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輸出伊万里のコーナーで芙蓉手の花籠文の大皿を探しておりましたが、 私のイメージ通りの作品には出会うことは出来ませんでした。 本品がネット上の古美術商さんにあることは以前から知ってはいたのですが 尺八寸と言うサイズ的にも○○的にも大き過ぎたため選考外にしておりました。 しかしながら、待てど暮らせど花籠文は現れません。 まあ考えてみれば元禄期の芙蓉手兜形の大皿のほとんどは里帰り品ですから そうそう市中に出ることはないのだと言うことを思い知らされました。 そこで改めて本品に向かい会うこととなりました。 品格、状態共に申し分ない優品であることは、重々承知しておりましたので、 こうして私が振り返るまでどこにも行かず待っていてくれたことに、強い 「縁」 を感じて 当コレクションに収めさせてもらいました。 本品は花籠文を描いた輸出伊万里、芙蓉手の代表的作品であります。 尺八寸と言う兜形大皿で歪みもなく堂々たる立派なものです 見込みに大きく花籠文を描き縁模様に牡丹花文を丁寧に描き詰めています。 芙蓉手の区画の唐花も格調高く丁寧に描かれているのが好感が持てます。 絵付けも力強く迫力のある絵筋の良い作品であります。 器地も白く抜群の焼き上がりとなっています。 裏面は裏白と呼ばれる無地で、端正なしっかりとしたものであります。 2020/8/1 | ||||||
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