初期伊万里 陽刻松文皿
初期末 径15.0cm 高2.3cm 



類似品の資料などから初期伊万里と判断しておりますが、成型や上がりなどから焼成技術的に
ほぼ確立した時期のものと思われます。裏面を見ると初期の雰囲気が色濃く残っております。

このお皿のお気に入りポイントは瑞雲と岩を配した松樹文です。
初期の図柄では松樹の描かれたものが数多くみられますが、いくつかのパターンがあり
この描き方もその典型の一つであります。
縁周りの陽刻も見所で、型押しで芙蓉手風の区割りに植物が押されております。
器形も輪花に仕上げられていて、焼成技術が確立して、意匠にこだわり始めた時期なのでしょう。
初期から古九谷への過渡期の作と云うことが出来ます。

今月も図録掲載のものです。
花苑も展示品が底をついてきて、末期症状を呈してきたようですなー。アハハ



2011年7月1日 










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