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みづうみPart2

■夜のさいころ■

 『夜のさいころ』の主人公みち子の飄々さ加減は見事です。奔放さとは違う、あんまり康成作品には登場しなかったタイプの女性像じゃないかにゃ、と思います。なんの悲壮感もないところがスバラシイ。
 さいころを始終振って、さぞさいころに思い入れがあるのだろうなぁ、と思いきや、さいころを海に投げ捨てられても、たいして落胆する様子もないことのリアリティ。南Q太のマンガにでも出てきそうな、今の女の子が共感できそうなタイプの女の子じゃないかと思います。男に媚び売るわけでもなければ、自由奔放に生きているわけでもなく。無感動とは違う、少女の中の少女のリアリティというか。
 で、それを康成さまが、それも昭和15年の時点でお書きになっていることが、やっぱすごいなぁと。こういう感覚って普遍なのかなぁ。昭和15年の女の子に聞いてみたいものですわ。

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