藍九谷 下り藤に陽刻銀杏繋文皿
寛文 : 径20.7cm  高3.1cm

5月の里山では山裾の木々に絡んだ藤が花を垂らし紫に染めている。
この時期、山あいの道を通ると、青空と若葉と藤紫の対比が大変美しい。

一房の藤の花が、見込みの円の中にデザイン的に収められている。
古伊万里において対象をこれほど図案化した作品は希少である。
優れた写実的絵柄の多い藍九谷の中にあって、この作品は図案的意匠として誠に秀逸、
代表的な作品であると思います。

考えてみれば、日本には 「家紋」という図案化の集大成のごとき伝統がある。
日本人の感性としてあって然るべきデザインと言うことが出来る。

縁周りは陽刻で銀杏葉繋ぎ文が施され、裏は高台周りと高台内に巻線、銘は角福

2019/5/1.

 
 




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