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みづうみPart2

■山の音■

 実は、というか、『山の音』を卒論で扱わせて頂いております。なので毎日なにかしら、『山の音』について考えたりしている日々なのですが。
 なぜ、『山の音』か、というと、論文の数が丁度良い感じに多かったから、だったりするのですが。とにかく、卒論は康成サマでやらせて頂こうとは、ずっと、考えていたので、康成サマの作品であればどの作品でも良かったのです。えへ。
 最初は、『川のある下町の話』でやらせて頂きたかったのですが、あまりにも論文数が少なすぎて(今の私のHPに掲載させて頂いている論文で全部だと、思います。他にご存知でしたらほんとに教えてください。知りたいのです)難しかったので、いろいろ、紆余曲折を経て、やっとこさ、『山の音』に落ち着くことができました。
 論文の数が丁度良くて、この作品で大丈夫だろう、と思って決めたのはそうなんですが、一番の決定打になったのは、菊子が、堕胎に失敗をして産まれた子、という属性を与えられていたから、というのが結構大きかったです。私も、というとおこがましいのですが、母から堕胎をしようとしていたことを聞かされていたので(堕胎する当日になって、父に説得され、私を産んだらしく。普通逆じゃん、と突っ込んでおきました)、私にとっては結構ショックな出来事で、一応心の傷になってたりするのですが、菊子にはそんな影が、一見見えてこないことが、不思議で、それなら、どういう意図があって、菊子に「堕胎されかかって産まれた」ことを付与したのだろーと思い、興味惹かれて選びました。菊子には暗い影があまり感じられなくて。唯一、初めて「菊子」の名前が登場する場面の、「ワンピイス」の描写は「だらりといやな薄白い」だったりして、ちょっと幽霊チックな感じですけど。
 菊子の信吾に対する感情については、「恋愛感情」と「父親依存の感情」とにわかれていますけど、私は「父親依存」でとっています。で、この間、卒論の中間発表だったのですが、「父親依存」だったら納得できる、という意見の方が結構多くて、やっぱり、同世代の女の子の立場としては、60過ぎたおじさん、というか「おぢいさん」に恋愛感情は、抱きにくいもの、ですよねぇ。作品の中でどうかは別として。とはいえ、菊子は信吾を、父親として大好きだったのだろうと、思うし、心の交流はちゃんとあったと、思います。って読書感想文みたいだわ。卒論やらなきゃ・・・。
 そういえば!この間『山の音』を聞いちゃったんですけど。某・サンバイザーを被っての販売業(何かは内緒です。えへ)に勤しんでいた時、突然、目の前が白っぽくかすんで、右耳の奥に響くような感じで、ごおおおおっと、音が聞こえて。思わず耳をふさいでました。5秒間くらいなものでしたが。信吾が恐怖を覚えた気持ちがわかりました。あれ?死期が近いの?とか思って。(私の右手生命線の短さはちょっと引きますよ。最近ちょっと伸びたけど。えへへ)ふっ。まだまだ死んでたまるかってことで。

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