初期色絵 唐人物文皿
時代:寛永  径17.1cm 高1.7cm

初期伊万里の色絵です。
同じ皿で上絵付のない染付のお皿も存在します。
元々色絵を意図したものではなく、染付作品に職人さんが様々な試行をしたものでしょう。

造形の整った折縁形の中皿で、口辺の折縁部分に柔らかな丁寧な筆致で唐草を廻らせ、
見込みには童子を伴った文人風の人物が、遠景の対岸を悠然と望んでいる様子が描かれております。

染付部は洗練された見事な空間構成で描かれて居りますが、
このお皿では余白部分に上絵付で雲と竹林、草花を加えてあります。

九陶の柴田コレクション図録ではこのお皿が掲載されております。
この作品は、初期伊万里人物文の中の優品と言えます。

2019.7.1
 




バックナンバー