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輸出伊万里には当然、色絵、金襴手、染錦などの華やかな作品も渡っております。 当初は中国景徳鎮の写しが主でしたが次第に柿右衛門作品なども注目され 日本意匠の優れた作品が海を渡り、好評を博し「イマリ」 の名前を浸透させました。 現在もヨーロッパの歴史的建造物である宮殿などの装飾に使われて残っております。 そうした作品の内、市中に出たものが、明治以降でしょうか好事家に買い戻されて日本に 帰った作品を 「里帰り伊万里」 と呼んでいるようです。 本作品はそんな立派のものではありませんが、一応輸出用に作られた製品の一つであろうと思います。 当コレクションは染付製品を主眼として伊万里焼の歴史を辿っておりますが、 近世ヨーロッパにおいて好まれた輸出伊万里を俯瞰するにあたり 色絵製品の片鱗だけでも示すことが必要と考えて加えたものであります。 見込み中央には典型的な菊花文、三方窓絵に鳳凰文の縁周り、裏は兜形の無文無銘。 2019/3/1. | |||||
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