青い自然光

自然光は青い。
この言葉を完璧に理解出来ていた人は一人もいませんでした。
このHPでもこれを理解することが主題になります。

青い自然光と七色のフラッシュ光

今この時点から、『自然光』『フラッシュ光』とは絶対言わないで下さい。頭の中でも考えないで下さい。
必ず『青い自然光』『七色のフラッシュ光』と言って、考えて下さい。
これを必ず習慣づけて下さい。馬鹿らしいとか思わないで〜〜言葉に出すときもこれを使って〜

脳は言葉で、再インプットされます。ほんと馬鹿みたいな事ですが、ここは愚直に習慣づけて下さい。
お願いです。

写真を見よう

まずは、自分の写真・人のブログの写真・雑誌の写真など水中マクロ写真を見て、青い自然光の量を見て下さい。

青が多い写真なのか、青が少ない写真なのか?の見極めが重要です。ボケていたり背景が黒かったり白かったり赤かったり青かったり、写真は様々です。それに騙されずに、青い自然光の量を見極めて下さい。前景・中景・後景ごとにそれぞれの青い自然光の量を見て下さい。 そして、すべての写真を青い自然光が多い写真と青い自然光が少ない写真に分けます。青が多い写真と青が少ない写真に分けるのです。

『前景・中景・後景』の見極めと共に、『青無し写真・青多い写真』の見極めが、すべてのベースになります。
これは実際撮影時、試し撮りの画像をカメラの液晶で見て、瞬時に判断する事が必要になります。

今すぐ数千枚を見てください。それが終わるまでは先に進まないで!!!

海を見よう

撮影前ロケハンする時、毎回自分が撮る場所の青い自然光の量を考えて下さい。エントリー前からこれは始まります。晴れていれば青い自然光が多い日です。雨が降っていれば青い自然光が少ない日です。

白い砂地は砂の反射があるので青い自然光が多くなります。黒い岩場は青い自然光が少なくなります。ほんの少しの岩のでっぱりの陰で青い自然光は格段に少なくなります。

この練習をして下さい。どこでロケハンする時も、1秒で説明出来るようになって下さい。考えてわかるのではなく条件反射的に出来るようになって下さい。ダイビング中、常に視界の中の風景を青い自然光量で分類し続けて下さい。これが出来ないと、少しでも迷いがあると、、、今後先へ進めません。『青い自然光量を見る事は、非常に重要です。

青い自然光が多い場所 青い自然光が少ない場所 青い自然光がとても少ない場所
曇り・雨 大雨
昼間 夕方 ナイト
浅い 深い 超深い
白い砂地 リーフ 黒い岩場
岩の上 岩の横 岩の下の影
開けた広場  壁 真っ暗な洞窟
 根の上 根の横 根の隙間
上向いて撮る 横向いて撮る 下向いて撮る
 太陽の方角を向く 太陽に横向き 太陽を背にする

写真は光で書く絵です。

写真は光で書く絵です。

陸上写真では通常自然光もフラッシュ光も七色で同じです。つまり右手に七色の自然光という絵筆、左手に七色フラッシュ光という絵筆を持っていると思って下さい。これで絵を描くのです。右手でも左手でもどちらの絵筆で書いても同じ色の絵が描けます。

しかし水中マクロ写真では、右手に青色の自然光という絵筆、左手に七色フラッシュ光という違う色の絵筆を持っているのです。色が全く違う絵筆を持っているのです。どちらの絵筆で描くかで全く違う絵が出来上がります。

ロケハンしてその場所にある青い自然光の量を知るという事は、絵筆にどのくらいの量の青い絵の具がついているかだと思って下さい。たっぷり青い絵の具が付いた絵筆なのか?ほんの少ししか青い絵の具が付いていないのか?

そして今から習うISO・F・SSというカメラの設定で、右手と左手の絵筆を使う割合をを決めるわけです。

七色の絵筆をたくさん使って青い絵筆は少ししか使わない写真。ほとんど青い絵筆だけで描いた写真。ほんの少ししか絵の具がない青い絵筆で頑張って出来るだけ青く書いた写真。たっぷり青い絵の具が付いた絵筆を持っていても全く使わず七色の絵筆だけで書いた写真。色んな写真があります。自分で撮る前にまず見極められなければいけませんね。

写真で説明

写真を見ても撮った場所の青い自然光の量は正確にはわかりません。晴れた日に撮ったのか雨の日なのか?なんてわかりません。しかしその写真の中にある青い自然光量は見ればわかります。つまり絵筆にどれだけの絵の具がついていたかはわかりませんが絵の中の青い絵の具の量はわかります。それを、前項で習った前景・中景・後景に分けて考えるのです。


前景のみ。
しかも被写体の周りも等距離にあり奥行きが全くない写真です。完全なる前景のみです。そして青い自然光の量は非常に少ない写真です。きっと撮影者が青い自然光を意識的に少なくしていると思われます。青無し写真に分類されます。


ボケに騙されないで〜はっきり写っていないと距離が離れている気がします。しかしウミウシから背景までの距離は4〜5cmというあたりでしょう。前景のみです。青い自然光は非常に少ない写真です。これも青無し写真です。


青さにも騙されないで〜これも背景は砂がボケて青いだけですね。青い砂の部分までウミウシから10cm程度でしょう。前景のみです。これは、青だらけの写真です。ウミウシ自体もよく見ると青く染まっています。撮影者が青くしようとした写真です。青多い写真に分類されます。


ウミウシと下の白い砂地は前景。その右上の暗めの青の部分は中景。ウミウシの足元の砂地が小山になっているため右上の砂地は50cmから右上の端だと1m位ありそうですね。フラッシュの当たり方も前景部分と明らかに違います。前景+中景。前景のウミウシと砂にはあまり青は多くありません。中景は暗めの青色という感じです。青は少なめの写真です。青無し写真気味で中間位に分類されます。


ボケが距離感を分かりにくくしています。ウミウシと下の地面は前景。平たい地面の上で真横から撮っているため後は急激に距離が遠くなっていきます。上端は黒っぽくなりフラッシュが当たっていません。後景です。地面は前景から中景最後は少し後景へと変わっていきます。
前景+中間+後景へのグラデーションですね。
前景のウミウシの前のボケたところも白いようで、少し青みがあります。中景部分は青さが分かります。後景は紺色?暗いけど黒じゃなく青が入ってる感じです。青が多いとは思いませんが全体的に青がある写真です。青がちょっと多め写真でしょうか?まぁ中間位に分類されるでしょうが青は多めです。


前景+後景
飛んでおります〜
前景・背景共に完全に青無し写真


カメラはもう砂地にめり込みそうですね。可能な限り奥行きを作っています。しかしこれでも中景までというあたりでしょうか?後景とは呼べないですね。前景+中景
中景は綺麗な青でいっぱい〜前景はそんなに青くないようですがピグミー自体の白はよく見るとやはり青があります。この藻の緑色ってホントはもっと緑濃いですよね?緑に青が入ってこの色ですね。従ってかなり青の多い写真です。青多い写真に分類されます。


前景+後景
前景から後景まですべて青無し写真


前景+中景。後景ぽく見えるけど中景。
青が多い写真。写真全面に青が入っています。ナカモトの黄色はホントはもっと濃いですよね?黄色は青の影響がわかりにくい色ですが、これは青が混じった黄色です。
中景は明るい青色で青が多い。前景まで青っぽくなっている。
青多い写真です。


こうなると撮り方がわからないとイメージしにくいですね。奥行きは10cm以下の前景のみです。
青が無し写真。砂やハゼの白い所がそのまま真っ白です。青い海の中の青い自然光がある場所で白を白く撮る事は非常に難しいです。完全なる青無し写真です。


典型的なハゼの写真。前景+中景遠目まで
青多め写真


前景+かなり遠い中景。残念ながら後景にはなれていませんね。うすぼんやりと奥の地面にフラッシュが当たっているのがわかります。
前景・中景共に青無し写真


前景+中景+後景。
前景のオオシライトゴカイ。近めの中景のオレンジの海綿。左上の黒い部分が海で後景。
すべて青無し写真


前景+後景
前景のミズタマサンゴも青く染まっています。後景は綺麗な青です。
青多い写真です。


前景のみ。背景まで20cmくらいでしょうか?
青無し写真です。
今からの3枚は青い自然光の量がわかりにくいです。今の時点ではわからないと思います。実は背景と被写体は同じです。背景は同じ紫の海綿です。しかし青の量が変わると同じ背景の色がどう変わるかという具体例です。


前景のみ背景まで20cm
青少なめ写真。一応青無し寄りの中間に分類です。
紫に少し青い自然光が入ってきました。従ってピンクっぽい色になっています。右下のまだらの部分には白っぽい部分が青く染まっているのがわかります。1枚目はローキー(暗く)に撮っていますが、この写真はハイキー(明るく)撮っているので印象はさらに変わります。


前景のみ背景まで20cm
青多い写真
青紫。右上の端はもう青に変わりつつあります。そして魚自身の黄色をよく見比べて下さい。黄色にも青が入って色が変わっていますね。全体が青く染まっています。

これが、青い自然光と七色のフラッシュ光という絵筆を使って絵を描くという事です。このHPをじっくり読んで実践していただければ誰にでも出来ます。こんなの難しくはないです〜〜

さて読むのをやめませんか?

さてさて、、、いつになったらカメラの話が出てくるんだ〜〜とお思いでしょうが、次項からです。そこで僕から提案です。一度ここで読むのをやめましょう。

前景・中景・後景の見分け方。青い自然光の量の見方。
この二つは今から学ぶ事のすべてのベースです。算数の足し算・引き算です。まずはここを完璧にして下さい。ここはお願いです。馬鹿らしいとか思わずここだけは僕の言う事聞いて下さい。

PCの中の過去に撮ったすべての写真。他人のブログの写真。ダイビング雑誌の写真。すべてのマクロ写真で前景・中景・後景の見分け方、青い自然光の量の見方、をして下さい。ここで重要なのは頭で理解する事ではありません。何千枚もの写真を見て、経験を積み、反射的に頭を使わず出来るようにならないといけません。

なぜなら、これを水中のボケた頭でロケハンの場所を見て、試し撮りの一枚目の写真を液晶で見て、一瞬で判別できなければいけないからです。水中マクロ写真は水中の限られた時間で撮らないといけません。陸上写真のようにじっくり何時間もかけて撮れません。このような基礎を体に叩き込むのです。そしてこの訓練は陸上で出来るのです。

さぁ、ひとまずこの先を読むのをやめて何千枚もの写真を見て下さい。たぶん数十枚で飽きてきます。でも何千枚もやるのです。頭で理解する事と体が覚える事は別です。水中写真では、ゆっくりと考える時間も冴えた脳みそもありません。短い時間とボケた脳みそで撮るのです。だから、身体に叩き込むのです!

次のダイビングは写真なんて撮らなくていいです。魚も見なくていいです。エントリー前に天気を見て下さい。そしてあらゆる深さ、場所、影、穴、砂地にある青い自然光の量を見て下さい。同じ場所をぐるぐる回って、上見て下見て、遠ざかって近づいて、青い自然光量がどう変わるかを見て下さい。

よく考えて下さい。夕焼けの写真が撮りたいのに、今が夕焼けかどうかもわからず撮れますか?絶対無理です。写真は光で書く絵です。そこにある光が理解できずに絵が描けるはずがありません。まずそこにある光を理解しましょう。

今までの水中マクロ写真の世界では、この青い自然光の量を考えるという視点が全く欠けています。この解説も全くされていません。しかしこれが一番大事です。

もし今までその日の天気を気にせず撮っていたならば・・・撮影前のロケハンでその場所の青い自然光量を考えずに撮っていたならば・・・どのくらいの量の絵の具がついてるかも全く分からない絵筆で絵を描いていた訳です。結果オーライの撮れちゃった写真。そんなものいりません。写真は撮れちゃったのではなく、撮るのです。

イチローが王貞治が、何度素振りをしたでしょうか?数十回で飽きる素振りを何千回とするのです。何千回何万回と・・・さて、今から始めましょう〜〜

何千枚の写真を見るのです。

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