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このお皿も元禄期に輸出用につくられた製品であります。 外国人好みの花鳥図で、当時世界を魅了した伊万里の華やかさを感じられる一品です。 ヨーロッパに渡ってシノワズリと呼ばれるオリエンタル趣味の美術様式の流行に影響を 与えたデザインの一つと思います。 このお皿の存在は古伊万里に興味を持ち始めた頃から書籍等で目にしており、ネットでも 古美術商さんのHPやらオークションで見られましたが、当時は輸出伊万里についての 意識が希薄で、古伊万里と言えば 「和」という観念にとらわれており 「洋風」の雰囲気を持つ この作品には食指が延びませんでした。 近年になって輸出伊万里に興味を持って、このお皿がその代表的な作品であること知り 手に入れたいと思いましたが、以前は結構頻繁に市中に出ておりましたがここに来て いざ探してみると出て来ません。最近になってやっと出会えました。 見込み二重圏線内に岩の上の鳳凰と花を描き、縁周りに洋風の花鳥文を廻しています。 このお皿もまたこの時代の良質の呉須で鮮やかに描かれております。 器形は輸出伊万里に多く見られる鍔縁兜形のお皿です。裏は裏白と言われる無地無銘。 2020.2.1 | ||||||
参 考 2010年10月に展示した柿右衛門のお皿です。 見込み二重巻線内に同じ絵が描かれております。 このお皿はサイズ的に多分、輸出用ではなく国内向けに 作られたものと思います。 ヨーロッパで人気の意匠を柿右衛門手のお皿に 取り込んだものでしょうか。 柿右衛門窯で輸出用の伊万里が作られていたことを 明確に示すものとして興味深いものがあります。 【展示室を見る】 |
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