ライト撮り

フラッシュを使わず、水中ライトだけで撮影する方法です。
水中ライトが明るくなった事とカメラの高感度特性が上がった事によりライトだけで写真が撮れるようになりました。

しかし、僕は、通常の撮影でライト撮りがフラッシュ撮影より有利だとは思っていません。将来的にもライト撮りが主流になるとは思っていません。しかし、一部の撮影においては有効だと思っています。現在も使っています。これはライト撮り(4)で書きます。

ライト撮りをされる時はライト撮りのデメリットを理解して行って下さい。取引上不利な場合はフラッシュ撮影に戻るべきです。

新たな都市伝説に注意

●『ライト撮りは、フラッシュ撮影の同調速度よりもSSを速く出来るからブレない。』
これは大嘘です。フラッシュ光におけるブレと定常光撮影のブレの差について全く理解していないために出てくる都市伝説です。無視して下さいね。

●『ライト撮りは、絵が柔らかくなる』
もちろん大嘘です。ブレが写ってるだけです。


第四章・ブレを読んでいただければわかります。

水中ライトについて知ろう

この先へ進む前に、必ず傍章・機材・ライト関連の所を必ず読んで下さい。

ライト撮りとフラッシュ撮影の差・定常光を理解しよう

●水中ライトは常に光り続けています、定常光です。
●フラッシュ光は、瞬間に光ります。瞬間光です。

ライト光と青い自然光は、両方同じく定常光です。従ってF値やSSによる影響は青い自然光と同じです。

実は発光体がライトでもフラッシュでも何でもよくて、定常光なのか瞬間光なのかの差が重要なのです。

陸上ライト撮りとの差・青い自然光との比較(相対量)

水中写真のライト撮りは、its値(光度)が高いライトが必ず必要です。陸上とは異なります。少し誤った情報を聞くので整理しておきます。

●陸上では、高感度特性が良ければ、明るいライトは必要ありません。
ISO100で必要な光量が32個分、自然光が1個分・ライト光は1個、合計2個分とします。

                           
                               

ISO1600で適正露出になります。

自然光もライト光も同じ七色の定常光です。高感度特性さえよく画質低下が小さければ、陸上では光量は少なくても良いのです。高感度特性は今からもどんどん良くなります。将来はフラッシュよりLEDライトが主流になります。すでにスマホはLEDライトですね。


●水中では、自然光は青いです。ライト光は七色です。どれだけ高感度特性が良くなっても、青い自然光比率は変えられません。水中では、『青い自然光に比較してライトは何倍の光量があるか?』を考える事が重要です。
ライトは、光量(絶対量)ではなく青い自然光との比較(相対量)を考えなければいけません。
少し難しいので実際の例で考えましょう。

ライトの相対量・実際の例

●ナイトダイビングの場合
青い自然光がありません。青い自然光比率は常に0%です。これは上記陸上と同じです。高感度特性が良ければ、ライトの光量は必要ありません。ナイトダイビングでは現在でもライト撮りは有効です。将来高感度特性が上がればもっと有効になります。
でも実はナイトでライト撮りをすると、虫だらけになりますけど(^O^)虫の居ない日は有効〜

●暗い海の場合
青い自然光が20%・七色のライト光80%の写真を撮る場合で考えて見ましょう。
青い自然光が1個とすると、七色のライト光は4個必要です。

  L L L L


●明るい海の場合
青い自然光が20%・七色のライト光80%の写真を撮る場合で考えて見ましょう。
青い自然光が4個とすると、七色のライト光は16個必要です。

        L L L L L L L L L L L L L L L L


●とても明るい海の場合
青い自然光が20%・七色のライト光80%の写真を撮る場合で考えて見ましょう。
青い自然光が12個とすると、七色のライト光は48個必要です。

        L L L L L L L L L L L L L L L L
        L L L L L L L L L L L L L L L L
        L L L L L L L L L L L L L L L L


同じ写真を撮るためには、とても明るい海では暗い海の12倍もの明るさのライトが必要になります。
水中では、『青い自然光に比較してライトは何倍の光量があるか?』
が重要である事がわかっていただけると思います。

ライトの相対量・実際の例(2)

あなたのライトをフル発光させると、4個分の明るさがあるとします。

●ナイトダイビングの場合

L L L L


●暗い海の場合
青い自然光が1個とすると、青い自然光が20%・七色のライト光80%

  L L L L


●明るい海の場合
青い自然光が4個とすると、青い自然光が50%・七色のライト光50%

        L L L L


●とても明るい海の場合
青い自然光が12個とすると、青い自然光が80%・七色のライト光20%

                        L L L L


同じライト光では、とても明るい海と暗い海では、青い自然光比率がまったく違う写真になります。
水中では、『青い自然光に比較してライトは何倍の光量があるか?』が重要である事がわかっていただけると思います。

撮影場所で、まったく異なる有効性

ライト撮りは、暗い海では、有効です。しかし明るい海では、困難です。
2017年現在ライト撮りをする方が温帯に多いのはこのせいです。
しかし、沖縄のような明るい海ではライト撮りをするためにはものすごい光量のライトが必要です。

今の場所で、今の機材で、どう?

あなたが今居る場所、あなたが今持っている機材で、ライト撮りが有効かどうかを知りたいですよね?簡易な検証方法があります。

フラッシュ撮影と同じF値・SS1/250(同調速度)で、ライト撮りで黒抜きを撮って下さい。ISO感度は自由に動かしてOKです。
●ライト撮りでも黒抜きが出来るならば、今の場所でライト撮りは有効です。
●黒抜き出来ないならば、今の場所でライト撮りはやめましょう。ライトの相対量が足りません。

暗い海では出来ますが、明るい海では、相当its値の高いライトが必要ですよ〜

Designed by CSS.Design Sample