SS(2)
写真の中の青い自然光の量は、海の中の青い自然光の量で決まります。ファインダー内の撮影場所の青い自然光の量によって基本的に決まります。撮影場所の自然光の量を理解する練習は、もう皆さん完璧ですね?
SSは、青い自然光量を調整出来るだけです。1/60〜1/250(同調速度)の幅の中で調整するのです。
●撮影場所に青い自然光が多ければ、青が多い中での調節になります。SS1/250でも写真は青くなります。
●撮影場所に青い自然光がなければ、SS1/60でも1/30でも青くなりません。
写真の青さは、『今そこにある青い自然光の量×SS』で決まります。(閑話休題)
●前景・中景・後景の見極め・撮影場所の青い自然光の量を理解する練習は、もう完璧ですね?
●前景・中景・後景の言葉の定義に出てきた内容は、当然記憶出来ていますね。
●青い自然光の影響の差について述べられてましたね?今すぐ言えますね?
もし覚えてないのに、このページを読んでるあなた!!!先に進みすぎです。戻りなさい!(^O^)!今進んではいけません。戻って必ず理解して下さい。
さて、理解出来ている人は、それぞれのパターンに分けて具体的に考えていきましょう。
前景のみ(背景無し)の写真では、SSを変えても余り写真は変化しません。マクロ撮影での前景は、非常に狭い範囲です。その狭い面積にある青い自然光量は、非常に少ないのです。青い自然光の影響が非常に少ないためSSを変化させても写真の変化は少ないのです。
下の表の写真を縦に4枚づつ見比べて下さい。SSが1/250から1/30まで変化しているのに青さは余り変化しません。
| 前景のみ(後景無し) | |||
| F22 | F11 | F8 | |
| SS1/250 | |||
| SS1/125 | |||
| SS1/60 | |||
| SS1/30 | |||
SSを変えても写真が大きく変化しないのでどれでもいい訳ですが、どれでもいいならば手ぶれ&被写体ぶれ防止のためSSは同調の限界値を使うのがいいと思います。
前景のみ(後景無し)の場合、写真に変化が少ないため、ぶれ防止でSSは同調の限界値で固定すべし
前景+後景の場合、SSを変えると後景の色が激変します!!!
後景は、遠いためマクロでも広い範囲が写ります。そのため青い自然光量が多いのです。後景にはフラッシュ光が当たる物体がありません。そのためフラッシュから出た光はそのまま海のどこかに消えていきカメラ側に帰ってきません。つまり、後景に七色のフラッシュ光は無関係な為、青い自然光の影響だけを受けます。
●青い自然光をを減らせば、どんどん青無し暗くなっていきます。
●青い自然光を増やせば、どんどん青明るくなっていきます。
●SSを速くすると、どんどん青無し暗くなっていきます。
●SSを遅くすると、どんどん青明るくなっていきます。
| 前景+後景 | |||
| F22 | F11 | F8 | |
| SS1/250 | |||
| SS1/125 | |||
| SS1/60 | |||
| SS1/30 | |||
前景+後景の場合、後景の色を変えるのにSSは積極的に変えるべし
中景の所は後景ほど劇的な変化はしませんが、変化します。
中景は七色のフラッシュ光も弱く当たりますが、青い自然光の影響も受けます。
両方の影響を受けるため変化はマイルドです。
●自然光をを減らせばどんどん青無し暗くなっていきます。
●自然光を増やせばどんどん青明るくなっていきます。
●SSを速くすると背景はどんどん青無し暗くなっていきます。
●SSを遅くすると背景はどんどん青明るくなっていきます。
| 前景+中景 | |||
| F22 | F11 | F8 | |
| SS1/250 | |||
| SS1/125 | |||
| SS1/60 | |||
| SS1/30 | |||
前景+中景の場合、中間部分の色を変えるのにSSを変えよう、ただし変化はマイルド
SSはフラッシュの同調速度までしか早くできません。機種によりますが1/200〜1/320でしょう。SSを遅くするのに機械的な限界はありません。 何秒でも可能です。
手ブレ被写体ブレの点から見て通常1/60が下限と思っておいた方がいいでしょう。1/30などを使うときは、手ブレ・被写体ブレをする可能性が高いと思って使って下さい。
SSは、常に必ず同調速度からスタートするのです。デフォルトは常に同調速度です。
まずF値を決めますよね?その後、その場所の青い自然光の量を予想し、まず一枚、SSを同調速度で試し撮りをします。その画像を液晶で確認します。そして、前景・中景・後景ごとに青さを確認します。
そして、もし青さが足りなければ青い自然光を多くするためにSSを同調速度から遅くしていきます。
最初の同調速度での試し撮りで青が多すぎると思っても、これ以上青無し暗くは出来ません。アングルを変える・F値を変える・撮る向きを変えるなどロケハンからやり直さなければ青無し暗くはなりません。
同調速度からスタートして青さが足りない時だけSSを遅くする。
『1/125あたりにしておけば無難だから1/125にしておく』と、いう方法を教えられたる方もいると思います。絶対、だめです。
たしかに1/125だと無難な写真が出来上がります。そんな・無・難・な・写真なんて捨ててしまえ!無難で良いなら一眼なんて買うんじゃありません!
綺麗な写真を撮るためにはSSを自分の望み通りコントロール出来るようにならなければいけません。デフォルト(最初を)1/125で始めてしまうと無難に撮れた場合それでOKだと思ってしまいます。前景のほんの少しの青被りや色の濁り・発色の悪さなどを見極めるのは非常に難しいです。本来同調速度で撮るべき写真を1/125で撮ってしまうのです。そのため無難で詰めの甘い、いい加減な写真が出来てしまいます。実は1/125でスタートの方が確実なコントロールは難しいのです。学びにくいのです。失敗が多くなるのです。無難に撮れちゃった写真などいりません、写真は撮るのです。
同調速度で始める限り、ほんの少しの青被り・発色の悪さなどの悪影響はありません。なぜならそれらも同調速度の時が限界値だからです。写真の青さのコントロールの時だけ最低限SSを遅くしていけば良いのです。そうすれば無用のデメリットが生じません。
ちょっと話が難しくなりましたね。後に学ぶ事項も出ています。よくわからんという方は、ここは僕を信じて下さい。同調速度で始めて下さい。その方が、SSのコントロールを確実に習得出来ます。信じて下さい。
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