F値は、写真という部屋の中に光を取り入れる『窓』です。
●窓が大きければ青い自然光の入る量は多くなります。(F値を開ける、数字が小さくなる)
●窓が小さければ青い自然光の入る量は少なくなります。(F値を絞る、数字が大きくなる)
F値は、被写界深度つまりボケ具合を変える事が出来ます。
●F値を開ければ被写界深度が浅くなります。(ボケは多くなる)
●F値を絞れば被写界深度が深くなります。(ボケは少なくなる。)
F値には被写界深度を変える効果と青い自然光の量を変える効果の2つの効果があります。
F値は、被写界深度つまりボケ具合を変える事が出来る唯一無二の存在です。これは他の何物にも出来ないF値だけの機能です。従って、水中マクロ写真では、F値が最優先です!主役です!スターなのです。
実際にはF値には被写界深度を変える効果と青い自然光の量を変える効果の2つの効果があります。
被写界深度を変える効果だけで考えます。
青い自然光の量が変わる事はひとまずこの段階では完全に忘れましょう。(後に出てきます。)
水中マクロ写真では、被写界深度が変わると劇的に写真が変わります。ピンがしっかりあった写真とボケた写真では、そりゃ〜もう違うものです。絵コンテが根本から違いますよね。


この2枚の写真の差。これが被写界深度の差なのです。ボケ具合の差なのです。そしてこれを変える事の出来るのは、『F値』だけなのです。
F値・絞り値は、被写界深度に専念させる事!
F値・絞り値は、一番先に決めて一番先に設定する事!
まず写真を撮る時には、F値の事を考えます。主役ですから〜最優先ですから〜
絵コンテの被写界深度を考え、F値の数値なのかを考え、カメラに設定し、写真を撮るのです。
ISO・SSは調整役です。
| F32 | F22 | F11 | |
| SS1/250 |
| F8 | F5.6 | F3.3(開放) | |
| SS1/250 |
絞りを変えると写真のボケが一気に変わります。F値によって後の人形のボケ方が激変しています。
●被写界深度を浅くしたければ、ボケを多くしたければ、Fを開ける。(数字を小さく)
●被写界深度を深くしたければ、ボケを少なくしたければ、Fを絞る。 (数字を大きく)
F値をどんどん絞ると、レンズの光を取り入れる『窓』が小さくなっていきます。F値をどんどん絞ると『窓』が小さくなりカメラの中に入る光が少なくなります。七色のフラッシュ光も青い自然光も両方少なくなります。フラッシュのTTLはその分頑張って沢山光ろうとしますが・・・いずれフラッシュの限界に達してしまいます。そうなると光が足りなくなり、写真が暗くなってしまいます。(写真がアンダーになる。)
F値を絞る事が出来る限界値は、写真が暗くなってしまう前までという事です。
フラッシュの光はフラッシュから被写体までの距離が遠くなると弱くなっていきます。フラッシュが最大限光ったとしてもその明るさは距離が遠いほど暗くなるのです。そのため、F値を絞る事が出来る限界値も距離が遠くなるとどんどん速く限界に達してしまいます。
その限界値は、フラッシュの強さ(GN・ガイドナンバー)やISO感度など様々なものによって変わります。
今、皆さんはISO100・フラッシュ2灯ですので、その場合の限界値の変化を写真で確認しましょう。
下の写真を見比べてみて下さい。黒くなっている所が露出アンダーです。
●距離は30cm程度の場合、どの写真も適正な明るさになっています
●距離は50cm程度の場合、F22の写真がフラッシュ光が足りず少し暗めです。F32の写真は完全に暗く露出アンダーになってます。
●距離は1m程度の場合、F22・F32は完全にアンダー・F11は少し暗いですね。
| サイズが大きいため、簡略化した表を載せてます。元の表はこちらです。F値の限界値の表 | ||||
| F32 | F22 | F11 | F5.6 | |
| 30cm | ||||
| 50cm | ||||
| 1m | ||||
距離が遠くなればなるほどフラッシュ光の限界のため、Fの選択の幅は狭くなります。
●被写体までの距離が、30cmならばF2.8からF32位まで使えるでしょう。
●被写体までの距離が、50cmならばF2.8からF22位まで使えるでしょう。
●被写体までの距離が、1mならばF2.8からF11位まで使えるでしょう。
この数値はフラッシュの種類・位置・向き・レンズなどで変わります。ISO100・S2000×2灯での参考値です。
実際に自分のカメラで撮って確かめてね。
F値を絞ると、回折現象・小絞りボケが出てきます。今学んでいる途中の方は、気にしないで下さい。
第2章が終わったら(より詳しく)を読んで下さい。
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F値22
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F値3.3
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F値5.6

F値16

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F値4.2
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