TTL調光は、調光補正と同時にセットで使います。
TTL調光という機能が開発された大昔からセットで使うように設計されています。セットで使わなければ意味がありません。
ご自分のカメラの調光補正の仕方については、取説で確認してくださいね。
フラッシュマニュアル発光の人は発光量を調整して下さい。
前半は、TTL調光の話です。
マニュアル発光の方は後半の「露出オーバー」以降をお読みください。
TTLは、僕らの心を読みはしません。残念ながらただの機械ですから、自分の仕事をするだけです。ローキーに撮りたい、ハイキーに撮りたいと、どれだけ切実に願っても、その思いはTTLには通じません。あなたの片想いです。
想いは、伝えなければいけません。告白するのです。
その告白が、フラッシュに撮影者の意図と絵コンテと作意を伝える事が、調光補正です。
TTLは間違いません。カメラにプログラムされたとおりに一定の動作をするだけです。カメラの考える適正露出になるようにTTL調光は働きます。カメラの考える適正露出とカメラマンの考える適正露出が異なるのは当たり前です。人間でも2人いれば考える適正露出は異なります。カメラという機械と僕らが異なるのは当たり前です。
調光補正で、カメラの考える適正露出をカメラマンの考える適正露出に補正するのです。
調光補正は、水中フラッシュでもカメラ本体でも可能です。すべてのカメラと水中フラッシュに調光補正機能はついています。どちらでも効果は同じです。
お勧めは、カメラ側の調光補正機能です。カメラ側の方が補正幅が大きいためです。
実際の操作の仕方は各説明書を見て下さい。
●フラッシュには、TTL調光補正ダイヤルがあります。
●カメラには、TTL調光補正機能ボタンがあります。
(注意)イノンのフラッシュの調光補正は1目盛り0.5EVではありません。補正幅は小さいです。実際の補正幅は撮影状況によって変わります。(取説に明記あり、メーカー確認済み)お勧めしません。
(注意)キャノンのKISS系のカメラは、調光補正はメニュー内で操作です。少し面倒ですね。
(注意)コンバーター経由でTTL調光をしている場合機種によってはカメラの調光補正が効かないそうです。取説を見て、メーカーに確認して下さい。 この場合は、フラッシュで調光補正してください。
カメラメーカーによりフラッシュ撮影時の露出補正機能の動作には、連動型と独立型があります。
●ニコン・ソニーは、露出補正と調光補正が連動して動く連動型です。
●キャノン・オリンパスは、露出補正と調光補正は独立している独立型です。
(ニコン・オリンパスは設定により変更可能です。キャノンは変更出来ません。2019年現在)
機種によって異なるのでご自分のカメラがどちらかをまず調べて下さい。
●独立型(キャノン・オリンパス)では、調光補正機能を使って下さい。
●連動型(ニコン・ソニー)では、調光補正機能または露出補正機能を使って下さい。フラッシュ撮影・マニュアルモードでは、どちらを使っても動作は同じ調光補正です。理屈が知りたい人はこちら(閑話休題)
●独立型(キャノン・オリンパス)では、フラッシュのTTL調光ダイヤル・カメラの調光補正機能のどちらかを使って下さい。お勧めはカメラの調光補正機能です。調整量が大きいためです。
●連動型(ニコン・ソニー)では、フラッシュのTTL調光ダイヤル・カメラの調光補正機能・カメラの露出補正機能の3つのうちどれか一つを使って下さい。お勧めはカメラの露出補正機能です。調整量が大きく、ボタン位置が楽だからです。ニコンの方は基本設定のボタンのホールド設定も確認してください。
●TTL調光の調光補正で、Fを絞る、ISO感度を下げる、という対処は、100%、完全に、理論的に大間違いです。
●フラッシュマニュアル発光の方もフラッシュ発光量を手で変えて下さい。Fを絞る、ISO感度を下げる、という対処は理論的に正しい方法です。しかし、取引上大きなデメリットがあります。
(注意)もし万が一、上記の対処をしている人、教えられた人は必ず先にこのリンク先(閑話休題)を読んで下さい。
ここは非常に重要です。
●INONのフラッシュにS−TTL-LOWというモードがあります。これを使うのは間違いです。理由はフラッシュの取説読んで下さい。説明省略。
カメラマンの考える適正露出よりもカメラの考える適正露出が明るすぎる場合、写真は明るく、露出オーバーになります。
●TTL調光のフラッシュ光量が、カメラマンの考えよりも多い。
●マニュアル発光の設定発光量が多い。
主に白い所や銀色の所が明るすぎて白飛びしてしまいます。

カメラやフラッシュに『発光量を少なくしなさい』と命令します。
●TTL調光の方は、調光補正をマイナスにします。
●マニュアル発光の方は、発光量を下げます。

この写真の場合TTL調光で調光補正−2です。自分好みになるまで調整して下さい。
●被写体が小さく、周りが背景の場合
●被写体が白色や銀色の場合
●絞りを開けている場合
●SSを遅くしている場合
●ISO感度を上げている場合
白飛びした所には、何の色情報も含まれていません。後でパソコンで補正しようとしてもraw現像しても無理です。
反面、暗いアンダーな写真の場合、そこは一見暗くても多くの場合その中に色情報が含まれています。パソコンで補正・raw現像すると暗い赤は鮮やかな赤に戻れます。ノイズは増えますが、白飛びして何の情報も無い写真よりはましです。
アンダー覚悟で白飛びは避けよう!そしてPCで補正!
カメラやフラッシュの機種により、TTL調光で白飛びが起きやすい場合
●古いカメラではダイナミックレンジが狭く、白飛びが起きやすいです。
●フラッシュによっては、白飛びが起きやすい機種があります。
●該当する機材をお持ちの場合はマイナスに調光補正した状態をデフォルトにするのがお勧めです。古いカメラでは最初から-0.5にしている人も多いです。別にゼロで始める必要などありませんよ〜あなたの考える適正露出に合わせてくださいね。
調光補正を最大限下げても、マニュアル発光を最小にしても白飛びが治らない場合があります。
フラッシュの発光前に既に露出オーバー・最小発光量でも露出オーバーになっている事が原因です。
●フラッシュ発光前にすでに露出オーバー
(1)ISO感度を上げていませんか?ISO感度を下げて下さい。
(2)明るいターゲットライトを当てていませんか?ターゲットライトを暗くして下さい。
(注)ライトが明るくなり、(2)の事例が増えています。近接撮影の場合、明るいライトだけで露出オーバーになります。フラッシュは無関係ですので調光補正では治りません。詳しくは傍章・水中ライト・大光量ライトの注意を先に読んで下さい。
●フラッシュの最小発光量でも露出オーバー
主にINON製品で起こります。TTL調光でもマニュアル発光でも最小発光量が大きいためです。
(1)フラッシュを後に下げる。特にクローズアップレンズや50mmレンズを使う場合は撮影距離が短いため起こりやすいです。
(2)減光フィルターを付ける。(カメラにつける、またはフラッシュにつける。)
(3)被写界深度が変わるが、F値を絞る。絵コンテは崩壊。
(注)イノンのZ330は、最小発光量がとても大きく微弱発光できません。詳細はこちらをを読んでください。
●マニュアル発光の方は発光量を多くしてください。
●TTL調光の方は調光補正をプラスにしてください。
実は水中マクロ写真では他に原因がある場合がほとんどです。発光量調整・TTL調光補正する前に以下を確認して下さい。
(1)青被りではありませんか?青被りの説明は次の項目です。青被りした写真は青のモノトーンになり一見暗く見えます。青被りの対処は別です。
(2)F値の絞りすぎまたは被写体までの距離が離れすぎのため、フラッシュの最大発光量が足りなくなり露出アンダー。この場合TTL調光補正では治りません。マニュアル発光の方も最大発光量に達しています。近づく・ISO感度を上げる・F値を開けるという対処が必要です。
(3)フラッシュがけられて露出アンダー。実はこれが最も多いです。2灯あるフラッシュが1灯しか当たっていないためにおこる最大発光量不足です。この場合も調光補正では治りません。ケラレをなくすという対処が必要です。フラッシュが岩やサンゴなどに遮られていませんか?2灯とも被写体にあたっていますか?まずフラッシュ位置を確認してください。
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