住友化学
八丁堀に住友化学の東京本社が住友ツインビルにあるようです。八丁堀のB4出口から徒歩10分程度、茅場町1番出口から徒歩15分程度のようです。大阪本社は住友ビルにあるようです。

住友化学は有機ELの部材開発にも注力しており、2017年を目処に数十万回の折りたたみが可能な有機ELの構造材として、保護ガラス、偏光板、タッチセンサーパネルTSP、封止ガラス、有機EL、基材ガラスの構造に於いて有機ELを挟む封止ガラスと基材ガラス両方をバリアフィルムに置き換えるとともに、保護ガラスをウインドーフィルム(表面保護フィルム)、偏光板を液晶塗布型偏光板、TSPをフレキシブルTSPとして折りたたみ可能とし、更にウインドーフィルム、偏光板、TSPを統合した機能統合部材に置き換えるために、機能統合部材を開発しているようです。基材ガラスは旭硝子やコーニング(米)が供給していましたが、折りたたみ用フィルムは、カネカ、東レ、デュポン(米)、宇部興産グンゼなどが置き換えを狙っているようです。

有機ELを英文にすると、Organic Electro Luminesenceになりますが、欧米ではOLED:Organic Light Emitting Diodeといわれているようです。ちなみにパナソニックとSONYが合弁で作った有機ELの会社はJOLED(JapanOLED)というようです。

住友化学は、有機ELの印刷製法で用いる高分子型発光材をJOLEDに供給し、平成28年度中にも量産評価完了するとのことで、大阪工場で量産するようです。ちなみに、真空蒸着製法の低分子型発光材は、すでに総合化学関連各社が量産供給しているようです。

住友化学は印刷方式の有機ELにおいて発光素子形成の高精度化が可能な発光材料を開発したようで、50型より大きなパネルの製造コストが半減できるようで、平成31年から量産を開始しJOLEDやLGディスプレイへ供給するようです。真空蒸着方式の発光材料は、メルク(ドイツ)や出光興産が供給しているようです。

平成28年8月に住友化学はリチウムイオン2次電池セパレータの生産能力増強計画を従来より上積みすると発表し、大江工場(新居浜市)1億4000万平方メートル、建設中の韓国工場7000万平方メートルを増強し、テスラ自動車にリチウムイオン電池を供給しているパナソニックがネバダ工場の立ち上げを前倒しするのに間に合わせるとのこと。リチウムイオン電池セパレータでは旭化成東レなども増産しているようです。

住友化学は平成28年に、源薬工場の岐阜プラント(安八町)で作業改善にアシストスーツ(パナソニックグループ製AWN-03B)を導入したとのこと、今後も導入数を増やすとのことですが、消防法により防爆機能が必須のようです。

住友化学は平成29年に大阪工場で医薬品原料の製造受託を行っており、核酸医薬品ベンチャーのボナック(久留米市)へ追加出資を行い大日本住友製薬とも協力しているようです。核酸医薬分野では、日東電工が米国の拠点で製造受託、日本触媒が東大発ベンチャーに投資し製造受託に参入、富士フィルムもボナックに出資、味の素が平成28年にベンチャーを買収し製造受託に注力しているようですがファイザー(米国)が先行しており競争は厳しいようです。

住友化学は自動車タイヤ用の合成ゴムなどで有名なようです。合成ゴムでは日本ゼオンの川崎工場などがあるようです。合成ゴムではJSR旭化成なども有名なようですが、低燃費タイヤ用のS-SBR事業では、日本ゼオン住友化学と事業統合を行い、平成29年4月に新会社を設立するようです。

低燃費タイヤ向けS-SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)(平成29年計画含む)
旭化成 26.0万トン 国内13万トン、シンガポール13万トン 連続重合
JSR 22.0万トン 国内6万トン、タイ16万トン バッチ重合
ZSE 20.3万トン 国内6.3万トン、シンガポール14万トン バッチ重合
ZSE(ZSエラストマー)は、平成29年4月に日本ゼオンと住友化学が事業統合を行った会社です。

総合化学メーカ売上(平成28年度)
売上 前期比 純利益
三菱ケミカルHD 3兆3761億円 -4.7% 1563億円
住友化学 1兆9543億円 -7.0% 855億円
旭化成 1兆8830億円 -3.0% 1150億円
三井化学 1兆2123億円 -9.8% 648億円
東ソー 7430億円 -1.4% 757億円
平成28年度は、三菱ケミカルHDは国内2拠点でナフサクラッカーのトラブルに見舞われ、住友化学がサウジアラビアの持ち分会社ペトロ・ラービグ(石油化学コンビナート)のトラブルによって厳しい状況だったようです。なお、住友化学は平成29年度にはサムスンに3億枚供給する有機ELスマホのタッチパネル、有機EL-TV向け高分子発光材料、リチウムイオン電池用セパレータなどの売上増を期待しているようです。

住友化学はRER(ルネッサンス・エナジー・リサーチ(大阪市))と共同で、CO2分離膜の事業化を推進しており、平成29年には数台の分離装置を稼働させたようです。既存の化学吸着法は特殊な薬品を使用し、薬品再生のため高温水蒸気が必要でしたが、CO2分離膜を用いると排気ガスから50%のCO2を分離できるため、化学吸着法の負荷が軽減できるようです。ちなみにRERは平成22年ごろからNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)やAIST(産業総合技術研究所)とCO2分離膜を用いた受託案件をやっているようです。

住友化学は平成30年に、透明プラスチックのポリメタクリル酸メチル(PMMA)ベースに分子レベルで破壊挙動の解析を行い、軽くて剛性の高い樹脂を開発したとのことで、JIS R3212で定められる自動車の前面窓耐衝撃性試験を突破したようです。なお、内閣府の革新的研究開発プログラムの一環で理化学研究所、東京大学、大阪大学、九州大学、名古屋大学との連携研究の成果だそうです。