こだわり展示室
赤絵の明治九谷 B

こだわり第3集

ぽつりぽつりと赤絵の九谷も増えてきて、第3集をご披露することになりました。

これは茶器セットの急須です。お煎茶道具の急須ではなく大き目の日常用の物です。
細線の七宝文、麻の葉文、紗綾形やら青海波など線文様が捻り区割りに描かれております。
茶碗の方は、同模様ですが、内側に精緻な網文が描かれていて品格を高めております。
所謂、「良い仕事をしてますね」ですね。




網文は単純と言えば単純なのだが、器の丸みに合わせた袋状の表現が大変緻密で、独特の美しさがあります。
なかなか面白い模様だと昔から興味を持っておりました。


煎茶碗のセットです。
お煎茶道具に興味を持っていて、煎茶碗のセットもいくつか増えました。
京焼きと九谷の磁器のものが主になります。
この意匠は九谷赤絵製品に多く見られるもので、独特の雰囲気があって気に入ってます。
様式名があるのでしょうが、分かりません。宿題としておきましょう。




窓抜きの中に草花文が描かれた典型的な明治九谷の作品です。
この時期の九谷の磁胎は貫入もなく、大変美しいものなのに後になるほど貫入製品になって行くのは
何故なのか不思議でなりません。
商業戦略的に「ひび焼き」にしたものなのか、技術の継承が巧くいかなかったのか。
はたまた別の理由があるのか。これもまた大きな宿題であります。
一つだけ感じているのは、この頃の土(磁石)とひび焼きの土は別ものに見えます。




この煎茶碗(酒器杯?)は須田清華の銘があります。
意匠的には本編2品目と同じ様式で、九谷独特のものです。




馬上杯はもういいかなと思っていたのですが、存在感のあるものに出会うとつい手が出てしまうのが
コレクターの性ということなのでしょう。
内側にも丁寧な絵付けがされていて見ごたえがあります。
この品は形状的に馬上杯と言えるのかどうか、単に酒盃で良いのかもしれません。




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