七色のフラッシュ光が足りない???
フラッシュはTTL調光で発光量を変えるため通常足りなくなりません。
もしその発光量が、少ないと感じた場合、つまり露出アンダーであると感じた場合は?調光補正をプラスにするのです。
マニュアル発光の方も発光量を上げれば通常足りなくなりません。
ここで考えるフラッシュ光が足りないとは、フラッシュが最大発光量に達してしまっている場合です。
第一章・調光補正 露出アンダーより抜粋
| (2)F値の絞りすぎまたは被写体までの距離が離れすぎのため、フラッシュの最大発光量が足りなくなり露出アンダー。この場合調光補正では治りません。F値を開く・近づくという対処が必要です。 |
原因と対処がすでに書かれています。説明してみましょう。
ISO100・F16・SS1/250
カメラの考える適正露出は20個分でした。 青い自然光量は2個でした。カメラはフラッシュに18個分光れと命令しましたが、七色のフラッシュ光はフル発光しても3個分しかありませんでした。残り15個分光が足りません。
露出アンダーになりました。
近づく事は出来ません。従って、F値を一段分開けました。F11にしました。窓の大きさが倍になりました。青い自然光もフラッシュ光もカメラの周りの光の量は何も変化しません。しかし窓が2倍大きくなったので、2倍入ってきます。青い自然光も2倍で4個。七色のフラッシュ光も2倍で6個になりました。合計10個分。適正露出の20個にはまだまだ足りず露出アンダーです。
F値をさらに一段分開けました。F8にしました。窓の大きさが倍になりました。青い自然光もフラッシュ光もカメラの周りの光の量は何も変化しません。しかし窓がまた2倍大きくなったので、2倍入ってきます。青い自然光も2倍で8個。七色のフラッシュ光も2倍で12個になりました。合計20個。適正露出になりました。
F16からF8に変わりました。
F値を開けて露出アンダーを解消した場合、青い自然光量も増えるため青被りしやすいです。
被写界深度は浅くなります。
ISO100・F16・SS1/250
カメラの考える適正露出は20個分でした。 青い自然光量は2個でした。カメラはフラッシュに18個分光れと命令しましたが、七色のフラッシュ光はフル発光しても3個分しかありませんでした。残り15個分光が足りません。
露出アンダーになりました。
近寄りました。青い自然光量は、カメラのアングルが変わらなければ変化なしです。しかし、フラッシュ光は、減衰しないため、距離が半分になると4倍に増えます。近づくと激増するのです。
4倍になりました。青い自然光は2個分のまま。七色のフラッシュ光は12個。合計14個。露出アンダーはかなり解消されましたがまだです。
もう少し寄って、フラッシュ光は6倍になりました。青い自然光2個。七色のフラッシュ光18個。合計20個。適正露出が得られました。近寄るたびに青い自然光の比率は、40%〜約14%〜10%と減ります。その分七色のフラッシュ光は増え最後は90%になりました。
近寄ると青い自然光量は変わりません。青被りはしにくいです。
F値も変わりませんが、撮影距離は短くなりますので被写界深度は浅くなります。
被写体の写る大きさは変わります、大きく写ります。
第一章・調光補正には意図的な嘘として、書かれていませんが、第3の対処もあります。理論的には可能ですが実用性がありません。学ぶ必要もありませんが、興味がある方は、(閑話休題)を読んで下さい。
ISO100・F16・SS1/250
カメラの考える適正露出は20個分でした。 青い自然光量は2個でした。カメラはフラッシュに18個分光れと命令しましたが、七色のフラッシュ光はフル発光しても3個分しかありませんでした。残り15個分光が足りません。
露出アンダーになりました。
ISO200・F16・SS1/250にしました。
カメラが写真を作るのに必要な光の量が半分の10個で良くなりました。まだ露出アンダーです。
ISO400にしました。
必要な光の量はさらに半分の5個で良くなりました。適正露出が得られました。
F値も撮影距離も変わってません。被写界深度はそのままです。
青い自然光40%・七色のフラッシュ光60%という比率はF値での対処と同じです。青被りしやすいです。
| 近づく | ISO感度上げる | F値開ける | |
| 被写界深度 | 浅くなる | 変わらない | 浅くなる |
| 青被り | 劇的に改善される | 対処中変わらず | 対処中変わらず |
| ベストな方法 | 近寄れない時は、これ | デメリット多い対処 |
(1)近寄る事を試みる。
(2)近寄れない場合、ISO感度を上げる。
(3)ISO感度が限界まで上げてもダメな時、F値開ける。
七色のフラッシュ光が足りなくなる被写体は、限定的です。2パターンのみでしょう。
(1)近寄れない時
(2)深い被写界深度が必要な時
(1)は、ベラやハナダイの様に近寄りにくい、または大きくて近寄ると、はみ出るパターン。
APS-C+100mmレンズでハナダイ・ベラを撮影する場合です。
フルサイズ+100mmでは、チョウチョウウオ・大型のベラを撮影する場合です。
60mmでは、臆病で近寄れない魚の場合でしょうか?
(2)は、図鑑写真・クマノミと卵・穴の中のギンポと卵など、とても深い被写界深度が必要な場合などです。
| 作例集 |
今から理由なく絶対F値もSSもISO感度も触ってはいけません。明確な理由がなければ考え付くまで写真を撮らずに考え続けなさい。あなたは何がしたいのか真面目に考えて下さい。綺麗な写真が撮りたいのですよね?
適当に動かして撮れちゃった写真に何の意味もありません。撮れちゃった写真などいりません、写真は撮れちゃうのではなく撮るのです。今、なんか撮れちゃった綺麗な写真など捨ててしまいなさい。明日、半年後、5年後、10年後、の写真のために捨ててしまいなさい。
今から、F値とSSとISO感度には、常に意味を持たせて下さい。
何故その数値なのか説明出来るようにして下さい。
あなたの写真に何か意味があるならば、すべての数値に意味があるはずです。
それがあなたの作意や意図を、実現させるのですから・・・。
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