2005/7/17
ゼータ惑星も、長い旅をつづけてきましたが、一応ここで区切りとします。
このシリーズでも、さまざまな発見がありましたが、なんといっても予想L-4を提示できたのが最大の結果だと
思います。
この予想は、現代数学で不明とされるディリクレのL関数L(χ,s)の特殊値(半分がわかっていない!)を次々
と解明していくたいへん力の強い予想であり、多くの検証実験により「ぜったい正しい」といえる予想です。
現代数学で重要な保型形式のゼータL(χ,s)は、不思議にも方程式のゼータ(2次体ゼータ)にも一致しますが、
なぜ一致するかの根本の理由はよくわかっていないと考えられます。本サイトの研究によりその不明確なゼータ
の根源の姿が明らかになってきました。その姿の美しさは想像を絶するものでした。
さらに、予想L-4は豊富は内容を包含していますが、中でも「実2次体ゼータはcos級数より生まれ、虚2次体
ゼータはsin級数より生まれる」という世にも美しい事実を含んでいたのでした。
他にも、色々な発見がありましたが、下に流れ図で示します。
「水星」と「地球」は独立的ですが、その他の星は「ゼータ関数のいくつかの点について」からずっと一筋の自然
な流れでつづいてきています。
「ゼータ惑星」の”水星”〜”冥王星”までの流れ
私が2年ほど前に作っていた作用素の定理を、重回積分-重回微分の理論に応用することにより、多くの不思
議な等式を導出することができました。
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私の重回積分-重回微分の理論を用いて様々なπ/nを代入することで、L(χ,s)の特殊値(非明示な場合)が
どんどんと出てくる現象を発見しました。非明示な場合の値は、現代数学での未解決問題。
この辺から、予想L-4への助走がはじまっていますが、まだまだ長く険しい山道がつづいていきます。
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無限演算子(∫+∫^2+∫^3+・・・)を介して、「ゼータ関数の世界」と「微分方程式」という異なる世界の関連性を
考察しました。ここでも、私が以前に作った定理が役立ってくれました。 ↓
重回積分-重回微分の理論が、代数体の2次体と結びつく事実を発見しました。ここは、決定的な発見の瞬間
でした。予想L-4への初期の雛型ができた。代数世界(2次体)がフーリエ級数という解析世界と密接に繋がって
いることが、簡単な方法でわかった。解析的ゼータが代数体ゼータと自然に一致してしまうその過程が初等的
観点から示されるという興味深い事実を見出しました。つまり方程式(代数体)ゼータが保型形式(解析)ゼータに
と一致することを主張するラングランズ哲学を初等的に実現しているという常識では考えられない現象を発見した
わけです。
ゼータが分裂するという興味深い現象を発見。分裂したゼータが合体して秩序(予想)を成立させている。ゼータは、
分身の術を使う忍者でした。
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提示した予想をさらに発展させました。実2次体ゼータがどんな場合に生じ、虚2次体ゼータがどんな場合に生じ
るのかその規則性がわかってきたのです。強化した予想の検証を続けました。
ただし、提示した予想では2次体Q(√m)のm=4n+2 or 4n+3型の場合しかわかっていませんでした。
m=4n+1型はむずかしく、その規則性を探すのは困難をきわめました。
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上までは、非明示な場合の予想でしたが、ここにいたって明示的な場合の中心母等式を発見し、類似の予想
を構成することに成功しました。その予想の検証を行なった。
「実2次体ゼータはcos級数から生まれ、虚2次体ゼータはsin級数から生まれる」という世にも美しい事実
を発見。
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ついにm=4n+1型の2次体Q(√m)の場合の規則性を発見し、予想L-3を提示しました。多くの検証実験でその
正しさを確認。これで本質的に予想L-4ができたということがいえます。
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現代数論の最高峰のブロック・加藤予想と私の予想L-4が密接につながっていることを指摘しました。
ブロック・加藤はモチーフの玉河数を用いてゼータ特殊値を精密に求める予想。一方、私の予想L-4は重回積分
-重回微分で初等的に精密に特殊値を求める予想。
私の理論により、現代数学で不明とされる非明示なL(χ,s)特殊値は、[偶数ゼータζ(2n)の無限和]として表現で
きることがわかった。
ディリクレの類数公式との関連から類数hの解析的な意味を明らかにする。類数に関する4つの予想を提示。
分割ゼータ、外分割ゼータの定義を与える。予想L-4と保型形式との関連を指摘しました。
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楕円曲線のゼータまでも包含した私の見果てぬ夢を提示。
あらゆるL(χ,s)ゼータが、ζ(0)、L(0)という卵から生まれてくる事実を示しました。ゼータは生き物です。
私の予想L-4の「明示的な特殊値の場合」の実際の検証を行う。予想L-4をさらに拡張する可能性を秘め
るm約数予想という新たな予想(規則性)を提示。
2次体の類数hが奇数か偶数かを見分ける規則性(予想)を見出した(海王星の予想とは別種のもの)。
予想L-4の拡張を示唆(整数点の特殊値から実数点の特殊値へ)。
繰り込みのふしぎを考察。予想L-4の中心母等式からオイラーの関数等式を導出しました。
以上。
本シリーズをふり返って・・・・
本シリーズをふり返って思うことは、予想L-4はあまりにも本質的であるということです。
この予想は、巨大な金鉱脈であり、掘っても掘っても次から次へと金が出てくる。その埋蔵量はちょっと想像でき
ません。これは、このシリーズを読まれた方なら誰しも思ってしまうところでしょう。
本質的のみならず、内容がきわめて美しいのがうれしいところです。生命体ゼータが住む星の究極の美しさを
体現しているにちがいありません。
予想L-4は、リーマン予想に関係していると思います。いったいどんな形で関係しているのでしょうか・・
杉岡 幹生
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