新丸の内ビル(旭硝子)

丸の内ビル(イビデン)
旭硝子AGCの本社は丸の内口から見て行幸通り右手の新丸の内ビルにあり受付は1階にあるようです。旭硝子はガラスカンパニー、電子カンパニー、化学品カンパニーや先進機能ガラス事業本部があるほか、中央研究所、関西工場(尼崎事業所)、関西工場(高砂事業所)、北九州事業所(北九州)、京浜工場(横浜鶴見)、千葉工場(市原)、愛知工場(武豊)、愛知工場(豊田)、鹿島工場(神栖)、相模工場(愛川)、大網白里鉱業所(大網白里)などがあるようです。旭硝子は明治40年9月8日(1907年)創立、昭和25年6月1日(1950年)設立で平成27年末に単体で5973名とのことです。

旭硝子は、平成30年7月1日に社名をAGCに変更するようです。ちなみに平成29年1月~6月の売上高は前年同期比10.4%増の6899億円、営業利益は23.6%増の492億円となったようですが、塩化ビニール樹脂やフッ素製品など硝子以外の分野の貢献が大きく、社名から硝子をはずすのに抵抗はないようです。なお、車載硝子では自動車メーカとのパイプが強く欧米自動車メーカの30車種にタッチパネル用硝子を納入したものの、液晶硝子分野ではコーニング52%に対し旭硝子は24%と苦戦しているようです。

液晶ガラスでは旭硝子、コーニング、サムスンコーニングプレシジョン、日本電気硝子等があるようです。特殊ガラスでは日本無線硝子なども有名なようです。

旭硝子の平成28年1月~3月期は北米や欧州で自動車や建設用ガラスが伸びたほか、米国で商業ビル用ガラス加工業の売却や欧州でガラス生産の人員削減などにより、液晶ガラス基板の価格が低迷したものの前年同期比で同等な160億円の営業益を確保したようです。建材用アルミサッシなどではYKK-APも有名なようです。

液晶ガラス基板はは中国メーカーの供給過剰による価格低下が続くものの、英国のEU離脱前(平成28年6月23日)の平成28年度予測では売上1兆4000億円、営業利益は750億円とのことでしたが、英国のEU離脱を受けて、レートを120円から108円にしたことなどで1兆2800億円に減るものの原油安などで、営業利益は840億円が見込めるとのこと。

旭硝子は、中国恵州市の工場に第11世代TFT液晶用硝子基板(3370mm×2940mm)の製造設備を構築し、平成30年末に稼働させるとのこと。生産した硝子基板は江蘇省昆山市や広東省深セン市の後工程工場で製品化してパネルメーカに販売するようです。ちなみにTFT液晶用硝子の拠点は中国に4拠点(旭硝子顕示玻璃(昆山、深セン、恵州)、旭硝子新型電子顕示玻璃(深セン))、韓国に2拠点(AGCディスプレイグラス(オチャン)、旭硝子ファインテクノ韓国)、台湾に1拠点(AGCディスプレイグラス(台湾))、国内に3拠点(AGCディスプレイグラス(米沢)、AGC旭硝子関西工場(尼崎事業場、高砂事業場))などがあるようです。

平成27年12月期
売上 営業利益 従業員数
日本・アジア 9163億円 980億円 30600名
欧州 3018億円 -18億円 16200名
米州 1548億円 45億円 4100名

一方ガラス大手の日本板硝子は、平成28年にはブラジルで自動車用ガラスが低迷し500億円の赤字を出したようです。ベトナムの薄板ガラス用の設備停止や中国子会社の結晶系太陽電池板ガラス事業からの撤退を決めたようです。10年前のピルキントン(英国)買収の影響が残っているのでしょうか。

旭硝子は自動車用ガラスのシェアが20%とのことで、平成27年11月から、日焼けの原因となる紫外線を99%カットするガラスを販売し、国内で採用車種を拡大しているとのことです。
一方、日本板硝子は、平成28年6月に、しわの原因となる長波長紫外線(380~400nm)を99%カットするガラスを開発したとのことで、競争が激化しているようです。
ちなみに、フロントガラスはコーティング剤で対応し、リアガラスは無機材料の添加物を調整し対応しているようです。自動車用ガラスの飛散防止フィルム飛散防止フィルムでは積水化学が有名なようです。

旭硝子は60万平方メートルの愛知工場で自動車用硝子350万台/年の生産を行っているようで、平成29年には精密プレス加工技術を導入したようです。精密加工は自動運転のカメラ画像のゆがみをなくしたり、フロントガラスへのディスプレイ画像投影などで要求が強まっており対応を強化したとのこと。もともとプレス加工は、日本板硝子が買収したピルキントン(英)が開発したようです。ちなみに愛知工場やベルギー工場ではガラス内蔵アンテナの評価用に大型の電波暗室が整備されているようです。自動車メーカーはEMC評価用に電波暗室を整備していますが、ガラスメーカにも普及してきたようです。

板ガラス売上(2015年)
平成27年度売上 硝子 建築用
硝子
自動車用硝子 高機能
硝子
電子部品 化成品他
旭硝子 1兆3263億円 52% 22% 26%
日本板硝子 6292億円 42% 50% 8% 0.1%
セントラル硝子 2354億円 65% 35%

素板硝子製造設備の生産能力(2015年推定)
推定能力
旭硝子 鹿島工場(神栖市) 建築 850トン/日
愛知工場(武豊町) 自動車 700トン/日
日本板硝子 千葉事業場(市原市) 建築 1000トン/日
舞鶴事業場(舞鶴市) 自動車 500トン/日
セントラル硝子 松阪工場(松阪市) 自動車 500トン/日
堺製造所(堺市) 建築 600トン/日

旭硝子は平成28年12月に化学大手のソルベイ(ベルギー)子会社ビニタイ(タイ)を約500億円で買収し、東南アジアでの拡販をするとのことです。ビニタイは平成27年度の売上げが約530億円(約166億バーツ)のようです。なお平成26年にはベトナムで現地の塩ビ樹脂企業を買収したようです。

旭硝子は平成29年3月にスマホやタッチパネル用の硝子をコーティングするフッ素系コーティング材の販売を開始したようです。コーティング材は耐摩耗性、防汚性、撥水性が高いとのことで、今後防湿性や防水性も高めた製品開発を予定しているようです。

旭硝子は硝子や液晶用硝子の売上げが減少し、平成18年に1兆6205億円だった売上げが、平成27年には1兆3262億円となり、塩化ビニールやフッ素樹脂などの化学品を伸ばしており塩ビ樹脂のビニタイ(タイ)を335億円で買収し、さらに医療関係への投資を急いでおり、バイオ医薬品の開発生産するCMCバイオロジックス(デンマーク)を600億円で買収したようです。なお、バイオ医薬品では国内の東洋紡、富士フィルム三菱ガス化学なども積極投資しているようです。

旭硝子は、平成12年に開発した太陽電池セルを内蔵した窓ガラスで15.6cm2で2~4WHの発電能力を有するサンジュールを拡販するようで、平成29年から香港やシンガポールでの販売を強化するようです。

旭硝子は、3Dシステムズ(アメリカ)が販売する3Dプリンタで使用可能な、鋳造用鋳型材料(ブライトーブ:粒径0.1mm以下の耐火性鋳物砂を硬化させるアルミナセメントの無機バインダーで1600℃でも高い寸法精度を維持)の工場を関西工場高砂製作所に新設するようで、AGCセラミックスが建設し平成30年春頃に稼働させるようです。

イビデンは大垣に本社や工場がいっぱいあるようです。揖斐川電工とかいっていた頃とは違いプリント配線板(PCB、PWB、プリント板)やICの配線なども手がけています。イビデン東京支社は東京駅丸の内口側から見て行幸通り左手の丸の内ビル29階にあるようです。

旭硝子は平成30年7月1日から社名をAGCに変更したようです。