海王星 その1

 「ディリクレの類数公式」と「統一的法則性」の間の関係性を示します。
とくに、虚2次体の場合の類数hと解析世界のkとの不思議な関係を発見しました。


2004/9/10            <両者の関係性を見る前に>

 ディリクレの類数公式と、このHPで見出した統一的法則性(重回積分-重回微分の規則)との間には密接な関係が
あります。ここでは、そのことを指摘します。

 その統一的法則性に関して、私はこれまで4つの予想を提示してきました。そして、その4つの予想に対して様々な
解析を加え、多くの具体例でその正しさを確めてきたのでした。
 予想L-2予想L-2B予想L-3予想L-3Bの4つを見てきたわけですが、予想L-2と予想L-2Bは同類であり、
予想L-3と予想L-3Bも同類です。
 よって、ここでは、予想L-2と予想L-3を掲げておきましょう。

[私の予想L-2](非明示の場合)

  mが4n+2 または 4n+3の整数のとき、k=2|m|とおく。(mは整数で、1以外の平方数で割り切れないものである)
 @式の重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=2k (つまりN=4|m|)である2次体Q(√m)
に対応するディリクレのL関数L(χ,s)か、あるいはその分身(複数)が、必ず出現する。

 ここで分身(複数)とは、それらを適当に足したり引いたりするだけで上の条件を満たすL(χ,s)を構成できる級数を指す。
なおk, q は整数で、0 <|q π/k|< 2π 且つ kとq は互いに素。

 そして、上の2次体Q(√m)が2次体であるならばそれに対応するL(χ,s)は偶数回の微分・積分の所に現れ、
2次体であるならば対応するL(χ,s)は奇数回の微分・積分の所に現れる。

  cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・)  -----@
                                   (0 <|x|< 2π)



[私の予想L-3](非明示の場合)

  mが4n+1の整数のとき、k=|m|とおく。(mは整数で、1以外の平方数で割り切れないものである)
 @式の重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=k (つまりN=|m|)である2次体Q(√m)
に対応するディリクレのL関数L(χ,s)か、あるいはその分身(複数)が、必ず出現する。

 ここで分身(複数)とは、それらを足したり引いたりしたものにある有理数を掛けると上の条件を満たすL(χ,s)を
構成できる級数を指す。
なおk, q は整数で、0 <|q π/k|< 2π 且つ kとq は互いに素。

 そして、上の2次体Q(√m)が2次体であるならばそれに対応するL(χ,s)は偶数回の微分・積分の所に現れ、
2次体であるならば対応するL(χ,s)は奇数回の微分・積分の所に現れる。

  cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・)  -----@
                                   (0 <|x|< 2π)


 さて、これらの予想を参考にしながら、ディリクレの類数公式との関係を見てみましょう。



2004/9/10        <「ディリクレの類数公式」と「統一的法則性」の関係>

 まずディリクレの類数公式を示します。
 実2次体と虚2次体にはそれぞれ「ディリクレの類数公式」というものがあります。これは2次体Q(√m)において
きわめて重要な公式です。
 いま Kを2次体とすると、次の公式が成り立ちます。

Kが実2次体なら、--->    L(χ,1)=h・logε・2/√N    -----@

Kが虚2次体なら、--->    L(χ,1)=h・2π/(w√N)       -----A

 これらをディリクレの類数公式といいます。

 ここで、h はKの類数、L(χ,1)はKに対応したディリクレのL関数L(χ,s)のs=1での特殊値。
ε は実2次体Kの基本単数であり、w は虚2次体Kに含まれる1のべき根の個数です。
 N は Kの導手です(これは、このサイトでもよく出てきました)。

 これら類数や単数のことについては、雑誌「数学のたのしみ No.17」で加藤和也さんがわかりやすく解説してくれて
いますのでそちらを参考にしてください。

 なぜ上式@、Aが重要であるかというと、「解析的なゼータL(χ,s)」と「代数体」が結びついているからです。
左辺が解析的、右辺が代数的となっている。異質なものの結合です。解析と代数というまったく違った領域のことが
イコールで結びつくふしぎがあらわれている。
こういうのに数学者は驚き、また喜びます。私は数学者ではありませんが、私もうれしくなります。

 ただ、L(χ,s)は無限積あるいは無限和で定義され解析の香りをもっていますが、整数論的な香りもたぶんに残してい
ますし、私はゼータは異なる領域を橋渡ししてくれる生命体と思っていますので、そういう形に@、Aを書き替えたいの
です。
 それをやりたいのですが、上の予想L-2と予想L-3をながめるだけでそういう形に簡単にできることに気付きます。

まず予想L-3の場合m=4n+1型のQ(√m)の場合)を考察しましょう。
予想L-3Bにおいても結果は同じとなります。)
この予想は実2次体と虚2次体に関するものですので、そっくりそのまま@、Aに関係づけられます。
予想L-3では導手Nは、N=k となります。k はもちろん、qπ/k代入 の k です。
よって、@とAは、次のようになります。

 いま Kを2次体とすると、
Kが実2次体なら --->    L(χ,1)=h・logε ・2/√k    -----@

Kが虚2次体なら --->    L(χ,1)=h・2π/(w√k)       -----A

 ちょっと変形すると、次のようになります。

Kが実2次体なら --->    √k・L(χ,1)=2h・logε    -----B

Kが虚2次体なら --->    √k・L(χ,1)=2πh/w       -----C

 これは、まさに異質な世界をゼータが橋渡ししている様子を表した式となっています。
左辺のkというのは、上の二つの予想でもわかる通り、「フーリエ展開の式を重回積分や重回微分したものに、qπ/k
代入する」という場合のk のことであり、これは解析中の解析であり、よって k は純粋な解析学の世界に属します。

 一方の右辺は、類数 h やら単数 ε やら1のべき根の個数 w やら、こちらは純粋な代数の世界に属します。

 この二つが、BやCのようにゼータL(χ,1)を介して結びついている。
 中央にゼータL(χ,1)という小山があって、解析の人がその小山を越えれば、右辺の代数の世界に出ます。
逆に、代数体の人が小山を越えれば解析の世界に出られる。
BとCはそんな様子をあらわしている。

 なお、いま予想L-3(m=4n+1型のQ(√m))を代表にとりましたが、予想L-2の場合m=4n+2 or 4n+3型の
Q(√m))に着目した場合は、今度はN=2k となって当然ながら同様の議論ができます。またこの場合、
予想L-2Bでも同じ結果となります。つまり、次のようになります。

  Kが実2次体なら --->   k・L(χ,1)=√2・h・logε    -----D

  Kが虚2次体なら --->   k・L(χ,1)=√2・π・h/w       -----E


B〜Eは孤立した二つの島に、ゼータという橋がかかった様子を表しているといえるでしょう。

 厳密には冒頭の予想が正しければB〜Eは正しいといえるものですのでまだ予想の式といえますが、私の予想は、
まず間違いなく正しいだろうと思えるものですので、B〜Eは正しいと考えられます。

以上より、私の予想が正しいとした場合、次が成り立ちます。

 [予想L−3,予想L-2]と[ディリクレの類数公式]との関係


●予想L-3 or L-3B(m=4n+1型のQ(√m)の場合)と類数公式との関連

  Kが実2次体なら --->   √k・L(χ,1)=2h・logε    -----B

  Kが虚2次体なら --->   √k・L(χ,1)=2π・h/w       -----C



●予想L-2 or L-2B(m=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合)と類数公式との関連

  Kが実2次体なら --->   k・L(χ,1)=√2・h・logε    -----D

  Kが虚2次体なら --->   k・L(χ,1)=π√2・h/w       -----E






2004/9/11      <「ディリクレの類数公式」と「統一的法則性」の関係 その2>


 加藤和也さんの著書「解決!フェルマーの最終定理」(日本評論社)p.94には、虚2次体のディリクレの類数公式の
別表現ものっています。
 上でも出ましたが、再度、虚2次体の類数公式を書きます。

   L(χ,1)=h・2π/(w√N)       -----@

 そして、さらに、次の式も成り立つことが書かれています。

   L(χ,1)=-{π/(N√N)}・Σχ(a)・a       -----A
                  (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

 ここで、h は2次体の類数、L(χ,1)は2次体に対応したディリクレのL関数L(χ,s)のs=1での特殊値。
w は虚2次体に含まれる1のべき根の個数です。

 この@とAより、次が出ます。

   h=-w/(2N)・Σχ(a)・a       -----B
            (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

 こんな素晴らしい式が書かれています。
そして、このBも「ディリクレの類数公式」と呼ばれているのだそうです。L(χ,1)がなくなっている分、より一般的な感じ
がします。
 Bをつぎのように、変形しておきましょう。

   1/N・Σχ(a)・a =-2h/w     -----C

 さて、一つ上でやったのと同じ考察をおこなってみます(私の予想が正しいとした場合の考察です)。

 まず予想L-3の場合m=4n+1型のQ(√m)の場合)を考えると、この場合、導手Nは、N=k となります。
k はもちろん予想中の qπ/k の kです。
よって、Cより、次が成り立ちます。

   1/k・Σχ(a)・a =-2h/w     -----D
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

 次に予想L-2の場合m=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合)を考えると、その場合は、今度はN=2k となり、
よって、Cより、次が成り立ちます。

   1/k・Σχ(a)・a =-4h/w     -----E
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

  Σχ(a)・aは、L(χ,s)と同じものと考えられますから、DもEも一つ上でみたように、ゼータが二つの世界を結びつける
役割をしていることを表現した式となっています。

 まとめておきましょう。冒頭の私の予想が正しいとした場合、次が成り立ちます。

[m=4n+1型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-2h/w
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


[m=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-4h/w
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


 k さんは、解析の世界に住んでいます。また、h さん、w さんは代数の世界に生きている。
この異質な世界の住人が、ゼータ(Σχ(a)・a)という橋によって行き来できる状態になっていることをD、Eは示して
いると考えられます。



2004/9/11      <虚2次体の場合の考察 -- wに注目して--

 一つ上の式で、面白いことがわかるのです。もう一度、一つ上で見つけた式を書きます。
[m=4n+1型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-2h/w     -----@
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

[m=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-4h/w     -----A
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)

 ここで、h は2次体の類数、L(χ,1)は2次体に対応したディリクレのL関数L(χ,s)のs=1での特殊値。
w は虚2次体に含まれる1のべき根の個数です。k は私の予想中の qπ/k の kです。

 もう一度、加藤和也さんの名著「解決!フェルマーの最終定理」(日本評論社)に登場願いましょう。
 そこには、興味深い事実が書かれているのです。
 虚2次体の類数公式における上のw(体での1のべき根の個数)は、次のようになっているというのです。

********************************
 w=6 ・・・・・F=Q(√-3)の時
 w=4 ・・・・・F=Q(√-)の時
 w=2 ・・・・・それ以外の時
********************************

 すなわち、これは、虚2次体Q(√m)は無数にあるがQ(√-3)とQ(√-1)を除いて、他は全部w=2であるという
ことです。
 よって、@、Aは次のように書き換えることができるのです。冒頭の私の予想が正しいとした場合、次が成り立ちます。

Q(√-3)を除くm=4n+1型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-h     ----------B
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


Q(√-1)を除くm=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-2h    ----------C
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


  驚くべき簡明さです!
 虚2次体の類数 h という非常に大切なものが、解析の世界の住人 k とこんなにも直接的に関係しているのです。

 BとCは次のように解釈できるでしょう。
 解析の k さんがゼータ山(Σχ(a)・a)を越えれば代数の類数 h さんのところ行ける。
逆に代数のh さんがゼータ山(Σχ(a)・a)を越えれば解析の k さんのところ行ける。

 こんなきれいなことを示している。
これは、根源部分で h と k は兄弟であることを意味していると考えられます。

 私が「ゼータ関数のいくつかの点について」以来延々と見てきたフーリエ級数の重回積分−重回微分のqπ/k代入
のk が、2次体Q(√m)でもっとも大切な類数と、こんなにも美しい形で結びついていたのです。

 類数というのはイデアルとも関係する非常に難しいものであり、私もその意味を完全にはわかっていないのですが、
その難しい類数が、まったく簡単なqπ/k代入の k でとりおさえられるというのですから、これには驚くしかありません。
これは現代数学での「代数の世界が保型形式(解析)でとりおさえられるはず・・」などのラングランズ哲学の方向と似て
いるような気もします。

 加藤和也さん(京都大学教授)の「化身(けしん)」という言葉を借りて、次のように表現しておきます。

       類数 hは k の化身である!




2004/9/12      <虚2次体の「類数 h と k の関係」を具体例で確認>

 さて、一つ上の関係をもう一度書きましょう。

Q(√-3)を除くm=4n+1型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-h     ----------B
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


Q(√-1)を除くm=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-2h    ----------C
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


 そして、何例か具体的に確認して、この正しさを実感しましょう。
 なお、上の式は、私の予想が正しいとした場合のものですが、これまでの多くの具体例の検証でその正しさは
ほぼ間違いないと考えられます。

 さて、虚2次体について、具体的に確認します。
まず[Q(√-3)を除くm=4n+1型のQ(√m)の場合]からいきましょう。
Bを確認します。
********************************************************************************
 虚2次体Q(√-7)を見てみましょう。冒頭の予想L-3から、|m|=k より、この場合k=7です。
また、Q(√-7)に対応するL(χ,s)は、
「天王星 その1」のcos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/7を代入でも
見たとおり、次のものです。
 LP(s)=(1/1^s + 1/2^s - 1/3^s + 1/4^s - 1/5^s - 1/6^s)
           + (1/8^s + 1/9^s - 1/10^s + 1/11^s - 1/12^s - 1/13^s)・・・・
 (注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されていく。)

上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
 LP(s)は、mod 7に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 2 or 4 mod 7-->χ(a)=1、
  a≡3 or 5 or 6 mod 7 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=7です。

  さて、このLP(s)Σχ(a)・a を計算します。Σは、0<a<Nをわたるのですから、次のように簡単に求まります。
Σχ(a)・a =1 + 2 - 3 + 4 - 5 -6 =-7

さらにQ(√-7)の類数hは、h=1であることが知られています。
これで、k,h,Σχ(a)・aが求まりましたから、Bが確認できます。
左辺=1/k・Σχ(a)・a =1/7・(-7)=-1
右辺=-h=-1

よって、左辺=右辺となりましたので、Bの正しさが確認できました。

******************************************************************************
 次に、虚2次体Q(√-15)を見てみましょう。冒頭の予想L-3から、|m|=k より、この場合k=15です。
また、Q(√-15)に対応するL(χ,s)は、
「天王星 その1」のcos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/15を代入でも
見たとおり、次のものです。

 LS(s)=(1/1^s + 1/2^s + 1/4^s - 1/7^s + 1/8^s - 1/11^s - 1/13^s - 1/14^s)
      + (1/16^s + 1/17^s + 1/19^s - 1/22^s + 1/23^s - 1/26^s - 1/28^s - 1/29^s) +・・・
 (注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されていく。)

上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになります。
 LS(s)は、mod 15に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 2 or 4 or 8 mod 15-->χ(a)=1、
  a≡7 or 11 or 13 or 14 mod 15 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=15です。

  さて、このLP(s)Σχ(a)・a を計算します。Σは、0<a<Nをわたるのですから、次のように簡単に求まります。
Σχ(a)・a =1 + 2 + 4 - 7 + 8 - 11 - 13 - 14 =-30

さらにQ(√-15)の類数hは、h=2であることが知られています。
これで、k,h,Σχ(a)・aが求まりましたから、Bが確認できます。
左辺=1/k・Σχ(a)・a =1/15・(-30)=-2
右辺=-h=-2

よって、左辺=右辺となりましたので、Bの正しさが確認できました。
******************************************************************************

 2例しか確認しませんが、他の場合も、ちゃんと成り立っているはずです。皆さんも、天王星での具体的結果を利用
して確認してみてください。面白いものです。

 次に[Q(√-1)を除くm=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]を見てみましょう。
Cを確認するのです。この場合も2例見ましょう。
******************************************************************************
 虚2次体Q(√-5)を見てみましょう。冒頭の予想L-2から、k =2|m|より、この場合k=10です。
また、Q(√-5)に対応するL(χ,s)は、
「火星 その8」のcos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/10を代入でも
見たとおり、次のものです。

LC(s)=(1/1^s + 1/3^s + 1/7^s + 1/9^s - 1/11^s - 1/13^s - 1/17^s - 1/19^s)+・・・
   (注意: + - はこの単位で延々とくり返されていきます。)

 LC(s)は、mod 20に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 3 or 7 or 9 mod 20-->χ(a)=1、
  a≡11 or 13 or 17 or 19 mod 20 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。このχ(a)の導手NはN=20です。

  さて、このLP(s)Σχ(a)・a を計算します。Σは、0<a<Nをわたるのですから、次のように簡単に求まります。
Σχ(a)・a =1 + 3 + 7 + 9 - 11 - 13 - 17 - 19 =-40

さらにQ(√-5)の類数hは、h=2であることが知られています。
これで、k,h,Σχ(a)・aが求まりましたから、Cが確認できます。
左辺=1/k・Σχ(a)・a =1/10・(-40)=-4
右辺=-2h=-2・2=-4

よって、左辺=右辺となりましたので、Cの正しさが確認できました。
******************************************************************************
 虚2次体Q(√-10)を見てみましょう。冒頭の予想L-2から、k =2|m|より、この場合k=20です。
また、Q(√-10)に対応するL(χ,s)は、
「火星 その8」のcos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/20を代入でも
見たとおり、次のものです。
 LK1(s)=(1/1^s - 1/3^s + 1/7^s + 1/9^s + 1/11^s + 1/13^s - 1/17^s + 1/19^s
           - 1/21^s + 1/23^s - 1/27^s - 1/29^s - 1/31^s - 1/33^s + 1/37^s - 1/39^s ) +・・・・
 (注意: + - はこの単位で延々とくり返されていきます。)

 LK1(s)は、mod 40に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 7 or 9 or 11 or 13 or 19 or 23 or 37 mod 40 -->χ(a)=1、
  a≡3 or 17 or 21 or 27 or 29 or 31 or 33 or 39 mod 40 -->χ(a)=-1、
  それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手NはN=40です。

  さて、このLP(s)Σχ(a)・a を計算します。Σは、0<a<Nをわたるのですから、次のように簡単に求まります。
Σχ(a)・a =1 - 3 + 7 + 9 + 11 + 13 -17 + 19 - 21 + 23 - 27 - 29 - 31 - 33 + 37 - 39 =-80

さらにQ(√-10)の類数hは、h=2であることが知られています。
これで、k,h,Σχ(a)・aが求まりましたから、Cが確認できます。
左辺=1/k・Σχ(a)・a =1/20・(-80)=-4
右辺=-2h=-2・2=-4

よって、左辺=右辺となりましたので、Cの正しさが確認できました。
******************************************************************************

 このように、やはり、Q(√-1)を除くm=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]でもきちんと成立していました。

 これらはほんとうに不思議な事実だと思います。
 非常に難しい類数 h が、まったく簡単な k と表裏一体となっているという不思議。

 その不思議さをあじわうために、再度書いておきましょう。

Q(√-3)を除くm=4n+1型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-h     ----------B
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)


Q(√-1)を除くm=4n+2 or 4n+3型のQ(√m)の場合]
   1/k・Σχ(a)・a =-2h    ----------C
        (Σでは、aは0<a<Nをわたる)







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