聖岳 赤石岳 ( 縦走中の最高峰は 赤石岳:3,120.1m ) 2013.8.14-16 登山



【PHOTO & 記録 聖岳 赤石岳 1】

小生の勤める会社では 8月10日から 18日までを夏休みとしている。
当然この期間に山に行かない手はない訳で、14日から 16日までの 3日間にて山に行くことにした。
行き先であるが、当初は一昨年チャレンジしたけれど、結局 椹島−赤石岳 のピストン登山に終わってしまった、 南アルプスの赤石岳荒川東岳 (悪沢岳) に再チャレンジすることを目論んでいたのだったが、 当該地域の地図をジックリ眺めているうちにスッカリ気が変わってしまったのだった。
赤石岳荒川東岳 (悪沢岳)を登るのは大変魅力的ではあるものの、既に 17年前に登っているコースであり、それよりも初めてのコースを歩きたい、 初めての山に登りたいという気持ちが強くなり、当初狙っていたコースの隣となる 聖岳赤石岳間を歩くことにしたのである。
この聖岳赤石岳間には、兎岳、中盛丸山、大沢岳という未踏の山々、そして百間平というなかなか魅力的な場所があっていつも気になっていたからである。

ということで、今回は聖沢から登ってお馴染みの聖平小屋に泊まり、 翌日聖岳、兎岳、中盛丸山、大沢岳を越えて百間洞山の家に宿泊。最終日は百間平から赤石岳を越えて椹島に下り、 そのまま帰宅するというコースに変更したのだった。 このコースで、かつて歩いたことがあるのは聖平小屋−聖岳岳間、赤石岳−椹島間のみ。未知の山、コースが多く楽しみである。
しかしである、こうなったらもう 1日追加して荒川東岳も登ってしまいたいとの欲が出てくるのは当然のこと。が、日程が許さず、さらには、 近頃 荒川東岳を含む荒川三山には三伏峠側から登ってみたいという考えが強くなってきていることから、 今回は荒川東岳を断念することにしたのだった。

14日は夜中の 1時過ぎに起床。前日の 22時に就寝したものの、 それまで世界陸上を深夜まで見る日々が続いていたことから寝つくことができず、実際眠ったのは 1時間くらいであった。暑い中、寝不足でバテないかと心配になったものの、 幸いこの日は聖平小屋までであり、炎天下に急斜面を登り続けるということはないはずなので 何とかなるだろう と自分に言い聞かせる。

1時40分に横浜の自宅を出発。横浜ICから東名高速道を下る。 さすがにこの時間では渋滞はなかったものの、結構車の量は多い。
御殿場JCTからは新東名高速道の方に進み、新静岡ICで下りる。ICの下が桜峠入口の丁字路となっており、 何回も通っている梅ヶ島温泉への道 (安倍街道:県道27号線) に合流する。
今までは清水ICから静清バイパス、そして安倍街道を通ってこの桜峠入口まで進んでいたのだったが、新東名のお陰で大分時間が短縮されたことになる。
やがて玉機橋のところで左折して安倍川を渡る。その後暫く進んだ後、橋を渡った所 (上助) で道が分かれるので、 右折して口坂本温泉を目指す (県道27号線のまま)
本来ならまっすぐ進んで県道189号線に入ればよいのだが、現在県道189号線は工事中で夜間は通行止め。さらに県道60号線に至っては、 途中に終日全面通行止め区間が存在している状況である。
従って、井川に至るには、この口坂本温泉、大日峠経由で県道60号線に入るか、前黒法師岳朝日岳でお馴染みとなった千頭の方から大井川鉄道井川線沿いの道を進むかの どちらかになる。
小無限山に登った際に通った千頭から井川までの道も狭かったが、 この口坂本温泉経由の道も狭い。夜中に山の中を進むので、擦れ違う車もほとんど無く (1台あった)、 また対向車が来てもそのライトで気づくことができるが、昼間この道を通るのはちょっと怖い。すれ違いができない箇所が沢山あるのである。
また、途中、カモシカ 2頭と遭遇。1頭は道脇の草むらにいたから良かったものの、もう 1頭はガードレールの間からお尻を出した状態だったので、 それが何かを認識するまで時間を要してしまい、もう少しで接触するところであった。

とは言え、真夜中だからこそ順調に進むことができ、井川ダム、井川の町並みを越えて、 畑薙ダムの臨時駐車場に着いたのは 5時20分であった。広い駐車場はほぼ満車状態。奥の方にスペースを見つけて車を駐める。
まだバスの発車時間まで余裕があるので仮眠をとも思ったが、結構バス停に人が並び始めているのを見て、5時50分に小生もバス停に並ぶことにする。
臨時バスが出るに違いない (正規のバスは 8時) と思っていたら、案の定 6時45分頃にバス 1台が出発。小生も 2台目のバスに乗り込むことができ、 7時前に駐車場を出発できたのであった。
小生は終点の椹島まで行かずに手前の聖沢で下りるので、同じく聖沢で下りる 3人と一緒に最後にバスに乗り込む。当然補助席となるが、 悪路のためバスの板バネもへたっているのだろう、乗り心地がすこぶる悪く、さらには補助席だと背中が痛い。
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聖沢登山口には 7時44分に到着。
登山口横には簡易テントがあり、その周辺には井川観光協会送迎バスで先着された方々が何人かおられた。
また、山への取り付き口には 『 熊 出没注意 』 の注意書きの他、『 マムシ注意 』 の標示板もあり、 うかつに草むらに入り込むことのないよう 肝に銘ずる。

身支度を調え、7時51分に出発する。
道はいきなり山道となりシラビソの樹林帯を登っていく。自然林なのでなかなか良い雰囲気と思っていたら、 周囲はいつのまにかヒノキの植林帯へと変わり少々興ざめる。

30分程登っていくと、やがて写真のような場所に登り着く。
周辺に板きれなどが散乱していたので、ここが地図に記されている出会所小屋跡なのかもしれない。時刻は 8時20分。
傍らに立っていた標柱には 『 聖平小屋まで 290分 』 とある。約5時間ということになるが、寝不足にしては身体は順調。 何とか 13時頃までには小屋に到着したいところである。

この場所から、道は山腹を巻くようにして進むようになる。傾斜は緩やかであり、 さらには良く踏まれているので、足が進む。

ほぼ平坦な道が続く。
鉄製の桟橋を渡り、木漏れ日の中を進む。山腹を横切って進んでおり、さらには樹林に囲まれているので、展望はほとんど得られない。
やがて、周囲はヒノキの植林帯となるが、それも長くは続かず、またブナなどの自然林へと変わる。

桟橋や手すりなどもしっかり整備されており、とても歩き易い道である。
寝不足で体力が心配であったが、このような道なら全く問題ない。

いくつもの桟橋を越えていくと、やがて先の方に鉄製の階段が現れ、 その上部に緑色の鉄枠ゲートが見えてきた。
何かと思いつつ階段を登っていくと、鉄製のゲートの先は吊り橋であった。聖沢吊橋である。時刻は 8時53分。

不安定に揺れる吊橋を渡りきると、そこからは急登が待っていた。
今まで楽をしてきた分、ここからの急坂はかなり身体に応える。

白い岩がゴロゴロしている斜面をジグザグに登っていく。
先にも述べたように、今まで楽をしてきたので、この斜面の登りは結構 身体に応える。
黙々と登り続けること 50分程。ようやく傾斜が緩んできたので、少しホッとする。
夏場は、こまめな水分補給が必須なので、休憩に適した良い場所があれば一休みしたいところである。緩んできた傾斜の先に、 休憩場所があることを願いつつ登り続ける。

そして、9時46分、ようやく少し平らな場所に登り着く。無論、登りはこれで終わりでは無く、 この場所の先にも斜面が待っている。
しかし、休憩に適している場所なので、迷わず休憩。
ここには写真のような標柱が立っている。標柱には場所名が書かれていないが、もしかしたら、ここは造林小屋跡なのかもしれない。

ただ、標柱には 『 聖平小屋まで 160分 』 と書かれている。
一方、地図では、造林小屋跡から聖平小屋まで 210分とある。
先程の 出会小屋跡では、地図ならびに標柱記載の聖平小屋まで時間がほぼイコールだったことを考えると、 ここは造林小屋跡ではないのかもしれない。

10分程休憩して、9時57分に出発する。
また斜面が待っているが、先程ほど急では無いのがありがたい。また、エネルギーを補給したので、足の進みも少し良くなってきている。
途中、樹林が切れた場所を通過する。上空を見ると、日は照っているものの、聖岳方面の山はガスで覆われている。

やがて、登山道の傍らに、滑車 ? が放置されているのを見つけた。
かつて、林業が盛んだった頃の名残と思われるが、同じ山域の笊ヶ岳 などにも山中に多くの機械が残されていたことを思うと、 日本全国の山々に、多くの金属類が放置されているに違いない。何とかならないだろうか。
高く売れるのなら、回収サービスという商売も成り立つのだが・・・。

道の方は、また写真のような緩やかな道が長く続くようになる。

先程の休憩から 50分程経過した頃、道を横切る沢が現れた。
ザックを下ろし、ペットボトルを取り出して水を飲むのが面倒だったので、ノドが渇いていても我慢していたのだが、こうした沢はありがたい。
水は冷たくて甘露。



聖岳 赤石岳 登山データ
上記登山のデータ 登山日:2013.8.14-16 天候:14日 晴れ後曇り、15日 晴れ、16日 快晴 単独行 日帰り
登山路:(1日目) 聖沢登山口−聖沢吊橋−造林小屋跡−吊橋−岩頭滝見台−聖平小屋(泊)、 (2日目) 聖平小屋−薊畑−小聖岳−前聖岳−聖兎ノコル−兎岳−小兎岳−中盛丸山−百間洞下降点−大沢岳−百間洞下降点−百間洞山の家(泊)、 (3日目) 百間洞山の家−百間平−馬ノ背−赤石岳−大倉尾根分岐−富士見平−赤石小屋−樺段−椹島
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−御殿場JCT−(新東名高速道)−新静岡IC−(県道27号線)− 玉機橋−(県道27号線)−上助−(県道27号線)−口坂本温泉−(県道27号線)−大日−(県道60号線)−井川ダム−(県道60号線)− 畑薙ダム臨時駐車場(車にて)−(バス)−聖沢登山口
交通復路:椹島−(バス)−畑薙ダム臨時駐車場−(県道60号線)−井川ダム−(県道60号線)− 富士見峠−(県道60号線)−(県道189号線)−上助−(県道27号線)−玉機橋−(県道27号線)−新静岡IC−(新東名高速道)−御殿場JCT− (東名高速道)−横浜IC −瀬谷(車にて)

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