槍ヶ岳 ( 槍ヶ岳:3,180m ) 2014.9.26-27 登山



【PHOTO & 記録 槍ヶ岳 2】

 

急な登りは最初だけ、後はほぼ平坦、あるいは緩やかな勾配の山道が続く。
足下には大きな石が敷かれており、それが濡れていて滑りやすく、少し歩き辛い。しかし、急登ではない上に、 笠ヶ岳、 抜戸岳が左手樹林越しに時折見え、なかなか気分が良い。

勾配は徐々にキツくなるものの、息が切れる程のものではなく、 軽快に登っていくことができる。
途中、涸れ沢、あるいは小沢を 3つ程横切るが、最初がブドウ谷、最後がチビ谷であろう。

やがて、水の流れが大きな音を立てている滝谷出合に到着。時刻は 8時41分。
ここは広い河原になっており、水が右の滝谷から右俣谷へと流れ込んでいる。本日の水量は少ないようである。
角材で作られた橋を渡り、日当たりの良い場所を選んで暫し休憩することにする。
この滝谷出合では、多くの人が休憩している。

休憩しながら対岸を振り返れば、滝谷避難小屋が樹林の中に見えている。
また、西を見れば、錫杖岳、大木場ノ辻が見える。
残念ながら、東側、滝谷の上流方面は、滝谷ドームの上に丁度 太陽があり、逆光になっていてよく見ることができない。

写真は、右俣谷の流れ。右側より滝谷からの流れが合流している。

こちらは、西の錫杖岳 (写真 真ん中) と 大木場ノ辻 (写真 左)
先日 クリヤ谷を下ったばかりなので、親しみが湧く。

8時57分、滝谷出合を出発する。
すぐに藤木レリーフ、そしてその先から勾配は結構 急になる。
足下は相変わらず石が敷き詰められたようになっており、少し歩きにくい。

左手前方を見れば、右俣谷もかなり詰まってきたようで、 紅葉の斜面に、河原が白く細く、稜線へと登っているのが見える。
登山道周辺もかなり色づいてきており、さらには右俣谷対岸を見れば、奥丸山へと続く峰の斜面が濃緑色、黄緑、黄色、赤と彩り鮮やかである。

また、振り返れば、 滝谷出合では逆光でよく見えなかった滝谷ドームが樹林越しによく見える。

周囲の彩りがさらに鮮やかになってくると、やがて道は南沢を横切ることになる。
本日、全く水は見られず伏流水になっているようだが、降雨時はかなりの流れになるらしい。

振り返れば、先程の滝谷ドームに加え、その右に涸沢岳が見えるようになり、 さらには涸沢岳の右下手前には蒲田富士の姿も見えている。

こちらがその滝谷ドーム、涸沢岳方面。
2012年に奥穂高岳に登った際には、 涸沢岳から北穂高岳間の後半部分はほとんどガスの中であったため、 屹立する岩峰に、どれが滝谷ドームなのか あまり確信が持てなかったのだった。
本日、こうして下から滝谷ドームを見上げると、その存在感に驚かされる。

暫しその姿に見入っていると、ふと 井上 靖の小説 『 氷壁 』 において、 主人公の 魚津が最後に目指したのは滝谷だったことを思い出した。

大きな倒木の下を潜り、再び樹林帯の中を進む。
周囲は徐々に紅葉の度合いを増し始めてきている。

暫く進んで行くと、足下に木道が現れ、槍平小屋が近いことを知る。
やがて、樹林帯を抜け出し、周囲の展望が開け始める。
足下近くには水が流れ、前方には千丈(沢)乗越へと続くと思われる稜線が見える。そして、その山肌には緑の他、赤や黄色が目立ってきている。
登山道周辺においても秋色が一段と濃くなってきたな と思え始めた頃、槍平小屋に到着。時刻は 9時47分。



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