手順

手順を作りましょう。
すべての撮影方法を網羅した手順はさすがに作れません。が、基本的な撮影の流れの手順を作っておきましょう。

水中写真は、撮影時間に限りがあります。頭も窒素ボケしています。ルーティン化出来る事・体に覚えさせる事が出来る事・カメラに任せられる事などには、自分の限られた能力と時間を使わないようにしましょう。そして、その余った能力と時間を、綺麗な写真を撮るために使うのです。

ホーム・ポジション

まず、ホームポジションを作りましょう。
カメラをいつも同じF値・SS・フラッシュ位置にして準備するのです。撮影後はそのホームポジションに戻すのです。

(1)突然、ものすごいものが現れた時、とっさに撮れるという利点があります。

(2)常に同じ数値からスタートする事で、F値やSSの動かし方がルーティン化出来ます。

F値は、f8〜11あたりが無難でしょう。
SSはもちろん同調速度です。
フラッシュ位置は120度型または180度型でどちらかに決めましょう。
光軸間角度は、透明度により小さめと大きめを使い分けて設定でいいでしょう。

僕の個人的なホームポジション 
透明度が悪い海  f8・SS1/250・120度型・光軸間角度大
透明度が良い海 f8・SS1/250・120度型・光軸間角度小

撮影手順を考えましょう

撮影する写真の順序を前もって考えてルーティン化しておきます。基本的に失敗の少ないものから多いものへ移っていく方が無難です。例えばF値の絞ったものを先に撮ってから開けていく方が、確率が高いです。

僕の手順

僕の個人的設定
同調速度はSS1/250です。
***1***
基本設定は、f8・SS1/250・120度型・光軸間角度小
これで証拠写真はいつでも無難に撮れます。
***2-1***
近寄れる被写体の場合

SS1/250のままFを絞って被写界深度を深い写真を撮ります。
近寄って行き、その分どんどん絞って行きます。
F11/F16/F18/F22/F27、アンダーにならない範囲で絞ります。

後景がある場合はこれで黒抜きの写真をゲットです(^O^)

被写界深度の深い写真は、多少のピントのずれを許してくれます。
SS1/320だとぶれもありません。
一番外れの少ない撮り方です。まずこちらを撮ります。
***2-2***
近寄れない被写体の場合

露出アンダーの場合はF8などに変えます。

SS遅くして中景や後景の色を青く好みにします。

近寄れない被写体の場合
絞れない、
黒抜きできない、

青抜きは青かぶりするため他に何も出来ません。
(T_T)
***3-1***
前景+後景の場合

青抜きの写真
SSを遅くしていきます。
***3-2***
前景+中景の場合

中景の色を調整します。
SS1/250では中景が暗い場合、SSを遅くします。
 
 ***4-1***
前景のみ(後景無し)の場合

SS1/250のまま、
F5.6など
被写界深度の浅い
ぼかした写真
を撮ります。
***4-2***
F5.6など
被写界深度の浅いぼかした写真を撮ります。
多くの場合1/250でも青被りが出始めます。
 
 
***5***

SS1/250のまま、
F2.8など
極度に被写界深度の浅い
ぼかした写真
を撮ります。
 
***6*** 

その他テクニカルな撮影を絵コンテに沿って撮ります。
 
***7*** 
撮り終わったのでホームポジションf8・SS1/250・120度型・光軸間角度小に戻します。

撮影手順の運用

このような感じで撮影手順をルーティン化しておきます。これに実際の青い自然光の量や被写体によるフラッシュ位置などを加えて実際に運用します。もちろんこのすべての撮り方で撮る訳ではありません。

被写体によってこの順序で考えながら撮る絵コンテを考えていくのです。

例えば・・・
このマルスズメダイなら、前景のみ・いつも居る子だから今回は証拠写真は撮らない、被写界深度の深い写真も魚の回りの前景ががうるさく映ってヒレとかが目立たないから撮らない、で、***4-1***にたどり着きます。撮影開始です。その後***5***まで行くとヒレにピンが来ないので、これも撮らない・・・で終了〜〜

このように手順に沿って絵コンテの選択をしていくと、間違いが少ないです。また、後でPCで確認しながら、「なんでこの撮り方だけでこっちの撮り方はしなかったんだろう?」などというミスが減ります。

水中で考える事を減らすためにも、自分の手順を決めましょう。水中で考える事をルーティン化しましょう。

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