土星 その3

 予想L-2Bが予想L-2と同等のレベルに引き上げられました。


2004/7/13      <予想L−2Bが予想L−2と同等のレベルとなる>

 これまで次の@の中心母等式(明示的な場合)に対してπ/2,3π/4,π/6代入をやってきましたわけですが、
そのいずれの場合も予想L−2Bが成り立っていることを確認しました。

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----@

 そして、「土星 その2」の<予想L-2Bの提示>で、「その3 以降でこの予想L-2Bを確めつつ、さらに多くのqπ/k
代入を試みていきます。」と述べたのでした。

 しかし、「その2」での後半の考察を行い全体の構造がわかってしまったので、もはや他のqπ/k代入を試みる必要
がなくなってしまいました。
それは予想L-2で確認した具体的なqπ/k代入全てで@の明示的な場合も予想L-2Bが成り立っている
いえるからなのですが、少し説明します。

[説明]
 「その2」で、「実2次体のゼータはcos世界の住人であり、虚2次体のゼータはsin世界の住人である」という
面白いことがわかりました。
 これは言葉を変えていえば、
   2次体に関するL(χ,s)の特殊値は、cos級数から生み出される。
   2次体に関するL(χ,s)の特殊値は、sin級数から生み出される。
ということを意味しています。
それを具体的に表現すると、2次体のL(χ,s)特殊値は、次の一連のcos級数から(qπ/k代入で)生み出されてい
きます。
    ・
    ・
 1^3cosx + 2^3cos2x + 3^3cos3x + 4^3cos4x + ・・・・
 1^2cosx + 2^2cos2x + 3^2cos3x + 4^2cos4x + ・・・・
 1cosx + 2cos2x + 3cos3x + 4cos4x + ・・・・
 cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・
 cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + + cos4x/4・・・
 cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + + cos4x/4^2・・・
 cosx/1^3 + cos2x/2^3 + cos3x/3^3 + + cos4x/4^3・・・
    ・
    ・

 一方、2次体のL(χ,s)特殊値は、次の一連のsin級数から(qπ/k代入で)生み出されてくる。
    ・
    ・
 1^3sinx + 2^3sin2x + 3^3sin3x + 4^3sin4x + ・・・・
 1^2sinx + 2^2sin2x + 3^2sin3x + 4^2sin4x + ・・・・
 1sinx + 2sin2x + 3sin3x + 4sin4x + ・・・・
 sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・・
 sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + + sin4x/4・・・
 sinx/1^2 + sin2x/2^2 + sin3x/3^2 + + sin4x/4^2・・・
 sinx/1^3 + sin2x/2^3 + sin3x/3^3 + + sin4x/4^3・・・
    ・
    ・

 こんなふうになっているのです。
 さて、明示的な場合@と、非明示な場合Aの中心母等式を二つ並べてみます。

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・  -----@

  cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・)  -----A

 @を重回積分したり重回微分すると、L(χ,s)の明示的な場合の特殊値が次々に出現し、またAで同様のことを
すればL(χ,s)の非明示の場合が出てくることはこれまで再三見てきた通りです。
 さて、@やAを重回積分したり重回微分すると一回おきに、cos級数とsin級数が交互に現れてきます。

 こう見ると@もAも右辺にだけ注目すれば本質的にほとんど同じであることに気付くでしょう。

 さて、予想L−2(非明示な場合)で見ていたのはAの方でした。
それを重回積分したり重回微分すると(cos級数とsin級数が交互に現れてきて)、Aの右辺がらL(χ,s)の特殊値
が出現してきたのでした。

 さて、この「土星」では@の方に注目している。
@の右辺を重回積分したり重回微分したりしていくと、どんなL(χ,s)が出てくるかをAと同じように調べていたのです
が、もはやその必要はなくなったことに気付くのです。
なぜなら@の右辺ををひたすら重回積分したり重回微分したものと、Aで同様にやったものと必ず同類の級数が
出現してくることは自明だからです。
よって、Aの重回積分-重回微分の結果にあるqπ/kを代入してあるゼータBの特殊値が出れば、それは必ず@
でも出現するのです(明示、非明示の差はある)。また別のqπ/kを代入してAというゼータ特殊値がでれば、それも
必ず@の方でも出てくる。

以上より、予想L-2で確認した具体的なqπ/k代入全てで@の明示的な場合も予想L-2Bが成り立っている
いえることがわかりました。
[説明終わり]

 こんなうまいカラクリがあるために、すこし楽をすることができることになりました。
すなわち、非明示な場合の予想L-2の結果である表Bをそっくりそのまま利用できることになったからです。

 明示的な場合の予想L-2Bを再度かかげ、また一挙に強化された表B-2を載せます。

[予想L-2B](明示的な場合)

  mが4n+2 または 4n+3の整数のとき、k=2|m|とおく。(mは整数で、1以外の平方数で割り切れないものである)
 @式の重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=2k (つまりN=4|m|)である2次体Q(√m)
に対応するディリクレのL関数L(χ,s)か、あるいはその分身(複数)が、必ず出現する。

 ここで分身(複数)とは、それらを適当に足したり引いたりするだけで上の条件を満たすL(χ,s)を構成できる級数を指す。
なおk, q は整数で、0 < q π/k < 2π 且つ kとq は互いに素。

 そして、上の2次体Q(√m)が2次体であるならばそれに対応するL(χ,s)は奇数回の微分・積分の所に現れ、
2次体であるならば対応するL(χ,s)は偶数回の微分・積分の所に現れる。

   -1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -----@
                             (0 < x < 2π)


L(χ,s)本体が露に出現する場合を◎で、分身を経由して出現する場合を○で表現しています。
◎、○どちらでも”予想が成り立っている”ことを意味します。(予想が破綻した場合は×を挿入するつもりです。)

表B-2
Q(√m)

m=4n+2
or
m=4n+3
・・・ -13 -10 -6 -5 -2 -1 2 3 6 7 10 11 14 ・・
導手N ・・・ 52 40 24 20 8 4 8 12 24 28 40 44 56 ・・
L(χ,s)
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s)
LE(s)
LG(s)
LC(s)
LD(s)
L1(s)
L2(s)
L(s) L1(s)
L2(s)
LB(s) LE(s)
LG(s)
LI(s)
LJ(s)
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s)
LM1(s)
LM2(s)
本体->◎
分身->○
代入した
qπ/k
π/20 π/12 π/10 π/4

3π/4

5π/4
π/2

3π/2
π/4

3π/4

5π/4
π/6 π/12 π/14 π/20 π/22
n回積分

n->奇数
 or
n->奇数

注意1:青字は、各々の2次体に対応するL(χ,s)を示す。
注意2:一番下の行の「奇,偶」は、Q(√m)に対応するL(χ,s)特殊値が奇数回の積分(微分)の所に現れた場合に「奇」、
 奇数回の積分(微分)の所に現れた場合に「奇」と記しています。


 予想L-2表Bとは、一番下の奇と偶がちょうど反対になっていることに注目してください。
その他は全部同じ。面白いですね。







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