槍ヶ岳 ( 槍ヶ岳:3,180m ) 2014.9.26-27 登山



【PHOTO & 記録 槍ヶ岳 4】

 

道は飛騨沢カールの縁を進むようになる。
暫く灌木帯の中を進むと、やがて前方が開け、稜線まで続くカール地形と、その先に槍ヶ岳山荘が見えてきたのだった。
黄金色に染まる草地とハイマツの緑、そこに灰色の岩が混ざっている斜面に、青空のバックが加わり、素晴らしい光景である。

こうなるとテンションがグッと上がり、疲れも吹き飛ぶが、 カールには時折ガスが漂い、山荘を隠してしまう。
従って、またまた笠ヶ岳 杓子平の状況が思い出される。これ以上ガスが拡がらないことを祈るばかりである。

なお、事前に読んだガイドブックには、 この辺から槍ヶ岳が見え始めるとあったが、 どうしても槍ヶ岳を見つけられない。24年前のガイドブックであるため、 今はルートが変わったのだろうか。

道は灌木帯を抜け、カールの中に入る。
振り返れば、笠ヶ岳から抜戸岳、 大ノマ岳へと続く稜線が見えるようになってきているが、残念ながら ほぼガスの中。
ただ、不思議なことに、 抜戸岳付近だけはその姿を見せてくれている。

暫く登っていくと、救急箱のある千丈乗越分岐に到着。時刻は 12時15分。
左手を見ると、千丈乗越に向かう斜面に人が見えるが、ここはまっすぐに進んで飛騨乗越を目指す。
この分岐にて暫し休憩。

10分程休憩した後、先へと進む。
先程も述べたように、カールには時折ガスが流れ、稜線上の槍ヶ岳山荘、そしてカール全体を覆うことがあるが、 総じて見通しは良い。
午後になってもこのような状況にあるのは嬉しい限りで、 先般の笠ヶ岳 杓子平のような状態になっていないのが嬉しい。

心配は、先程も述べたように、 奥丸山へと続く稜線やその後方の笠ヶ岳に通ずる稜線が、 既にガスに飲み込まれてしまっているため、今後、ガスがこちらまで上がってこないことかということである。
周囲が見える内に、できるだけ写真を撮りながら登る。

茶色、黄金色、そして部分的に赤色に染まった斜面をジグザグに登る。
斜面には上記の色に加え、ハイマツの緑、岩の灰色が散らばっており、その先には青い空、白い雲が見え、 『 美しい 』 の一言である。

高度を上げて振り返れば、千丈乗越から奥丸山へと繋がる尾根がガスの中に見え、 その斜面が秋色に染まっていて美しい。
下方部分は、紅葉全盛期にはまだ早いのかも知れないが、この景色を見ることができただけでも大満足である。

一方、この斜面の登りは大変キツい。
特に、目先に槍ヶ岳山荘が見えているにも拘わらず、登っても登っても 稜線が近づいてこないのが辛い。
先程の千丈乗越分岐において一緒になった人に追い付き、稜線の遠さをお互いに嘆き合う。

岩がゴロゴロしている道を登る。
道にはピンクテープが付けられた棒が頻繁に立てられており、道もしっかりと整備されているので、 例えガスに巻かれても迷うことはない。
息を切らせつつも、黙々と登り続ける。

周辺に色づいた草が少なくなり、岩だらけの斜面に入ると、 高度がかなり上がって来たためであろうか、嬉しいことに西鎌尾根の向こうに 鷲羽岳水晶岳 (黒岳) が見えてくる。
さらには、やがてガスが流れて、鷲羽岳の後方に 薬師岳も見えるようになり、 その左手前には三俣蓮華岳も見えている。
この斜面の登りでバテバテであったが、この光景に元気をもらう。

写真では、一番右の山が水晶岳。 その左の山が鷲羽岳で、鷲羽岳の左後方には北薬師岳、 薬師岳が並んでいる。
北薬師岳の手前に見える山は、祖父岳である。
また、鷲羽岳から左へと続く稜線の先には、 三俣蓮華岳が見えている (写真ではちょん切れているが)

長かった登りも、漸く稜線上に飛騨乗越を示すと思しき標示板が見えるようになる。
しかし、稜線に登り着くにはまだ少し距離がある。
3,000mの標識を 13時57分に通過。
そして飛騨乗越には 14時丁度に登り着いたのだった。

ここからは、飛騨沢カールとは反対側、 東側の景色が見えるようになる。
まずは、ピラミッド型をした常念岳 の姿が目に飛び込んでくる。 この東側は全くガスが発生していないようである。

なお、写真では、常念岳から左に下る尾根の鞍部が常念乗越。
常念岳の手前にも稜線が見えるが、それが喜作新道のある尾根で、 ちょうど常念乗越の手前に見えているピークが西岳である。
その西岳の右下には赤い屋根のヒュッテ大槍が見え、そこからこちらに延びてきている尾根が東鎌尾根となる。



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