第一章・第二章、総まとめ

第一章・第二章・基本の総まとめです。

お客さんとお話しさせていただいていて・・・残念な事に、このHPがお役に立てていない人が居る事に気づきました。

●読んで・・・
●へぇぇぇ〜〜〜と思って・・・
●でも、撮影の際、具体的に、どうしたらいいのか???わからなくて・・・
●そのまま・・・特に何も変わらず・・・今まで通り・・・。

読んで、『へぇぇぇ〜〜〜』だけでは、役に立ちません〜〜〜((+_+))

●理解して・・・
●その内容を、撮影の時、修整の時、使わなければ何の意味がありません。
●読む前と読む後で、あなたの行動が変わらなければ、何の役にも立っていません。
●読めば終わりではなく、読んでからが始まりです。撮影の際に、何をするかが大事です。


の・・・総まとめ〜〜〜です。
お役に立てるように具体的に書いてみますね。
僕の文章能力ではこれが限界・・・わからなかったら来店時聞いて下さい〜〜〜

第一章・青い自然光

『青い自然光量を見る事』は、非常に重要です。

では、あなたは、実際に海の中で何をしていますか???
貴方が青い自然光量を見るために水中でしている事を具体的に言えますか?

僕が個人的にしている事の紹介です。

青い自然光の『量』を読むのですから、10点満点で点数を付けます。最大が10点、無しが0点。

エントリー前、
陸上の天気で採点。
快晴でも冬。陸の8点かな?
雨、夕方、3点くらいじゃない?
エントリ直後 透明度悪いなぁ、陸は8点だけど水中は5点かなぁ・・・
透明度良い日だ、陸は8点だけど水中は10点かなぁ・・・
水中で・・・
深いなぁ・・・
3点まで減るかな?
水中で・・・
白い砂地。
反射光多いので5点まで増えるなぁ〜
水中で・・・
真夏、正午、快晴、
水深4m、真っ白な砂地
真夏、正午、快晴、水深4m、真っ白な砂地
10点。多すぎて困るなぁ
潜りながら、環境変化で、常に採点しなおします。上がその場所の基本点数です。
水中で7点だけど・・・ ベニハゼが、、、暗がり、、、2点
水中で7点だけど・・・
イソバナにガラスハゼ
枝先で青抜き、アングル水面向き。順光8点。逆光で9点。
水中で7点だけど・・・
イソバナにガラスハゼ
根本、下向きのアングル、4点
水中で7点だけど・・・
イソバナにガラスハゼ
根本、下向きのアングル、岩陰、2点

同じ場所でも、ロケハン次第で、アングルで、点数は変わります。
ファインダーの中でも採点を続けます。


●ファインダーの中で、常に意識しながら撮影するのです。
潜っている間、常に変わる青い自然光量を、常に採点し続けるのです。
●カメラ構えていない時も常に採点します。右を見ればその場所を採点します。穴を覗けばその場所を採点します。水面を見ればその場所を採点します。
●もちろん自分の採点は、正しくないかもしれません。試撮りで、写真を見て修正します。『4点だと思ったけど砂地は意外に点数高いなぁ』『晴れてるけど、影に入ると思ったより低いなぁ』
●アングルを変えれば点数は変わります、ファインダーをのぞきながら常に採点を続けます。イソバナの上の方と下の方では点数が変わります。
●続ければ、自分の採点と実際の写真の誤差が少なくなっていきます。経験でしか得られません。
●慣れると、脳内に無意識に自動で常に点数が表示されます。車を運転している時の速度計と同じです。そこまで頑張るのです。
そして、その点数を基にして、絵コンテを選ぶのです。F値・SS・ISOの設定を変えるのです。その日有利な戦いをするのです。
青抜き(青多い写真)が良いのか?黒抜き(青無し写真)がいいのか?


沖縄のような青い自然光量の多い海、明るい海で潜っている人は、1ダイブ中に0点から10点まで激変します。意識して練習すればすぐに写真が変わります。
しかし・・・
温帯のような青い自然光量が少ない海、暗い海で潜っている人は、その場所の基本点数が常に低いです。岩陰、アングル変化でも点数があまり変わりません。いつも点数低いから写真に変化も少ない、採点しても効果がないなぁ〜と思うはずです。で・・・さぼると・・・光り輝く時間を逃すのです。
冬、透明度が良い時、快晴の時・・・『めっちゃ良い天気〜〜〜』の日。
この時は普段よりも点数が劇的に高い、光り輝く日なのです。採点していれば滅多にない点数が出る日です。
青無し写真を撮ってどうするんですか!!!青多い写真を撮るのです。背景を後景で作るのです。上向いて撮るのです。絵コンテを変えるのです。色の出方は無視です。青の質を調べるのです。
根気強く続けて下さいね。

第二章・ボケ

水中で試撮りの後、修整の時、次の改善点としてボケ具合について考えます。
その時・・・まさか・・・『もっとボカそう・・・ボケを減らそう・・・』とか・・・2択で漠然と考えてませんよね・・・(T_T)

皆さんには常に9つの選択肢があります。わかりますか???

ボケ=被写界深度+距離の差
これを理解していれば・・・あなたは、水中で試撮りの後、修整の時、毎回以下の9つの選択肢から選んでいるはずです。
毎回9つの選択肢について考えていますか???マクロ撮影の基本中の基本ですよ。瞬時にこの選択が出来なければ、ボケをコントロールしているとは言えませんよ。

被写界深度
深く 維持 浅く
距離の差 小さく ボケ最小
被写体のボケ・小
背景のボケ・小
被写体のボケ・維持
背景のボケ・小
被写体のボケ・大
背景のボケ・小
維持 被写体のボケ・小
背景のボケ・維持
現在維持
被写体のボケ・維持
背景のボケ・維持
被写体のボケ・大
背景のボケ・維持
大きく 被写体のボケ・小
背景のボケ・大
被写体のボケ・維持
背景のボケ・大
ボケ最大
被写体のボケ・大
背景のボケ・大

さらに・・・
被写界深度=F値+撮影距離
ですから・・・
9つの選択肢の中で被写界深度を変更する6つの選択肢を選んだ場合、そのそれぞれに
●F値を絞る・維持・開ける
●撮影距離を大きく・維持・小さく
の選択肢があります。

撮影距離
遠く・大きく 維持 近く・小さく
F値 絞る 被写界深度・最も深く 被写界深度・深く 被写界深度・取引による
維持 被写界深度・深く 被写界深度・維持 被写界深度・浅く
開く 被写界深度・取引による 被写界深度・浅く 被写界深度・最も浅く


水中で実際考えることを、具体的に書いてみましょう。

次の改善点 具体的な対処
魚の表情をもっと詳細に残したいが背景のボケは維持したい。
被写体のサイズは維持。
被写体の撮影サイズは変えないため撮影距離は変えられない。代わりにF値を絞り被写界深度を深くし、魚の表情を残す。取引として背景のボケが減るので、アングルを変えて距離の差を大きくする。
被写体が大きく映りすぎ、背景も狭いのが不満
ボケは現状維持が良い
撮影距離を大きくする。取引で被写界深度が深くなるためF値を開き被写界深度を維持する。
生活環境も撮りたい 背景もボカさず写す。撮影距離は写し込む環境の大きさで決まる。従ってF値を絞って被写界深度を深くする。上から撮るなどロケハンで距離の差を小さくしてボケ量をさらに減らす。
ハゼの真っ正面の顔 顔が絵コンテなので顔のディテールは残す。F値をある程度絞る。被写界深度は浅くはないので、距離の差で背景をボカして情報整理する。
ハゼの真っ正面の目 目が絵コンテなので水晶体を撮る。顔は背景になる、もう被写体ではない。F値を開け、被写界深度を浅くして目以外はボカして情報量を減らす。背景は浅い被写界深度でボケていると思われるが、さらに背景の情報整理のためロケハンで距離の差も作る。
面撮り 撮影距離は被写体のサイズで決まる。F値を絞って被写界深度を深くする。ある程度小絞りボケが出ても深い被写界深度を保つべき。さらに、距離の差を小さくしてボケ量を減らす。背景の均一さのためには、背景のすべての場所でできうる限り距離の差の変化が小さいことが望ましい。
スズメダイをボケとディテール両立したい スズメダイの撮影では距離の差が魚の動きで変わる。地面から離れた時は距離の差が大きくボケやすいので被写界深度は深くてもよい。地面から近い場合は、距離の差が小さくボカせないから被写界深度を浅くする。
つまり撮りながら、距離の差に応じて、右手の小指で(ニコンの場合)F値を変えながら撮影する。
スズメダイをボケとディテール両立したい(その2) スズメダイの撮影では距離の差が魚の動きで変わる。地面から離れた時は距離の差が大きくボケやすいので撮影距離を大きくしても良い。背景が大きい絵コンテを優先的に撮る。地面から近い場合は、距離の差が小さくボカせないから、撮影距離を小さくしてぼかす。絵コンテを背景小さめにする。被写体のアップを優先的に撮る。
つまり撮りながら、距離の差に応じて、絵コンテを変えながら撮影する。
イトヒキベラのヒレが目立つように撮りたい。 横から被写界深度を深くが基本だが、背景が雑然とすると、ヒレの美しさが目立たず埋没してしまう。深い被写界深度は必要だが、無意味に絞ってはいけない。(小絞りボケも出る)
撮影距離を大きくして被写界深度を深くする事は、フラッシュ発光量の限界からも無意味。
距離の差で背景をボカし、透明なヒレを明瞭にする。(背景の色も大事。黒抜き青抜きの併用)
共生ハゼに近寄ったら、ボケちゃった、どうしよう? 撮影距離が小さくなったため被写界深度が浅くなっている。不満な場合は、F値を絞り被写界深度を元に戻す以外の手段はない。
とりあえず最大限ボカしたい 距離の差をアングルで作る。
被写界深度を浅くする。そのため、F値を開き、撮影距離を小さくする
ゆるふわは好きだけど、ただ背景がきれいな写真から脱却したい・・・どうするの? 被写体がボケて何撮ってるのかわからない状態からの脱却。すなわちF値開放ばかりで撮る事からの脱却を目指す。被写界深度を深く保ちながら最大限のボケを求める・・・つまり距離の差を最大限に利用する。距離の差を大きく出来る角度・方向をロケハンで探す。(フラッシュワークで、被写体のコントラストは残しつつ背景のコントラストを小さくすることも大事)


脳内シュミレーションしてみましょう。
●第一段階、改善点を考えます。

ボカす ボカす
写真のボケを
改善する時
前景(被写体)を 維持 そして 背景を 維持
ボカさない ボカさない


●第二段階・・・9つの選択肢から具体的な対処を選ぶ。

大きく 浅く
距離の差を 維持 そして 被写界深度を 維持
小さく 深く


●第三段階・・・被写界深度を変える時は、さらに具体的な対処を選ぶ

近く・小さく 開く
被写界深度を
変える時
撮影距離を 維持 そして F値を 維持
大きく・遠く 絞る


この3つの段階を順番に考えていただければ、すべての選択肢からもれなく選べます。貴方の撮りたい写真・絵コンテが、実現できます。
この三段階を考えて撮れないものは、撮影不可能なのです。

●ファインダーの中で、常に意識しながら撮影するのです。

第二章・青の質

青の質は書いてある通りです。覚えて下さい。
で???何してます???どうやって青の質を見ていますか???

●僕は、撮影の時、エントリー直後、海を必ず1枚すぐに撮ります。被写体無しでピントも適当、ただシャッターを押します。そしてその日の海の青の質を見るのです。深さ・逆光・砂地など条件が変わるとまた撮ります。1ダイブ中に4〜5枚は青の質の確認ためだけに海を撮ります。それで絵コンテを変えるのです。青抜きで美しい青を使うか、汚い青だから使わないかを決めるのです。
●ファインダーの中で、常に意識しながら撮影するのです。

第一章・フラッシュ、第二章・SH平面・三軸

●フラッシュ位置は常に最適にします。
●ファインダーの中に常にSH平面があります。
●撮影距離によって、二軸と三軸を自動的に使い分けます。

●ファインダーの中で、常に意識しながら撮影するのです。

その他

その他の項目もすべて同じです。ただ読んでも駄目です。
読んで理解した内容を、愚直に、常に、手が覚えるまで、体が覚えるまで、水中で実際に繰り返すのです。
●ファインダーの中で、常に意識しながら撮影するのです。

脳内ファインダーの中に見えるもの

脳内ファインダーの中には、常にこのような状態です。車のダッシュボードと同じです。
魚やカメラの位置・アングルの変化に伴い数値は変化します。それを常に、常に意識しながら撮影するのです。


もし、一つでもあなたの脳内ファインダーに表示されていないものがあるなら、すべて表示されるまで、頑張るのです。
簡単な方法などありません。正しい理論理解と反復練習あるのみです。

まず最初は・・・

さぁ始めましょう〜〜〜まず最初は・・・
●水中で、常に、青い自然光量を採点してみましょう。それを意識して撮影しましょう。
●ボケについて考える時、常に9つの選択肢を考えましょう。第一段階〜第3段階まで順番に考えて下さい

この2つを練習しましょう。自動で脳内ファインダーに表示されるまで頑張って〜〜〜


陸上でも素振りできます。
●あなたの家の中、食卓の上は、10点です。水中なら青い自然光が多く青被りしやすいです。でもコップの影なら?机の下ならベニハゼと同じ条件。ベッドの下は洞窟の中、洗濯物の隙間はクダヤギクモエビと同じ、、、通勤電車の中・公園・・・コンビニは晴れた沖縄の砂地、barは温帯の深場、、、SS優先オートで写真を撮って、SSの数値を比べて見て・・・それが現場にある光の量。僕は数年続けたら、脳内に自動で表示されるようになりましたよ〜〜〜
●過去の写真を見て〜〜〜もっとボケ量を増やすならば?減らすならば?距離の差?被写界深度?F値?撮影距離?他人のインスタの写真は、全部ボケ量調整するのです。
駅のポスター・映画・TVCM、、、NHKのドラマは被写界深度深いなぁ・・・映画が3Dになってボケ量が増えましたね。ガッキーのポスターは距離の差でボカし過ぎ(^O^) 黒木メイサのポスターは被写界深度深いなぁ、背景もボカさないのが多めだなぁ・・・。水着グラビアは顔と胸に距離の差を作らないねぇ〜
電線の雀、空色抜きで距離の差最大だから、被写界深度は深くてもいいなぁ〜撮影距離が遠いから、F値は過剰に絞らなくていいか・・・。
公園のベンチの雀、距離の差小さめ、撮影距離もあまり近づくと飛ぶ・・・F値開放でゆるふわだなぁ・・・。

陸上でも脳内ファインダーに表示されるものはほとんど変わりません。陸で練習しましょう!!!

みんなで頑張ろ〜〜〜

読むという事

これが出来て初めて第一章・第二章を読んだと言えるのです。
貴方は読めていましたか?
理解し実行出来て、初めて『私は読んだ』と言えるのです。
言葉は誰が読んでも同じです、しかし、その言葉から得られる知識は、読み手の理解度によって変わります。年に一度必ず読み直して下さい。書いた僕が毎年読み直しています。

さて、もう一度最初から、第一章と第二章を読み直してみませんか?

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