ISO(2)・青い自然光が足りない時

青い自然光が足りない・・・青の量を多くしたい時ですね。
●前景の青被せを青い自然光比率を高くしたい時
●後景の青抜きを青明るくしたい時

前景の青い自然光比率を高くしたい時

F値は関係が無いのでF*とします。SSは同調速度1/250。
この横長の四角が写真を作る光の総量だとしましょう。これは、カメラが適正露出を考えて決めます。

ISO100の時カメラが四角20個分の光が必要だと考えたとしましょう。そして青い自然光量が1個分だとしましょう。

                                       

残りの19個分フラッシュに光れと命令します。 F*・SS1/250・ISO100

                                       

(SSでの対処)
あなたは、写真に青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。SS1/125にしました。約2倍の時間になってますから・・・青2個分です。 F*・SS1/125・ISO100

                                       


残りの18個分フラッシュに光れと命令します。

                                       


あなたは、まだ写真に青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。SS1/60にしました。約4倍の時間になってますから・・・青4個分です。 F*・SS1/60・ISO100

                                       


残りの16個分フラッシュに光れと命令します。

                                       


あなたは、まだ青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。しかし、SS1/60よりは遅くすると手ブレすると判断しました。どうします?

(F値での対処)
SSはもう限界なので被写界深度が変わるデメリットを我慢してF値を開ける・・・という対処を今までしてきました。一段分開けてF*-1にしました。青い自然光は倍ですので・・・青8・七色12。青い自然光が40%です、ただし被写界深度変更デメリット付き。
F*-1・SS1/60・ISO100

                                       


ここまでが今まで学んで来た方法です。F値での対処は被写界深度が変わるデメリットがありました。今からは、ISO感度で対処します。

(ISO感度での対処・その1)
F*・SS1/60・ISO100です。
                                       


F*・SS1/60・ISO200にします。感度2倍なので必要な光の量は半分の10個で良くなります。

                   


残りの6個分フラッシュに光れと命令します。青4・七色6
青い自然光が40%!!!しかも被写界深度が変わるデメリット無し!!!

                   


(ISO感度での対処・その2)
第四章・ブレでも説明しましたが、自然光比率を高くしているのでブレは濃くなります。SSを遅くするとブレが長くなります。
ブレは濃く長くなっています。
ブレを防ぐためにSS1/60にせずに、SS1/125の時、限界だと判断し、ISO感度での対処に切り替える事も良い選択です。
F*・SS1/125・ISO100

                                       


F*・SS1/125・ISO200 感度2倍なので必要な光の量は半分の10個で良くなります。青2・七色8。青い自然光が20%。

                   


さらにISO感度を上げます。F*・SS1/125・ISO400 青2・七色3。青い自然光が40%。

         


(ISO感度での対処・その3)
高感度特性の良いカメラでは、SS1/250のままSSでの運用一切せずに、ISO感度での対処をする事も良い選択です。SSは今後一切動かさずにすべてISO感度だけで運用するのです。FとISOだけの運用ですので、非常にシンプルでわかりやすい運用になります。
F*・SS1/250・ISO100

                                       


F*・SS1/250・ISO200 青1・七色9。青い自然光が10%。

                   


F*・SS1/250・ISO400 青1・七色4。青い自然光が20%。

         


F*・SS1/250・ISO800 青1・七色1.5。青い自然光が40%。

   

後景を青明るくしたい時

F値は関係が無いのでF*とします。SSは同調速度1/250。
この横長の四角が写真を作る光の総量だとしましょう。これは、カメラが適正露出を考えて決めます。

ISO100の時カメラが四角20個分の光が必要だと考えたとしましょう。そして青い自然光量が1個分だとしましょう。
F*・SS1/250・ISO100  青い自然光が5%。

                                       


(SSでの対処)

あなたは、写真に青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。SS1/125にしました。約2倍の時間になってますから・・・青2個分です。 F*・SS1/125・ISO100  青い自然光が10%。

                                       


あなたは、まだ写真に青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。SS1/60にしました。約4倍の時間になってますから・・・青4個分です。 F*・SS1/60・ISO100  青い自然光が20%。

                                       


あなたは、まだ青が足りないと判断しました。もっと青明るくしたいのです。しかし、SS1/60よりは遅くすると手ブレすると判断しました。どうします?

(F値での対処)
SSはもう限界なので被写界深度が変わるデメリットを我慢してF値を開ける・・・という対処を今までしてきました。一段分開けてF*-1にしました。青い自然光は倍ですので・・・青8個分。ただし被写界深度変更デメリット付き。
F*-1・SS1/60・ISO100  青い自然光が40%。

                                       


ここまでが今まで学んで来た方法です。F値での対処はデメリットがありました。今からは、ISO感度で対処します。

(ISO感度での対処・その1)
F*・SS1/60・ISO100 青い自然光が20%。

                                       


F*・SS1/60・ISO200にします。感度2倍なので必要な光の量は半分の10個で良くなります。 青4のまま変わりませんが、青い自然光が40%に比率が上がります。

                   


(ISO感度での対処・その2)
第四章・ブレでも説明しましたが、自然光比率を高くしているのでブレは濃くなります。SSを遅くするとブレが長くなります。
ブレは濃く長くなっています。

ブレを防ぐためにSS1/60にせずに、SS1/125の時、限界だと判断し、ISO感度での対処に切り替える事も良い選択です。
F*・SS1/125・ISO100 青い自然光は10%

                                       


F*・SS1/125・ISO200 感度2倍なので必要な光の量は半分の10個で良くなります。青い自然光が20%。

                   


さらにISO感度を上げます。F*・SS1/125・ISO400 青い自然光が40%。

         


(ISO感度での対処・その3)
高感度特性の良いカメラでは、SS1/250のままSSでの運用一切せずに、ISO感度での対処をする事も良い選択です。SSは今後一切動かさずにすべてISO感度だけで運用するのです。FとISOだけの運用ですので、非常にシンプルでわかりやすい運用になります。
F*・SS1/250・ISO100  青い自然光が5%。

                                     


F*・SS1/250・ISO200  青い自然光が10%。

                   


F*・SS1/250・ISO400  青い自然光が20%。

         


F*・SS1/250・ISO800  青い自然光が40%。

     

ISO感度の方が取引が有利

これが、青い自然光が足りなくなった時ISO感度を上げなければいけない理由と動かす理論です。
こうやってISO感度は必要な時だけ最低限の量、動かすのです。
●デメリットの多いF値での対処の代わりにISO感度で対処します。
●ブレが多いSSでの対処の代わりにISO感度で対処します。

●ISO感度を上げるデメリットは画質低下です。

ブレとISO感度について、再度確認

第四章のブレで、説明しました。
●SSを遅くすると、ブレが長くなります。
●SSを遅くすると、定常光比率も上がります。従ってブレは濃くなります。

SSを遅くすると、ブレは、長く、濃くなります。SSの代わりにISO感度を使えはブレを、抑える事が出来ます。

運用

ISO感度での対処・その1〜その3のどれが良いかは、あなたのカメラの高感度特性次第です。

●2017年頃以降のカメラでは、ISO800以上常用出来そうです。
その3の対処が良いのではないでしょうか?
SSは、基本動かしません。ISOの限度まで来た時のみ補助的に使うのです。非常にシンプルでわかりやすい運用です。

●2010年〜2015年ごろのカメラでは、常用ISO400くらいでしょうか?
その2の対処が良いと思います。ISOの運用幅が狭いため、SSとISOの併用がお勧めです。両方使うため運用が複雑で面倒ですが、頑張りましょう。。

●2010年以前のカメラでは、常用ISO200までかな?ISO400は使えないでしょうか?
その1の対処でISO感度は、SS運用後補助的に使う事になります。ISO感度の運用幅が狭くメリットとデメリットの取引が厳しいのでISO感度は運用しなくても良いと思います。

年代は僕の目安です。フルサイズとAPS−Cでは、素子の高感度特性に差があります。上級機と中級機でも差があります。ご自分のカメラでISOがどこまで常用出来るかを考えて対処を選んで下さい。

復習、ISO感度固定の今までの運用

F値*で変えない時(F*記入省略) 
  ISO100
最初の青さ 1/250
一段青明るく 1/125
2段青明るく 1/60
3段青明るく 1/30

 青背景 手ブレ・被写体ブレ危険ゾーン     


ISO100固定でF値は動かさない時、今までは、青い自然光を増やしたければ、このチャートを下がるだけだったんです。なんと簡単なチャートでしょう。これはわかりますね?

さらに、F値変更が加わる・・・

F*を一段絞った場合をF*+1と書きます。
一段開けた場合をF*−1と書きます。二段開けた場合F*−2、以後同じ
     
  ISO100
F*+1 
ISO100
F*
 ISO100
F*−1
ISO100
F*−2
ISO100
F*−3
ISO100
F*−4
 一段青無し暗く F*+1
1/250
       
 最初の青さ   F*
1/250
       
一段青明るく     F*
1/125
       
2段青く明るく    F*
1/60
F*−1
1/125 
     
 3段青明るく    F*
1/30
F*−1
1/60 
F*−2
1/125
   
 4段青明るく       F*−1
1/30
F*−2
1/60 
F*−3
1/125 
 
 5段青明るく        F*−2
1/30
F*−3
1/60  
 F*−4
1/125
 6段青明るく         F*−3
1/30 
 F*−4
1/60 
             
 黄背景 F値変更による絵コンテ変更が起きる     
 青背景 ブレ危険ゾーン     


SSが限界ならば、被写界深度の変更で絵コンテが変わるデメリットがありますが、F値でさらに青明るくできましたね?チャートが変化します。真下または右斜め下へ移動すると一段青明るくなります。
このチャートも、今まですでに学んだ内容ですね。

ISO感度運用チャート

実際に運用するにはこのチャートを理解しなければいけません。これが理解出来ない人は正しく動かせません。

ISO100・F*・SS1/250が最初の設定だとします。減感があるかどうかはカメラ機種によります。

横の列は、同じ青の量です。一列下がると一段づつ青明るくなります。青の量が倍に増えます。
真下または右斜め下へ移動すると一段青明るくなります。

今までたった一行だったチャートがこんなに大きくなりました。F値は変更しないのにこの大きさです。
F値を一段動かすと、もう一枚の表にはかけません。3次元の表になります。チャート全体が一枚づつ増えるのです。F*−1のチャート・F*−2のチャートと増えていきます。膨大なチャートになります。もうHPにはかけません〜。

F値*での汎用チャート     
  減感
ISO50
ISO100 ISO200 ISO400 ISO800 ISO1600
 一段青無し暗く F*
1/250
 最初の青さ  F*
1/125
F*
1/250
一段青明るく   F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
2段青明るく   F*
1/30
 F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 3段青明るく     F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 
 4段青明るく       F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
  F
1/250
 5段青明るく         F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 6段青明るく          F*
1/30
 F*
1/60
 7段青明るく             F*
1/30
 青背景 ブレ危険ゾーン     

ISO感度での対処・その1の運用チャート

ISO感度での対処・その1
常用ISO200までのカメラの場合、黄色の所を動かしてください。
  減感
ISO50
ISO100 ISO200 ISO400 ISO800 ISO1600
 一段青無し暗く F*
1/250
 最初の青さ  F*
1/125
F*
1/250
一段青明るく   F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
2段青明るく   F*
1/30
 F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 3段青明るく     F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 
 4段青明るく       F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
  F
1/250
 5段青明るく         F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 6段青明るく          F*
1/30
 F*
1/60
 7段青明るく             F*
1/30
 赤文字 ISO感度による画質低下がみられるゾーン     

ISO感度での対処・その2の運用チャート

ISO感度での対処・その2
常用ISO200〜400までのカメラの場合、黄色の所を動かしてください。
  減感
ISO50
ISO100 ISO200 ISO400 ISO800 ISO1600
 一段青無し暗く F*
1/250
 最初の青さ  F*
1/125
F*
1/250
一段青明るく   F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
2段青明るく   F*
1/30
 F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 3段青明るく     F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 
 4段青明るく       F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
  F
1/250
 5段青明るく         F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 6段青明るく          F*
1/30
 F*
1/60
 7段青明るく             F*
1/30
 赤文字 ISO感度による画質低下がみられるゾーン     

ISO感度での対処・その3の運用チャート

ISO感度での対処・その3
常用ISO800までのカメラの場合、黄色の所を動かしてください。
  減感
ISO50
ISO100 ISO200 ISO400 ISO800 ISO1600
 一段青無し暗く F*
1/250
 最初の青さ  F*
1/125
F*
1/250
一段青明るく   F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
2段青明るく   F*
1/30
 F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 3段青明るく     F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 
 4段青明るく       F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
  F
1/250
 5段青明るく         F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 6段青明るく          F*
1/30
 F*
1/60
 7段青明るく             F*
1/30
 赤文字 ISO感度による画質低下がみられるゾーン     


ISO感度での対処・その3
常用ISO1600までのカメラの場合、黄色の所を動かしてください。
  減感
ISO50
ISO100 ISO200 ISO400 ISO800 ISO1600
 一段青無し暗く F*
1/250
 最初の青さ  F*
1/125
F*
1/250
一段青明るく   F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
2段青明るく   F*
1/30
 F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 3段青明るく     F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 F*
1/250
 
 4段青明るく       F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
  F
1/250
 5段青明るく         F*
1/30
  F*
1/60
 F*
1/125
 6段青明るく          F*
1/30
 F*
1/60
 7段青明るく             F*
1/30
●現実的にはISO1600は、水中マクロではかなり特殊な撮影でしか使いません。

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