3/20(木) バレンシア

国王杯と3選手。

国王杯準決勝・2ndレグ当日です。
試合に招集されている選手は練習お休み → ギャラリーも少ないだろう と読んで、皆様からの手紙を
構想外の3選手に渡すべく、小澤さんと2人でパテルナ練習場に向かう事にしました。
(手紙…チームから構想外にされ、ひどい扱いを受けている3選手を激励するための直筆ファンレターを
 日本で集め、メッセンジャーする役目を今回の旅行で引き受けました)
ただし、この日も休日なのでエンパルメの駅に行ってもバスが出ていません。スペイン人休みすぎっす。
仕方ないので、アパート近くの大通りでタクシーを拾う事に。
地下鉄プラサ・エスパーニャ駅からパテルナ練習場までは大体20ユーロ程度です。
タクシーは練習場の入り口目の前まで乗せてくれました。

・・・人が居ない。
ほとんどの選手が居ませんからね。そりゃギャラリーも居ないですよ。
トップチームの練習場の方まで歩いて行きましたが、すれ違う人は皆無でした。
そして、トップチームの練習場…人が居ません。
そのさらに奥のミニコートに青いトレーニングウェアが見えました。

ミニコートでは、招集外となった選手たちにケガ人が混ざって5×5のミニゲームをやってました。
ビブス組・・・アルベルダ、ジギッチ、モントロ、ハウメ(BチームDF)、サルバ(BチームGK)
ビブス無・・・アングーロ、ロンバン、アレクシス、サニー、カニサレス
(ビセンテは別メニューらしく姿が見えませんでした。)
そして、この練習を見ているのはフィジカルコーチですかね。
この中では試合に招集されている回数も多いサニーとジギッチがよく声も出ていて、体のキレも良かったです。
アレクシスもケガしているとは思えない動きっぷり。間もなく実戦復帰となるでしょう。
カニサレスのキャッチング能力は衰えてなかったように見えました。ただアングーロはシュートミスが多かったです。
12時までめいっぱいミニゲームを行い練習終了。選手たちはシャワールームに向かっていきました。

(ミニコートでの練習の様子)

18日と同じように、選手たちが出てくるまで練習場内のカフェに。
外が少し寒かった事もあり、この日はカフェオレと、
先日小澤さんが食べてて美味しそうだったミートパイを注文。
カフェオレにはバレンシアCFのロゴマークが入った砂糖が2袋ついてきました。
2つも使わない上、バレンシアCFのロゴが入ってるものは何でも好きなokkuです。
使わない砂糖は友人へのお土産にしようと決めたのでした(笑)

そうしてるうちに選手たちが出てきました。自分ら2人以外のギャラリーはゼロです。
18日に写真は撮れたので、この日の目当てはサインです。
こんなところで02/03のスポンサー無し真っ白ユニフォームが役に立つとは思いませんでした。
まず出てきたのはアレクシス。
手を振ると普通に止まってくれます。ユニフォームの左胸にサインGET!
ここでひとつ失敗したことに気付きます。ユニフォームにサインをもらう場合、
よっぽどしっかりした土台がないと生地がよれてキレイなサインが書けません。
アレクシスのサインはヨレヨレになってしまいました。。。

続いて待ってると、大きな男が車に乗り込むのが見えました。ジギッチだ。
ジギッチにサインをもらおうかとスタンバイしていると、ジギッチの車を乱暴に追い抜くスポーツカーが。
そうです。アングーロです。

小澤さんが轢かれんばかりの勢いで車の前に立ちふさがり、車を止めました。
皆様からお預かりした手紙を慌ててバッグから出すokku。
「なんだなんだ?」という険しい顔のアングーロ。
小澤さんが沢山の手紙について説明すると、アングーロの顔は笑顔になりました。
そして 「Gracias」 と。
手紙を渡した後、02/03ユニフォームをバッグに押し込み、
すぐにバッグの中から03/04のアングーロユニフォームを取り出しました。
1秒でもムダにしたくないこの時間。
アングーロは快く背番号の下に大きくサインをしてくれました。
もう感無量です。夢を見ているみたいです。ヨレヨレですが、世界で一つのサインです。

さらに小澤さんが「彼はめちゃくちゃあなたのファンなんで、一緒に写真を撮ってあげてくれ」と言ってくれました。
それを聞いたアングーロはスゴイ勢いで車を降り、okkuの横に。
何も言葉が出ず、全身に鳥肌が立ちました。足もガクガクに震えてます。あぁ、もどかしい!
アングーロと話せる機会があったら…とイメトレしてきた成果がまったく出ません。
かろうじて出た言葉は英語。「私はあなたに会うために日本から来ました!」。
それを聞いたアングーロは「ありがとう」と英語で答え、肩を抱いてくれました。
うわ!2004年夏以来のボディタッチ!
こんな書き方をすると変態そのものに見えてくるのですが(笑) もう誰にどう思われようと構いません。
写真を撮って、車に乗り込むアングーロに震える体で 「Amunt, Angulo !」 と声をかけると、
こちらに向かってニッコリ笑って親指を立ててくれました。
自分の声で「頑張って」と伝える事が出来、それで喜んでくれた事が嬉しいです。
そして再び爆走!アングーロはあっという間に練習場を去っていきました。

その後にジギッチ登場。
本当に申し訳ない事に、すっかり忘れて待たせてました。。。
ただ、アングーロとの短いコミュニケーションに興奮冷めやらぬokkuは、
帰っていくジギッチに対して何もできず。
ジギッチは「俺のサインはいいのかな?」という顔で帰って行きました。
ジギッチが嫌いなわけでも興味がないわけでもありません。ただ、動けなかったんです。。。

(アングーロ様との念願のツーショット)

ジギッチが帰った後、少ししてからビセンテが出てきました。
呼び止めたところ、ちょっぴり機嫌悪いのかな?という感じ。
再度02/03ユニフォームを出し、右胸にサインをもらいました。

そして、次に出てきたのはカニサレス。
車に乗るところに駆け寄りましたが、サングラスの奥の表情は非常に暗かったです。
まず、小澤さんがカニサレスにインタビューした時の雑誌フットボリスタをプレゼント。
その後に、アングーロの時と同じように小澤さんの説明と共に皆様からの手紙を渡したところ、
「Gracias」 という言葉と共に少しだけ表情が緩みました。
先日の署名活動の際のメッセージを渡した時の表情から比べると、やや影が感じられました。
(思えば、この時点でバレンシアCF退団の話が進んでいたのかもしれません)

その後、また少ししてからアルベルダが出てきました。
車を止めて、今度は小澤さんがアルベルダにインタビューした時の雑誌フットボリスタをプレゼント。
そして、同じように皆様からの手紙を渡しました。
アルベルダはアングーロ同様に笑顔で受け取ってくれました。
そして、ユニフォームのど真ん中にサインGET!
ただ、やっぱり書きづらかったみたいで「Oh. . . 」と困ってました。準備が悪く本当にすみません。

(皆様からお預かりした手紙、しっかり渡しました!)

3選手へ手紙を渡し、用件が済んだので一度帰ります。
パテルナ練習場ではタクシーを拾えないので、近くのホテルのフロントでタクシーを呼んでもらいました。
一度アパートに戻り、サインをもらったユニフォーム2枚を大事にしまい、今度はショッピングへ。
目的は友人たちへのお土産と、今夜の国王杯観戦に向けたバレンシアCFグッズの購入です。

まずはエル・コルテ・イングレスへ。どうしてもこのデパートに慣れません。店内で迷います。
何を買うか迷ってるわけじゃありません。どこが入口でどこが出口かわからず迷ってるんです。
とりあえず友人、楽団、家族、実家へのお土産を購入。結構な量になってしまいました。
ここでレジにてプチトラブルです。クレジットで買おうとしたのですが、
店員さんから「パスポートか免許証を見せてくれ」と言われました。
パスポートは安全のためアパートに置きっぱなしです。財布の中身ではお金が足りません。
ここでお偉いさんを呼ばれました。スーツの男性が来て、okkuのカードをいろいろ見ています。
そして、「Fuu. . . OK」。
仕方ねーな、って感じですかね。なんとか買う事が出来ました。助かった〜。

しかし、買った土産の量が買い物袋いっぱい×2袋となってしまいました。
両手ふさがってしまった。。。全く計画性のない男です。
さらに、エル・コルテを出て目の前のオフィシャルショップに入る直前、
店の前で買い物袋の取っ手が破れるハプニング。
オフィシャルショップの店員さんたちが「なんだアイツ?」って顔で見てます。
すいませんすいません、店の前で迷惑なのはわかります。
結局グッズやウェアを買っても持って帰れないので、黒のロゴ入りニット帽だけ購入し、さっさと出てきました。
そして、これだけの荷物を持って歩き続ける気力はないので、近くのバス停へ。
バスに乗ってアパートへ戻りました。

土産物を置いて、再び外出。なんかものすごく効率が悪い気がしてきました。
財布の中身が寂しくなってきたので、両替所へ。しかし、成田空港で1ユーロ=162円で両替出来たのに、
ここスペインでは1ユーロ=170円超!うーん、高い。
考えた挙句、ATMからユーロの現金を引き出す事にしました。
これなら今この瞬間のレートで引き出せるので、お得だと思ったんです。
案の定、1ユーロ157円で引き出せてました!しかも手数料ゼロ!VISA万歳!サンタンデール銀行万歳!

そして、スペイン到着初日から気になっていたアパート近くのチュロス屋で、オヤツ代りにチュロス購入。
6本セットなのですが、店員さんが1本オマケしてくれました♪
紙袋にチュロス7本と、砂糖を大さじですくってバッサバッサと入れていきます。
いや、あの、砂糖はそんなにサービスいらないですよ。。。
すんごい甘いチュロスになってました。スペイン人はこれにさらにチョコレートをつけて食べるんですよね。
そりゃ皆さん大きなオナカになりますよ。
でも、甘いけど揚げたてで暖かく(熱く)美味しかったです。
そういえば、揚げたてのチュロスって日本でも食べた事なかったな。
オヤツ満喫後は、スーパーで明日の朝食用のパンを購入し、アパートへ。
何度アパートを出入りしとるのだ。まったく。

夜になり、小澤さんと一緒にメスタージャへ。いよいよFCバルセロナ戦です。
今回の席はこちら。傾斜がキツイと評判の3階席の前の方ですね。

(赤点がokkuが座った席)

昼間に買ったニット帽をかぶり、ジャケットの下にはサインもらったやつじゃないアングーロユニを着用です。
スタジアムの周りにはセビージャ戦の時より沢山の露店が出ています。
試合まで時間があるし、覗いてみよう…覗くと欲しくなっちゃうんですよね(笑)
子供用のニット帽・マフラー・手袋の3点セット、03/04二冠達成時のスカーフ等、
次から次へと購入。試合前から再び大荷物。昼間の失敗に全く懲りてません。
今回見る3階席に行くためには塔を螺旋状に登っていきます。結構な距離歩きます。

(3階席へと通じる塔)

席に着いてビックリ。噂には聞いていたけど、なんという傾斜なんでしょう。
酔っ払って足を踏み外したらピッチまで転がっていく勢いですよ。
座ったら、前の席の人の頭がちょうど自分の足元くらいになりますよ。気をつけないと。
3階席ですが、全然見づらくありません。セビージャFC戦の時と違い、ピッチ全体を見渡せます。
座席には、旗と紙製のメガホンが置いてありました。この試合に対するペーニャの意気込みが感じられます。

(迫力ある高角度スタンド)

いよいよ、試合です。バレンシアCFの選手が入場してきた瞬間にもの凄い大歓声!
ピッチのありとあらゆるところでチームカラーの白と黒の旗が振られてます。スゴイ!
ってかセビージャFC戦の時とスタジアムの空気が全然違う!
フォーメーションはキレイな4-3-3システム。
ただ、マタがピボーテ、ビジャが左ウイング、シルバがセンターフォワードの位置に居ます。なんで?

(キレイに配置された白いユニフォーム・バレンシアCFの選手たち)

前半18分、セビージャFC戦で散々だったバラハのスーパーゴールにスタンド総立ち!
自分もこんなに大きな声、何年ぶりに出しただろうってくらいの声が自然に出ます。
その後も試合はバレンシアCFペース。何よりも、この日のバレンシアCFは全員でしっかり守れてました。
相手が攻めてくるのも全然怖くありません。
ただ、カウンターのチャンスにわざわざゆっくりパスを繋いでいくのに対しては、
スタンドからも「遅せーよ!そこはカウンターだろ!」と失望の声が上がってました。
いやいや、あなたたち「こういうサッカーはつまらん」と言って歴代の監督を追い出してきたじゃないですか。

それでも前半終了間際、ようやく魅せた素晴らしいカウンターから、マタのゴール!
これぞバレンシア!これぞ伝家の宝刀・高速カウンターですよ!
そして、歓喜の声が収まる前に前半終了。気持ちの良いあっという間の45分間でした。

ハーフタイムには電光掲示板にUEFA杯を獲った時の映像なんかが流されたりしてます。
そして後半。さすがにFCバルセロナ、攻めてきます。
前半と変わり、バレンシアCFがやや押され始めました。
そして後半17分、FCバルセロナの攻撃。途中出場のシウビーニョのドリブルにミゲルが対応ミス。
フリーでクロスを上げられ、これまた途中出場のアンリに1点返されてしまいました。
スタジアムが一瞬静まりかえりました。もし引き分けた場合、バレンシアCFは敗退です。
しかし、すぐに太鼓の音と共に「バレンシア!」という声援と拍手の嵐。
「まだやれる!」と言わんばかりのスタジアムの後押しに選手たちが燃えました。
失点の1分後、再び伝家の宝刀・高速カウンター。
シルバのクロスからマタがボレーで追加点!3-1!
自分の席と逆側のゴールだったので、遠くてよく見えなかったのですが、
ボールがネットを揺らしたのはわかりました。
再びスタンド総立ち!いけるぞ!
そしてアシストしたシルバは後半30分、バネガと交替。シルバに対してスタンドから割れんばかりの拍手。
バネガはそのままセンターフォワードに入ります。

でもその喜びもつかの間、後半35分、ここまで何もしていなかったエトーのゴール。
エトーがシャビに出したパスをカットしようとしてマルチェナとエルゲラが重なってしまいました。
そのこぼれ球を拾われてのゴールです。3-2、再び一点差。残り時間は10分。
ここからFCバルセロナの怒涛の攻撃が始まりました。
心臓が止まりそうなシーンの連続です。全員で体を張って守りました。
あの“ポリシーをまげない”クーマン監督が守備固めに入りました。
マタに代えてカネイラ投入。バネガがピボーテに下がり、アリスメンディがセンターフォワードに、
ミゲルが一列上げて右ウイングに入ります。
それでもFCバルセロナの攻撃は止まりません。際どいシーンもたくさんありました。
スタンドも選手たちを元気づけるべく声を一段と張り上げます。

時計が後半の45分を刻みました。ロスタイムは4分。長い。
ピッチではマルチェナが、バラハが、ヒルデブラントが選手たちを鼓舞します。
セビージャFC戦ではこんなに声を張り上げる選手たちは見られなかった。
こんなに声を張り上げるファンは見られなかった。
胸が熱くなります。やっと自分が夢見ていたメスタージャになりました。

そして、試合終了の笛。
喜びを爆発させる選手たち、スタンドでは総立ちのファンの間に大量の紙吹雪が舞います。
まるで優勝したかのようにベンチからも選手が飛び出し、ピッチの中央で抱き合います。

(ピッチ中央で抱き合う選手たち)

(試合のハイライト)

(現地在住の方が撮影した後半ロスタイム〜試合終了までのスタジアムの様子)

この後も選手たちが横一列に並び手をつないでヘッドスライディング。
スタンドのファンもなかなか帰りません。
試合が終わり、30分ぐらいしてようやく帰りだす人たちが出てきました。
塔を降りるバレンシアファンは上機嫌。アチコチで肩を組んで大合唱。
自分も混ざり歌います。歌詞は半分もわからないけど(笑)

(選手たちが一列にヘッドスライディング)

小澤さんは試合後の記者会見に出るとの事で、ひとりで先に帰ります。
が、メスタージャの最寄駅アラゴン駅のホームは超満員。
しかも23時半の次の電車は2時半。どうやら次に来るのが終電らしい。
しかも隣の駅が終点ですので乗り換えないといけません。
電車到着と同時に人がぎゅうぎゅうに乗り込みます。大量のスペイン人に押し込まれ、
なんとか23時半の電車に乗れました。電車内のところどころで苦しそうな日本語も聞こえます。
日本人も結構見に来てたのかな。
隣の駅に着いて、乗客は一斉に飛び出します。
乗り換えは隣のホームですが、階段ではなく線路を横断してショートカットする人もたくさん居ます。
この辺、スペインは緩いです。

乗り換えも無事に終わり、アパートに到着。
明日は8:30バレンシア発の電車でタラゴナに向かいます。夜はバルセロナ泊です。
風呂に入り、サブバッグに数日分の着替えを詰め込み、準備完了。
最高にご機嫌な気持ちのまま就寝しました。