青の質

自然光は青い。
青と言っても色々な青があります。その青の質について学んでいきましょう。

写真で見よう

作例集を見て下さい。
青色が変わっていきます。

 作例集


見ていただけましたか?青色と言っても様々な青色があります。
●最初の写真のディープブルー系の青
●後半の写真のライトブルー系の青

最後のウミウシの写真の真っ白な青

結論を先に言います。F値やSSを変えてもこの青の質は変える事は出来ません。
F値は、窓の大きさで、SSはカーテンを開ける時間です。
F値やSSでコントロール出来るのは、青い自然光の量だけなのです。『青明るい』から『青無し暗い』だけが変えられるのです。
入ってくる青い自然光の質は変化させる事は出来ません。

カメラは青い自然光の質は変えられない。

僕らは、色々な青が、何時、何処に、どの様に、現れるかを考え、青を探しに行くのです。青をロケハンするのです。
でも当たり前ですよね?真っ赤な夕焼けは、日暮れに撮るのです。真っ青な青い空は晴れた昼間に撮るのです。昼間に夕焼けを撮ろうと探してもどこにもありません。同じ事なのです。

青の質はロケハンで探す。

青の基本理論

皆さん知っているとは思いますが、確認です。

海が青いのは、七色の自然光が海の水の中を通るうちに波長の長い赤色から順番に無くなるからです。(減衰)七色の自然光が青い自然光に変わっていくのです。

●水中を短い距離しか通らないと、少し青くなります。
●水中を長い距離通ると、より青くなります

コップの中の海水は、水中を通る距離が数センチのため、陸上と変わらず七色の自然光なのです。深い海では、より青い自然光へと変わるのです。



上の写真を見てみましょう。青の色が場所によって違いますね。
上を向けば、水深分の距離(水深30mならば30m分)を進んだ光が見えます。横を見れば、どこかで反射・散乱した光を見ているのです、その光は水深よりも何倍も長い距離を通ってきています。上より横の方がより青い自然光へと変わります。下の写真を見て下さい。水面方向と横方向の色の差がよく出ています。水面方向はライトブルー系の青であり、横方向はディープブルー系の青です。(レイリー散乱を海の青の説明に用いているHPを見ますが、間違いだと思います。減衰です。)

  ほぼ白の青系 ライトブルー系  ディープブルー系 
海の中を光が通る距離  とても短い  短い 長い
 水深  とても浅い 浅い 深い
 方向 水面方向に多い  水面方向に多い 横方向に多い 

さらに詳しく青

次に下の写真を見て下さい。

上記の通り、水面はライトブルー系で、真ん中はディープブルー系です。

その下に綺麗なライトブルー系の場所があります。白い砂地がライトブルーになっていますね。

●背景が後景の場合、海の中を進んで青くなった青い自然光だけが写ります。これは青抜きの時の青です。この時の青の質は、光が進んだ距離で決まります。
●背景が中景・前景の場合、海にある青い自然光+前景・中景の色と物体の色がミックスされたものとなります。この写真の下の部分は、『砂の白+青い自然光』で出来たライトブルーです。
●背景が中景・前景の場合、白砂以外でも劇的な変化をして、美しい色が出るものがあります。

2つのライトブルーを見分けましょう。
●浅い海のライトブルー系の青は、実はシアンです。浅い海では赤色があまり減ってませんよね?緑色がかなり残っています。青緑色になっているのです。『明るいシアン』『明るい青緑』これはライトブルーに見えるのです。(そう色彩の本に書いてあるもの。)ワイド写真では水面の青をよく使いますが、マクロ写真では、浅い海のシアンのライトブルーは綺麗な青になりません、青の質が悪いのです。このHPでも扱いません。
●白い砂地のライトブルーは、『砂の白+ディープブルー』のライトブルーです。マクロ写真でも美しい印象的な青になります。

詳細は第三章で。

●背景が後景のディープブルー(第三章・青抜き・ディープ ブルー)
●背景が白砂のライトブルー(第三章・白砂・青被せ)
●背景が前景・中景+青い自然光(第三章・青被せ・色変化)

この章では、青の質の基本を理解して下さい。

まとめ

カメラは青い自然光の質は変えられない。量だけ
 青い自然光の質は、海の中で僕らがロケハンして探す。
光が海の中を通る距離により青の質が変わる 
 距離がとても短いと七色に近い、白っぽい青
 距離が短いとライトブルー
 距離が長いとディープブルー
 白砂+青い自然光もライトブルー
 前景・中景+青い自然光も場所によって美しい色が出る

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