の三角高台。ちょっと変わった唐花が描かれております。
銘は「宣徳年製」です。

2018.12.1
 第182 藍九谷 鳩文字文皿 時代:前期 径15.2cm  高2.6cm 裏銘: 宣徳年製



明治以降のベロ藍のお皿です。
後期の作に良く見られる麒麟を描いた作品ですが、
芙蓉手から派生したと思われる縁周りの変形皿になっております。
この時期のものは古伊万里とは言わないのかと思いますが、
古伊万里の流れを色濃く残した作です。

ベロ藍作品も日本の磁器の推移を辿る意味では
当コレには必要欠くべからざる作品群です。

2018.11.1
 第181 ベロ藍染付 麒麟文変形皿 時代:明治期 径16.0cm  高32cm 裏銘: 角壽?


VOL.1 (1〜20) VOL.2 (21〜40) VOL.3 (41〜60) VOL.4 (61〜80) VOL.5(81〜100)
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