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あーとだいありー
2005年5月

 5月26日(金)

 花田和治展TEMPORARY SPACE(中央区北4西27 地図D) 5月10−22日

花田和治「DANCE」 花田和治「母の列車」

 画像が曲がっていて、失礼します。

 札幌の花田さんは、道内を代表する抽象画家ですが、あまり多作の方ではなく、今回の個展も6年ぶりぐらいだと思います。
 札幌でギャラリーをまわるのが好きな方なら、札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)の建物の、地下におりる階段の壁に、オレンジなどからなるシンプルな壁画があるのをご存知かもしれませんが、その作者が花田さんです。
 その壁画や、前回の個展の絵が、直線を主体にした禁欲的な構図だったとしたら、今回は、ずいぶん曲線が増え、おだやかな感じがします。

 左は「DANCE」。
 花田さんが列車で道東を旅していたときの、釧路湿原の印象にもとづいているのだそうです。
 「ぼくは、手塚治虫の『シュマリ』というマンガがすきで、この絵の曲線を見てたら、あれに出てくるピリカメノコを思い出して、この題にしたんだ。最後にオオカミに殺されちゃうんだけど」
 下の灰色の縞模様は、完成間近の絵の上に蛍光灯の影が差し、それが良かったので、描き足したのだということでした。

 右は「母の列車」。
 あんまり列車ぽくないですが、これは列車の外側ではなく、花田さんが小樽から夜汽車に乗って帰ってきたとき、車窓から見た恵比須岩附近の風景がもとになっているのだそうです。
 恵比須岩は、張碓(はりうす)のあたりにある岩で、車窓から間近に見えますね。
 小樽からの最終列車は、ふだんはサラリーマンなどが多く乗っているのに、そのときにかぎっておばさんが多く、花田さんはふしぎな感じがしたそうです。
 とてもシンプルと色彩ですが、実物を近くで見ると、オレンジ系などいろいろな色を塗り重ねているのがわかります。

 ほかに「水辺にて」は、水色の空と白い雲がとてもさわやかですし、案内状に使われた「映美(えいみ)のFANTASY」は、朝早く起きたときに窓越しに見えた、雲と月が重なって見えた光景がモティーフになっています。
 「映美」とはお孫さんの名前だとか。中央部に見えるオレンジの点は、星だそうです。
 というわけで、全体的に色調が明るく、ほっとします。
 「来年還暦なんですが、それに向けてひとつの区切りとなる個展になったと思います」
と花田さんは話しておられました。

 5月23日(月)

 いったいいつの話だといわれそうだけど、感想など。
 いずれも、5月初旬で終了しています。

 contact 8=Flower Gallery D'un coeur(中央区北3東6)
 Flower Gallery D'un coeurはたち前後から30代前半までの男女8人による写真展。
 個人的には、やっぱり年の功なのか? 足立成亮さんと川真田健さんが圧倒的に良かったです。
 ただ、じぶんで、どうしてこのふたりの写真がいいと思うのか、筋道をたてて説明できません。

 足立さんの写真は「残ったものより 新たに追加された記憶 1」と記されているモノクロ。
 そこにうつっているものは、旗の影だったり、傾斜しているサイクリングロードだったり、雨の降る夜の街で岡持ちを手に歩いている男の後姿だったり。
 異様なものは、なにもありません。
 構図がきまっていること、焼きが安定していることはたしかです。
 でも、それだけでは、筆者の心をなぜ打ったのかという説明にはならないだろうと思います。

 川真田さんの写真をはじめて見たのは、彼が「にぶしゃ(北海学園大2部写真部)」の展覧会に出品したときだから、もうだいぶ前です。すくなくても、20世紀のことなのは、まちがいありません。
 そのとき、
「ここまで暗い大通公園の写真を撮る人がいるのか」
と、強い衝撃をうけたことをいまもおぼえています。
 その後、鉄路展や、大川紅世の心展を経て、今回は、そのときとはぜんぜん作風がちがいます。
 「Yoshiki boutique spiring&summer collection 2005 for girls」
と題された、ファッション写真が14点。
 すべておなじ大きさで、おなじモデルを、ほとんどおなじアングルでとらえているのですが、この多様性はなんだろう、とつくづく感服しました。
 これも、ちょっとことばでは説明しづらい。けれど、他の多くの写真展で見る人物写真が、枚数のわりにはそのモデルの多面性を引き出していないのに、川真田さんの写真では、とても自然に女の子のさまざまな側面がうつしだされているのです。
 旧来のファッション写真と大きく異なるのは、レフ板やストロボの光に頼るのをやめて、自然光をつかっていることだと思います。
 そのほうが、親密さがにじみ出る写真になると、筆者には感じられました。

 左上に載せた写真は、会場の花屋さんです。
 この2階が「ダンクール」という、けっこう広いギャラリースペースになっています。
 このへんの街並みは、古くさくてなかなかいいです。


 CROSS Photograph exhibition札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階 地図G)
 こちらも8人による写真展。北星や藤の学生が中心。メンバーの一部がだぶってます。
 いやー、若いっていいですねえ。若さあふれる写真ばかり。
 「居心地の良い」というテーマで共作したのも意欲的。
 おもしろかったのは、柴田まなぶさんの「大仏と飛行機雲」がうつってるやつ。偶然だと思うけど、こういうシャッターチャンスを逃さない心意気はいいね。
 でも、モノクロの焼き付けはもっとちゃんとやりましょう。藤女子の先輩が許さないよ、これじゃきっと(笑い)。

 5月10日(火)

 きょうは長文です。
 最初に、モエレ沼公園の記事。
 つぎに、札幌のギャラリー事情。
 最後に、伊賀新個展などの紹介です。

 古い新聞をあさっていたら、3月26日の北海道新聞夕刊にこんな記事が出ていました。

 世界的な彫刻家イサム・ノグチ氏(1904−88年)が設計した札幌市東区のモエレ沼公園が、7月1日に全面オープンする。札幌市は同日午後6時から記念式典を開き、工期23年、総工費250億円をかけた巨大プロジェクトの結実を祝う。

 式典は現在、仕上げ工事が進む直径80メートルの噴水周辺で開催。イサム・ノグチ財団(米国)から上田文雄札幌市長に、同氏のプランに基づいた設計としての認証状が送られた後、中学生らによるジャズ演奏会を行う。日没を待ちライトアップを行い、幻想的な雰囲気の下、噴水の通水式を行う。(以下略)
 この公園にたいする筆者の批判(というより、ほとんど罵倒)は、03年9月のつれづれ日録を参照のこと。
 この記事の末尾によれば、当日は地下鉄東豊線栄町駅から臨時シャトルバスを運行する計画らしいですが、式典の日だけでなく、ふだんも走らせるべきでしょう。
 札幌市が、この公園を市民に親しいものにする意思があるのなら。


 つづいて、同日の読売新聞道内版。
 石炭画家の早川季良さんがコラム「しまふくろう」に「自由空間」と題して書いています。
 
昨年12月、札幌市中央区に「自由空間」というギャラリーが開設された。中央バス札幌ターミナル地下で壁面をギャラリーとして無料開放するという。

 筆者が札幌を離れてそろそろ1年がたちますが、いろいろできたり閉鎖したり、動きがあるようですね。
 しかし、このネーミング、なんだか、マンガ喫茶とごっちゃになりそうだな。

 そういえば、ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20)の宮下さんにお聞きしたのですが、ShiRdiは営業しているとのこと。
 更地になっているのは、お店の向かいの一帯であり、ShiRdiは健在というお話です。
 ShiRdiは、札幌で近年ブームになっている、古い民家を改造したカフェの先駆的存在で、当初は円山公園の近くの奥まったところにありましたが、たしか2003年、現在地(南6西23 地図D)に移転しました。カレー、チャイなど、アジアふうの料理がなかなかおいしく、しかも相当安いのです。
 円山にあった当時から小さなギャラリースペースを併設しており、山岸誠二さんが展覧会を開いたこともあります。
 なんで、こんなことを話題にしているかというとですね。「シルディ」でググってみると、こんなのが出てきます。

http://www.geocities.jp/goldyouko/news.html

だいぶ下のほうまでスクロールしないと読めませんが、こういうのが出てくる一方で、最近このお店に行ったという報告が、なぜかまったく出てこないんです。
 だれに真相を聞いても、知らないって言うし。
 いやー、インターネットはやっぱ限界あるなあ。


 あと、気になってるのが、東区本町1の1にある「法邑」というスペース。
 日本画を描く法邑美智子さんの喫茶兼ギャラリーらしい。
 今月は、宇宙を思わせる画風の森健二さんの個展があるという。
 森さんの絵はけっこうでかい。生半可なスペースでは展示できないと思う。
 東区というロケーションも、失礼ながら、あまりアートっぽくないし。気になる。


 4月29日に見た展覧会のつづき。
 いずれも5月1日かぎりで終了しています。

 栗山4人展ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A
 いずれも、札幌の近くの農村で、芸術家のアトリエが多い空知管内栗山町に住む佐藤キミ子(染色)、清野孝則(日本画)、上邑紅緒(和紙)、中川晃(ガラス)の4氏によるグループ展。
 中川さんは、トレードマークとでもいうべき「チャッタくん」を大量出展。
 そのほか、おなじ系列の、人間の上半身を模した「思っている事」などの作品をたくさんならべました。
 耳とも角ともつかぬ2本の突起。腕はなく、腰のあたりで断ち切られた人間。舟越桂さんの木彫に共通するところもあり、かすかに愁いを帯びているようでもありますが、もっとユーモアをたたえた感じといえばよいでしょうか。
 清野さんは、写実的な画風。鹿と満月を題材にした「孤月」など。

 おなじ会場では、上邑さんの夫君である彫刻家、米坂ヒデノリさんの個展もひらかれていました。
 馬、猫、鶏、フクロウの木彫など14点。
 ご本人がいらっしゃらなかったので確認できなかったのですが、馬の頭部を題材にした木彫は、乾漆のように見えました。
 米坂さんの動物を題材にした木彫は、丸みを帯びたかたちが、ちょうどよい按排に感じられます。リアルすぎず、省略しすぎず、といった感じです。
 デッサンも4点展示されています。
 米坂さんはそろそろ70代にさしかかろうというベテランで、道立の旭川美術館などに作品が収蔵されています。

 □米坂さんのサイト
 ■03年6月の個展 ■2000年12月の個展(画像あり)


 伊賀新個展の会場風景伊賀信個展ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20 地図D
 「1/10000 or 10000/1」と題したシリーズなど14点(正しい表記は、算数の教科書に出てくるような分数の表記)。
 それぞれ「bridge」「kubomi」「crystal」「maru」などの題が後ろにつきます。

 (5月11日追記。「マクロの目で見ても、ミクロの目で見てもいいように」という意味あいでつけた題だそうです)

 写真だけ見てもわかりにくいのですが(ギャラリーのサイトを見ると、もうちょっと分かるかもしれませんが)、1ミリ角の角材を切って貼り付けたもの。
 なかには、おなじ細い角材の上に浮かせて貼り付けた労作もあります。
 透視図法は、平面の上で立体感を出そうとした先人の知恵ですが、これらの作品は、あからさまに透視図法を用いていて、何だ平面じゃんと思って作品に近づくと、じつはちょっとだけ立体だった−という、なんともひねった図式をつくっています。
 まあ、あまりむつかしいことを考えなくても、プラモデルに似た精緻な工作を味わうおもしろみもあります。

 ■03年9月の個展 ■02年5月の個展 ■01年1月の個展


 デュボア康子展札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A
 札幌在住で、女流美術と全道展の会員。
 全道展に典型的な画風です。
 つまり、「呼吸」「微風」などと題した油彩はいずれも、女性をモティーフにしているのですが、女性をリアルに写すという意識はなく、いかにかたちと色をバランスよく配するかに、作者の意識は集中しているようです。
 そのために、作者は、絶えず全体の構図を考えつつ、筆を運んでいます。
 女性の前も後ろも吹きすぎる色の帯は、風としか言いようがないものです。ただし、決して抽象にならないのも、やはり他の全道展の多くの画家と共通しています。
 こちらは4月いっぱいで終了。

 ■03年の個展 ■01年の個展(画像あり)

 

 5月9日(月)

 お礼を申し上げるのをわすれていた件について。

 上遠野(かとおの)敏・札幌市立高専教授から、昨年7−8月、国連軍縮会議にあわせて札幌コンベンションセンターで行われたプロジェクト「Beautiful Japanese Heart Project」の報告書をいただきました。
 オノ・ヨーコさん、忌野清志郎さんなど、なかなかの豪華メンバーだったんですね。
 筆者は、ちょうど札幌を離れたときだったので、見ることができず、とても残念です。

 ミシマさんからは、バンド「いまさらイスラエル」のニューアルバム「Jose in Paris,Jose in the desert」を送っていただきました。(ほんとうは、「e」の上にアクサンテギュつき)
 これは独特! 浮遊感とセンスあふれるテクノポップです。
 テクノではなく、テクノポップですよ。歌詞もユニークです。
 HMVで取り扱ってますので、どうぞ。


 書くのがおそくなった美術展について。

 美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方札幌芸術の森美術館(南区芸術の森2)
 家族連れにはおすすめの展覧会です。
 「モダンアート」の部分に期待すると、肩透かしを食うかもしれませんが、そのぶん、ディック・ブルーナの世界が、すごくモダンで現代的であることを認識して、筆者は、見終わってとても良い気分になれました。
 ブルーナのグラフィックスは、一見単純に見えて、じつはマティスやモンドリアンの世界を継承するものなのです。
 この展覧会を、親に連れられて見に行った子どもたちが、美術館に気軽に行く習慣を身につけることができたら、とてもすてきなことだと思います。

 ところで、クイズ。
 ブルーナの作品でいちばん有名なのは、ミッフィーですが、「うさこちゃん」と訳してある絵本もあります。
 ミッフィー」と「うさこちゃん」の違いはなんでしょう?

 答えは後日。


 5月5日(木)

 よせばいいのに、4日深夜、つい、ねむれないもんだから、某メーリングリストに「美術史は誰が書くのか」と燃料投下したら、あれこれ反応がきてる。怖くてまだ、開けてません。
 もっと元気なときにやれば良かったと後悔。

 いちおう、「美術史は誰が書くのか」の全文を転載しておきます。
北海道の梁井(ヤナイ)です。

山本さん、お忙しいなか、わたしのサイトに訪れていただきありがとうございます。

書き方がわるかったのかもしれませんが、啄木像の丸刈りの件は、小生の発見になるものではありません。
道南の八雲町に住む啄木研究家の長江さんが気づいたものです。
当日の北海道新聞を読んでいない人にはわかりづらかったかもしれません。新聞記者失格ですね。おわびします。


西蔵寺¥立花さん
わたしが一貫して興味をもってきたのは、
「美術史を、誰が、どうやって書くのか」
あるいは
「美術史は、どのようにして書かれるのか」
という点です。

静岡県や、わたしのすんでいる北海道で発表された美術作品は、たとえいかにすぐれたものであろうと、それが静岡や北海道で発表されたという理由だけで、首都圏の誰にも記述されることなく、美術史に記載されずに終わってしまうことでしょう。

「日本の美術史」は、ほとんど、東京圏と京阪神と名古屋周辺で発表されたものの記録によって成立しているのが現実ではないでしょうか。

わたしの知っているかぎり、この10年ほどの間で東京の新聞記者が北海道に現代美術の個展を自発的に見に来た例は、朝日の田中三蔵記者が、岡部昌生さんのフロッタージュの個展を見て取材し、記事にした以外に、記憶にありません。

(その意味で、以前、東京都現代美術館で開かれた「日本の夏」は意義深い展覧会だと思います。ただし、わたしは図録だけで、実際の展覧会は見ることができませんでした)

わたしは、大都市圏だけの事象により、日本全体の美術史が書かれるのだとしたら、それは、各地方の美術史が偏った資料により記述されるのと同じぐらい、不当なことだと考えますし、もっと言うとシャクですので、蟷螂の斧っぽい(苦笑) と思いつつも抵抗しているわけです。

北海道美術ネット http://www5b.biglobe.ne.jp/~artnorth
梁井 朗
 ただし、当サイトへのアクセスが急増しているとか、そういう話はないです。
 むしろ、カウンターの回り方は以前より鈍くなってきています。まあ、しかたないですね。
 5月3日(火)

 4月29日、札幌で見た展覧会から。

 第三十二回北海道抽象派作家協会展札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 地図G)

 この展覧会のいきさつなどについては、昨年春の展覧会の紹介をご覧ください。

 ことしも、同人は、オリジナルメンバーの今荘義男さん(空知管内栗沢町)と佐々木美枝子さん(札幌)をはじめ、あべくによしさん(旭川市神居)、後藤和司さん(札幌)、近宮彦彌さん(旭川)、服部憲治さん(苫小牧)、外山欽平さん(函館)、林教司さん(栗沢町美流渡)、三浦恭三さん(小樽)の9人。
 推薦は、
浅野美英子「Subconscious guiding star」
額田春加「blue clover」「marmot life」
山岸誠二「kaze1」「kaze2」「kaze3」「kaze4」
吉田英子「実と虚 With Qjin traces」
笹岡素子「無題」
MAG・まちこ「金の糸玉撞く、あさびとの白いかんむり」「赤土の人よ、風をくるんでエンサラサ」
横山隆「コロニーT」「コロニーU」
の7氏です。
 笹岡さんと額田さんが江別、ほかは札幌在住です。
 

 外山さんは、アルファベットをモティーフにした画風じたいは変わりません(ことしは「h」)が、並べ方が変わりました。
 この排列は、時計を模しているようです。あるいは、アナログな自分自身を自嘲しているのかもしれません。

 林さんは、これまで、現代を鋭く諷刺したり、生と死の意味を追求したりした作品が多かったのですが、さすがにちょっとくたびれたのか、今回は、純粋に形と色を追い求めた立体になっています(右の写真)。
 もっとも、写真を見てもわかるように、これでは、あるいは酷な言い方になってしまうかもしれませんが、スポーツ用品店でネットを買ってきて会場に置いたのと、結果的にあまり変わらないものになっています。
 モノクロが多かった林さんが、明るい黄色を全面的に使うということ自体、劇的な変化を感じさせますし、枠と縦横の線のみからなる作品というのも、試みとしては斬新なところもあると思います。つぎの作品に期待したいところです。

 後藤さんは、昨年と同様、深い青の世界を展開しています。
左の4点が今荘さんの「古里」
 今荘さんは「古里」シリーズを5点。
 これは、5月1−31日にギャラリーどらーる(中央区北4西17、ホテルDORAL 地図D)でひらかれている、今荘さんの個展でも陳列されているそうです。
 あいかわらず、東洋的な境地を感じさせる、じつに渋い色彩の世界。
 マーク・ロスコがキリスト教ならこっちは仏教か、というのが、筆者の個人的な感懐です。ほめすぎだという人もあるかもしれませんが。

 推薦作家では、昨年道教大を卒業したばかりの額田さんが、初出品で、この抽象派協会展の歴史でも、群を抜いて若い作家だと思います。
 また、意外にも?、ビニールなどを使ったインスタレーションを制作する吉田英子さんも初の登場のようです。今回も、大きなインスタレーションを出品しています。

 山岸さんは、、巨大な印画紙ロールに現像液を直接ぶちまけた作品4点を、天井からつりさげています。精力的な発表活動を開始した1998年ごろの制作手法に戻ったような印象もあります。遠目には、水墨画のようですが、近づいてみると、おびただしい小さな点が全面を覆いつくしているのが分かります。これもまた、今荘さんとはちがったアプローチで、東洋的なオールオーヴァーな作品といえないこともありません。

■04年春(画像あり) ■01年春 ■同秋 ■02年春 ■同秋 ■03年春 ■同秋
■額田さんと百野道子さん2人展(02年) ■04年道教大卒業制作展(額田さん出品)
■吉田英子展(04年)
■外山欽平さんの個展(04年3月 画像あり) ■03年の個展画像あり) ■02年の個展 ■01年の個展
■03自由美術北海道グループ展(画像あり 佐々木さん出品)

林教司さんのおもな発表 ■キャバレーたぴお展(01年) ■個展FGOPPE(01年。画像あり) ■多面的空間展VOL..4(02年) ■個展 具象から抽象へ(02年、画像あり) ■キャバレーたぴお展(02年) ■閉塞形状展(02年) ■1970−2001年自選展(03年) ■新 素材の対話展(03年) ■SUMMER WAVE展8(03年) ■BOOK'S ART展(03年) ■北海道立体表現展(03年) ■ディメンションの多様展5th(04年) ■今井和義追悼展(04年)

林さん、今荘さん、後藤さん共通
■01年新道展 ■新道展(02年) ■新道展企画・共同制作「INCREASE/増殖 紙によるインスタレーション」(02年、画像あり)
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