骨董の部屋
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藍九谷かと思ったのですが、裏を見ると中期であることが分かります。

絵付けのほうでも、空に鳥、海に魚or舟というお約束事のような余計ものがある。

藍九谷のように絵画的センス溢れた自由闊達なものではなくなってきて、
絵付けがややパターン化してきた段階なのであろう。



2001/12/4
第20回 染付 蓬莱山図皿 時代:江戸中期 寸法:径20.7cm 高3.7cm 裏銘:太明成化年製

縁まわりの花を、勝手に野菊と断定して秋の皿とする。

鳥の表現を見ると藍九谷でも古い様式だと思う。

程好い空白と、多様な呉須使い、

全体の雰囲気として大変おおらかで、眺めていて飽きない。



2001/11/4

第19回 藍九谷 瑞鳥草花文皿 時代:江戸前期 寸法:径21.0cm 高3.5cm 裏銘:なし



盛期を少し下った頃のものと思われるが、
絵付けの丁寧さ、余白を生かしたバランス感覚、
まだなんとか、盛期の技術が継承されていたようである。

菊萩蝶の組合せも珍しい。

2001/10/5
第18回 染付 菊花萩に蝶文尺皿 時代:江戸中期 寸法: 径29.7cm 高5.3cm 裏銘:渦福



初めて手に入れた藍九谷の皿。

私の藍九谷の概念を形成した記念すべき皿。

当時よりも古伊万里が解ってきた現在のほうがより美しさを感じる。

前期でも古い様式のようだ。



2
001/9/5
第17回 藍九谷 文字蝶文皿 時代 : 前期 寸法 :径15.2cm 高3.2cm 裏銘:福の変形


子供の頃夏休みになると、しょっちゅう近くの川に泳ぎに行った。
途中の田圃際に里芋畑があり
当時の身の丈より大きな葉茎が繁っていた。

本品は寛文期特有の、骨太な力強さがたまらない。
裏銘は「嘉」の字。

(後日記) (購入時、「芋葉文」と称されていたが、芋葉か蓮葉かの話題になった)
右側の葉茎の形状を見ると、うねりがある。里芋畑、蓮田でそれぞれ観察してみた。
蓮の葉茎にはうねっているものがあったが、一方里芋のほうは無い、茎の組織、質的にうねらないようである。
従ってこの葉は、蓮葉と判断する。

2001/8/4
第16回 藍九谷 蓮葉文皿 時代 : 前期 寸法 :径14.7cm 高2.5cm 裏銘:嘉



ここ数日の猛暑は夏の盛りを思わせる。

朝もやの中に涼しげに咲く朝顔でも思い浮かべて何とか凌ぎましょう。

盛期のような細密さはないが、味のある絵だ。

裏銘は「成化年製」だが、知っているから判読できるが、知らなければ

読めないでしょう。




2001.7.7

第15回 染付 柴垣朝顔文深皿 時代 : 後期 寸法 :径15.0cm 高4.7cm 裏銘:成化年製


梅雨の季節になって、雨のない昼には初夏を感じさせる太陽が顔を出す。実の子供をつけた瓜の花が水玉をのせて輝く。
こんな情景を思い浮かばせる細密な絵だ。

柿右衛門らしい薄手の精緻な作りで、見込み絵も素晴らしい。
裏がまた良い、同じ器形の小鉢は目にするが、この鉢のように裏にも柿右衛門の絵の入ったものは少ない。見事な花鳥が描かれている。

後に、この手は大変貴重なものであることを知った。



2001.6.15
第14回 藍柿瓜文小鉢 時代 : 盛期 寸法:径13.2cm *高4.7cm 裏銘:渦福


盛期のそば猪口。薄作りで、器形も端整で厳しくピシッと出来ている。

これは花唐草ではなく、唐花文様である。鍋島の唐花に比較してはかわいそうだが、いささか精緻さにおいて劣る。
しかしながら、配置構成はさすがで、とても上品な仕上がりになっている。

底はベタ底よりもやや深く出来ている。


裏銘は「太明成化年製」
第13回 藍柿 唐花文向付 時代:元禄 寸法:口径9.2cm 高5.0cm 裏銘:大明成化年製

先日TVで、鮎の遡上が始まったのを報じていた。
昔、会社勤めの頃、滋賀県にある工場に勤務していたことがある。 そこには渓流釣りの名人がいて、休日には何度も連れていってもらった。
今頃の季節だと、稚鮎釣りを教えてもらった。
成魚になると川石についた水苔しか食べないので、友釣りという高度なテクニックを要する釣り方しかないのだが、 遡上の稚鮎は毛鉤でも釣れて、初心者の私にも釣ることが出来た。
放送で言ってたが、 鮎は幼魚の時は肉食で虫や動物性プランクトンを食べるんだそうだ。それで毛鉤に食らいついたわけだ。 納得。
鮎は小さいけど鮭科の魚なので、口が大きくて、この皿の鮎のように結構怖い顔をしている。
この皿を見ているとそんな昔を思い出す。渋くて美しい皿である。
2001.5.18
第12回 藍九谷 花唐草鮎文長皿 時代:江戸前期 寸法 :20.8*12.0cm 高3.8cm 裏銘:角福

春の海、ひねもすのたりのたりかな」・・・・・・・・・・・・(ひねもす:終日)

春ですねえ。おおらかな職人さんが、くりくり、くりくり書いたんでしょうねえ。
裏絵がまた気に入っているんです。

これは昨年思い出の戸栗オフ会で、鍋島の神業の青海波にあてられた直後に、ヤフオクで出会ったものです。是が非でもと頑張りました。

第11回 染付 青海波鳥文長角皿 時代:江戸中期 寸法 :20.8*12.0cm 高3.8cm 裏銘:冨貴長春


これは染付けにハマッた当初手に入れたもので、骨董屋さんに「良くわからないけど、時代はないよ」と言われて譲ってもらった。

絵は丁寧で見事だし、畳付けに見える磁胎も非常にキメ細かくて、外絵の唐草もものすごく丁寧だし、裏銘も立派だし、てっきり盛期の伊万里なんじゃないかと思っていた。裏銘は「平安莱山」

この「平安」が清水の冠だと知ったのは後のこと。
ヤフーでも「平安〇〇」作は良く目にするけど、「莱山」さんは出会わない。いつ頃の人なんだろう?

それでもこの皿は大好き。
幔幕の内側では、花見の宴だろうか、それとも野点だろうか。

第10回 清水焼 幔幕越楼花図長丸皿 時代:明治 寸法:径17.6*12.0cm*高2.5cm 裏銘:平安莱山

堂々たる器形に、精細の極の絵付け。
口縁の金彩は殆どなくなってしまって、往時の華やかさこそ減じているのであろうが、まったく問題にしないだけの華麗さを持った酒盃である。

九谷の赤絵の、黒味を帯びた赤に昔から憧れを持っていて、高台周りの文様にこの赤が見えて、取得の強い動機になった。
ところが実際に手にしてみると、思っていた以上に気合いの入った素晴らしいものなので、嬉しさのあまり特別展示と相成った次第である。

大変見所の多い盃なので、別画像も用意しました。
見込みの柘榴絵。
高台周りの文様。

裏銘 :角福

第9回 九谷赤絵酒盃 時代:明治 寸法:径6.5cm 高4.5cm 裏銘:角福

盛期後半、1700年代前半の柿右衛門手です。

染付けの本を眺めまくっていた頃から柿右衛門の流水桜文に憧れていました。
見つけたと思ったら「波に桜文」の表記がありました。
なるほど青海波文様が入ってます。
それでもこの雰囲気はまさに私のイメージにピタリ、文句なしに手に入れました。

四方隅入りで、四つの面が花唐草との組み合わせになっていてなかなかお洒落です。


裏銘には渦福があります。
第8回 藍柿 波に桜文向付 時代:江戸中期 寸法:辺9.6cm 高6.3cm 裏銘:渦福

染付けのハヤカが色絵に手を出しました。

それは裏絵の総花唐草が見事だったからです。
染付けにハマってここまでくる間に、花唐草や蛸唐草が裏絵から始まって、表絵になって行ったことを知り、裏絵総花唐草も一枚は欲しいと思っていました。

やわらかな花唐草に表絵も落ち着いた色使いで、上品な優しさのある深皿です。

無傷の里帰り品ということですが、結構使われていたようで縁の金彩が殆ど無くなっています。
でもそんなことは気にならないくらい、凛とした雰囲気を持っています
第7回 色絵 隅入角鉢 時代:江戸中期 寸法:辺16.5cm 高7.0cm 裏銘:冨貴長春


文句無しの猪口。
薄造りで磁胎も釉も真っ白で、呉須が映える。
形もどっしりと堂々たる姿でしかも凛々しい。

絵がまた良い、三面にそれぞれ配された「松」「竹」「梅」。
洗練された筆致が素晴らしい。

私の元禄のイメージにぴたり。


見込柄なし。底はベタ高台。裏銘は「太明成化年製」
第6回 染付 松竹梅文向付 時代:元禄 寸法:口径9.6cm 高6.2cm 裏銘:太明成化年製

時まさに元禄。
お洒落ですよね。
元禄のイメージにピッタリの図である。(元禄以前のものであるが)

戸栗美術館での鍋島を見たときにも思ったけど、この時代の職人さんのデザイン感覚には、ただただ脱帽する以外にありません。

鷺の表現の見事なこと、白鷺が大好きな私にはたまりません。また余白に散らされた花文は初期にも使われているもので、この皿の時代を推測させてくれます。

これも手に入れたときは大修理品でした。
あまりにも可愛そうなのでハヤカ流修復をしてやりました。
第5回 藍九谷 団扇白鷺図五寸皿 時代:江戸前期 寸法:口径14.5cm 高2.1cm 裏銘:なし

なんとも見事な皿である。

見込の、一幅の水墨画のような絵は無論のこと、縁には墨弾きの技法で朝顔と、松の葉が書いてある。

白抜きで描かれた朝顔のツルと松の葉の繊細な線に、言いようもない感動を覚え、嬉しくなってしまう。

藍九谷の描写の美。
藍柿の様式の美。
藍鍋島の意匠の美。
かけだしの私のつたない染付けの道で実感している、盛期伊万里に対する概念です。
第4回 藍九谷 岩牡丹鳥文七寸皿  時代:江戸前期 寸法:径 21.0cm 裏銘:なし


この皿は、天明様式の代表的な作品である。柴田コレクションにも入っているようだ。見込み全面に染付けが施され、器形も丁寧な12角に成型されている。裏銘は天明年製。

私は盛期伊万里の次に、天明様式を評価している。
これに続く、白抜きの様式に至って天明様式の完成度は、伊万里にとって革命的な第二期黄金時代となったように思う。


この皿を見たとき、「ん、これは私の持っている本に載っていたような気がするな」。手持ちの本片っ端からひっくり返してみたら、やっぱりあった。
ミーハーコレクターとしては、「本にあるようなものが欲しいー」が本音だから、めぐり逢えたチャンスを逃がすわけには行かない。この時代なら何とかなる。無理をお願いして譲ってもらった。
第3回 染付 楼閣山水十二角皿 時代:天明年 寸法:径 21.3cm 裏銘:天明年製


ちゃんとした花唐草が欲しかった。
近隣の骨董やさんにはまずなかった。

ネットオークションの存在を知って、初めて開いた時に出合った。それから何日かオークションガイド見ながら勝負して手に入れた。包装を解いて初めて手にした時、感動ものだった。嬉しくて夜中まで撫でまわしていた。

こんな気持ちは、昔々高校生の時、当時出始めだった一眼レフカメラを買ったとき以来のことだ。その時も夜更けまで撫でまわし、空シャッターを切りまくっていたっけ。

憧れていたものを手に入れることの醍醐味を思い出して、ネットオークションにハマって行く端緒となった猪口である。

見込は五弁花。底はメガネ高台。裏銘は「冨貴長春」
第2回 染付 花唐草文蕎麦猪口 時代:江戸中期 寸法:径 9.2cm*高7.0cm 裏銘:富貴長春


蛸唐草は江戸時代を通して作られているので、出逢う機会が多い。

収集をはじめた頃は、「おお、蛸唐草だ!」と見つけると買ってしまった。
手元のものより良いものが手に入ると、前のものは見る気にもならない。

こんなことを繰り返して気がついた。
定型のものは「〇〇ならこれでしょう。」と言えるものを手に入れなくては。

この皿で蛸唐草は一応収まりをつけた。

第1回 染付 蛸唐草六寸皿 時代:江戸中期 寸法:径 18.0cm 裏銘:渦福


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