4/ 6(日) マドリード

ホアキン・ソロージャ。

久々のホテル泊。というわけでビュッフェでガッツリ朝食です。
ホテルのビュッフェではドリンクを注いでくれるわけですが、
その際、「カフェ(コーヒー)」か「テ(紅茶)」か聞かれるわけですよ。
で、自分はミルクティーを飲みたいわけです。朝から。
ミルクコーヒーが「カフェ・コン・レチェ」で、
ミルクが「レチェ」だから、ミルクティーは「テ・コン・レチェ」でいいんだよね。

というわけで、そのままボーイさんに伝えたところ、
今朝の飲み物は冷たい牛乳になりました。なんで?

外はやや天気が悪いです。
というか、ここまでずっと晴天だったのがすごい。旅の終盤まで雨に降られなかったのはラッキーですね。

まずは超有名、プラド美術館へ。
地下鉄でアトーチャ駅まで行きます。
ここの駅構内は非常にわかりやすいです。さすが首都の中心駅!

アトーチャ駅
(アトーチャ駅)

駅を出て美術館の方に向かうと…いるいる。
既に行列が出来てます。他に修学旅行生なのかな。団体もいます。

プラド美術館正面
(プラド美術館正面)

ちょっと並んで入館。
ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコらの作品を見ます。
胸に手を置いた紳士、フェリペ4世一家、三美神、裸のマハ、
本とかで見た事のある絵がいくつもある。けど、ぶっちゃけ好きじゃないというね。
さくっと一周して出てきちゃいました。 美術館の外にある銅像の方が好きです。
作品名はなんだったっけ。

プラド美術館敷地内にある銅像
(プラド美術館敷地内にある銅像)

美術館の道路を挟んだ向かいの建物の外壁も見事でした。

植物に彩られた外壁
(植物に彩られた外壁)

アトーチャ駅の方へ戻り、国立ソフィア王妃芸術センターに向かいます。
マドリードの3大美術館の2つ目です。

国立ソフィア王妃芸術センター国立ソフィア王妃芸術センター
(国立ソフィア王妃芸術センター)

ここで一番有名な作品は、なんと言ってもピカソのゲルニカです。
ミロやダリの作品を見て、期間限定でやっていたピカソ特集を見ました。
そしてゲルニカ。周りはすごい人だかり。
ゲルニカを見ながらデッサンしてる学生さんも居ます。はぁー。
ただ、正直言って自分はそれほどの感動を得られませんでした。
なんだろう、圧倒的な迫力はわかるんだけど、それ以上のものを感じ取れなかった…。
たぶん、ピカソの作風が自分に合わないんだと思います。

美術館を出たらアトーチャ通りを延々歩き、マヨール広場へ。
四方をオシャレな色の建物で囲まれていて、人が多い割になかなか癒されます。
相変わらずヒザが痛いので、電灯の下に腰を下ろしました。
バッグから水を取り出し、一息ついていたら、手ぶらのスペイン人男性(30代後半)が隣に座り、話しかけてきました。

マヨール広場
(マヨール広場)

男性「やあ!君は日本人かい?」
okku「そうだよ」
男性「学生か?留学で来たのか?どうだマドリードの街は」
okku「学生じゃないよ(笑) マドリードは昨日の夜に来たばかりだからまだわからない」
男性「今日はどこに行ってきたんだ?」
okku「プラド美術館とソフィア王妃芸術センター」
男性「サッカーは見ないのか?」
okku「うーん、迷ってるところ」
男性「今日はビセンテ・カルデロン・スタジアムでサッカーの試合があるぞ」
okku「うん、それは知ってる」
男性「見ないのか?」
okku「(なんとなく警戒しだす) まぁ時間があればね」
男性「早く決めないとチケット売り切れちゃうぞ。そうだ、俺がチケット買っといてやるよ」
okku「(怪しいー!)いいよいいよ!行けるかどうかわからないんだから」

その後「買っといてやるよ」「いいよ」を数回繰り返した後、マヨール広場を逃げるように出ました。
なんだったんだ、あれは…。

マヨール広場
(マヨール広場)

市庁舎の前を通り、王宮方面に向かいます。
まずは王宮の隣の教会、アルムデナ大聖堂へ。

マドリード市庁舎
(マドリード市庁舎)

ここでもミサか何かをやってました。よくミサにあたるけど、そんなに頻繁にやってるものなのかな。

アルムデナ大聖堂の外観アルムデナ大聖堂の内部
(アルムデナ大聖堂)

そしてバイレン通りを歩いて王宮へ。広ーい!

王宮
(王宮)

庭がすげー広いっす!そして振り返ればアルムデナ大聖堂。王宮側から見るのもいいですね。

王宮から見たアルムデナ大聖堂
(王宮から見たアルムデナ大聖堂)

王宮内には甲冑が!甲冑がたくさん展示されてる!
大人用から子供用まであります。子供用の甲冑が可愛すぎる!
そしてもちろんどこの部屋も煌びやか。すっごく豪華な建物です。

子供用の甲冑
(子供用の甲冑)

王宮を出たら再び美術館巡り。プラサ・デ・エスパーニャ駅から地下鉄に乗り
グレゴリオ・マラニョーン駅で降ります。
この駅から徒歩5分ほどのところにソロージャ美術館というのがあります。
「光の画家」と言われるホアキン・ソロージャさんの作品が展示されている施設です。

ソロージャ美術館
(ソロージャ美術館)

館内に入ってすぐに足が止まりました。
ゲルニカを見ても何も込み上げてこなかったのに、ここで感動が溢れてきました。
すごく柔らかいタッチ。すごく微笑ましい絵画の数々。
最初の2〜3作品ですっかりソロージャのファンになってしまいました。
しかもこの美術館、ちょっとお金持ちな人の普通の家に作品が飾ってある感じです。
なんだろう、美術館っぽくないところも好きかも。
写真撮影OKなのも嬉しいですね。

ソロージャ美術館食卓のようなものもある
(左:ソロージャ美術館 右:食卓のようなものもある)

マドリードの3大美術館の最後、ティッセン・ボルミネッサ美術館は見に行くのを辞めて、
ここでゆっくりソロージャさんの作品を見る事にしました。

Children in the SeaThe Siesta
(左:Children in the Sea 右:The Siesta)
MotherSelf Portrait
(左:Mother 右:Self Portrait)

この「Mother」という絵をすごく気に入ってしまい、帰国後にレプリカを買ってしまいました。
絵を買うなんて生まれて初めてです。それくらいこの絵に魅了されてしまったんですね。

庭には緑があふれ、噴水が上がっています。ベンチで一息。
あぁ、こんな庭のある家に住んでみたいなぁ。

ソロージャ美術館の美しい庭
(ソロージャ美術館の美しい庭)

ソロージャ美術館を出た後は、ビセンテ・カルデロン・スタジアムに行く事にしました。
今から行っても17時開始の試合に間に合う事、今日行かないとこのスタジアムに行ける日がない事、
そしてここを本拠地とするチーム、アトレチコ・マドリーの試合だったら
沢山点が入るだろうという事、(攻撃力が強く、守備力が弱い)
相手が(ビジャレアルのバルでTVで見た)UDアルメリアという好チームだという事、
そしてそのチームにミゲル・アンヘル・ミスタという大好きな選手が居る事、
要するに惹かれる理由が沢山あったんです。
同じ時間帯にバレンシアCFの試合もあったため、TV観戦したかったのですが、
ここは生観戦を獲りました。

実は、朝の段階でほぼ行く事を決めてました。
ただ、マヨール広場で話した男性がうさんくさかったんで、行くかどうかを渋りました。
チケットがなかったら運が悪かったと思って、スタジアムの写真だけ撮って帰ろうと思ってました。

地下鉄でピラミデス駅へ。ここからマンサレナス川沿いに歩いて行くとスタジアムがあります。
川沿いといえばお馴染み、橋フェチ炸裂です(笑)
んー、この橋げたも美しい。

マンサレナス川に架かる橋
(マンサレナス川に架かる橋)

スタジアムに到着。この時点で15時。試合開始2時間前ですが、
当日券もバリバリありました。普通に一番安い席に入れました。
ダフ屋がわさわさ居ますが、これだけ余ってたら、君たちから買うメリットなど無いではないか。

ビセンテ・カルデロン・スタジアムビセンテ・カルデロン・スタジアム
(ビセンテ・カルデロン・スタジアム)

チケットを買ったところで昼飯を食べてない事を思い出しました。
スタジアム周辺でボカディージョとナッツを買ってスタジアムに入ります。

スタジアムはガラガラでした。試合2時間前ってこんなものなのかな。
浦和レッズの試合を見に行く時は2時間前でもそこそこ入ってるので、不思議な感じです。

ビセンテ・カルデロン・スタジアムビセンテ・カルデロン・スタジアム
(ビセンテ・カルデロン・スタジアム)

それでも試合が始まる頃にはスタンドはギッシリ。そして試合開始です。
お目当てのミスタはベンチにも入っていない…。
前半2分、アトレチコ・マドリーがDFアントニオ・ロペスの直接FKで先制。早い!
そして、前半4分にはペナルティエリア内のファウルでUDアルメリアの選手がひとり退場。
FWフォルランがキッチリPKを決めて早くも2-0。スタンドはお祭り騒ぎです。

「あぁ、たった5分で2-0かぁ。しかも相手ひとり少ないし、一方的な試合になっちゃうかな」

そう思ったのもつかの間、前半10分にアルメリアが1点返しました。

「おっ」

さらに前半17分、UDアルメリアのMFオルティスの素晴らしいゴールが決まり、2-2!
ひとり少ないUDアルメリアが追いついちゃいました。
静まり返るスタンド。スタジアムの一角で飛び跳ねるUDアルメリアのファン。
おもしろくなってきました!

ぎっしり詰まったスタジアム
(ぎっしり詰まったスタジアム)

そして前半33分、アトレチコ・マドリーが追加点。
UDアルメリアのGKがボールをキャッチミスしちゃいました。
あぁ、ひとり少ない状態でこのミスは痛い…。

しかし、まだ諦めないUDアルメリア。それからわずか3分で再び同点にします。
何度も言うけど、1人少ないんですよ?でも全くそんな事を感じさせません。
まるで10人になってしまった場合の戦い方を練習しているかのよう。
監督は…ウナイ・エメリです。

しかし前半39分、UDアルメリアのMFフアニートが2枚目のイエローカードで退場に。
9人になっちゃいました。 そして前半ロスタイム、アトレチコ・マドリーのMFシモンが決めて4-3。
なんちゅう試合ですか。前半だけでおなかいっぱいです。
アトレチコ・マドリーのファンも立ったり座ったり喜んだり固まったり
おつかれさまでした(笑)

ハーフタイムのスコアボード
(ハーフタイムのスコアボード)

さすがに2人少ないと厳しいですね。後半に入りアトレチコ・マドリーが2点追加して
6-3で試合は終わりました。沢山点が入るだろうとは思ってたけど、こんなにとは思わなかった。

試合は面白かったのですが、アトレチコ・マドリーのファンは最悪です。
自軍の選手(DFペルニア、MFクレベル・サンターナ、MFレジェス)らに容赦ないブーイング。
何故、味方の選手にブーイングするんだろう。
しかも、レジェスは途中出場で6点目のアシストをしてるんですよ。
充分勝利に貢献してるのに、意味がわからない。
アトレチコ・マドリーのファンは、バレンシアCFのファン以下ですよ。

その後、トレド門を見て、再びバイレン通りを北上して王宮の前へ。
王宮と道を挟んだ向かいにあるオリエンテ広場でひと休みします。なんかひと休みが増えてきた気がする。
王立劇場の脇を抜けてプエルタ・デル・ソルという広場へ。

トレド門オリエンテ広場
(左:トレド門 右:オリエンテ広場 逆光…)

この広場にはマドリード自治政府庁舎が建っているのですが、
ここがマドリードの中心地点だそうです。ここでもひと休み(笑)

マドリード自治政府庁舎
(マドリード自治政府庁舎)

広場で英気を養ったら。近くのラ・パネラというアストゥリアス料理屋さんで夕飯。
さすがにマドリードとなるとガイドブックにメシ屋の情報が多くて嬉しいです。
ドリンクはアストゥリアス地方名物のシードラにしよう。
どこのレストランやバルでもドリンクの付け合わせはパンなのですが、
この店は小さな器に盛ったパエジャが出てきました。やった!久々の米!
そしてメイン料理はメルルーサって魚。聞いた事ないので珍しい魚なんだろうと判断しての注文です。
しかもシードラで煮込んだメルルーサにしちゃいました。食い物も飲み物もシードラ。
豆乳飲みながら豆乳鍋を食べるみたいな?違うか。

夕飯を食べ終わったら、近くのエル・コルテ・イングレスで明日の朝食用にサンドイッチを買いました。
明日はホテルの朝食時間の前に出発し、飛行機ではるばるビルバオまで飛ぶのです。
ついでに見つけたティント・デ・ベラーノもボトルで購入。

そしてホテルへ戻ります。スポーツニュースでも見よう。
としたところで、気がつきました。
ビルバオ行くの、明日じゃなくて明後日だった!(笑)

そしたら明日はどうしよう。
マドリードをだいぶ歩き尽くしちゃったので、他の街にでも行ってみようかな〜。
ガイドブックを開いて日帰りで行けそうなところを探します。

ガイドブックで目に留まったのは「セゴビア」という文字。

「そういえばバルセロナで出会った佐竹さんがセゴビアは美しい街だって言ってたなぁ。
ディズニーのシンデレラ城のモデルとなった建物があるって…セゴビアに行こうかな」

そしてガイドブックを読み進めていくと

「水道橋!」

セゴビアにはスペイン最大の水道橋があるらしいのです。
橋フェチ炸裂。心は決まりました。
明日はセゴビアに行く事にします(笑)