SSについての説明です。
●古いカメラをお持ちの方は、FとSSで運用します。しっかり読んでくださいね。
●新しいカメラをお持ちの方は、SSはあまり使わず、FとISO感度を中心とした運用をすることになります。
しかし、カメラの基本ですので、ここでSSについてはしっかりと学んでください。ここの知識はすべてISO感度運用に必要です。
陸上自然光撮影経験のある人は、戸惑うかもしれません。SSの使い方が全く異なるからです。陸上自然光撮影では、SSはブレをコントロールするために使います。被写体の動きを止めるため、被写体の動きを表現するために使います。
しかし、水中マクロ写真ではそのような使い方はしません。
従って動きの速い被写体の場合SSを速くするという運用は、間違いです。
なぜならば、フラッシュ光がメイン光源のフラッシュ撮影だからです。ブレは2種類あり、SSでコントロール出来るブレとSSではコントロールできないブレがあります。
詳細が知りたい人は、第四章・応用・ブレを先に読んで下さい。
F値・絞り値を設定した後に、SSシャッタースピードを設定します。必ずF値の後に設定します。
SSは、脇役です。主役のF値が被写界深度を決めるために先に設定されます。その数値に合わせて、SSを設定するのです。つまり、F値によってSSの値は変わってしまいます。わがままな主役に合わせて、写真を整える脇役がSSです。
撮影の途中でF値を変更した場合は、その新しいF値に合わせてSSを再設定します。
F値は部屋の『窓』だと言いました。SSはその窓にかかる『カーテンを開ける時間』だと思って下さい。長い時間開けておけば部屋の中の沢山の光が入ってきます。短い時間しか空けなければ少ししか光は入ってきません。つまり、SSはカメラの中に入ってくる光の量を変える事が出来るのです。光の量を調節する事が水中マクロ写真でのSSの役目です。
七色のフラッシュ光と青い自然光ですね。
七色のフラッシュ光は、SSを変えても全く影響がありません。無関係です。
フラッシュ光は、1/1000以下の短い時間で一瞬に光ります。(閑話休題)
従ってSSが1/250でも1/60でもフラッシュは、光り終わっています。
青い自然光は常に灯っている光(定常光)です。そのため、SSを変えると青い自然光の量が変化します。
SS1/200よりも1/100の方が2倍長いですから、青い自然光はカメラの中に2倍入ってきます。
カーテンを開ける時間が2倍なら入る光も2倍〜簡単ですね。
1/60よりも1/180なら1/3
1/250よりも1/50なら5倍
陸上では自然光も七色です。従ってSSを変えると写真は明るくなったり暗くなったりします。しかし水中では自然光は青いのです。そのためSSを変えても写真は明るくなったり暗くなったりしません。
●SSを遅くすると青い自然光の量が増えます。青の量が増え、明るくなっていくのです。『青明るく』なるのです。
●SSを速くすると青い自然光の量が減ります。青の量が減り、暗くなっていきます。『青無し暗く』なるのです。
『青明るく』も『青無し暗く』も造語です。水中マクロ撮影では、青い自然光と七色のフラッシュ光の色の違う2つの光源を使っています。これを明確に分けて理解するために青い自然光の量が変わる時は常に頭の中でこの言葉『青明るく』『青無し暗く』を使って下さい。
七色フラッシュ光が通常量より多くまた少なく光る時は『明るく』『暗く』という表現になります。フラッシュ光は七色ですから陸上と同じです。
青い自然光で写真は青明るく・青無し暗くなる。
次のページでは、SSについてもう少し具体的に説明します。
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