2004/2/7開設
ゼータ惑星

 「ゼータ関数のいくつかの点について」は「その14」までで一区切りつけ、新しい「ゼータ惑星」をスタートさせます。
「いくつかの点」で得た新しい知見を元に、このシリーズでは数学の様々な分野の関連性を追求したいと思っていま
す。ただ浅学の身である故うまくいくかわからず、「いくつかの点」シリーズと同じような内容にならないとも限りませ
んが、でき得る限りその方向をめざしたいと思います。

 前のシリーズでは、統一的法則性を武器にゼータを攻略していったわけですが、前シリーズの内容のまとめを
その1〜その14のまとめ」に要約しました。本シリーズの前にこれをまず見ていただければ今後の展開がわかり
やすくなるのではと思いますし、その内容は数学を専門にされている方々にも興味深い結果であると思われます。

巨人・佐藤郁郎氏が本結果を紹介して下さっています。「奇数ゼータと杉岡の公式」-->コラム2003年2004年

 前シリーズと同様、結果はオリジナルなものを載せていきますが、もちろん、先に誰かが導いていたということも考え
られますので、その場合は教えていただければ幸いです。その旨を明記するかまたは内容をとり下げるかします。



ゼータ惑星 まとめ 追加2005/7/17 ゼータ惑星の結果をまとめました。



  見果てぬ「私の夢」を提示。あらゆるL(χ,s)ゼータが、ζ(0)、L(0)という卵から生まれてくる事実を示す。
 私の予想L-4の「明示的な特殊値の場合」の実際の検証を行いました。また予想L-4に関してm約数予想という
 新たな規則性を発見。
  さらに、2次体の類数hが奇数か偶数かを見分ける規則性(予想)を見出した。予想L-4の拡張を示唆。
オイラーの関数等式を導出した。

冥王星 その11 追加2005/7/17 <-- 予想L-4の拡張を示唆。オイラー関数等式。

冥王星 その10 追加2005/6/27 <-- 虚2次体の類数の奇偶判別予想。

冥王星 その9 追加2005/6/22 <--- 実2次体の類数の奇偶判別予想。

冥王星 その8 追加2005/6/12 <--- 予想L-4のm約数予想。[4n+1]型Q(√m)の場合。

冥王星 その7 追加2005/6/9 <--- 予想L-4のm約数予想。[4n+2,4n+3]型Q(√m)の場合。

冥王星 その6 追加2005/4/2 <--- 「明示的な場合」と「非明示の場合」のまとめ-->4表。

冥王星 その5 追加2005/3/31 <--- π/15代入,π/17代入,π/19代入,π/21代入。

冥王星 その4 追加2005/3/27 <--- [4n+1]型Q(√m)  π/3代入,π/5代入,π/7代入,π/13代入。

冥王星 その3 追加2005/3/21 <--- π/20代入,π/22代入。

冥王星 その2 追加2005/3/19 <---- 明示的な場合(-1/2=cosx + ・・)の検証。
                            [4n+2,4n+3]型Q(√m), π/10,π/12,π/14代入。

冥王星 その1 追加2005/2/27 <---  「私の夢 その1」、 ζ(0)=cosx + cos2x +・・・・



ディリクレの類数公式と統一的法則性との関係を明らかにしました。
類数に関する4つの予想を提示しました。ブロック・加藤の玉河数予想と私の予想L-4が関連していることがわかって
きました。予想L-4と保型形式との関連を指摘。

海王星 その10 追加2005/2/2 <--- ブロック・加藤予想と私の予想L-4との関連。保型形式との関連。

海王星 その9 追加2005/1/5 <--- 予想M1,予想M2の拡張。予想M1〜M4のまとめ。

海王星 その8 追加2005/1/1 <--- [4n+2,4n+3]型虚2次体の再考察。予想M4の提示。

海王星 その7 追加2004/12/31 <--- [4n+2,4n+3]型実2次体の場合。
                              Q(√m)のmと類数の関係性の発見(予想M2,予想M3の提示)。

海王星 その6 追加2004/12/25 <--- [4n+1]型実2次体の場合。
                              外分割ゼータ個数と類数の規則性(予想M1)を発見。

海王星 その5 追加2004/12/23 <--- [4n+2,4n+3]型虚2次体の場合。

海王星 その4 追加2004/12/17 <--- 類数と分割ゼータ個数の関係。[4n+1]型虚2次体の場合。

海王星 その3 追加2004/12/11 <--- 分割ゼータ、外分割ゼータの定義。

海王星 その2 追加2004/10/31 <--- 四つの予想を一つに統合(予想L-4)。hとεとkの関係の発見(実2次体)。
                            フーリエ展開での証明。L(χ,s)値が[偶数ゼータの無限和]となることの補足。

海王星 その1 追加2004/9/12 <--- ディリクレの類数公式。類数hとkの関係の発見(とくに虚2次体)。



mが4n+1の場合の規則性を発見し、予想L-3を提示しました。

天王星 その8 追加2004/9/9 <--- qπ/14代入(分子に着目)。

天王星 その7 追加2004/9/7 <--- qπ/kの分子に着目。qπ/7代入。

天王星 その6 追加2004/9/7 <--- m=4n+1のQ(√m)のqπ/kの分子に着目。qπ/5代入。

天王星 その5 追加2004/8/20 <--- m=4n+1のQ(√m)の予想L-3B提示
                    -1/2=cosx + cos2x + cos3x +・・・の初等的証明。0回積分式-->1回積分式導出。

天王星 その4 追加2004/8/15 <--- π/19代入,π/21代入。

天王星 その3 追加2004/8/7 <--- π/15代入,π/17代入。

天王星 その2 追加2004/7/30 <--- π/11代入,π/13代入。

天王星 その1 追加2004/7/25 <--- mが4n+1のQ(√m)の規則性を発見(予想L-3提示)。π/3,π/5,π/7。



 値が明示的に求まる場合の中心母等式を見出しました。

土星 その3 追加2004/7/13 <---- 予想L-2B提示のレベルアップ。

土星 その2 追加2004/7/11 <--- π/6代入。予想L-2B提示。現代数学で不明とされる理由の提示。保型形式。
                 「実2次体ゼータはcos級数から生まれ、虚2次体ゼータはsin級数から生まれる」
                   という事実を発見! 

土星 その1 追加2004/7/8 <---- 明示的な場合の中心母等式を発見。π,π/2,3π/4を代入。



 統一的法則性のn回積分(微分)のnと、実2次体,虚2次体が簡明な規則性で結ばれている事実を発見しました。
拡張された予想L−2を提示。

木星 その2 追加2004/7/4 <---- 予想L-2の提示。π/22代入。分身の規則性。

木星 その1 追加2004/7/6 <---- 実2次体と虚2次体に関する規則性を発見



 統一的法則性が代数体の2次体と結びつく事実を発見しました。予想L−1を提示。

火星 その9 追加2004/6/21  <---- π/14,π/20代入。 予想L−1を修正。

火星 その8 追加2004/6/10  <----π/10, π/12, π/4, π/11, π/13代入

火星 その7 追加2004/5/30  <----2次体との関連を発見!予想を提示。

火星 その6 追加2004/5/25 <----π, 5π/4, 3π/2, π/6, π/5, π/7代入

火星 その5 追加2004/5/22 <----無理性について

火星 その4 追加2004/5/20 <----3π/4代入

火星 その3 追加2004/5/16 <----π/3代入

火星 その2 追加2004/5/16 <----2π/3代入

火星 その1 追加2004/5/16 <----π/2代入



 微分方程式とゼータ関数の世界の関連性を調べました。「その3」で中心母等式の新しい形を発見。

地球 その3 追加2004/5/6

地球 その2 追加2004/5/5

地球 その1 追加2004/5/1



 ディリクレのL関数L(χ,s)の奥に秩序だった構造が隠れている可能性で出てきました。統一的法則性を用いて様々な
π/nを代入することで、L(χ,s)の特殊値(明示的に求まらない場合!)がどんどんと出てくる現象を発見しました。
二つの予想を提示しましたがその予想の破綻から、新たな問題が出ました。

金星 その4 追加2004/5/7

金星 その3 追加2004/4/3

金星 その2 追加2004/3/23

金星 その1 追加2004/3/22



 一年前に作っていた定理と、「いくつかの点」シリーズで見出した統一的法則性(重回積分の規則)を結びつけて興味
ある等式をいくつも導出しました。

水星 その8 追加2004/3/13

水星 その7 追加2004/3/11

水星 その6 追加2004/3/10

水星 その5 追加2004/3/7

水星 その4 追加2004/3/4

水星 その3 追加2004/2/28

水星 その2 追加2004/2/28

水星 その1 追加2004/2/15




数学の研究





[付記]
 このシリーズで誤りがあったので訂正します。全て詳細に訂正していたら膨大な時間がかかりますので、この付記で訂正に
代えさせていただきます。論理的にはそれで十分です。

このゼータ惑星で使用した、次の式@、A、B式自体は誤りです。
cosx/sinx=2(sin2x + sin4x + sin6x + ・・・) --@
1/sinx=2(sinx + sin3x + sin5x + ・・・)    --A
-1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・  --B

しかし、@を1回積分した形の
log(2sinx)=-2(cos2x/2 + cos4x/4 + cos6x/6 + ・・・)  --- @-2
と、Aを1回積分した形の
1/2・log(cot(x/2))=cosx + cos3x/3 + cos5x/5 + ・・・ --- A-2
と、Bを1回積分した
π/2 - 1/2・x=sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + sin4x/4 + ・・・  --- B-2
は全く正しいものです。
 重回積分の議論では@、Aを中心(0回積分)においてn回重回積分してゼータの特殊値を次々に求めていきました。@、A、
B自体は現実世界では成り立たない(x=0を代入すればわかる)わけですから、それを中心におくことは止めます。中心には@
-2、A-2、B-2をおいて、n回重回積分を(n-1)回重回積分に置き換えた議論に代えさせていただきます。そのようにすれば、
論理的にこれまでの議論がそのまま引き継がれ、内容もそのまま正しく成立します。本シリーズの議論をこのように置き換えさ
せていただきます。ご了承のほど、お願い致します。                          [2017/10/06 杉岡幹生]





  「円の数学」(裳華房)の前文の中で、数学者の小林昭七氏(カリフォルニア大学バークレイ校大学院教授)は、
つぎのように述べられている。おそらくこれは、数学を愛する者全員が感じていることでしょう。
素晴らしい文章なので、紹介します。

 「・・・この本の中で扱う問題は主にギリシャに源を発するが、古代ギリシャの数学者は数学を実用性の立場
からだけでなく、純粋に知的好奇心から研究したのである。
 ギリシャ人たちが芸術に対すると同様、数学に対しても秀れた美的感覚をもっていたので、彼等の数学が
 その後の数学の発展の源流となったのである。こういう点でギリシャ文明は他の古代文明と著しく異なって
 いた。

  近年、教育において、実利的な面が強調され、精神の豊かさということが軽視されるようになったのは
 真に嘆かわしい。「2次方程式など学校を卒業した後、一度も役に立ったことがない」と言う似非文化人が
 いるが、それは「学校で詩を習ったけれど結局一生何の役にも立たなかった」と言うのと同じ位馬鹿げて
 いるのである。

  そういう馬鹿なことを言う人がいるから数学者もつい「数論のような一見何の役にも立たない数学が暗号
 の作成・解読に必要なのである」(それは事実であるが)などと口走ってしまう。
 しかし、それは数論を研究する理由からは程遠い。音楽がないと映画も作れないが、そのために音楽が
 あるのではないことは誰でも知っているが、数学は科学・工学で役に立つ面があるため、元来の精神生活を
 豊かにするという面が忘れられがちである。

  数学の教育は公式を押しつけ、短時間に多くの問題を解かせるのではなく、数学がどのようにして進歩して
 きたかという楽しさを感じさせることが大切である。数学の先生になる人は数学史の本をいろいろ読んでい
 ただきたい。・・・」  (注意:赤は杉岡が入れました。)
                                                             小林昭七

                                                            
 心から拍手をおくりたくなる。
 数学はまさに宇宙の神秘を体感させてくれる。
 数学の不思議さ、美しさ、地下水脈で異質なものが結合している意外さ、驚きと感動。

   π/4=1−1/3+1/5−1/7+1/9−1/11+1/13−1/15+・・・・・

 上の式を見て、ライプニッツは外交官への道を捨て、数学者になる決意をしたという。


次はオイラーが苦闘の末に発見した式だが、これなども美しくそしてふしぎである。いつまで眺めていても飽きない。

    π^2/6=1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+1/6^2+・・・・・・・

                                                (註:πは円周率)                   
                                                            M.S.
                                  ジュリア集合図(*)




(*)上図は、KAI氏作成フラクタル図形描画ソフトウェア(フリーウェアC++版で作成しました。