冥王星 その4

では次に、予想L-4に関して[4n+1]型の2次体Q(√m)の場合を調べていきます。
π/3代入,π/5代入,π/7代入,π/13代入


2005/3/22             <まず予想L-4を掲げる>

 まずなにはともあれ、予想L-4を書きます。
予想L-4

  cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・)  -----@
                                (0 < x < 2π)

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・     -------A
                                (0 < x < 2π)

 @、Aと2次体Q(√m)の間には、ディリクレのL関数L(χ,s)を介して次のような関係が存在している。
(ただしmは整数で、1以外の平方数で割り切れないものである)

[T]mが4n+2 または 4n+3の整数のとき
 k=2|m|とおく。@とAの重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=2k (つまりN=4|m|)で
ある2次体Q(√m)に対応するL(χ,s)かあるいはその分割ゼータ(複数)が特殊値の形で出現する。

[U]mが4n+1の整数のとき
 k=|m|とおく。@とAの重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=k (つまりN=|m|)である
2次体Q(√m)に対応するL(χ,s)かあるいはその分割ゼータ(複数)が特殊値の形で出現する。

 ここで分割ゼータ(複数)とは、それらを適当に足したり引いたりするだけで上の条件を満たすL(χ,s)を出現させられる級数を指す。
なおk, q は互いに素な整数で、0 < qπ/k < 2πを満たす。

 そして、上の2次体 Q(√m)が実2次体ならば、それに対応するL(χ,s)の全特殊値が@の奇数回の積分・微分の
所とAの偶数回の積分・微分の所に現れる。
 また虚2次体ならば、それに対応するL(χ,s)の全特殊値が@の偶数回の積分・微分の所とAの奇数回の積分・
微分の所に現れる。
 これは、[T],[U]ともに適応される。



 さて、冥王星の「その1」〜「その3」では、予想L-4の[4n+2,4n+3]型の2次体Q(√m)の場合を具体的に
検証してきました。そして、すべて成り立っていました。

 次に、[4n+1]型の2次体Q(√m)の場合(つまり、mが「4n+2 or 4n+3」の場合)を調べていきましょう。
 これも、非明示の場合はすでに天王星の「その1」〜「その4」で詳細に検証し、予想L-4の成立を見ています。
よって、その論理的帰結から明示的な場合も、予想L-4が同様に成り立つことは明らかであり、その観点から、
天王星「その5」の<予想L-3Bの提示>の明示的な場合でもその成立を示す表A−2理論的に与えたのでした。

しかし、具体的に書き下しておくというのは大切であり後々にいろいろと役に立つものです。
よってこれ以降、Aの明示的な場合に関しても@でやったのと同じqπ/kの値を代入していこうと思います。
この[4n+1]型の2次体Q(√m)の場合は、具体的な検証はまだ一つもしていませんので、非明示の場合で確めた
と同じqπ/k代入を一つ一つ検証していきましょう。
(理論的には、この明示的な場合も、予想L-4が成り立つことは明らかなのですが、それを実際に書き下しておき
たいということです。天王星「その1」〜「その4」にほぼ準じていきます。)

 ではまずπ/3代入からいきましょう。




2005/3/22  <-1/2=cosx + cos2x + cos3x + ・・・の重回積分-重回微分にπ/3を代入>

 Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/3を代入した場合を調べます。
(ここは、天王星「その1」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/3を代入>の
論理をそのまま利用しています。)

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A

 まずAを重回積分-重回微分した結果を書き下していきます。
[重回積分、重回微分した一連の式]
  ・
  ・
4回微分
  0=cosx + 2^4cos2x + 3^4cos3x + 4^4cos4x + ・・・・
 
3回微分
  0=sinx + 2^3sin2x + 3^3sin3x + 4^3sin4x + ・・・・

2回微分
  0=-(cosx + 2^2cos2x + 3^2cos3x + 4^2cos4x + ・・・・)
 
1回微分
  0=- (sinx + 2sin2x + 3sin3x + 4sin4x + ・・・・)

0回積分
  -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・  

1回積分
  π/2 - 1/2・x=sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + sin4x/4 + ・・・・ 

2回積分
 π/2・x - 1/2・x^2/2!=- (cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・・) + ζ(2)

3回積分
 π/2・x^2/2! - 1/2・x^3/3!=- (sinx/1^3 + sin2x/2^3 + sin3x/3^3 + ・・・) + ζ(2)・x

4回積分
 π/2・x^3/3!- 1/2・x^4/4!= (cosx/1^4 + cos2x/2^4 + cos3x/3^4 + ・・・) - ζ(4) + ζ(2)・x^2/2!

5回積分
 π/2・x^4/4!- 1/2・x^5/5!= (sinx/1^5 + sin2x/2^5 + sin3x/3^5 + ・・・) - ζ(4)・x + ζ(2)・x^3/3!

6回積分
 π/2・x^5/5!- 1/2・x^6/6!
         = - (cosx/1^6 + cos2x/2^6 + cos3x/3^6 + ・・・) + ζ(6) -ζ(4)・x^2/2!+ ζ(2)・x^4/4!
  ・
  ・
と、このように上下に延々と続いていきます。
 このxにπ/3を代入して、2回積分と3回積分の場合のみを記すと(予想L-4を確認するにはこれで十分)、
次のようになります。

[π/3代入の結果]

2回積分
    -(1-1/2)(1-1/3)ζ(2)/2 + ζ(2)=π/2・(π/3) - 1/2・(π/3)^2/2!

3回積分
   -√3/2・(1+1/2^2)LA(3) + ζ(2)・(π/3)=π/2・(π/3)^2/2!- 1/2・(π/3)^3/3!

と、このようになり、ζ(s)とLA(s)が飛び出してきました。

LA(s)は
  LA(s)=1 - 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s - 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・・

です。ζ(s)はもちろんリーマン・ゼータです。
 ζ(s)は全てのaに対しχ(a)=1としたときのディリクレのL関数L(χ,s)です。
LA(s)は、a≡0, 1, 2 mod 3に対し、それぞれχ(a)=0, 1, -1としたときのL(χ,s)に一致します。χ(a)はディリクレ指標。

 さて、この結果で冒頭の予想L-4が成り立っているでしょうか?

 いまπ/3代入をやったわけですから、q π/kと比較して、もちろんk=3です。
予想L-4より、導手NがN=k=3 で、且つk=|m|すなわち3=|m|を満たす次体Q(√-3)に対応するL(χ,s)が
出現するはずだということになります。

 上では、LA(s)が出現していますが、これが、はたしてQ(√-3)に対応するL(χ,s)なのでしょうか? 
 答えはYes.
 LA(s)は、ディリクレのL関数L(χ,s)の一種ですが、これがQ(√-3)に対応するL(χ,s)であることは、現代数学で
知られています。例えば、「解決!フェルマーの最終定理」(加藤和也著、日本評論社)のp.74参照。
  LA(s)=1 - 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s - 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・・

 さらに予想L-3の後半部分では「2次体Q(√m)が2次体であるならばそれに対応するL(χ,s)の特殊値が
Aの奇数回の微分・積分の所に現れ、・・」となっていますが、これも成り立っているでしょうか?
上の[π/3代入の結果]を見てください。

 虚2次体Q(√-3)に対応するLA(s)は、ちゃんと奇数回の3回微分・積分のところに現れています!
よって、予想の後半も成り立っている。

以上より、π/3代入では、予想L-4は成立していることがわかりました。




2005/3/24  <-1/2=cosx + cos2x + cos3x + ・・・の重回積分-重回微分にπ/5を代入>

 Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/5を代入した場合を調べます。
(ここは、天王星「その1」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/5を代入>の
論理をそのまま利用しています。)

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A

 まずAを重回積分-重回微分した結果(冒頭の「π/3代入」参照)に、π/5を代入した場合を記すと次のように
なります。2回積分と3回積分の場合のみ記しました(予想L-4を確認するにはこれで十分)。
[π/5代入の式]

2回積分
  -{ E・(1 - 1/4^2 - 1/6^2 + 1/9^2 + 1/11^2 - 1/14^2 - 1/16^2 + 1/19^2 +・・・)
   + F・(1/2^2 - 1/3^2 - 1/7^2 + 1/8^2 + 1/12^2 - 1/13^2 - 1/17^2 + 1/18^2 +・・・)
                                         - (1-1/2)ζ(2)/5^2 } + ζ(2)
                                      =π/2・(π/5) - 1/2・(π/5)^2/2!

3回積分
 -[ L・(1 + 1/4^2 - 1/6^2 - 1/9^2 + 1/11^2 + 1/14^2 - 1/16^2 - 1/19^2 +・・・)
    + M・(1/2^2 + 1/3^2 - 1/7^2 - 1/8^2 + 1/12^2 + 1/13^2 - 1/17^2 - 1/18^2 +・・・) ] + ζ(2)・(π/5)
                                     =π/2・(π/5)^2/2!- 1/2・(π/5)^3/3!

 ここで、L=sin(π/5)、M=sin(2π/5) またE=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。

 さて、このπ/5代入の結果が、予想L-4を支持していることを見ましょう。
まず、いまπ/5代入ですから、もちろん、k=5です。よって、導手NがN=5で且つ5=|m|である実2次体Q(√5)
対応するL(χ,s)が出現してくるはずだということになります。

 いま次体Q(√5)が考察の対象になっているわけですから、予想L-4の後半からQ(√5)に対応するL(χ,s)は
偶数回の微分・積分の所に現れているはずだとなります。
よって、上の[π/5代入の式]の2回積分の箇所だけに注目すればよいわけです(3回積分の方は無視)。

 結論を先にいえば、ここでも予想L-4は成り立っているのですが、詳しく説明します。

 2回積分の二つの青字の級数はLN(s)の分身(分割ゼータ)とよぶべき級数であったのです。

その前にLN(s)の定義を書きます。次の通りでディリクレのL関数L(χ,s)の一種です。

 LN(s)=(1/1^s - 1/2^s - 1/3^s + 1/4^s) + (1/6^s - 1/7^s - 1/8^s + 1/9^s)・・・・

 (注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されていきます。)

上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
 LN(s)は、mod 5に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 4 mod 5-->χ(a)=1、
  a≡2 or 3 mod 5 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=5です。
注意:LN(s)という呼称は私が勝手につけたものですので、ご注意ください。

 じつは、LN(s)は実2次体Q(√5)に対応するL(χ,s)となっているのです。
 LN(s)は、ディリクレのL関数L(χ,s)の一種ですが、これがQ(√5)に対応するL(χ,s)であることは、現代数学で
知られているのです。例えば、「解決!フェルマーの最終定理」(加藤和也著、日本評論社)のp.74参照。

 さて、2回積分の二つの青字の級数たちがLN(s)の分身とよべる存在であることを示します。

[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
  E1=1 - 1/4^2 - 1/6^2 + 1/9^2 + 1/11^2 - 1/14^2 - 1/16^2 + 1/19^2 +・・・
  F1=1/2^2 - 1/3^2 - 1/7^2 + 1/8^2 + 1/12^2 - 1/13^2 - 1/17^2 + 1/18^2 +・・・

さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=(1 - 1/4^2 - 1/6^2 + 1/9^2 + 1/11^2 - 1/14^2 - 1/16^2 + 1/19^2 +・・・)
     + (1/2^2 - 1/3^2 - 1/7^2 + 1/8^2 + 1/12^2 - 1/13^2 - 1/17^2 + 1/18^2 +・・・)
1 + 1/2^2 - 1/3^2 - 1/4^2 - 1/6^2 - 1/7^2 + 1/8^2 + 1/9^2
          + 1/11^2 + 1/12^2 - 1/13^2 - 1/14^2 - 1/16^2 - 1/17^2 + 1/18^2 + 1/19^2 + ・・・
1 - 1/2^2 - 1/3^2 + 1/4^2 + 1/6^2 - 1/7^2 - 1/8^2 + 1/9^2
          + 1/11^2 - 1/12^2 - 1/13^2 + 1/14^2 + 1/16^2 - 1/17^2 - 1/18^2 + 1/19^2 + ・・・
       + (2/2^2 - 2/4^2 - 2/6^2 + 2/8^2 + 2/12^2 - 2/14^2 - 2/16^2 + 2/18^2 +・・・)
LN(2) + 2/2^2・(1 - 1/2^2 - 1/3^2 + 1/4^2 + 1/6^2 - 1/7^2 - 1/8^2 + 1/9^2 +・・・)
LN(2) + 1/2・LN(2)
=(1 + 1/2)・LN(2)

となり、上で定義したLN(s)の特殊値LN(2)が出てくるのである!

  E1とF1を「E1+ F1」のように組み合わせれば、このようにLN(s)を導出することができた。
これで、E1とF1はLN(s)の分身であることがわかった。
終わり。

 予想通り、ちゃんと実2次体Q(√5)に対応するLN(s)が分身の姿(分割ゼータ)で出現していることが
わかりました
 π/5代入でも、予想L-4は成立していました。




2005/3/26  <-1/2=cosx + cos2x + cos3x + ・・・の重回積分-重回微分にπ/7を代入>

 Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/7を代入した場合を調べます。
(ここは、天王星「その1」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/7を代入>の
論理をそのまま利用しています。)

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A

 まずAを重回積分-重回微分した結果(冒頭の「π/3代入」参照)に、π/7を代入した場合を記すと次のように
なります。2回積分と3回積分の場合のみ記しました(予想L-4を確認するにはこれで十分)。

[π/7代入の式]

2回積分
  -{ L・(1 - 1/6^2 - 1/8^2 + 1/13^2 + 1/15^2 - 1/20^2 - 1/22^2 + 1/27^2 +・・・)
     + M・(1/2^2 - 1/5^2 - 1/9^2 + 1/12^2 + 1/16^2 - 1/19^2 - 1/23^2 + 1/26^2 +・・・)
     + N・(1/3^2 - 1/4^2 - 1/10^2 + 1/11^2 + 1/17^2 - 1/18^2 - 1/24^2 + 1/25^2 +・・・)
                                               - (1-1/2)ζ(2)/7^2 } + ζ(2)
                                        =π/2・(π/7) - 1/2・(π/7)^2/2!

3回積分
 -{ A・(1 + 1/6^3 - 1/8^3 - 1/13^3 + 1/15^3 + 1/20^3 - 1/22^3 - 1/27^3 +・・・)
  + B・(1/2^3 + 1/5^3 - 1/9^3 - 1/12^3 + 1/16^3 + 1/19^3 - 1/23^3 - 1/26^3 +・・・)
  + C・(1/3^3 + 1/4^3 - 1/10^3 - 1/11^3 + 1/17^3 + 1/18^3 - 1/24^3 - 1/25^3 +・・・) } + ζ(2)・(π/7)
                                       =π/2・(π/7)^2/2!- 1/2・(π/7)^3/3!


 ここでA=sin(π/7)、B=sin(2π/7)、C=sin(3π/7)、L=cos(π/7)、M=cos(2π/7)、N=cos(3π/7)です。

 さて、上のπ/7代入の結果が、冒頭の予想L-4を支持していることを以下見ましょう。
いまπ/7代入ですから、k=7です。よって、導手NがN=7で且つ7=|m|である虚2次体Q(√-7)に対応するL(χ,s)
が出現しているはずです。

 またいま次体Q(√-7)が考察の対象になっているわけですから、予想L−4の後半からQ(√-7)に対応する
L(χ,s)は奇数回の微分・積分の所に現れているはずだとなります。
よって、上の[π/7代入の式]の3回積分の箇所だけに注目すればよいのです(2回積分の方は無視)。

結論を先にいえば、ここでも予想L−4は成り立っているのですが、以下詳しく説明します。

 3回積分の三つの青字の級数はLP(s)の分身ともよべる級数であったのです。
LP(s)の定義を書きます。次の通りでディリクレのL関数L(χ,s)の一種です。

 LP(s)=(1/1^s + 1/2^s - 1/3^s + 1/4^s - 1/5^s - 1/6^s)
           + (1/8^s + 1/9^s - 1/10^s + 1/11^s - 1/12^s - 1/13^s)・・・・

 (注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されていく。)

上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
 LP(s)は、mod 7に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 2 or 4 mod 7-->χ(a)=1、
  a≡3 or 5 or 6 mod 7 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=7です。
注意:LP(s)という呼称は私が勝手につけたものですので、ご注意ください。

 じつは、LP(s)が、虚2次体Q(√-7)に対応するL(χ,s)となっているのです。
 LP(s)は、ディリクレのL関数L(χ,s)の一種ですが、これがQ(√-7)に対応するL(χ,s)であることは、現代数学で
知られているのです。例えば、「解決!フェルマーの最終定理」(加藤和也著、日本評論社)のp.74参照。

 さて、3回積分の三つの青字の級数たちがLP(s)の分身とよべる存在であることを示します。

[分身であることを示す]
係数A,B,Cにかかる級数をそれぞれA1,B1,C1と表すと、次のようになる。
  A1=1 + 1/6^3 - 1/8^3 - 1/13^3 + 1/15^3 + 1/20^3 - 1/22^3 - 1/27^3 +・・・
  B1=1/2^3 + 1/5^3 - 1/9^3 - 1/12^3 + 1/16^3 + 1/19^3 - 1/23^3 - 1/26^3 +・・・
  C1=1/3^3 + 1/4^3 - 1/10^3 - 1/11^3 + 1/17^3 + 1/18^3 - 1/24^3 - 1/25^3 +・・・

さて、A1- B1 -C1を計算すると、
A1- B1 -C1
 =(1 + 1/6^3 - 1/8^3 - 1/13^3 + 1/15^3 + 1/20^3 - 1/22^3 - 1/27^3 +・・・)
     - (1/2^3 + 1/5^3 - 1/9^3 - 1/12^3 + 1/16^3 + 1/19^3 - 1/23^3 - 1/26^3 +・・・)
      - (1/3^3 + 1/4^3 - 1/10^3 - 1/11^3 + 1/17^3 + 1/18^3 - 1/24^3 - 1/25^3 +・・・)
 =1/1^3 - 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/5^3 + 1/6^3 - 1/8^3 + 1/9^3 + 1/10^3 + 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3+・・・
 =(1/1^3 + 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 - 1/5^3 - 1/6^3 + 1/8^3 + 1/9^3 - 1/10^3 + 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3+・・・)
     + (-2/2^3 - 2/4^3 + 2/6^3 - 2/8^3 + 2/10^3 + 2/12^3 +・・・)
 =LP(3) - 2/2^3・(1 + 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 - 1/5^3 - 1/6^3 + ・・・)
 =LP(3) - 1/2^2・LP(3)
 =(1 - 1/2^2)・LP(3)

となり、上で定義したLP(s)の特殊値LP(3)が出てくるのです!
 A1,B1,C1を「A1- B1 -C1」のように組み合わせれば、このようにLP(s)を構成することができるのである。

これで、A1,B1,C1はLP(s)の分身(分割ゼータ)であることがわかった。
終わり。

 よって予想通り、ちゃんと虚2次体Q(√-7)に対応するLP(s)が分身の姿(分割ゼータ)で出現していることが
わかりました

以上より、π/7代入でも、予想L-4は成立していることがわかりました。




2005/3/27  <-1/2=cosx + cos2x + cos3x + ・・・の重回積分-重回微分にπ/13を代入>

 Aの統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)の結果に、π/13を代入した場合を調べます。
(ここは、天王星「その2」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/13を代入>の
論理をそのまま利用しています。)

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----A

 まずAを重回積分-重回微分した結果(冒頭の「π/3代入」参照)に、π/13を代入した場合を記すと次のように
なります。2回積分と3回積分の場合のみ記しました(予想L-4を確認するにはこれで十分)。

[π/13代入の式]

2回積分
  - { L・(1/1^2 - 1/12^2 - 1/14^2 + 1/25^2 + 1/27^2 - 1/38^2 - 1/40^2 + 1/51^2 +・・・)
   + M・(1/2^2 - 1/11^2 - 1/15^2 + 1/24^2 + 1/28^2 - 1/37^2 - 1/41^2 + 1/50^2 +・・・)
    + N・(1/3^2 - 1/10^2 - 1/16^2 + 1/23^2 + 1/29^2 - 1/36^2 - 1/42^2 + 1/49^2 +・・・)
   + P・(1/4^2 - 1/9^2 - 1/17^2 + 1/22^2 + 1/30^2 - 1/35^2 - 1/43^2 + 1/48^2 +・・・)
   + Q・(1/5^2 - 1/8^2 - 1/18^2 + 1/21^2 + 1/31^2 - 1/34^2 - 1/44^2 + 1/47^2 +・・・)
   + R・(1/6^2 - 1/7^2 - 1/19^2 + 1/20^2 + 1/32^2 - 1/33^2 - 1/45^2 + 1/46^2 +・・・)
                                        - (1-1/2)ζ(2)/13^2 } + ζ(2)
                                   =π/2・(π/13) - 1/2・(π/13)^2/2!

3回積分
  -{ A・(1/1^3 + 1/12^3 - 1/14^3 - 1/25^3 + 1/27^3 + 1/38^3 - 1/40^3 - 1/51^3 +・・・)
    + B・(1/2^3 + 1/11^3 - 1/15^3 - 1/24^3 + 1/28^3 + 1/37^3 - 1/41^3 - 1/50^3 +・・・)
    + C・(1/3^3 + 1/10^3 - 1/16^3 - 1/23^3 + 1/29^3 + 1/36^3 - 1/42^3 - 1/49^3 +・・・)
    + D・(1/4^3 + 1/9^3 - 1/17^3 - 1/22^3 + 1/30^3 + 1/35^3 - 1/43^3 - 1/48^3 +・・・)
    + E・(1/5^3 + 1/8^3 - 1/18^3 - 1/21^3 + 1/31^3 + 1/34^3 - 1/44^3 - 1/47^3 +・・・)
    + F・(1/6^3 + 1/7^3 - 1/19^3 - 1/20^3 + 1/32^3 + 1/33^3 - 1/45^3 - 1/46^3 +・・・) }
                                                   + ζ(2)・(π/13)
                                =π/2・(π/13)^2/2!- 1/2・(π/13)^3/3!

 となりました。

ここで、A=sin(π/13)、B=sin(2π/13)、C=sin(3π/13)、D=sin(4π/13)、E=sin(5π/13)、F=sin(6π/13)、
 L=cos(π/13)、M=cos(2π/13)、N=cos(3π/13)、P=cos(4π/13)、Q=cos(5π/13)、R=cos(6π/13)。

 さて、上のπ/13代入の結果が、この予想L−4を支持しているか否かを以下見ましょう。
いまπ/13代入ですから、k=13です。よって、導手NがN=13で且つ13=|m|である実2次体Q(√13)に対応する
L(χ,s)が出現してくるはずです。

 またいま次体Q(√13)が考察の対象になっているわけですから、予想L-4の後半からQ(√13)に対応する
L(χ,s)は偶数回の微分・積分の所に現れているはずだとなります。
よって、上の[π/13代入の式]の2回積分の箇所だけに注目すればよいのです(3回積分の方は無視)。

 結論からいえば、ここでも予想L−4は成り立っているのですが、以下説明します。

 2回積分の6つの青字の級数はLR(s)の分身とよぶべき級数(分割ゼータ)であったのです。
LR(s)の定義を書きます。次のものであり、ディリクレのL関数L(χ,s)の一種です。

LR(s)=(1/1^s-1/2^s+1/3^s+1/4^s-1/5^s-1/6^s-1/7^s-1/8^s+1/9^s+1/10^s-1/11^s+1/12^s ) + ・・・

 (注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されていく。)

上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
 LR(s)は、mod 13に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 3 or 9 or 10 or 12 mod 13-->χ(a)=1、
  a≡2 or 5 or 6 or 7 or 8 or 11 mod 13 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=13です。

 じつはLR(s)はQ(√13)に対応するL(χ,s)となっているのです。
LR(s)がQ(√13)に対応するL(χ,s)であることは平方剰余の相互法則と補充則を用い、x^2≡13 mod p (pは素数)
という合同方程式を解くことを経由して確認することができます。私は手計算で確認しました。

 さて、2回積分の6つの青字の級数たちがLR(s)の分身であることを示します。

[分身であることを示す]
係数L,M,N,P,Q,Rにかかる級数をそれぞれL1,M1,N1,P1,Q1,R1と表すと、次のようになる。
  L1=1/1^2 - 1/12^2 - 1/14^2 + 1/25^2 + 1/27^2 - 1/38^2 - 1/40^2 + 1/51^2 +・・・
  M1=1/2^2 - 1/11^2 - 1/15^2 + 1/24^2 + 1/28^2 - 1/37^2 - 1/41^2 + 1/50^2 +・・・
  N1=1/3^2 - 1/10^2 - 1/16^2 + 1/23^2 + 1/29^2 - 1/36^2 - 1/42^2 + 1/49^2 +・・・
  P1=1/4^2 - 1/9^2 - 1/17^2 + 1/22^2 + 1/30^2 - 1/35^2 - 1/43^2 + 1/48^2 +・・・
  Q1=1/5^2 - 1/8^2 - 1/18^2 + 1/21^2 + 1/31^2 - 1/34^2 - 1/44^2 + 1/47^2 +・・・
  R1=1/6^2 - 1/7^2 - 1/19^2 + 1/20^2 + 1/32^2 - 1/33^2 - 1/45^2 + 1/46^2 +・・・

さて、L1+ M1 + N1- P1 - Q1 + R1を計算すると、
L1+ M1 + N1- P1 - Q1 + R1
 =(1/1^2 - 1/12^2 - 1/14^2 + 1/25^2 + 1/27^2 - 1/38^2 - 1/40^2 + 1/51^2 +・・・)
   + (1/2^2 - 1/11^2 - 1/15^2 + 1/24^2 + 1/28^2 - 1/37^2 - 1/41^2 + 1/50^2 +・・・)
   + (1/3^2 - 1/10^2 - 1/16^2 + 1/23^2 + 1/29^2 - 1/36^2 - 1/42^2 + 1/49^2 +・・・)
   + (1/4^2 - 1/9^2 - 1/17^2 + 1/22^2 + 1/30^2 - 1/35^2 - 1/43^2 + 1/48^2 +・・・)
   + (1/5^2 - 1/8^2 - 1/18^2 + 1/21^2 + 1/31^2 - 1/34^2 - 1/44^2 + 1/47^2 +・・・)
   + (1/6^2 - 1/7^2 - 1/19^2 + 1/20^2 + 1/32^2 - 1/33^2 - 1/45^2 + 1/46^2 +・・・)

=1/1^2+1/2^2+1/3^2-1/4^2-1/5^2+1/6^2-1/7^2+1/8^2+1/9^2-1/10^2-1/11^2-1/12^2
  -1/14^2-1/15^2-1/16^2+1/17^2+1/18^2-1/19^2+1/20^2-1/21^2-1/22^2+1/23^2+1/24^2+1/25^2 +・・・

=1/1^2-1/2^2+1/3^2+1/4^2-1/5^2-1/6^2-1/7^2-1/8^2+1/9^2+1/10^2-1/11^2+1/12^2
  + 1/14^2-1/15^2+1/16^2+1/17^2-1/18^2-1/19^2-1/20^2-1/21^2+1/22^2+1/23^2-1/24^2+1/25^2 +・・・
  + (2/2^2-2/4^2+2/6^2+2/8^2-2/10^2-2/12^2-2/14^2-2/16^2+2/18^3+2/20^2-2/22^2+2/24^2+・・)

=LR(2) + 2/2^2・(1/1^2-1/2^2+1/3^2+1/4^2-1/5^2-1/6^2-1/7^2-1/8^2+1/9^2+1/10^2-1/11^2+1/12^2+ ・・)
=LR(2) + 1/2・LR(2)
=(1+1/2)・LR(2)

となり、上で定義したLR(s)の特殊値LR(2)が出てくるのである!
 L1,M1,N1,P1,Q1,R1を「L1+ M1 + N1- P1 - Q1 + R1」のように組み合わせると、このようにLR(s)を構成する
ことができるのである。
これで、L1,M1,N1,P1,Q1,R1はLR(s)の分身であることがわかった。
終わり。

 予想通り、ちゃんと実2次体Q(√13)に対応するLR(s)が分身の姿(分割ゼータ)で出現していることがわか
りました。

以上より、π/13代入でも予想L-4は成立していることがわかりました。






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