選習講座


比類の無い選習講座特集 ―テクニックを学び楽しむ―


 01 木葉天目
 木葉天目茶碗(このはてんもくちゃわん)
中国宋代(960〜1126)に江西省吉州窯で焼かれた天目茶碗を玳皮盞(たいひさん)<黒褐色の鉄釉の上に黄色い斑文を浮かべる釉調が玳瑁(たいまい)の皮、つまりべっこうに似ているところからこの名がある>と称するが、木葉天目もその玳皮盞の一種です。
製法については、諸説ありますが、黒天目釉<黒褐色鉄釉>の上に木の葉の葉脈を焼きつけ、文様として浮き出させたものをいいます。
形容は、口にくびれのない、朝顔形の天目形で、高台は小ぶりできりりと引き締まり、茶溜りは小さなくぼみです。

木葉天目茶碗は世に数点伝世しているだけで、大変稀少なものです。中でも姿が美しく、木葉文の景色、配置の絶妙なものは加賀前田家伝来のものを含め4〜5碗しかありません。まら、現代の作家の中にもチャレンジしている人もおりますが、完成度の高いものはあまり見かけることはありません。それには用いる葉の種類などにも秘訣があるといわれますが、焼成時の縮みや天目釉との相性にもあります。
そこで、この講座では、それほどの失敗もなく、位置を定めることも容易で、焼き上がりの満足度も十分といえる技法をご指導致します。岡本立世先生が研究し行き着いたもので、葉脈は成分のみ写し付け、葉から滲み出る幽玄美あふれる色合いは、エキスを吹き付けることで発色させます。この技法は当校のみがお教えできるもので、他では学ぶことは不可能です。尚、木葉天目茶碗は独特の形を持つものであり、高台まわりのサイズは特に詳細に記しご指導致します。目にすることすら珍しい、この木葉天目茶碗をご自分の手で、ご自分の窯で焼き、所持することの喜びを実感して頂ければと思います。
単品受講が可能な選習講座です。是非、ご検討下さい。

セット内容


 02 備前焼
 牡丹餠文半月平鉢(ぼたもちもんはんげつひらばち)
桃山時代の器を彷彿とさせるもので、やや楕円形平鉢の一方を折り返し半月としたもの。鉢の見込みに二つの牡丹餠文を作り、牡丹餠の周辺から口辺にかけほぼ全面に胡麻をかけ景色をつけます。牡丹餠の窯変が絶妙の景色となるものです。

 緋襷耳付花入(ひだすきみみつきはないれ)
備前焼では茶陶、花入や水指、また壷などに達人的技量を要する簡素なヘラ目文様が施され、また耳や擂座(るいざ)も付けられたものが多く見られます。
さらに花入れや水指には台座をはかせたようなしっかりとした腰にヘラ目を加え、景色をつけることが特徴です。

緋襷はたくさんの器を重ねて焼く場合や壷などを詰める際に器が熔着するのを防ぐため、間に稲ワラを詰めたものが肌土の鉄分と化合して襷状の赤斑色になったもので、それをヒントに文様となりました。備前の良質土「ひよせ」はアルカリ質であることからワラだけを素地に巻きつけることで緋襷となります。
 
当講座は、備前焼で最も人気の高い牡丹餅文と緋襷文を学ぶものです。備前焼は土が命とまで言われますが、使用する粘土は人間国宝の窯元から入手したもので、最高の焼き上りが得られます。
牡丹餅の模様は薪窯の中で灰が降り被ることで発生する胡麻と、抜けて素地肌が現れる対比からなるものですが、当講座は電気窯やガス窯でも焼くことができるよう、降り被せるためにいくつかの木の灰を調合した特製木灰や釉薬もセットし、そのテクニックを事細かにお教え致します。少しの成形技術をお持ちの方であればどなたでもお分かり頂けるよう写真も豊富に用い、岡本立世先生の手を取るような詳しい解説で進めてまいります。
単独でご受講頂けるものとなっておりますので、是非ご検討下さい。

セット内容


 03 火色焼締
 火色舟形長方皿(ひいろふながたちょうほうざら)
板作りの技法で成形。浅い縁を持つ舟形で、比類のない特製火色釉と黄伊羅保釉や2号青銅釉を絶妙なバランスで吹き掛けた、上品でシックで高級感のある作品。成形上のポイントは底板と側面の貼りズレや、ヘラ目。釉掛けでは火色釉の上に黄伊羅保釉を吹き掛けて作るグラデーションによる景色です。
当講座で使用する釉薬は3種類重ねることで絶妙な景色となる発色が得られるものです。これらの釉薬は、同じ名前で市販されていても成分が異なるため同様の焼き上がりは期待できません。特に火色釉は、一般的には塩分による赤色発色を作るものが多く、これは当然のことながら熱線の寿命を短くしてしまいます。当校の特製火色釉は、塩分を用いず、研究に研究を重ね調合したもので、当講座にセットする以外、一般販売はしておりません。黄伊羅保釉はどこの業者も調合する一般的なものですが、この作品で表現しているような微妙な焦げ味を出せるものはそうはありません。2号青銅釉についても同じようなことが言えます。さらに、吹き掛けのテクニックはよほど手慣れた人でも安定させることが難しい微妙なものですが、岡本立世先生の指導は、吹く量、マスクする位置、吹き順、全て詳細で、初めて吹き掛けの装飾技法を行なう人であってもかなりレベルの高い仕上がりが得られます。
1講座ごとの受講が可能で手軽で安価な上、これらの釉薬も全て手に入れることができ、他の形や用途の作品にも施すことができます。是非、ご検討下さい。

セット内容



 04 耐火土鍋
 タジン鍋
モロッコやチュニジアの煮込み料理「タジン」を作る土鍋。日本ではヘルシーな蒸し料理用として人気が高い。それは形状にあり、蓋が円錐形で高く、素材の水分が蒸気となり、てっぺんで水滴に変わりながら、内壁を伝わり下りることで蓋と鍋の密閉状態を作り、旨みを逃さない構造であること。そのためには、成形ポイントとして鍋と蓋をいかに密着したものとするかにあり、口作りに重点をおいた指導を行います。
 
タジン鍋は一般の土鍋とは異なり、蓋と本体の蓋合わせが密着していて蒸気を逃さないことが重要なポイントです。しかしながら蓋のせ台を水平で正円に作り上げることは難しく、隙間を作ってしまいがちです。そこで当講座では中級レベルの技術があれば、どなたでもきれいな水平ラインを作ることができ、また、蓋も水平に密着することができるような作り方を詳細にご指導致します。
また、釉掛けには「焦げ肌釉」という当校オリジナルの黒釉を用います。
これは鈍い輝きで表面に結晶による色ムラが現れるもので、タジン鍋のイメージ最適で高級感の漂うものとなります。
釉掛けは本体も蓋も大きくて重たいため、手で持った流し掛けではムラなく掛けることは困難です。そこで、岡本立世先生が提案する手ロクロ上での流し掛けの極意を分かり易く解説致します。
直接火にかけて使用する土鍋は良質の耐火粘土を必要としますが、吟味した耐火粘土をセットしてお届け致します。単品でのご受講ができる「選習講座」です。お気軽にご受講ください。

セット内容



 05 薩摩焼
 白薩摩鱗文八角平鉢(しろさつまうろこもんはっかくひらばち)
最高品質の薩摩焼は白さと微細な貫入によって作られますが、さらに金彩や上絵が加わることで一段と絢爛豪華なものとなります。この八角平鉢は薩摩焼の特徴をよく捉えたもので、口縁に幅を持たせ、そこに金箔の鱗文を施したものです。さらに上絵での装飾も加え、一段と華やかに仕上げました。


 
 白薩摩木の葉皿(しろさつまこのはざら)
柏の葉を外形に板作りで揃いものを簡単に作る技法です。「蝉の羽のよう」と例えられるほど微細で幽玄な貫入は板作りや型作りのような表面が平らな作品で最もきれいに表現されます。またこのような高級感ある作品の揃いものは魅力的なものです。
当講座で使用する薩摩粘土は、焼き上がりが澄み切ったように白く上品で、貫入を作り出す収縮率も釉薬と最も適合したものとなっております。また、薩摩貫入釉はこれほど微細な貫入が現れるものかと驚くほど綿密に調合されたものです。これに、窯R−101の焼成温度、冷却が合わさることで実現します。
金箔は陶芸用として特別製作したもので、台紙に貼りつけているためハサミやカッターナイフで自由な形に切ることができ、水に浸すだけで簡単に台紙から外れ、作品に貼り付け思い思いの文様を組み入れることで、より華やかな作品へとつながります。
指導は岡本立世先生による大変分かり易い解説で、八角形の作り方や葉皿成形のポイント、均一な釉掛けが求められる薩摩貫入釉の的確な掛け方等、細部に渡り詳しいものとなっております。基本的なヒモ作りや板作りの技術を習得した方であればどなたでも取り組める内容です。是非この機会に羨望の薩摩焼にチャレンジしてみて下さい。

セット内容


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