3/19(水) バレンシア

火祭りファイナル。

バレンシアに来てから歴史建造物を全く見ていませんでした。
バレンシアCFの選手たちは、翌日のFCバルセロナ戦に備えて火祭りを避け、どこかで合宿をやっているようです。
練習見学も出来ないし今日がちょうどいいや、という事で見どころ豊富な旧市街へ繰り出す事にしました。

まずは地下鉄に乗ってトゥリア駅へ。ペチーナ・カストロ通り沿いに15分くらい歩けば、
バレンシアの重要文化財であるセラーノスの塔があります。まっすぐいけばいいだけなので余裕です。
が、この通りにはまた巨大な人形がいくつも建ってるんですね。

okku「おっ、あっちの人形もすごそうだ。その向こうの人形もすごいぞ」

次から次へと人形に魅かれ、ルートを脱線。気がついたら道に迷ってました(笑)
子供か!
必死に地図を眺め、現在地を把握。なんとかセラーノスの塔に到着!
違いました。よく見たらクアルトの塔という建造物でした。さらに道を歩きます。
そして今度こそセラーノスの塔に到着!休日という事で入場料は無料です。
中に入り、階段を登ります。シンプルな鉄の手すりが付いてるだけで、階段の幅も細く、なかなか危険です。
一時は監獄として使われていた事もあるそうで、結構シンプルな作りだなと感じました。
塔の屋上にはバレンシア州の旗が立っています。すごくいい天気。すごくきれいな空の色。
街を見下ろすと、巨大な気球が準備されていたり、露店が並んでいたり、
「車に乗る方が悪い」と言わんばかりに大通りを塞いでパレードしていたり、
あぁお祭りなんだなぁ、と感じさせてくれます。

(セラーノスの塔)

塔を出て、改めて全体像を眺めていると、スペイン人カップルが「写真を撮ってくれ」と声をかけてきました。
OKしたのはいいのですが、自分がカメラを構えたらカップルが抱き合ってキスするんですよ。
セラーノスの塔をバックにキスしてる写真ですか。シャッター押さなかったらずっとキスしたままなのかな。
なんてつまらん事を考えつつ、写真をパチリ。そしたら彼氏の方が「君の写真も撮ろうか?」
なんて良い人なんだ。えぇ、お願いします。絶対にお願いします。

ようやくまともな記念写真が撮れました。カップルに丁寧にお礼を言って、移動。
今度はまっすぐ行けばいいだけだから迷いません。(さっきは脱線したけど)そして、カテドラルへ到着。
しかし、カテドラル前のレイナ広場にある巨大マリア像が出来上がっていたので、
そっちに気を取られてしまいました。フラフラしすぎです。
17日の夜に見た時の倍くらいの花が飾られており、すごく鮮やかです。
マリア像を正面から眺めていると、アジア人発見。中国人かな?
いや、Docomoの携帯で写真撮ってるから日本人に違いない!
声をかけ、写真を撮ってもらいました。

(花いっぱいのレイナ広場)
(完成した巨大マリア像。マリアの服と土台はすべて花)

そして今度こそカテドラルへ。
カテドラルでは、ミサが行われてました。カテドラルの横にあるミゲレテの塔に先に登る事にします。
階段が長い!途中まで段数を数えながら登っていたんですが、途中からどうでもよくなりました。
(ガイドブックには207段って書いてありました)
息も切れ切れに展望台に到着です。

(展望台から見上げたミゲレテの大鐘)

展望台からレイナ広場を見ると、すごくたくさんの人が集まっているのがわかります。
セラーノスの塔の背面も見えます。背面はしょぼいです(笑)
塔を降りてカテドラルに戻ると、まだミサが続いてました。
中央祭壇に向かって行列が出来ていたので、何の列かわからないまま並びます。
自分の番が近くなり、この列はたぶんお清めされる列なんだという事がわかりました。
(カトリックに関する知識もないので、違うかもしれません)
法王っぽい服を来た、このカテドラルで一番尊い方だと思われる方からお煎餅を食べさせてもらいました。
間近で見られましたが、すごいオーラでした。

(カテドラルの内部)
(法王っぽいお方)

カテドラルを出て、どこかで昼飯食べたいなーと思っていると、
レイナ広場脇のレストランの店員さんに声をかけられました。

okku「英語のメニューあります?」
店員「英語メニューはないけど、俺が説明してやる!よく聞いてろよ!」

と言って、説明を始めてくれました。
「パエジャ・マリスコス・イズ・シーフード!オーケー?
 パエジャ・バレンシアーナ・イズ・・・んー…ラビット!ラビット・オーケー?」
といった感じです。
ただ、自分はリスニング能力に長けてるわけではないので、半分以上はわかりませんでした。
なので、セット物を適当に頼みます。パスタのパエジャと牛肉のステーキが出てきました。
飲み物はミネラル・ウォーターです。これが一番頼みやすいので(笑)
パスタのパエジャは魚介風味で美味しかったです。牛肉は硬かった。水はまぁ、水って感じで。
デザートのチョコレートケーキは目眩がする程甘かったです。
甘いものは大好きなんですが、コレは甘すぎて気持ち悪くなりそうでした。
お会計の時に「火祭りは初めてか」と聞かれたので、「そうだ」と答えると、
「花火がすげーから絶対見逃すんじゃねーぞ!」と教えてくれました。花火ね。花火大好き。

(フィデウアというパスタのパエジャ)

レストランを出て向かったのは現代美術館。通称「IVAM」です。
入口が分からず建物を一周した後に入場。
基本的に芸術には詳しくないですが、絵画より彫刻・オブジェの方が好きなので、まぁ楽しかったです。
一部、凄さがわからない絵画もありましたが。。。

(IVAM)

IVAMからペチーナ・カストロ通りを歩き、トゥリア駅を目指します。
トゥリア駅の入口のところで大きな道路を挟んだ向かい側にエル・コルテ・イングレスがあるのが見えました。
「歩き疲れたけど、せっかく目の前にあるしついでに買い物していこうかな」
シャッターが下りている事に気がついたのは、道路を渡り店の前に着いたところでした。
そうだよね。スペインでは今日は休日なんだよね。

しかし、そのエル・コルテの前に白いテントが張ってあり、人の出入りがそこそこある。
なんだろうと思って中を覗いてみると、人形が展示されてるじゃないですか!
やりました。道路を渡ったのは無駄足ではありませんでした。しかも撮影可能!
この展示場、どうやらこの火祭りの時期に合わせて急ピッチで作ったみたいです。

(ダリとダリおなじみの時計の人形)
(ノーコメントで)

だいぶ疲れたので一度アパートへ戻る事にしました。トゥリア駅へ。
ホームの自販機で水を買おうと、1ユーロ硬貨を投入。
硬貨、飲み込まれました(泣)
自販機のランプがつきません。返却もされません。
やられたー。仕方ない、アパートの近くで買おう。諦めてベンチに腰かけて電車待ち。
と、そこへ自販機で水を買おうとしてるスペイン人おねーちゃんが。壊れてるの教えてあげないと!

okku「ディス・マシーン・イズ・ブロークン」

「は?」という顔をされ、おねーちゃんは硬貨を投入。案の定、飲み込まれちゃいました。あーぁ。
おねーちゃんは察したようで、こちらを見て苦笑いです。

アパートの近くのスーパー、コンサムで買い物し帰宅。
夜の火祭りファイナルに備えてシエスタイムです。

21時に起き、再び外へ。何時頃から人形燃やし始めるんだろう。
とりあえず腹ごしらえをしようと思ったのですが、どこもかしこもすごい混雑。
マクドナルドでテイクアウトして外で食べる事にしました。
マクドナルドに入店し、セットを注文。今度はちゃんとテイクアウトまで伝えられました。
スペインのマクドナルドは、日本に比べてやや高めです。さらに挟んであるものがハイカロリーです。
ただし、セットドリンクでコーラやコーヒーの他にビールも選べます。ビールどんだけ安いのよ。
自分はあまり量を食べられないなと思い、シンプルなハンバーガーのセットを頼んだのですが、
どうやら日本でいう所のハッピーセットを頼んでしまったようで、
かわいらしいキャラクター物のオモチャがついてきました。
ぶっちゃけいらないですが、この場で捨てるのもなんなのでとりあえず持ち帰ります。

さて、外で食べるにもベンチがありません。
闘牛場の前で地べたに座り込んで食事してる人たちが居たので、それに習って、床食い。
ただね、この時期に外で食事するもんじゃないですね。
食ってる自分のすぐ後ろで爆竹がパーン!コーラが鼻から出ましたよ。

食事が終わり、とりあえずレイナ広場前の巨大マリア像のあたりにでも行こうかなと歩いていたら、
市庁舎前に柵があり、そこに人が集まってました。
「何か始まるのかな?」
とりあえず何でも見たいので、そこで待機。その時間がちょうど22時でした。
それから待つ事1時間。23時ちょうどにけたたましい爆竹の音が!
「始まったか!?」
市庁舎前が爆竹の煙で真っ白になります。そして、白い煙が無くなると、黒い煙が。
何かが燃えてるのがわかりました。
が、どうやらメインの人形を燃やしてるわけではなさそうです。メインの人形は何事もなくそびえ立っています。
okkuの目の前で待機している消防士さんたちは談笑しています。いやいや、あっちで何か燃えてまっせ。
(後でわかったのですが、この時燃えたのはメインの人形とセットで置いてあった小人形だそうです。)

(小人形を燃やしている所。左側の建物が市庁舎)

気がついたらものすごい人が集まってます。もうその場から身動きできないくらいの人の数です。
キオスコの屋根に上り警察から注意されている人も居ます。
ここでようやく何かイベントがあるわけでもなく、メイン人形が燃えるのを見るために
みんな集まってるんだという事に気がつきました。
もうこの人込みから抜け出す事も出来ないので、待ってる間、ケータイの中に入っている
ボンバーマンでずっと遊んでました。
さらに待つ事1時間。24時をまわったくらいでしょうか、自分の左側 数100m先の方で花火が上がり、爆竹の音がしました。
音のした方向を見ると、大きな人形が燃えていました。
どうやらあちこちの巨大な人形が燃やされ始めたようです。
間もなく、自分の後ろ 数100m先(ノルテ駅前)でも同じように花火が上がり、人形が燃え始めました。
ただ、遠くてよくわかりません。この辺でちょっと後悔。
人形が燃えるところを目の前で見たかったのですが、市庁舎前のメイン人形は最後に燃やす上、
最前列でも結構距離があります。目の前で見るのは諦めるしかなさそうですね。

そしてさらに1時間。25時になった瞬間、再び花火が打ちあがりました。
そして、爆竹の音と共にメインの人形に火がつきました。
一気に燃え上がります。もう火事ですよ、火事。スゴイ!暑い!
ただ、巨大人形が燃えるのはすごかったですが、ぶっちゃけ花火はまぁ、こんなものかって感じでした。
「花火に注目!」とか言われてたけど、このくらいのレベルなら熊谷の花火大会だって負けてないっすよ。

とか言えたのは僅か数分でした。ナメててスイマセンでした。
突然、花火がグレードアップ。鼓膜が破れるんじゃないかってくらいの音と共に連発で上がっていきます。
思わず、燃える人形よりも花火に見とれてしまいました。
そしてこの花火とともに、自分の数メートル後ろ:人込みのど真ん中で、
シュポッと連弾で飛び出すタイプの花火を手持ちで掲げ、打ち上げたアラブ人が警察に連行されていきました。
当たり前だ。危なすぎる。


(メイン人形の燃える前に市庁舎広場で打ちあがった花火)

(メイン人形の燃える様子です。オレオレと歌っているのはokkuではありません)

終盤、バレンシア市の歌?が広場全体に流されます。
30分ほどでメイン人形も燃え尽き、消火され、人込みもはけていきました。
興奮冷めやらぬ中、帰ろうと歩いていると、アパート近くの人形がまだ燃えずに立っています。
「あれ?市庁舎広場のメイン人形を最後に燃やすんじゃなかったの?」
よくわかりませんが、これから燃やすべく消防士さんたちが準備をしています。
「これって、待ってれば目の前で燃やすところ見られるんじゃね?」
なんという幸運!しかもギャラリーはそんなに居ません。一番良いポジションで待機です。

そして、狭い道路同士の交差点のど真ん中で、花火が上がります。
この勢いでやってたら、絶対火事になってるとこあるでしょ(笑)
そして人形に火がつきました。火がつくと同時に、消防士さんたちが放水し始めます。
もちろん見ているギャラリーにも水が降り注いできます。結構な量の灰も降ってきます。
大多数のギャラリーが水をかぶって、ワーキャー言いながら下がります。
ふはは、どんどん撮影しやすくなる♪ 水かぶったくらいで撮影はやめないよ。
今思えば、デジカメが壊れてもおかしくないくらいの水をかぶっていたのですが、
幸いカメラも耐えてくれました。


(アパート近くの人形の燃える様子です。11分弱あります)

慌ててカメラを構えたのですが、しばらくカメラを縦にして動画を撮っていた事だけが不覚です。
見づらいですがご勘弁を。

この人形が燃え終わり、アパートへ。
すっごく自分が焦げくさいです。髪も服も濡れていた事もあり、すぐにシャワーを浴び、
一息ついてから就寝。バレンシアを満喫した一日となりました。