一眼マクロ水中写真講座・第二章・SH平面

ＳＨ平面

僕の造語です。シャンプーハットって死語？

目線を含む平面をシャンプーハット平面（ＳＨ平面）と定義します・・・ってわからないですよね。動画見て～

陸上では・・・

陸上では重力があります。人間も犬もカメもキリンもワニもＳＨ平面は地面と平行にあります。高さが違うだけです。子供の写真撮る時しゃがみますよね？あれは無意識に赤ちゃんの高さに降りているのです。あまり意識しなくても問題が起きません。

水中では・・・

みんな色々な方向を向いています。すぐ変化します。ＳＨ平面は流動的でぐちゃぐちゃです。基準となる地面さえ、マクロ写真の小さな世界では岩の形によって色々な角度を向いているのです。水平線というものがないのです。ちょっとしたカオスです。この絵ではみんな横向きに並んでいますが・・・ほんとは、水中では横向きもぐちゃぐちゃ

基準がＳＨ平面

これでは僕らは、混乱してしまいます。ですから、被写体ごとに意識して基準面を作って見ましょう。その基準面がＳＨ平面なのです。何時でも被写体がシャンプーハットをかぶってる姿をイメージし続けるのです。そして自分が、カメラが、そのＳＨ平面に対してどの位置に居るのかを意識し続けるのです。

ロケハンで・・・

ロケハンの時、被写体のＳＨ平面を必ず見るのです。そして、まずそのＳＨ平面上にカメラを置くのです。そしてそのカメラの後に顔をねじ込むのです。どんな姿勢になろうと関係ありません。そこが基準です。

ＳＨ平面は基準

常にＳＨ平面から撮るのではありません。基準面です。自分の絵コンテに従って、ＳＨ平面より少し上、平面上などと考えるのです。
平面の上ですから３６０度あります。真正面がいいのか？前斜め４５度？真横？も併せて考えます。そして、その絵コンテに従いカメラを動かすのです。

撮影中・・・

ベニハゼや共生ハゼのようにＳＨ平面が撮影の間あまり変わらない場合はその基準面でいいのですが、スズメダイ・ハナダイのように目まぐるしくＳＨ平面が変化する場合はその変化に合わせてカメラを動かすのです。ウミウシでさえ進んでいくとＳＨ平面はゆっくり変化します。その変化をイメージしてカメラを動かすのです。

例えば・・・

スズメダイの子供。大きく移動はしませんが目の前で常時動き続けます。

絵コンテは複数同時進行です。真横から尾びれまで取る時は、ＳＨ平面上から真横を狙います。斜め前から顔の印象を撮る時は、ＳＨ平面より斜め上～４５度から斜め前を狙います。

真横はＳＨ平面上が定番です、図鑑写真的に撮るのです。しかし斜め前の時は、スズメダイ類は少し上から撮る方がかっこいいです。口の下側が写らず額が写る感じです。口元が小さくシャープに映りますし額に模様があるスズメダイも多いです。

その２つの絵コンテを同時進行する場合、スズメダイが僕らに横になった時はＳＨ平面上にカメラを動かし、そこからこちらを向くにつれてカメラをＳＨ平面の上側に動かします。そうやって、常にＳＨ平面基準でカメラを動かすのです。

尾びれがポイント。ですから真横から狙いますのでＳＨ平面上がベスト。ほんの少しだけＳＨ平面より上のアングルになっています。下になると使えないので、ＳＨ平面上が理想でしたがまぁ許容範囲。

真正面ちょうど、ＳＨ平面上ちょうど。でも、可愛くない、泣き顔。口の口角が下がっているためです。

真正面・ＳＨ平面より少し上。背中が写っているでしょ？だから少し上。下がった口角がこの角度の方が目立ちませんので、この角度が可愛いでしょ？

斜め前４５度・ＳＨ平面よりかなり上。ナガサキの子は額のラインと鋭い目つきがチャームポイント。正面だと口下がしもぶくれで、下がった口角が写る。絶対男前なのはこの角度でしょ？

斜め前かなり正面より・ＳＨ平面より相当上　　ツンデレ・いじわる・S・冷たい

斜め前かなり正面より・ＳＨ平面より少し上　　クール・おすまし・男前

真横・ＳＨ平面上　　いやぁぁぁぁん、ｋａｗａｉｉｉｉｉｉ～～～～～～

真正面・ＳＨ平面より３０～４５度上　　えっ、いや別にガンなんて飛ばしてないです。たまたまです。言っときますけどそんな顔したって、あなた５mmですからね！