染付 蝶唐草柳樹鳥文輪花皿
明治以降:径14.8cm 高3.2cm

図録「染付の美」の終結の後、古伊万里蒐集の活動を停止しておりますが、
いよいよ番外蒐集品も底をついてきました。
さてどうしたものか思案をしておりましたが、図録を見直して見ると詳細展示をしていない作品が
まだ多数あることが分かりました。
特に中期末の新様式清朝風意匠の作品や後期作品については、私自身の好みの点で
関心が稀薄で取り上げておりませんでした。図録展示品ですがこれを網羅することで当面続けられそうです。
歳を重ねるにしたがってなぜか忙しくて仕事も減らし始めている状況なのですが、
だからと言ってHP閉鎖するのは寂しいし、HP全体としては未整理の部分もあるので、
表現手段としては時代遅れとなっていることは自覚しつつも止められないのです。
・・・・さて長々と言い訳を重ねましたが本題に入ります。

本作品は前述した中期末の新様式清朝風意匠の作品です。
宝暦期末から寛政期にかけて多くの作品が造られました。
特徴的な器形の深皿のもので有刺輪花と呼ばれる縁周りであります。
縁の絵柄もこの時代に見られる蝶唐草で、清朝風意匠に多く使われております。
見込絵は古伊万里伝統の樹下岩鳥の絵ですが、盛期の絵に比べると数段、技量品格ともに
下がりますが、こてこての中華ではなくて和の味わいのある優れ物であります。

2021. 10. 1

本作品

参考品




バックナンバー