骨董の部屋
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芙蓉手のように8っに区割された尺皿で
古伊万里様式では良く目にする構成でありますが、
染付ではあまり見られないような気がします。
区画には流水桜と菊花蛸唐草が交互に描かれ、
見込み中央には一枝の牡丹が描かれております。

裏はやや時代の下がる花唐草と圏線がまわされております。
銘は「太明成化年製」ですが、古いパターンと思われます。


2012/7/1
 第120回  染付 区割流水桜牡丹文尺皿 時代:享保年  寸法: 径31.5cm 高4.3cm  裏銘 :大明成化年製



久し振りに青華のお皿をアップしました。
このお皿は私のお気に入りの一枚です。
見込み絵は太湖石と草花文、10時位置の蝶と思われる点が描かれていて、古染で良く目にする構成の図柄であるが、環状の如意頭繋ぎを施してあるのが嬉しい。これがまた初期伊万里の源流を感じさせてくれるのである。

裏を見ると焼き歪みが目立つが、高台周りのギザギザ模様と圏線、古染付独特の模様が施されている。
銘は藍九谷などで「福文字だろう」と言われる文字に似たもので、これも「ルーツ」を感じさせてくれている。

2012/6/1
 第119回  古染付 如意頭草花文皿 時代:明朝 天啓年   寸法: 径16.7cm 高2.8cm  裏銘 :福変形




ずしりとした手取りしっとりとした磁胎。二重圏線で区切られた見込みは
一枝の牡丹の花と蝶が描かれている。縁は幅のある鍔状で、そこに鉄釉を施してある。
この手の初期伊万里で口紅のあるのも大変珍しいし、
それによってこのお皿の雰囲気を格調高いものとしている
裏は無文だが、深く削られた高台、流れる釉薬、初期伊万里の魅力に溢れている。



2012/6/1
 第118回  初期伊万里 牡丹蝶文皿 時代:寛永年   寸法: 径20.1cm 高3.0cm  裏銘 :なし



江戸後期に清朝風意匠で良く目にする乗馬人物丸文と十二支文字丸文を四方襷で縁取りしたお皿です。
この意匠の製品はこの時期盛んに作られたようで、すべての食器形態で見られます。
ということはとりも直さずこの時期を代表する特徴的なデザインの一つと言うことができます。
四方襷や微塵唐草の縁周りのお皿は呉須の藍色と相まって大変スッキリとした印象で気に入ってます。
裏はつる草風の綺麗な唐草、成化年製の銘。


2012/4/1
 第117回 染付 四方襷乗馬人12支丸文皿 時代:文化文政   寸法: 径40.4cm 高5.7cm  裏銘 :成化年製




典型的な芙蓉手のお皿です。
17世紀後半に東インド会社によってヨーロッパに輸出された
VOCマークの芙蓉手が有名です。
この手の意匠は伊万里以前にヨーロッパで人気のあった
中国景徳鎮の皿の代替品として注文され、模作されたもので
あります。

裏は古作の花唐草、銘はない。


2011/2/1
 第116回 染付 白抜き草花鷺文八角鉢 時代:延宝頃   寸法: 径20.5cm 高3.5cm  裏銘 :なし




孔雀文の藍柿の6寸皿です。
桐花文を散らし二羽の孔雀を配した意匠で、線書きと濃使い
での尾羽の精緻な描写が印象的なお皿です。
器形は菊花と呼んで良いのかどうか微妙であるが縁周りは菊の花弁に
成型されている。
浅い皿なので菊花は縁周りだけで見込みはフラットである。

裏は上手の唐草、銘はない。


2011/1/1
 第115回 藍柿 桐花散孔雀文皿 時代:延宝頃   寸法: 径18.7cm 高2.1cm  裏銘 : なし



天明期の塗埋め白抜き鷺図のお皿です。
私の拘りの一枚であります。
中期末から後期にかけてこれら精緻な塗埋め白抜きのお皿は
この時期独特の「天明の青」と呼ばれる呉須が使用されております。
この草花鷺文はどうしても手に入れたいと思っていたもので、
出来るだけ盛りの上作をと待ち続けて手に入れました。
裏は八卦文と蝙蝠?が描かれております。
銘は「宣徳年製」


2011/12/1
 第114回 染付 白抜き草花鷺文八角鉢 時代:天明頃   寸法: 径15.2cm 高3.4cm  裏銘 :宣徳年製



型打ちで縁周りを輪花に膨らませた器形で、口縁に鉄釉を施した柿右衛門様式の典型的なものです。
縁周りは青海波に海中文で描かれる海草と貝を配した、呉須の濃が大変綺麗な鉢です。

当HP開設当初からのメンバーで図録にも掲載しておりますが、この呉須の色が写真でなかなか出せなくて
展示の機会を失っていた気の毒なお皿です。
今回改めて撮りなおして、目出度く展示となりました。

2011/11/1

 第113回 藍柿 青海波海中文輪花鉢皿 時代:元禄頃   寸法: 径15.0cm 高3.5.0cm  裏銘 :渦福




石畳文のこのタイプのお皿も初期伊万里の典型的な作品の一つです。
磁器焼成技術的にはほぼ確立した時期の作品で、初期末、藍九谷への過渡期のものであります。
この手のお皿では窓の配置、窓絵にも様々なものがあり絵付けの職人も色々試行工夫したものと思われます。

裏の唐草も古色溢れた格調高いもので、お気に入りポイントであります。

2011/10/1
 第112回 初期伊万里 石畳窓絵桐梅文皿 時代:正保頃   寸法: 径19.5cm 高3.5cm  裏銘 :福の古文字




大好きな鷺文で下部に回された薄墨の輪線の呉須の色に魅せられて
手に入れたものです。

鷺と沢潟を単にデザイン的に配しただけかと思ってましたが、
今回アップするのにじっくりと眺めてみると、いろいろ見えてきます。
白帯部と薄墨の部分は川面とみて良いのでしょう。
上部のドットの地紋は雪と見るか、夕暮れと見るかですなー。

このように見るとこの作品は情景ものと解釈して良いようです。


2011年9月1日 
 第111回  藍柿 沢潟に鷺文向付 時代:元禄頃   寸法: 径9.5cm 高5.3cm  裏銘 :なし




これぞ初期伊万里というお皿が手に入りました。

この作品は、類型的には図録掲載の初期山水文と同系でありますが、
これだけしっかり描かれた山水文はなかなか出会えないと思います。

蓬莱山風の山の描き方が格調高く、まさに初期伊万里の山で嬉しい。
サイズも7寸5分あって見ごたえ充分、ニンマリであります。

鍔になった縁周りは薄く成型されておりますが、高台にかけては極端に分厚くなっていて、手取りの重さに驚かされる。この重さも初期の味わいなのでしょう。


2011年8月1日 
 第110回  初期伊万里 山水人物文皿 時代:寛永頃   寸法: 径23.0cm 高4.5cm  裏銘 :なし




類似品の資料などから初期伊万里と判断しておりますが、成型や上がりなどから焼成技術的に
ほぼ確立した時期のものと思われます。裏面を見ると初期の雰囲気が色濃く残っております。

このお皿のお気に入りポイントは瑞雲と岩を配した松樹文です。
初期の図柄では松樹の描かれたものが数多くみられますが、いくつかのパターンがあり
この描き方もその典型の一つであります。


2011年7月1日 
 第109回  初期伊万里 陽刻松文皿 時代:初期末  寸法: 径15.0cm*高2.3cm 裏銘 :なし



小品ではありますが、存在感のあるお皿でお気に入りの一枚です。

この時期の典型的な椿図に、輪線の縁周りなのですが、もう一手不定形に呉須を被せてあります。
具体的に何かを描いたものではなく、気まぐれと言うか洒落気というか一味きかせたものなのでしょう。
この遊び心が面白い。

裏は圏線と折れ松葉のみで無銘。

2011年6月1日 
 第108回  藍九谷 輪線椿文皿 時代:寛文  寸法: 径12.0cm*高1.3cm 裏銘 :なし




「西洋風景」と呼ばれておりますが、時代から当然ながら絵師が西洋の風景を写生したわけではありませんから、当時伝来していた絵画あるいはお皿の絵を倣ったものなのでしょう。

そのことが、意識していたか否かはともかくとして、日本で最初の「遠近法を用いた風景画」と言われることになったのです。



2011年5月1日 
 第107回  染付 西洋風景人物文皿 時代:元禄  寸法: 径19.2cm*高2.8cm 裏銘 :なし



 このお皿も染錦と呼べるのでしょうか。染付の環状文と 柿右衛門手の花果文が描かれております。特に染付の「真」文字繋ぎの環状文は藍九谷を髣髴させるもので私の琴線を捉えました。柿右衛門手の色絵は、桃と石榴と菊花が描かれております。

釉薬は鉄分の多い緑色の強いものですが、その色合いからして意図的に使用されたものと思われます。

裏銘はなし、極小の目跡が1個。



2011年4月1日 
 第106回  柿右衛門 真文字繋花果文皿 時代:延宝  寸法: 径14.5cm*高2.5cm 裏銘 :なし



ぽつりぽつりと赤絵の九谷も増えてきて、第3集をご披露することになりました。

これは茶器セットの急須です。お煎茶道具の急須ではなく大き目の日常用の物です。細線の七宝文、麻の葉文、紗綾形やら青海波など線文様が捻り区割りに描かれております。
茶碗の方は、同模様ですが、内側に精緻な網文が描かれていて品格を高めております。所謂、「良い仕事をしてますね」ですね。



2011年3月1日 
 第105回  赤絵明治九谷 第3集 時代:明治期〜  寸法: 裏銘 :




染付の水滴も面白いものがあって、気に入ったものに出会うと手に入れてきました。

漢字圏では古くから墨書、墨彩の文化がありましたので、付随して水滴も作られてきております。金属製、石製、陶器、磁器製と多様なものがありますが、当苑では当然ながら染付磁器の水滴が集まりました。


2011年2月1日 
 第104回  染付 水滴 集 時代:江戸時代〜明治期  寸法: 裏銘 :



明けましておめでとうございます。
当花苑としては珍しく干支のお皿を展示します。

兎文のお皿です。柿右衛門手ではありますが、あの洗練された美しい兎さんではありません。
野趣味に溢れた野兎です。愛嬌のある顔が漫画チックで楽しいのだが、実物のうさぎちゃんの顔も愛らしくイメージ的にはこんなもんかなとも思う。

縁周りの花文散しも、あまり見たことのないもので興味深い。

2011年1月1日 
 第103回  藍柿 桐花散し水辺兎文輪花皿 時代:延宝期  寸法:胴径18,7cm 高さ 3,5cm 裏銘 :なし




明治期の平戸の徳利です。幕末明治の特徴的な草花文が描かれております。
この描き方の草花文は伊万里でも瀬戸でも見られますが、独特の雰囲気があって、私は好きなのです。

菊、萩、ススキ、秋明菊、女郎花、吾亦紅などがあるようですが、
秋の七草ということではないようです。


2010年12月1日 
 第102回  平戸染付 秋草文徳利 時代:明治期  寸法:胴径9.5cm 高さ 15.0cm 裏銘 :なし




今月は新たな出発点と位置付けております。
門出を祝してまたまた記念のお皿となります。


このお皿もまた私のささやかなコダワリのお皿なのです。
染付ビギナー(今でもだけど)の時から憧れていた柿右衛門の「柴垣」。
太湖石も鎮座しており、洒落た薄墨使いも嬉しい。

2010年11月1日 
 第101回  柿右衛門 草花孔雀文皿 時代:元禄期  寸法:口径14.2cm 高さ 3.3cm 裏銘 :太明成化年製


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