引き続き、明示的な場合の予想L-4の具体的検証を蓄積していきます。
mが「4n+2 or 4n+3」の2次体Q(√m)の場合を見ています。π/20代入、π/22代入。
2005/3/20 <-1/2=cosx + cos2x + cos3x + ・・・の重回積分-重回微分にπ/20を代入>
それでは、次にπ/20代入の場合を調べましょう。
Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/20を代入した場合を調べます。
(ここは、「火星 その9」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/20を代入>の
論理をそのまま利用します。)
-1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A
まず@を重回積分-重回微分した結果(「その2」の「π/10代入」参照)に、π/20を代入した場合を記すと次のように
なります。2回積分と3回積分の場合のみ記しました(予想L-4を確認するにはこれで十分)。
[π/20代入の結果]
2回積分
-{L・(1/1^2 - 1/19^2 - 1/21^2 + 1/39^2 + 1/41^2 - 1/59^2 - 1/61^2 + 1/79^2 +・・・)
+ M・1/2^2・(1/1^2 - 1/9^2 - 1/11^2 + 1/19^2 + 1/21^2 - 1/29^2 - 1/31^2 + 1/39^2 +・・・)
+ N・(1/3^2 - 1/17^2 - 1/23^2 + 1/37^2 + 1/43^2 - 1/57^2 - 1/63^2 + 1/77^2 +・・・)
+ P・1/4^2・(1/1^2 - 1/4^2 - 1/6^2 + 1/9^2 + 1/11^2 - 1/14^2 - 1/16^2 + 1/19^2 +・・・)
+ Q・1/5^2(1/1^2 - 1/3^2 - 1/5^2 + 1/7^2 + 1/9^2 - 1/11^2 - 1/13^2 + 1/15^2 +・・・)
+ R・1/2^2・(1/3^2 - 1/7^2 - 1/13^2 + 1/17^2 + 1/23^2 - 1/27^2 - 1/33^2 + 1/37^2 +・・・)
+ S・(1/7^2 - 1/13^2 - 1/27^2 + 1/33^2 + 1/47^2 - 1/53^2 - 1/67^2 + 1/73^2 +・・・)
+ T・1/4^2・(1/2^2 - 1/3^2 - 1/7^2 + 1/8^2 + 1/12^2 - 1/13^2 - 1/17^2 + 1/18^2 +・・・)
+ U・(1/9^2 - 1/11^2 - 1/29^2 + 1/31^2 + 1/49^2 - 1/51^2 - 1/69^2 + 1/71^2 +・・・) }
- (1-1/2)ζ(2)/20^2 + ζ(2) =π/2・(π/20) - 1/2・(π/20)^2/2!
3回積分
-{A・(1/1^3 + 1/19^3 - 1/21^3 - 1/39^3 + 1/41^3 + 1/59^3 - 1/61^3 - 1/79^3 +・・・)
+ B・1/2^3・(1 + 1/9^3 - 1/11^3 - 1/19^3 + 1/21^3 + 1/29^3 - 1/31^3 - 1/39^3 +・・・)
+ C・(1/3^3 + 1/17^3 - 1/23^3 - 1/37^3 + 1/43^3 + 1/57^3 - 1/63^3 - 1/77^3 +・・・)
+ D・1/4^3・(1/1^3 + 1/4^3 - 1/6^3 - 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 - 1/16^3 - 1/19^3 +・・・)
+ E・1/5^3・(1/1^3 + 1/3^3 - 1/5^3 - 1/7^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/13^3 - 1/15^3 +・・・)
+ F・1/2^3・(1/3^3 + 1/7^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/23^3 + 1/27^3 - 1/33^3 - 1/37^3 +・・・)
+ G・(1/7^3 + 1/13^3 - 1/27^3 - 1/33^3 + 1/47^3 + 1/53^3 - 1/67^3 - 1/73^3 +・・・)
+ H・1/4^3・(1/2^3 + 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/12^3 + 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 +・・・)
+ I・(1/9^3 + 1/11^3 - 1/29^3 - 1/31^3 + 1/49^3 + 1/51^3 - 1/69^3 - 1/71^3 +・・・)
+ 1/10^3・L(3) } + ζ(2)・(π/20) =π/2・(π/20)^2/2! - 1/2・(π/20)^3/3!
と、このようになりました。
ここで、A=sin(π/20)、B=sin(2π/20)、C=sin(3π/20)、D=sin(4π/20)、E=sin(5π/20)、F=sin(6π/20)、
G=sin(7π/20)、H=sin(8π/20)、I=sin(9π/20)、
またL=cos(π/20)、M=cos(2π/20)、N=cos(3π/20)、P=cos(4π/20)、Q=cos(5π/20)、R=cos(6π/20)、
S=cos(7π/20)、T=cos(8π/20)、U=cos(9π/20)。
注意:上の青字以外の級数は、L(χ,s)には直接関係しない級数のように思われます(まだよく調べていません)。
以下は、非明示な場合(<cos(x/2)/sin(x/2)=・・にπ/20を代入>とほぼ同様のものとなりますが(論理的に同じ
であるため)、ご了承ください。
表面的にはL(s)とζ(s)が現れているだけですが、はたして冒頭のπ/14の場合のように、上の青字の級数たちを
組み合わせることで、予想L-4は成立しているのでしょうか?
結論からいうと、成立しているのです!
忍者ゼータは、草むらの陰できっちりと分身の術を使い、ここでもりっぱに仕事を果たしてくれていたのです。
π/20代入からいまk=20ですからmod=40で且つ導手N=40のχ(a)をもつL(χ,s)が出現することがまず予想され
ますが、その通り、分身の形となってまずmod=40のLK1(s)、LK2(s)、LK3(s)、LK4(s)がひっそりと顔をのぞかせている
のです。
その辺の事情を詳しく説明します(流れは、「その2」のπ/14代入の場合と同じようなことですが)。
上の[π/20代入の式]の結果の中の青字の級数に注目してください。
2回積分の四つの青字の級数はLK1(s)、LK2(s)の分身ともよべる級数であり、また3回積分の四つの青字の級数は
LK3(s)、LK4(s)の分身とよべる級数(分割ゼータ)であったのです。
その前に、LK1(s)、LK2(s)、LK3(s)、LK4(s)の定義を書きます。
定義は次の通りで、いずれもディリクレのL関数L(χ,s)です。
LK1(s)=(1/1^s - 1/3^s + 1/7^s + 1/9^s + 1/11^s + 1/13^s - 1/17^s + 1/19^s
- 1/21^s + 1/23^s - 1/27^s - 1/29^s - 1/31^s - 1/33^s + 1/37^s - 1/39^s ) +・・・・
LK2(s)=(1/1^s + 1/3^s - 1/7^s + 1/9^s + 1/11^s - 1/13^s + 1/17^s + 1/19^s
- 1/21^s - 1/23^s + 1/27^s - 1/29^s - 1/31^s + 1/33^s - 1/37^s - 1/39^s ) +・・・・
LK3(s)=(1/1^s - 1/3^s + 1/7^s + 1/9^s - 1/11^s - 1/13^s + 1/17^s - 1/19^s
- 1/21^s + 1/23^s - 1/27^s - 1/29^s + 1/31^s + 1/33^s - 1/37^s - 1/39^s ) +・・・・
LK4(s)=(1/1^s + 1/3^s - 1/7^s + 1/9^s - 1/11^s + 1/13^s - 1/17^s - 1/19^s
- 1/21^s - 1/23^s + 1/27^s - 1/29^s + 1/31^s - 1/33^s + 1/37^s + 1/39^s ) +・・・・
(注意: + - はこの単位で延々とくり返されていきます。)
上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
LK1(s)は、mod 40に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 7 or 9 or 11 or 13 or 19 or 23 or 37 mod 40 -->χ(a)=1、
a≡3 or 17 or 21 or 27 or 29 or 31 or 33 or 39 mod 40 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手NはN=40です。
LK2(s)は、mod 40に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 3 or 9 or 11 or 17 or 19 or 27 or 33 mod 40 -->χ(a)=1、
a≡7 or 13 or 21 or 23 or 29 or 31 or 37 or 39 mod 40 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手NはN=40です。
LK3(s)は、mod 40に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 7 or 9 or 17 or 23 or 31 or 33 or 39 mod 40 -->χ(a)=1、
a≡3 or 11 or 13 or 19 or 21 or 27 or 29 or 37 mod 40 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手NはN=40です。
LK4(s)は、mod 40に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 3 or 9 or 13 or 27 or 31 or 37 or 39 mod 40 -->χ(a)=1、
a≡7 or 11 or 17 or 19 or 21 or 23 or 29 or 33 mod 40 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手NはN=40です。
注意:LK1(s)、LK2(s)、LK3(s)、LK4(s)という呼称は私が勝手につけたものですのでご注意ください。
さて、2回積分や3回積分に現れた四つの級数たち(青字のもの)がLK1(s)、LK2(s)、LK3(s)、LK4(s)の
分身とよべる存在であることを示します。
[分身であることを示す]
まず3回積分の方から示す。
係数A,C,G,I にかかる級数をそれぞれA1,C1,G1,I1と表すと、次のようになる。
A1=1/1^3 + 1/19^3 - 1/21^3 - 1/39^3 + 1/41^3 + 1/59^3 - 1/61^3 - 1/79^3 +・・・
C1=1/3^3 + 1/17^3 - 1/23^3 - 1/37^3 + 1/43^3 + 1/57^3 - 1/63^3 - 1/77^3 +・・・
G1=1/7^3 + 1/13^3 - 1/27^3 - 1/33^3 + 1/47^3 + 1/53^3 - 1/67^3 - 1/73^3 +・・・
I1=1/9^3 + 1/11^3 - 1/29^3 - 1/31^3 + 1/49^3 + 1/51^3 - 1/69^3 - 1/71^3 +・・・
さて、A1-C1+G1+I1 を計算すると、
A1-C1+G1+I1
=(1/1^3 - 1/3^3 + 1/7^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/13^3 - 1/17^3 + 1/19^3
- 1/21^3 + 1/23^3 - 1/27^3 - 1/29^3 - 1/31^3 - 1/33^3 + 1/37^3 - 1/39^3 )
+ (1/41^3 - 1/43^3 + 1/47^3 + 1/49^3 + 1/51^3 + 1/53^3 - 1/57^3 + 1/59^3
- 1/61^3 + 1/63^3 - 1/67^3 - 1/69^3 - 1/71^3 - 1/73^3 + 1/77^3 - 1/79^3 ) +・・・・
となる。ところが、よく見ると、これは上で定義したLK1(s)の特殊値LK1(3)と一致している!
このようにA1とC1とG1とI1を、「A1-C1+G1+I1」と組み合わせれば、LK1(s)のLK1(2)を構成することができる。
これで、A1、C1、G1,I1はLK1(s)の分身とよべる存在であることがわかった。
さらに、次にA1+C1-G1+I1 を計算すると、
これは、
A1+C1-G1+I1
=(1/1^3 + 1/3^3 - 1/7^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/13^3 + 1/17^3 + 1/19^3
- 1/21^3 - 1/23^3 + 1/27^3 - 1/29^3 - 1/31^3 + 1/33^3 - 1/37^3 - 1/39^3 )
+ (1/41^3 + 1/43^3 - 1/47^3 + 1/49^3 + 1/51^3 - 1/53^3 + 1/57^3 + 1/59^3
- 1/61^3 - 1/63^3 + 1/67^3 - 1/69^3 - 1/71^3 + 1/73^3 - 1/77^3 - 1/79^3 ) +・・・・
となる。今度は、これは、なんと上で定義したLK2(s)の特殊値LK2(3)と一致しているのである!
これで、A1、C1、G1,I1はLK2(s)の分身であることがわかった。
2回積分の方も、同様にして2回積分のL,N,S,Uの各係数にかかる級数がLK3(s)やLK4(s)の分身であること
が示せますが、やり方は同じですので略す。
以上より、2回積分、3回積分にそれぞれ現れた四つの級数たちはLK1(s)、LK2(s)、LK3(s)、LK4(s)の分身であることが
わかった。
終わり。
さて、予想L-4は成立しているのでしょうか?
π/20代入よりいまk=40ですから導手N=40のχ(a)をもつ2次体Q(√-10)とQ(√10)に着目します。
予想L-4より、虚2次体Q(√-10)に付随するLk1(s)が奇数回の微分・積分の所に(上では3回積分の所に)出現す
るはずだ!また実2次体Q(√10)に付随するLk4(s)が偶数回の微分・積分のところに(よって上では2回積分の所に)
出現するはずだ!となりますが・・
出ているでしょうか?
上の「分身であることを示す」で見たとおり3回積分の所にLk1(s)が、2回積分の所にLk4(s)がちゃんと分身の
形(分割ゼータ)で現れています。
なおQ(√-10)に付随するゼータがLk1(s)であり、Q(√10)に付随するゼータがLk4(s)であることは、平方剰余の相互
法則と補充則を用い、x^2≡a mod 10 や x^2≡a mod -10という合同方程式を解くことを経由して計算で確認すること
ができます。私は手計算で確認しました。
以上より、ここでも予想L-4は成り立っています。
それでは、次にπ/22代入の場合を調べましょう。
Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/22を代入した場合を調べます。
(ここは、「木星 その2」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/22を代入>の
論理をそのまま利用します。)
-1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A
まず@を重回積分-重回微分した結果(「その2」の「π/10代入」参照)に、π/22を代入した場合を記すと次のように
なります。2回積分と3回積分の場合のみ記しました(予想L-4を確認するにはこれで十分)。
[π/22代入の結果]
2回積分
-{ L・(1/1^2 - 1/21^2 - 1/23^2 + 1/43^2 + 1/45^2 - 1/65^2 - 1/67^2 + 1/87^2 +・・・)
+ M・1/2^2・(1/1^2 - 1/10^2 - 1/12^2 + 1/21^2 + 1/23^2 - 1/32^2 - 1/34^2 + 1/43^2 +・・・)
+ N・(1/3^2 - 1/19^2 - 1/25^2 + 1/41^2 + 1/47^2 - 1/63^2 - 1/69^2 + 1/85^2 +・・・)
+ P・1/2^2・(1/2^2 - 1/9^2 - 1/13^2 + 1/20^2 + 1/24^2 - 1/31^2 - 1/35^2 + 1/42^2 +・・・)
+ Q・(1/5^2 - 1/17^2 - 1/27^2 + 1/39^2 + 1/49^2 - 1/61^2 - 1/71^2 + 1/83^2 +・・・)
+ R・1/2^2・(1/3^2 - 1/8^2 - 1/14^2 + 1/19^2 + 1/25^2 - 1/30^2 - 1/36^2 + 1/41^2 +・・・)
+ S・(1/7^2 - 1/15^2 - 1/29^2 + 1/37^2 + 1/51^2 - 1/59^2 - 1/73^2 + 1/81^2 +・・・)
+ T・1/2^2・(1/4^2 - 1/7^2 - 1/15^2 + 1/18^2 + 1/26^2 - 1/29^2 - 1/37^2 + 1/40^2 +・・・)
+ U・(1/9^2 - 1/13^2 - 1/31^2 + 1/35^2 + 1/53^2 - 1/57^2 - 1/75^2 + 1/79^2 +・・・)
+ V・1/2^2・(1/5^2 - 1/6^2 - 1/16^2 + 1/17^2 + 1/27^2 + 1/28^2 - 1/38^2 - 1/39^2 +・・・)
- (1-1/2)ζ(2)/22^2 } + ζ(2) =π/2・(π/22) - 1/2・(π/22)^2/2!
3回積分
-{A・(1/1^3 + 1/21^3 - 1/23^3 - 1/43^3 + 1/45^3 + 1/65^3 - 1/67^3 - 1/87^3 +・・・)
+ B・1/2^3・(1 + 1/10^3 - 1/12^3 - 1/21^3 + 1/23^3 + 1/32^3 - 1/34^3 - 1/43^3 +・・・)
+ C・(1/3^3 + 1/19^3 - 1/25^3 - 1/41^3 + 1/47^3 + 1/63^3 - 1/69^3 - 1/85^3 +・・・)
+ D・1/2^3・(1/2^3 + 1/9^3 - 1/13^3 - 1/20^3 + 1/24^3 + 1/31^3 - 1/35^3 - 1/42^3 +・・・)
+ E・(1/5^3 + 1/17^3 - 1/27^3 - 1/39^3 + 1/49^3 + 1/61^3 - 1/71^3 - 1/83^3 +・・・)
+ F・1/2^3・(1/3^3 + 1/8^3 - 1/14^3 - 1/19^3 + 1/25^3 + 1/30^3 - 1/36^3 - 1/41^3 +・・・)
+ G・(1/7^3 + 1/15^3 - 1/29^3 - 1/37^3 + 1/51^3 + 1/59^3 - 1/73^3 - 1/81^3 +・・・)
+ H・1/2^3・(1/4^3 + 1/7^3 - 1/15^3 - 1/18^3 + 1/26^3 + 1/29^3 - 1/37^3 - 1/40^3 +・・・)
+ I・(1/9^3 + 1/13^3 - 1/31^3 - 1/35^3 + 1/53^3 + 1/57^3 - 1/75^3 - 1/79^3 +・・・)
+ J・1/2^3・(1/5^3 + 1/6^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/27^3 + 1/28^3 - 1/38^3 - 1/39^3 +・・・)
+ 1/11^3・L(3) } + ζ(2)・(π/22)=π/2・(π/22)^2/2! - 1/2・(π/22)^3/3!
と、このようになりました。
ここで、A=sin(π/22)、B=sin(2π/22)、C=sin(3π/22)、D=sin(4π/22)、E=sin(5π/22)、F=sin(6π/22)、
G=sin(7π/22)、H=sin(8π/22)、I=sin(9π/22)、J=sin(10π/22)、
またL=cos(π/22)、M=cos(2π/22)、N=cos(3π/22)、P=cos(4π/22)、Q=cos(5π/22)、R=cos(6π/22)、
S=cos(7π/22)、T=cos(8π/22)、U=cos(9π/22)、V=cos(10π/22)。
注意:上の青字以外の級数は、L(χ,s)には直接関係しない級数のように思われますが、興味がないためよく調べて
いません。
以下は、非明示な場合(<cos(x/2)/sin(x/2)=・・にπ/22を代入>とほぼ同様のものとなりますが(論理的に同じ
であるため)、ご了承ください。
このように分身に分かれましたが、はたして予想L-4は成立しているのでしょうか?
結論を先にいえば、成立しているのですが見てみましょう。
π/22代入からいまk=22ですからmod=44で且つ導手N=44のχ(a)の実2次体Q(√11)に対応するL(χ,s)が
偶数回の微分,積分の結果のところに(よって上では2回積分の所に)出現することが予想されます。
そして、その通り、そこに分身の形(分割ゼータ)となってQ(√11)に付随するLM2(s)がひっそり顔をのぞかせてい
るのです。
(じつは3回積分の所にはLM1(s)が出現しています。4つの青字の級数からLM1(s)を構成できます。しかし、
もはや予想L-4ではLM1(s)は興味がありません。)
次のLM2(s)が実2次体Q(√11)に対応するL(χ,s)です。
これは平方剰余の相互法則と補充則を用い、x^2≡11 mod p (pは素数) という合同方程式を解くことを経由して
確認することができます。私は手計算で確認しました。
まずLM2(s)の定義を書きます。(LM1(s)は興味がないので略します)
定義は次の通りで、これはディリクレのL関数L(χ,s)です。
LM2(s)=(1/1^s - 1/3^s + 1/5^s + 1/7^s + 1/9^s - 1/13^s - 1/15^s - 1/17^s + 1/19^s - 1/21^s
- 1/23^s + 1/25^s - 1/27^s - 1/29^s - 1/31^s + 1/35^s + 1/37^s + 1/39^s - 1/41^s + 1/43^s ) + ・・・
(注意: + - はこの単位で延々とくり返されていきます。)
上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
LM2(s)は、mod 44に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 5 or 7 or 9 or 19 or 25 or 35 or 37 or 39 or 43 -->χ(a)=1、
a≡3 or 13 or 15 or 17 or 21 or 23 or 27 or 29 or 31 or 41 mod 40 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。このχ(a)の導手NはN=44です。
さて、2回積分に現れた四つの級数たち(青字のもの)がLM2(s)の分身とよべる存在であることを示します。
[分身であることを示す]
2回積分の青字に注目してください。
係数L,N,Q,S,U にかかる級数をそれぞれL1,N1,Q1,S1,U1と表すと、次のようになる。
L1=1/1^2 - 1/21^2 - 1/23^2 + 1/43^2 + 1/45^2 - 1/65^2 - 1/67^2 + 1/87^2 +・・・
N1=1/3^2 - 1/19^2 - 1/25^2 + 1/41^2 + 1/47^2 - 1/63^2 - 1/69^2 + 1/85^2 +・・・
Q1=1/5^2 - 1/17^2 - 1/27^2 + 1/39^2 + 1/49^2 - 1/61^2 - 1/71^2 + 1/83^2 +・・・
S1=1/7^2 - 1/15^2 - 1/29^2 + 1/37^2 + 1/51^2 - 1/59^2 - 1/73^2 + 1/81^2 +・・・
U1=1/9^2 - 1/13^2 - 1/31^2 + 1/35^2 + 1/53^2 - 1/57^2 - 1/75^2 + 1/79^2 +・・・
さて、L1 - N1 + Q1 + S1 + U1 を計算すると、
L1 - N1 + Q1 + S1 + U1
=(1/1^2 - 1/3^2 + 1/5^2 + 1/7^2 + 1/9^2 - 1/13^2 - 1/15^2 - 1/17^2 + 1/19^2 - 1/21^2
- 1/23^2 + 1/25^2 - 1/27^2 - 1/29^2 - 1/31^2 + 1/35^2 + 1/37^2 + 1/39^2 - 1/41^2 + 1/43^2 )
+ (1/45^2 - 1/47^2 + 1/49^2 + 1/51^2 + 1/53^2 - 1/57^2 - 1/59^2 - 1/61^2 + 1/63^2 - 1/65^2
- 1/67^2 + 1/69^2 - 1/71^2 - 1/73^2 - 1/75^2 + 1/79^2 + 1/81^2 + 1/83^2 - 1/85^2 + 1/87^2 ) + ・・・
となる。ところが、よく見るとこれは上で定義したLM2(s)の特殊値LM2(2)と一致している。
このようにL1,N1,Q1,S1,U1を、「L1 - N1 + Q1 + S1 + U1」と組み合わせればLM2(s)の特殊値LM2(2)を構成する
ことができる。
L1,N1,Q1,S1,U1はLM2(s)の分身と呼ぶべき存在であることがわかった。
終わり。
このように2回積分の所にLM2(s)がちゃんと分身の形(分割ゼータ)で現れている。
予想通り、実2次体Q(√11)に対応するL(χ,s)が分身の姿で現れていました。
ここでも、予想L-4は成り立っていることがわかりました。
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以上、非明示の場合の[4n+2,4n+3]型の2次体Q(√m)の場合は、このπ/22代入まで調べていました。
よって、[4n+2,4n+3]型Q(√m)対応の明示的な場合もここまでとします。
(予想L-4はこのように完璧に成り立っています。)
頁を変えて、次は、mが 4n+1 の場合( [4n+1]型Q(√m) )を調べていきます。
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